例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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暴走、そして暴走、更に暴走

ホシノの耐性という根本的な問題が解決しなさそうという事で少しばかり意気消沈してしまっている。それはそれとして何故今回の事のような概念の付与が行えるのかを問いただしてみた。

 

「概念、テクスチャの付与でしたっけ。こういう事なら貴方達ゲマトリアの方々も得意なのではないですか?」

 

「確かにマエストロやゴルコンダはやっていますがその技術を何故貴女が利用できるのですか?」

 

「前に罵倒され続けたシミュレーションをやりましたよね。その時にマエストロ先生の技術力を解析して盗…応用して出来るようになりました」

 

「それはまた厄介な事を…そのまま隠居してくれているならともかく突然今回のような行いをされても困ります」

 

「そうですよね…分かってはいたんですよ、絶対怒られるなって。ですが好奇心に勝てずつい出来心で…」

 

「見た目の割には小学生のような精神をお持ちのようで…そういえば概念の移行等はどのように行ったのですか?」

 

「ああ、それはさっき話したゲマトリア技術をパクったものをこの『システムの箱』にぶち込んだんです」

 

「システム? シッテムではなく?」

 

「はい。これは連邦生徒会に代々受け継がれてきた『キヴォトス自体を好きなように弄れる端末』なんです。誰が呼んだか『管理者ツール』なんて名称があるとかないとか…」

 

「…何故そんな重要なものがこんな場所に? そして何故それでもホシノの副作用は修正できないのですか?」

 

「貴方がホシノさんを強くしすぎたんですよ。その結果もう手に負える状態ではなくなってしまったので…あ、余談ですが覚醒の副作用はその生徒に一番有効的な副作用が与えられます」

 

そう言って差し出された端末を覗くと『なんか凄く強くなっている人達』とタグが付けられている数人の生徒が表示されていた。ホシノ、ヒナ、ユメ、大きい方のシロコ、ご丁寧に合体したアリス達まで。

 

「他の方の副作用についての詳細は把握できていませんが…ホシノさんに関しては誰がどう見ても黒服先生が一番の弱点になっている為こうなりました。これで肝心な時に気絶して戦えなくなったりしたら目を覚ました時に悲惨な目に遭ってたり…とかしそうじゃないですか」

 

「それはまあ…そうですね」

 

実際少し前の変態集団との戦いでは服が破れたホシノと目が合った時点で気絶していた。そう考えると『肝心な時に役に立たない最強』という物語において都合の良い存在になってしまっているのかもしれない。

 

「それはそれとしてこの端末があれば概念の付与や移動よりももっと大規模な事は出来るのでは?」

 

「…実はその端末、一部機能がロックされている、というより封印されているみたいで…確認できるのが先生と生徒の情報、現在の体調、付与されている概念くらいしか確認出来ないんですよ。かれこれ数千回ハッキングを試みてもずっと失敗ばかりで…って何してるんですか!? 話している間にハッキングしないでください!!」

 

「良いではありませんか。こんな面白そうな遺産ともいえるお宝が存在するとは思いませんでしたよ。これの解析次第では私も久しぶりに好奇心と崇高が満たせるというものです」

 

然し何度も挑戦してもハッキングは失敗し、そのまま10回目の挑戦を行おうとしたところで「ストップ、ストップです」と彼女に止められた。

 

「中身を知りたい気持ちはわかりますが一旦落ち着きましょう、進んでいるかもわからない話が進みません」

 

「…そうですね。この端末に関しては一度持ち帰って解析を…」

 

「持ち帰らせませんよ? いいですか、私には『クソボケ先生概念』という切り札があるんですよ? これを付与すればキヴォトス中に居る一度でも黒服先生を見かけたことがある生徒さんがアビドスに突撃してきて大乱闘キヴォトスマッシュが始まりますよ!?」

 

「…結局貴女は何がしたいのですか?」

 

「何か面白い事が起きて欲しいと言いますか…あ、じゃあまたホシノさんの娘さんでも呼び寄せて一波乱でも…」

 

「やめなさい」

 

「シャーレの先生を急に女性にするとか!!」

 

「誰得ですか?」

 

「じゃあベア先生を暫く男にして放置します」

 

「それなら構いません」

 

「でもやっぱり面白くないですよね…今からでも大きな事件でも起こしますか? 今だとデカグラマトン関連や血だらけで倒れていたユメさんの真実なんかも面白くなりそうですよね!!」

 

「もうこれ以上余計な事をしないでください」

 

「分かりました。……とでも言うと思いましたか悪い大人がぁ!!」

 

突然彼女は端末を操作して何かを入力し画面に表示されていた決定ボタンを押していた。

 

「腐腐☆ 私がそう易々と面白くなりそうな事を諦めるなどと、その気になっていた黒服先生の姿はお笑いでしたよ。これでまたカオスな事が起きてより面白く…えっと…先生? そんな怖い顔をして近寄られても…その、やりすぎた事は謝りますから…あ、待ってくださいそれだけはやめ」

 

…また余計な事をしでかした彼女を制裁し端末を没収してその場を立ち去った。

 

アツコ達はまだ楽しそうに話していたので先にアビドスへ戻りひと段落付いたと多少の安心を得た。それと同時に次はどのような面倒な出来事が発生するのかとため息も出てしまった。

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