例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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過去一くだらない真相、そして呼び起こされるトラウマ

「申し訳ありませんでした」

 

縄で縛られてからホシノのサンドバッグにされた彼は元から弱っていたからかすっかりと意気消沈してしまっていた。

 

「小生は唯暇だったので一緒に遊んで欲しかっただけなんです。あわよくばキャンペーンで審理の探求をしたかっただけで…」

 

「シャーレを爆破する、といったメールは何故送ったのですか?」

 

「その場のノリとシャーレの先生が未知数で万が一黒服が協力関係を結んでいる可能性があるとしたら動きを封じておいたほうが良いと思って…まあ、その判断は間違っていなかったと思いますがね。何ですかあれは。今までどのようにあれと接してきたのですか?」

 

「ホシノ」

 

「うん」

 

質問責めしてくる彼を黙らせる為に盾で顔面を殴打した。ゴンッ!! と鈍い音が部屋に響いて頭を振り悶えている彼の頭を掴んで「質問は受け付けておりません。余計な事を言ったらホシノにしばいて貰いますので」と伝えた。

 

「ヒィ!! ホルスを利用して脅すとはあまりにも酷い!! というかどうやって従えて…」

 

「ホシノ」

 

「わ、分かりました!! 小生に答えられる事なら何でも答えるので勘弁してくださいぃ!!」

 

盾殴打が効いたのか或いは睨むホシノの圧に負けたのかすっかりと従順になっていた。

 

「良い返事ですね。では私に迷惑メールを送ってから今に至るまで何が起きたのかを事細かにお話して頂きましょうか?」

 

「は、はぃ!!」

 

「あ、私は興味ないからちょっと離れてるね」

 

 

黒服に1000通のメールを送り返信がなかった時点でシャーレを爆破しようとした時、一人のゲマトリアが訪ねてきました。もう一人の黒服…自らを『ファーザー』と名乗る不審者でしたがどうやら別世界と繋がりが生まれているらしく二人の黒服にメッセージを送ってしまっていたようで…彼は私に手を差し伸べてこう言いました。「こうして出会ったのも何かの縁です。私と貴方で共に崇高を求めていきましょう」と。あの黒服が小生と共に崇高を求めようとしている姿勢に思わず舞い上がりそうになりました。そうしてこちらの黒服…貴方に置手紙を残して新しいキャンペーンを始める…その筈だったのです。あちらの黒服は「もう一人同志がいる、私は準備があるので一度その方と親交を深めて頂ければ、と小生とその人…シャーレの先生を残して黒服はその場を去りました。未知数の存在と対面し話す機会はとても貴重な経験だと当時は考えておりました。

「"君のいうキャンペーンってさ、その心理を追求するのが目的なんだよね?"」

「え、ええ。勿論その過程を愉しむのも目的ではありますが大まかには…」

「"それならさ、いっそキヴォトス全てを手中に収めるってのはどう? キャンペーンを遂げた報酬は非常に大きくしないと。それに全部を好きなように出来たら崇高満たし放題心理追求し放題。魅力的だと思わない?"」

悪い笑顔でそう問いかけてくる先生の提案に耳を貸してしまい小生は叫びながらその手を握ってしまいました。あの時の最適解は踵を返して関わる事をやめるのが一番だったと言わざるを得ません。それからというものベアトリーチェという好みでない年増の女の服をひたすら破く作業を任されました。…ええ。異常でしょう? それは理解していたのです。然し逆らえば『大人のカード』というチートアイテムで脅してくる…つい先程黒服が戻ってくるまでずっとベアトリーチェの服を…二人が更に奥の部屋に行き一人になるまで耐えられていましたがもう限界です。精神が崩壊した私は部屋の片隅に座って震えておりました。

 

 

「小生がここに至るまでの過程は以上です」

 

「ふむ。まさかシャーレの先生すらも絡んでいるとは…変態の2乗は恐ろしいですね」

 

こういう話を聞くと少なからず彼にも同情の余地はあるのかもしれない、と思い始めてしまう。シャーレの爆破も未遂に終わっているのでただ変態二人に振り回されただけ…であれば数年は許されないが近い将来彼も無害になる事があるのかも…とは考えるが恐らくないであろう。

 

「お話終わった?」

 

「ええ、終わりましたよ」

 

離脱していたホシノを撫でつつ「彼が話している間何をしていたのですか?」と聞いた。

 

「『ベアさんを脱がしてる人とシャーレを爆破するって言ってた愉快犯を見つけたよ』ってヒナと先輩に連絡したんだ」

 

「…それで返事は?」

 

「『すぐに行く』って。あ、もう来てるよ」

 

後ろから殺意を感じたので振り向くと手袋を伸ばして角を異常に光らせたヒナと目を見開いて盾をその辺に投げ捨てるユメの二人が居た。

 

「そいつがマザーの服を破いている人?」

「そいつがシャーレを爆破する宣言したの?」

 

「ええ、そうで…」

 

言い終える前に真横を風が通り抜ける。視界に捉えられない程の速度で彼に近づいて全力で顔面を殴り始めるユメ。鬼気迫る表情で唯無我夢中に拳を振りかざしている。ガン、ガンと手に黒い血が付着しようとも彼女は止まらない。

 

お前が…お前さえ居なければ!! 返して!! 返してよ!! 後輩を、先生を、私の幸せを!! 返せぇぇぇぇぇぇぇ!!

 

初めて邂逅した際の不安定な彼女に戻ってしまったように取り乱し涙を流してやるせない気持ちを全てぶつけていた。…どうやらシャーレの爆破、という単語は彼女にとっての地雷だったのだろう。絶句していたホシノが我に返り声をかけるまでひたすら殴り続けていた。

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