私は現状にとても焦っている。自身の甘える事に対する耐性があまりにも低すぎるという事実に。ヒナのえっ…そういう行為を見て猶更焦り始めた。先生に人前で抱きしめられるだけで爆発しそうになって身体が急に強化されてグルグルパンチで全てを滅ぼしかねなくなるのは本当に宜しくない。
結婚前はそこまで耐性が低かったわけでもなく普通に抱き合って…はいないので控えめなスキンシップくらいだった。ちゃんと意識し始めたのは『大切な人』云々って先生に言われてからで…それも随分前で…
「ホシノ?」
「ぴぇ///」
突然話しかけられて思い出したけれどシロコちゃんの前で抱きしめられてるんだった…ああまた意識が…ううん駄目だよ小鳥遊ホシノ!! ここで気絶したら折角さっき上がった耐性…みたいなのが下がっちゃうかもしれない。ここは大胆にもっとぎゅってして…
「ホシノ先輩、まーた黒服といちゃついてるの? 無糖コーヒーの在庫ないんだけど」
「ぴ、ぴぇぇ!!///」
シロコちゃんだけじゃなくセリカちゃんまで!? と、ちょっと耐えられない!! 先生から離れた…先生の力が離れられない!? どうして!? こういう時って先生側を押し倒して「うへっ責任とってねー♡」とかやる感じじゃないの!?
※ん、一般メインヒロインからの補足。ホシノ先輩は力を込めて引き離そうとしていると思っているけど実際は全然力を入れてなくて全てを黒服に委ねてる。体は黒服を求めているから引き離すって脳の処理を受け入れられない。要約するとバカップル
何か聞こえた気がするけどとりあえず先生から離れないと…!!
「ホシノ? 急に動き始めてどうしました?」
「恥ずかしいから離れたいけど先生の力が強くて離れられない…」
「私の力がホシノを上回るとは天文学的な確率ですが、やはりこの状況が貴女をそうさせているようですね。であれば…」
「うへっ!?」
先生は更に私を密着させるように抱きしめてくる。じんわりと暖かくなってくるその感覚に抗えず抱き返そうとしたが後ろから『カシャ』と何かを撮ったような音が聞こえてきた。
「ん、メス顔のホシノ先輩が写った写真が撮れた。これで全国のホシノ先輩が大好きなロリコンと死刑囚達に売ってまた砂狼ランドを再建する」
「うわぁ…シロコ先輩って本当に命知らずなのね…どうするのよあれ、般若みたいな顔になってるんだけど」
「ん、私はメインヒロインだから許され…なさそうだね。じゃあ逃げるね」
「待てこらシロコちゃん!!」
私は怒りが頂点に達し本気でシロコちゃんを消し炭にする勢いで追いかけまわした。
ホシノを抱きしめていたらシロコにちょっかいをかけられて命の取り合いに発展する追いかけっこをし始めたので呆気に取られていた。コーヒーを飲んでいたセリカに「あんたらいつもいちゃついているわね」と言われたが「ホシノは私にとって娘みたいなものなので」と返す。それを聞いたセリカは苦そうな顔で「娘と結婚する人間なんて聞いた事ないわよ」と言ってくる。それもそうだとは思ったものの結婚したのはホシノを手放したくないからであり決して他の奴に誑かされて欲しくないからという正当な理由がある。
…と開き直っていたらユメ先生がひょこっと顔を出して「あ、いたいた」と声をかけてきた。
「おや、まだマエストロとはまだ和解していないのですね」
「うん。あの人まだ若い子のおっぱいに夢中で…」
「そこまでいくとゲマトリアとして、というよりも人として少し…いえかなり異常な気がしますね。相変わらずの居乳狂いなようで…」
「まあ、私がそうなるようにしちゃったみたいだし…本当は胸以外にも注目して欲しいな、とは思うけどね。家にいてもずっとおっぱいの事ばかり…」
「申し訳ありませんがそれ以上は彼の名誉に関わるので口にするのは控えましょう」
既に手遅れでありもうマエストロの名誉はボロボロだが正直居乳狂いの話は聞きたくない。その意図をくみ取ってくれたのかユメは声を抑えて「そうだね」と言って近づいてくる。
「それでさ、マエストロ先生の事を考えていたら思い出したものがあって…ちゃんと感謝を伝えられてないなって」
「? 既に何度か感謝の言葉は受け取っていますが」
「そ、そうじゃなくて…とりあえずじっとしてて」
「え、ええ」
そう言うと彼女の顔が近づいてきて頬に手を当てられそのまま………をされた。あまりに突然の出来事だった為傍観していたセリカも缶コーヒーをこぼしていた。
「…何をしているのですか?」
「感謝を伝えただけだけど…」
「普通はこういう行為を行う場合恋人以上の親密な関係にしかしないと思いますが」
「え? でもマエストロ先生は「異性とはこうやって感謝を伝え合うんだ」って言ってたよ」
「…」
頭を抱えた。欲望に従順なマエストロによって目の前の女性は汚されているようだ。致し方ないのでセリカも巻き込み授業を行い先程の行為が物凄く親しい仲の相手にしかやらないような行為であると理解していくとユメは「あっ…///あぅ…///」と狼狽えて恥ずかしがっていた。やはりユメという存在である以上悪い大人に騙されてしまうのは変わらないのかもしれない…
ナニをしたのかは想像してみましょう。
何をしてても絵面は最悪です