例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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ぴえぴえ鳴くのは何故?

この子はどうすれば元の状態に戻るのだろうか? 近づくと奇声を上げて離れるのは良いとしても一定以上離れても病んでしまい黒くなりかけたりする。物凄く面倒な体質になってしまったホシノに対してどうすれば良いのか。

 

「せ、先生手を握ってもいい…?」

 

「どうぞ」

 

「ぴゃ!? 先生のえっち!!」

 

「えぇ…」

 

別のホシノから神秘を強引に分けて貰ってマシになったとはいえこの始末。手を差し出しただけで猥褻行為だと罵倒され周りから白い目でみられるのは理不尽極まりないが致し方ないとも言える。極論ホシノがこういう風になったのも関与した結果だと言える。それはそれとしてどうにかしたいのだが。

 

(この際ホシノ以外の神秘でも注入してみますか)

 

早急な解決が出来なさそうなので致し方なく多少効果があった神秘の注入を試そうと考える。そして恋愛強者、基気絶しない生徒(まあホシノ以外なら誰でも当てはまりそうではあるが)のものを拝借して注入してみよう。神秘を混ぜてなんか変な事が起きたらそれはそれでどうにかすればいい。ゲマトリアだもの。

 

そういう訳なので一番ホシノと相性が良いヒナの神秘を分けてください」

 

「何がどういう訳なのか全く分からないけどまあいいわ。ホシノの弱さは理解してるし好きなだけ持っていって」

 

「ありがとうございます」

 

一先ず協力的なヒナの神秘を分けて貰いホシノに注入したが…特に変化はない。やはりホシノの神秘には及ばないからか効果がないのかもしれない。

 

「となるとまた別のホシノを探して…いえ、それだと時間がかかってしまうのと元々ホシノとは友好的な関係を結べていなさそうなので…仕方ないですね」

 

致し方なく昔利用していたタイムマシンを起動して過去のアビドスへ向かう事にした。

 

約一年程前、同棲していなかった時期のホシノに会いに行くと空き教室で一人手に絆創膏を貼りながらも青い布を縫って何かを作っているホシノが居た。こっそりと近づいて肩を触ると「わひゃあ!?」と声を出すもこちらに気づいて「先生!」と笑顔で言ってくれた。

 

「あれ、先生どうしてここに居るの? 確か実験があるとか何とかで明日まで忙しいって言ってたのに…」

 

「(この辺りは誤魔化しておきますか)ホシノに会いたくなったので来てしまいました」

 

「うぇ/// そ、そっかぁ…/// そう言われると嬉しいな…///」

 

…この頃のホシノは何だか初々しい。照れつつも爆発したり気絶したりせず顔を赤らめて目線を離さない。ちゃんと耐性があるホシノだ。昔の彼女はこんなにも魅力…今何を考えた? 彼女はただの生徒だ。余計な感情を持つ理由はない。さっさと神秘を頂いて帰ろう。

 

「実はホシノに頼みがありまして。貴女の神秘を分けて欲しいのです」

 

「うん、良いよ。先生の頼みなら断る理由はないし…」

 

無意識のうちか距離を近づけて隣に座るホシノを見て何かこう…今のホシノとは何か決定的な違いを感じた。今の彼女は『可愛い』感じがする。

 

『恐らく熟練カップルのような関係になってしまったので今のホシノにはこういう初々しいものがないのかもしれませんね。だからこそ今の黒服には魅力的に見えるのでしょう』

 

成程、脳内ベアトリーチェも偶には参考になる。それはそれとして出て行って欲しいが。

 

「では、ホシノから神秘を頂きますね」と伝えていつも通り膝の上に座らせて頭を撫でてからゆっくりと神秘を頂いていく。ホシノは最初こそ目を見開いていたものの途中からは身を預けるようにリラックスしていた。

 

「…これだけあれば足りますね。ありがとうございます」

 

「役に立てて良かった。良かったけれど…今日の先生は積極的だね/// こんな密着する事なんて今までなかったのに…///」

 

「………」

 

言われて漸く気づいた。つい普段通り膝に座らせてしまったがこの時のホシノと自分は深い仲になっていない為刺激が強かったのかもしれない。膝から降ろしてホシノの頭を撫でてから「また明日」と伝えてその場を後にした。

 

「また明日…えへへ///」

 

過去のホシノはホシノで普段あまり関与してこない黒服の膝に座って頭を撫でられた感触を思い出して照れながらも彼と出会って一年が経過した事の感謝を伝える為のネクタイ作りに戻った。

 

 

 

 

「という訳で過去のホシノから神秘を頂いてきました」

 

「しれっと過去に行く辺り流石は先生だね」

 

「色々な所に行き過ぎて多少の事では動揺しなくなりましたね。ではホシノにホシノの神秘を注入しますよ」

 

「そのフレーズ昨日も聞いたような…うっ…」

 

神秘を注入されたホシノはうめき声を上げて数秒黙った後、無言で抱きついてくる。…気絶はしていない。成功したのだろうか?

 

「ホシノ?」

 

「どうしたの先生?」

 

「いえ、普段なら私に抱きついた時に気絶する筈なのですが…」

 

「……ぴぇ///」

 

あー……やっぱり今回もダメでした。ホシノの耐性を戻す事は出来ないのでしょうか? 私はこれからも彼女に付き合わなければならないのでしょうか…正直言うとしんどいのでどうにかしなければ…




どうやったら治るんだろう…
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