例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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ホシノ、本格的に焦る

「『甘えたいけど人前でイチャイチャするのは恥ずかしい、でも他の子の匂いがするのは耐えられない』?」

 

「うん、どうにかしてヒナ!!」

 

アビドスから全力疾走してゲヘナへ行き彼女目線でイチャイチャ耐性激つよの頼れる存在であるヒナに自身の弱さを改善してほしいと頼んでいた。…実はここだけの話、このやり取りもかれこれ12回程繰り返している。それでも改善されないほどホシノの恋愛耐性はクソ雑魚。それだけなら全生徒の中で一番弱い、ユメにすら負ける。

 

「いつも頼ってくれるのは嬉しいけれど…あまりにも弱すぎると鍛える以前の問題なのよね…」

 

「そこをなんとか…」

 

「結構出来る事はやってきたと思うのだけど…殆ど効果はなかったし…困ったわね…あ、それなら私とマザーが目の前でイチャつくからそれを参考にしてみるのはどう?」

 

「参考にならないと思うけど…一応やってみてほしいな」

 

「分かったわ。ちょっと呼んでくるわね」

 

翼を揺らしながら部屋から出て行ったヒナは数分後にベア先生と大きめのベッドを持って雑に投げるように置いた。

 

「おやおや今日は積極的ですねヒナ。ですがお待ちください、今『全人類脳内ベアトリーチェ計画』を行っている最中ですのでそんなに…えっあっちょっとヒナいきなりそんな…流石にホシノが見ている前でそこまでは出来な…ヒ、ヒナ? ヒナ!?」

 

…ヒナは凄かった。言葉にすると酷くなるので言えないもののとにかく凄かった。数十分色々として干からびたベア先生の上に座り「どうだった?」と事後のヒナは聞いてくる。

 

「ヒナさん、何も参考になりません」

 

「そうよね」

 

「あと服を着て? 隠す努力をして?」

 

「私の身体は前に見たでしょ? 今更恥ずかしがる事はないわ」

 

「それはそうだけど服は着よう?」

 

ホシノは頭を回転させて考える。「え、人前で裸になっても動じないくらいじゃないと耐性つかないの?」と思ったがその答えは間違っている。普通は恥ずかしい、とても恥ずかしい。大事な友人と最愛の人に囲まれている環境だからこそ堂々としているだけでここにほかの生徒が居たら恥ずかしさで翼で隠してしゃがみ込むだろう。

 

「言っておくけどこれは参考にしないで。あくまで私流だしそもそも人前でこんな行為に及ぶ必要はないわ」

 

「そ、そうだよね…」

 

「人前でやるなら腕に抱きつく、手を繋ぐ、膝に座るくらいかしら。この辺りで慣れていくのが一番…」

 

「そ、そんなえっちな事は出来ないよ!?」

 

「えっ」

 

「え」

 

………

 

「えっ腕に抱きつくのとかってえっちな事じゃないの!?」

 

「違うわよ…いい、えっちというのは……」

 

「……う、うへぇ!? 先生と時々夜にしてるあれがえっちな事なの!?」

 

「それくらい知ってなさいよ…それにさっき見せたのもえっちな事よ」

 

「じ、じゃあ私がダメって注意してた腕に抱きつくのも正面から抱き着くのも健全なの…?」

 

「それは賛否あるわね。無垢な子ならセーフで確信犯ならアウトって感じよ」

 

「そうなんだ…それなら腕に抱き着くのは許しても…ううんダメ、先生は私だけのものだから許しちゃいけない…」

 

「それなら耐性を上げるしかないわね。ホシノ、これは戦争よ。マザー曰く「男の心は移り変わるもの、マエストロが巨乳に目がないのが良い証拠です。あいつ目がないけど」と言ってたわ。今後もし花嫁修業をしてて母性のある魅力的な生徒が現れた時に心が移り変わる可能性だってある。…頑張りましょう」

 

「…う、うん。頑張るね」

 

誤解を解いた後も結局独占欲が消えないホシノとそれを手伝うヒナのスパルタ教育が始まった。

 

「さあホシノ、マザーに触手トラップを用意してもらったわ。飛び込みなさい」

 

「いやいやいや!! 絶対関係ないよね!?」

 

「一番奥に黒服先生の写真を入れてあるわ」

 

「行ってくる」

 

ある日は触手にもみくちゃにされたり…

 

「ホシノ、今度はVRってものをミレニアムから借りてきたわ。これをつけてVR黒服先生とイチャイチャして慣れなさい」

 

「いくらなんでもVRの先生なんて練習にならな…きゅう…///」

 

ゲームの黒服にすら負けたり…

 

「ホシノ、ここに黒服先生のマネキンを用意したわ。抱きつく練習をしなさい」

 

「え、えっと…じゃあ右腕に…」

 

「正面からいきなさい」

 

「う、うへぇ…///」

 

マネキンにすら敗北していた。尚この特訓は全て3時間で行われた為ちゃんと夕方にはアビドスに帰ってこれていた。黒服先生の部屋に行くと彼は椅子に座り待っていてくれた。

 

「おやホシノ、お帰りなさい」

 

「た、ただいま。…うっお酒臭い…」

 

「申し訳ありません、彼女の愚痴に付き合っていたらつい流れで」

 

黒服の目線の先にはワインボトルを持って眠りについているユメ先生の姿が。後程聞いた話だとマエストロ先生が若い生徒を家に連れ込んで胸に顔を埋めていたらしく少しの間だけ怒ってしまっているのだとか。娘も連れてきているらしく今会議室でアリス達と遊んでいるのだそう。

 

…正直それよりもホシノは目の前の出来事に集中していた。勇気を出して彼の膝に向かい合う形で座り抱きついてみる。不思議と暖かい。幸せな気分になっていく、そんなハグをシロコがポップコーンを食べながら見ていた。恥ずかしくなって離れようとするも何故か先生の力が強くほどけない為「うへ…///」と諦めて抱かれて過ごした。

 

 

 

 

恋愛耐性が1だけ上がった

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