例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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解決の糸口が見えそう…あれ、紫色だ

黒服は散々であった。ホシノの耐性を上げようと様々な試みをしている最中まさか自分自身がその苦しみを味う事になるとは。しかも色々と危ない。具体的にはR-18タグをつけざるを得ない状況になってしまうかもしれない状況にケイを抱きしめる腕が無意識のうちに強くなる。

 

『もう既に手遅れなきもしまウボァー!!』

 

いつも通り脳内ベアトリーチェをぶっ飛ばしながら今後どうしようかと頭を悩ませる。気づいたら居なくなっていたホシノの行方も気になるがそれ以上に首元についている痕から察するにもう手遅れになっている可能性もある為今は距離を取った方が良いだろう。

 

「黒服、今思いついた事があるのですが」

 

ふと先程まで研究をしているゴルコンダが話しかけてきた。「何でしょうか」と伺うと彼はとある案をだしてくれた。

 

「黒服にホシノさんの能力を概念として受け渡せるのならばそれを応用してホシノさんの恋愛耐性? のデメリット云々も改善されるのでは?」

 

「そうですね。もしホシノの概念を私に移されたのであれば今のホシノは触った程度で気絶はしなさそうです」

 

「もし覚醒の副作用だとすればすぐに元の状態に戻るとは思いますが…それすらも別の概念を与えてしまえば万々歳なのではないでしょうか?」

 

「ふむ…」

 

言われてみればそうかもしれない。こんな事をしでかす人間にも心当たりがあるのでそれに頼めばこの状況を打開出来る可能性は高い。問題はあれにどうやって出会うかだ。キヴォトスの何処か、或いは外の世界に近い場所かそれとも…如何せん最初に出会った場所が夢の中という曖昧にも程がある場所だったのでどうしたものか…

 

「良い案ですよゴルコンダ。早速彼女を探してみようと思います」

 

「心当たりがあるのですか?」

 

「はい。前に面倒なものに巻き込まれましてその時に『ピンク髪の生徒に好かれる』といった嫌がらせ概念を付与されましてね」

 

「それは…最悪ですね…はっ、まさか私がプリンに汚染されて精神崩壊まで追い込まれたのもその方が私に何かしたのでは!?」

 

「それはないです。悲しい事に貴方が経験したのはレッドウィンターの生徒が常識から外れているだけですので」

 

「急に現実を叩き付けてこないでください…」

 

ゴルコンダがあれに巻き込まれていない以上何かされているとは考えにくい。言ってしまえば彼は様々な事件や異変からハブられていたのだから。

 

「何か物凄く失礼な考えをしていらっしゃるようですが…解決しそうなら私は元の研究に戻ります」

 

「ええ、助かりました」

 

これ以上彼の研究を妨害するのも気が引けた為礼を伝えて部屋を後にする。ホシノは今煩悩を払う為? に百鬼夜行で修業をしていると先程アヤメから連絡があった。そのまま合同祭(仮名)の話も行うらしい。これで少なくとも夜になるまでは時間がある。さて、何処から探そうか…まあ、あれが生徒だとしたらマダムに聞いた方が早いだろうと考えゲヘナに向かう。

 

『この暑い時期にわざわざ来る必要はないですよ。話は聞いていたので』

 

…ふと脳内にまたベアトリーチェが沸いた。いつものようにぶっ飛ばそうとするも何か気になる事を言っている為そのまま喋らせてみる。

 

『言っておきますが脳内ベアトリーチェこと私は本物ですからね? ただ勝手に脳内に潜り込んで貴方が考えているものに突っ込みを入れているだけなので』

 

またゲマトリアの技術を無駄に使って…愚かな年増だ。

 

『これもエンジニア部の賜物で…って誰がしわの多い醜いババアですか!? まあいいです、それはそれとしてあの子を探しているのでしょう?』

 

どうやらマダムは面識があるらしい。流石はどのゲマトリアよりも先に教師をやり始めただけはある。早速居場所を教えてもらおう。

 

『生憎居場所については教えられません。というより知りません』

 

…この数分の時間を返してほしい。この年増女は本当に何に使えるというのか…

 

『流石に酷くないですか!? 貴方の胸ポケットアヤメの裸写真が入っている事を暴露して社会的地位を陥れてもいいんですよ!?』

 

それを行ったら間違いなくホシノが暴走して甚大な被害が出る気がするのでやめておいた方が良いと脳内ベアトリーチェにお伝えし『確かに…』と言わせた。

 

『まあまあ今までのやり取りはなかった事にして…行方を知っていそうな子に心当たりがあるのです』

 

そうドヤ顔で伝えてきて少々イラっとしたものの携帯に座標が送られてきた。どうやらここに行けば情報が得られるらしい。…というか携帯があるのだからこれで連絡してくればいいのでは?

 

『いいじゃないですか、たまにはこうやって脳内にクソリプ送らないとホシノと一緒に貴方の頭に侵入して埋め込んだメモリが無駄になりますからね』

 

…今度ぶん殴りに行こう。本体を。

 

 

気を取り直して送ってもらった座標に行くと時々訪れている花屋兼喫茶店である建物が視界に映る。現在準備中との事で営業していないものの扉を叩いて数秒経過した後、小柄な少女が顔を覗かせる。

 

「あ、お母さんのお友達さん。いらっしゃい」

 

喫茶店の制服に身を包み優しい笑顔でこちらを出迎えてくれるのは『秤アツコ』。マダムが初めて幸せにした生徒であった。




※抱きしめられた後放置されたケイはもう少しで感情が爆発して危険信号一歩手前まで来ていたとか。

まあケイに限らずホシノ以外が黒服に選ばれる事はないんですけどね
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