「アビドスと百鬼夜行で大規模な祭りをやろう!!」
かなり盛り上がってしまったゲーム大会を終えて一息ついた頃、広めの会議室でホワイトボードの前に立ったアヤメがそう発した。
「それはまた急ですね。その提案をするに至った経緯を伺っても良いですか?」
「勿論!! 最近ずっと黒先とホシノさんににお世話になっているから恩返し!! …って大層なものじゃないけど何か出来たらなって思って。調べたらアビドスも昔『砂祭』って大規模なお祭りをやってたっぽくて。幸いにも百鬼夜行にはお祭り運営の達人みたいな委員会があるからその子達と話して「やっちゃおう!! ってなって…あとはホシノさんか黒先の承認次第なんだ」
「既にそこまで話が進んでいるとは…お早いですね」
「つい盛り上がっちゃって…場所とかについては許可をもらってから考えようと思ってるけど…どうかな?」
「私は構いませんよ。随分と面白くなりそうなのではないでしょうか。ホシノは如何でしょう?」
ふと膝に座っていたホシノに目線を向けると泡を吹いて倒れていた。そういえばさっき膝に乗せるときに「ぴぇ」と鳴いていた気がする。致し方ない。
「ホシノ、起きないとまた夜のトレーニングをしますよ」
「……それだけは嫌だぁ!!!???!!??」
余程30分スクワットが効いたのかあっさりと起き上がったホシノに改めてアヤメの話を聞かせようとした所周囲の目線が痛々しい。
「どうしました?」
「えっいや…あんた自分が何言ったかわかってるの?」
「何、とは?」
「生徒の前で『夜のトレーニング』なんて言ってんじゃないわよ!!」
「そ、そうですよ!! ホシノ先輩と黒服先生がずっと学校内でイチャイチャしているだけでも口の中が甘くなってきついのにプライベートのいちゃつきまで言わないでください!!」
「うんうん、愛が深いのは良いですね☆」
「ホシノちゃんとそんな…えっちだよ!!」
「夜のとれーにんぐとはなんですの?」
「き、筋トレとかじゃないかなぁ…アハハ…」
「違うよ、ねぎまを焼く過酷な修行の事だよ」
「反吐乙、私がマエストロ先生とヤッてる行為だから」
「…閃いた、この発言は次のゲーム制作に活かせるかもしれない!!」
「アリス、余計な事を学習しないでください」
「…理解不能。ですが私の知る先生に類似づる発言がありました」
「…黒服先生、ホシノちゃんを大切にしてるのは伝わるけど一旦シャーレの特権で反省部屋に入れていい?」
「…嗚呼」
皆から言われてようやく夜のトレーニングという発言に問題があるのだと理解して誤解を解く為Blu-rayの箱と内容を見せるも「これを夜にやらせるのもどうなの…?」という反応をされて困惑した。
「とりあえず話を戻すと…ホシノさんはどう? 祭開催してもいいかな…?」
「それはまた急な話だね。でも開催出来るならしたいな。アビドスに興味を持ってくれる人が居るかもしれないし」
そういう少しだけ既視感のある会話をして承認印を押して正式に祭を開催する事になった。「とりあえずやるって決まった事をお祭り運営委員の子に報告してくるね!」と言いアヤメ達は百鬼夜行に戻っていった。
「ああは言ったものどうなるのでしょうね」
「大丈夫だと思うよ。…多分?」
「随分と頼りにならなそうな発言をしていますね」
「ほら、先生が居るし私がヘマしても大丈夫かなぁって…」
「私は今回見ているだけにしておきます」
「えっ」
ホシノは驚いていたがこれも彼女の成長に繋がる機会なのでやらせてみたい。それとアビドスの復興に繋がる可能性もある以上前に発言した通り傍観者になって本当に不味い事態になった時には対処する為に動こう。そう決めていた。ホシノにそう伝えると彼女は色々と考えた上で「やってみる」と言ったので頭を撫でて一歩踏み出したのを褒めた。
「然し砂祭りですか。実際に体験した事がないもので再現は難しそうですね」
「ん、なら私の砂狼ランドを参考に「しません」」
「この際アイドルになって皆で歌うのはどうですか? 輝いてる夏の日々みたいな曲を作って踊れば皆楽しくなりますよ⭐︎」
「ここは敢えてメイド服でおもてなしするのはどうかな?」
「そういうのじゃなくてラーメンの屋台とかでいいんじゃない?」
「そんな学園祭ではないのですから…まあ、皆が楽しめるのであればそれが一番でしょうね。ホシノはどう…ホシノ?」
「ホシノ先輩は黒服先生にずっと頭を撫でられていたのでいつも通り気絶しています」
「……はあ」
色々と任せる前にこの現象をどうにかして欲しいと思い始めてきた。
なんていうかあれですね
もっとホシノちゃんを知らないといけない