ホシノチャンカワイイ スギ
スキ スキ
「そうですか…別世界と過去のホシノさんから抽出した神秘を注入しても効果は薄かったと…」
「ええ。正直もうどうしようもないと言いますか…こんな事を言うのも酷い話ではあるのですが『くどい』と思ってしまって」
「気持ちは分からなくもないですが愛されているが故の行動なのでそういう発言は控えるべきかと」
「…失礼、少々荒い言葉を使用してしまいました。愛される事に関しては悪い気分ではないので構わないのですが何故あんなにも…本当に覚醒による副作用なのですか?」
「確証がある訳ではなかったので確実にそう、とは言い切れません。元から弱かったものの黒服からへの愛でそれがさらに脆弱になった可能性や貴方がホシノさんに行った実験の影響でもある可能性も捨てきれません」
「くっ…今後私は軽く手が触れ合っただけでゆでだこの様に顔を真っ赤にしながら数メートル離れてぴえぴえ言う子と向き合わなければいけないというのですか…やはり私は何か選択を間違えていたのでしょうか…」
「いえ、それはないです。絵画の私にですら『甘い』という概念を付与できる程の関係になっているので間違いなく選択は合っています。むしろ99%正しい選択をされているが為に暴走しているのでは?」
ゴルコンダの指摘にはっとしつつもだからと言ってどう改善しろというのだろうか? 冷たく接してホシノを悲しませたり距離をとらせるなんて趣味はないしましてやそんな事をしたらアビドス生徒、特にダブルユメにぼっこぼこにされるだろう。
「ゴルコンダ」
「はい」
「助けてください」
「勿論。と言いましたがあくまで私の崇高を満たすついでにはなりますが」
そう言うとゴルコンダはまた実験の準備を始めている。最近居乳堕ちしたマエストロよりも頼もしい。唯一生徒堕ちせず存在する生粋のゲマトリアなだけはある。
「ですがゴルコンダ、如何にしてホシノのそういう耐性を改善させるのですか?」
「そうですね、即座に思いついたものとしてはホシノさんに『覚醒後の副作用で恋愛耐性が著しく下がる。それ以外では下がらない』という概念を付与し予想を確実なものにします」
「ふむ…?」
「その後付与した概念に対する特効薬を作成し飲ませます。これで改善されるでしょう」
「理には適っていますがあまり私のホシノを弄らないで欲しいです」
「貴方なんなんです?」
「もっとこう…ホシノの体に影響が出ないような方法はないのですか?」
「そのような方法があるのであればここまで悪化していないと思いますが」
「然しホシノに毎日薬を飲ませるというのはあまり望ましくないといいますか…」
「随分と我儘になりましたね…黒服には世話になっているので別の方法を探してはみますが時間はかかりますよ?」
「構いません。それまでは私の方でも改善する方法を模索しますので」
「分かりました」
ホシノ過保護不審者に成り果てた黒服との会話を終えたゴルコンダは教室から出ようとする黒服に一言、伝えた。「貴方は崇高を追い求められていますか?」と。
「当然です。ただ少々回り道にはなっていますがね」と言い残し彼はその場を後にした。…入れ替わる形でセリカが入ってきて「ねえ、この『存在しない砂糖』みたいなの凄いわね!! あんた天才じゃない!!」とちやほやされて研究が滞ったのはまた別のお話。
「そういう訳なのでホシノ、克服するために近づいてきてください」
「うぴぃえ!? せ、せせせ先生に近づくなんてむりぃ…///」
「ここで抱き着けないのであれば私は自身の加齢臭と疑い今後一切ホシノへ近づかない意思を持っています」
「なにその変な誓い!? 先生は良い匂いだから気にしなくていいよ!?」
「口で言うのは簡単です。もし私に加齢臭がないというのであれば近づいてきて証明してください」
「…あれは何をしているの?」
「黒服に耐性がないホシノ先輩をどうにかしようとして変ないちゃつきをしてる」
「私とマエストロ先生もそうだけど…変わった趣味を持ってるんだね」
「ん、見ててじれったいからいやらしい雰囲気にしてくる」
「待ってください。(面白そうなので)もっと様子を見ましょう☆」
ホシノはアビドスの生徒+aに見守られながら黒服によるスパルタ…? トレーニングを受けていた。両手を広げて待機している彼に一歩ずつ近づいて彼のスーツに手が触れる距離まで…近づきたかったが「ぴぃ!!」と奇声を上げてまた下がる、を繰り返している。
「なんだか初々しくて可愛いね。お持ち帰りしたくなっちゃう」
「そうですね~☆ホシノ先輩はアビドスで一番可愛いので見ていて飽きません♪」
「ん、流石ホシノ先輩、人気投票で圧倒的な一位に君臨するだけはある。でもそろそろ校内でいちゃつくのはやめて欲しい」
そうこう話している内に意を決したホシノは黒服に抱き着いて彼の腹部に顔を埋めた。そのまま数秒経過して「やっぱり恥ずかしいぃ!!」と叫んで百鬼夜行への扉を開き走り去ってしまった。
「ホシノはどうすれば元の状態に戻れるのでしょうか…」
「可愛いからそのままでも良いんじゃない?」
「貴女もマエストロが自分以外の居乳生徒に顔を埋めていたら嫌でしょう? それと同じくらい大きな問題なのです」
「あー…」
事の重大さを理解したユメ先生は黒服に同情した。
ちなみにマエストロはまだワイルドハントの生徒の胸に顔を埋めているのだとか。