例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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はっぴーはっぴーわっぴーエンド

今朝、トリニティを見て回っているマエストロは喫茶店に寄りコーヒーを飲みながら登校する生徒達を見守っていた。救護騎士団、シスターフッド、正義実現委員会…それぞれ何がとは言えないが大きい生徒がいるので見守らなければならない。

 

そんな中笑顔でハルナと手錠を繋ぎ物理的に離れられなくなったナギサが通った際、コーヒーを噴き出してしまった。動揺しつつも彼女に声をかけてどうなっているのかを問い詰めた。

 

「どうって…ハルナさんを私好みに教育しようとしているだけですよ」

 

「そうやって自分の感情を押し付けるのはやめろと注意したつもりだったのだが」

 

「よく考えたらハルナさんってテロリストなんですよ。犯罪者に遠慮をする必要ってありますか?」

 

「それは…まあ、一理あるかもしれないが…」

 

「心配しなくても大丈夫です。最低限ハルナさんが困らないように毎食ロールケーキにするのはやめてハルナさんが満足出来るような食事は提供します。それともう犯罪を犯さないように徹底的に教育を叩き込む予定です」

 

「そ、そうか…まあその、なんだ…仲良くな?」

 

「はい♡」

 

あれで良かったのだろうか…? ただテロリストなら致し方ないのか…? と頭を悩ませていると今度は別の生徒が背中に抱き着いてきた。

 

「マエストロ先生!! 助けて!! もういじめとかしないからあれをどうにかしてぇ!!」

 

「お、おい急になんだって言うんだ…」

 

「ぐっへへぇのへぇ~!! 可愛い可愛いお嬢ちゃん~逃げずに私の胸に飛び込んでおいで~!! 二度といじめなんてしなくなるまで甘やかしてあげますよぉ~⤴」

 

「………」

 

「おやマエストロ、貴女の後ろにいる生徒は名簿に載っている女の子ですよ? 契約を交わしたのですから私に差し出しグェボォ!?」

 

つい勢い良くババアの顔面を殴ってしまった。本当はもう少し殴っておこうと思っていたが顔を殴って満足してしまった。その結果ヒナの怒りスイッチを踏まない程度に留められたので良しとしよう。

 

「な、何するんですかマエストロ!? 貴方が用意した名簿に載っている子以外には手を出していませんよ!?」

 

「この名簿の事だろう? 生憎これはセイアが偽って用意したもので私は関与していない」

 

「……なんですって?」

 

「私はお前と違い生徒を売る行為はしないんだ」

 

「それは違うんですマエストロ。百合の花は美しいのですよ? 綺麗に咲かせられるのであればそのように導くのは教師として当然です」

 

「随分とくすんだ色の百合が咲きそうだな。とにかくこの名簿は無効だ」

 

「そうですか…致し方ないですね。とはいえその子で最後なのでどうせなら教育させてくれませんか?」

 

「は?」

 

名簿を見ると数百人の名前が載っているが…あと一人だと? こいつ生徒の事になると行動が早すぎるだろ…

 

「やめろ。彼女自身の口から「もういじめはしない」と言った以上それを信用してやるのが大人の仕事だ」

 

「何をクソ真面目に言っているのですか? 身体に叩き込まないといじめはすぐに勃発しますよ」

 

「そう言って手を出したいだけだろうが。これ以上迷惑をかけるなら本気で殴るぞ」

 

「トリニティから陰湿ないじめを無くせばもっと美しい学園になると思います。その子さえ教育が終われば平和な学園になってもしかしたら百合の花が咲き乱れる可能性だってあるんですよ?」

 

「いじめが無くなり美しくなるのは概ね同意するがここまで強引に…それにそれを認めてしまえばお前が生徒に手を出すのを認めた事にもなりかねん…」

 

「私はこのやり方でゲヘナから争いをなくし皆から愛される存在になりました。これは正攻法なのです」

 

「ハルナはマダムの事を嫌いだと言っていたぞ」

 

変な事をずっと言っているマダムにそう伝えた途端彼女は固まった。そして数秒後、体育座りで滅茶苦茶落ち込んでいた。まあ自業自得ではあるが…とりあえず背中に隠していた生徒を逃がしてからマダムに労いの言葉をかける。

 

「今からでもハルナに謝罪した方が良いと思うが」

 

「…いえ、もういいのです。私のミスでした…私がバカでした…」

 

「そうだな」

 

自覚があるようで何よりだ、とまで言いたかったもののヒナが怒るかもしれないので自重した。嫌われる事が分かっていた上で交渉したのではなかったのか…目先の利益に目が眩んだのだろう。そのままヒナに抱きかかえられて(慎重さがありすぎるのでどうやったのかは分らんが)マダムは去っていった。

 

これで終わり…でいいのだろうか? 本当にこんな終わりで…? 本当に名簿に書かれた生徒以外には手を出していないのか…? ダメだ、こういう時はユメの胸に顔を埋めて落ち着きたい。

 

「結局マエストロ先生も欲望に忠実な存在になり果ててしまったんだね」

 

「…セイア、お前は暫く反省部屋にいてくれ」

 

「な、何故だい!?」

 

「トリニティの為とはいえ偽装した名簿をマダムに渡した事、逆走して様々な人に迷惑をかけた事。流石に看過出来ないな」

 

「…まあ、可愛い生徒がやってしまった行いだと思えば多少は目を瞑ってくれてもいいんじゃないかい?」

 

「許容範囲を超えているから駄目だ」

 

その後セイアを反省室に連れて行った後、家に帰るもユメはまだ帰ってきていなかったので近くで絵を描いていたワイルドハントの生徒の胸に顔を埋めて魔力を補給しておいた。

 

その後アビドスから帰ってきたユメにビンタされた

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