例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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大惨事空崎シナ大戦

あれから紆余曲折あって気絶したホシノに抱き着く形でアリスとケイを寝かせて一息ついた。漸く静かな時間が訪れたので『システムの箱』の解析を行おうとした矢先、また来訪者が現れた。

 

「うぅ…ひっぐ…」

 

ヒナだった。物凄く泣いているヒナが扉の前で立っていた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「ぐろぶぐぜんぜぇ゛!!」

 

大丈夫ではなさそうだったので空き教室に連れていき話を聞く事にした。…原因は理解しているが。

 

「まざーがじんじゃっだぁ!! わだじのぜいで!!」

 

「マダムがそう簡単に死ぬとは思えませんが…」

 

「いづもどおりだぎづいだだげなのに!! ぎゅうにがらだがらじがらがぬげてだおれじゃっだのぉ!! いままでごんなごどながっだのにぃ!!」

 

話を聞いていると神秘の移行は出来ているらしい。いくらマダムと言えどホシノ発祥の概念には逆らえないようで…元々押し付けてしまったようなものなのでどうしたものか…この際マエストロにでも押し付けてみるのも面白くなるかもしれない。けれど折角なので実際にマダムがどんな反応をしたのか見てみたいのでヒナを連れてゲヘナに行ってみる事にした。

 

…そう思いゲヘナ付近にワープしてみたものの周囲の視線が痛い。特にあそこに居る青い髪の痴女が物凄い圧をかけて…嗚呼、こちらに勢いよく近づいてきていた。

 

「ちょっとそこの貴方!! 我らが風紀委員長を泣かせているとは何をしたんですか!? 鋼のメンタルをしているヒナ委員長を一体どうやって泣かせたんですか!? いえ、それ以上によくのこのこと顔を出せましたね!! 委員長はマザーよりもゲヘナに必要な存在なんですよ!? いくらアビドスの先生とはいえ容赦はしません!!」

 

「い、いえ私はヒナを泣かせていませんよ」

 

あまりの圧に思わずたじろいでしまった。ただの一生徒が持っていい熱量ではない。それに呼応するかのように周りにいた生徒が次々と身構えていく雰囲気を感じて完全にアウェーになっている。

 

「おやめなさい。彼は悪くありません、私のせいなのです」

 

珍しくまともな台詞を発しながら銃を降ろすように指示を出して近づいてくるのはまともではない方のベアトリーチェ。泣いているヒナに近づいたかと思えば正座をして両手を地面につけ、物凄い勢いで頭を叩きつけ

 

「申し訳ありませんでした!!」と土下座をし始めた。ヒナも同じく土下座をして「わだじもごめんなざい!!」と対面土下座をしている。

 

「一時的とはいえヒナに触られただけで気絶してしまうのは一生の不覚!! あまりの不甲斐なさにHARAKIRIも辞さない所存です!!」

 

「やだ、しんじゃやだ!!」

 

「ですが何かしらの責任を取らねば気が済みません!! 私に罰を与えてください!!」

 

「ばづなんでいいがら!! いっじょにいで!! ずっどいっじょに!!」

 

…この話を公共の場で行うのは恥ずかしくないのだろうか? と思い周囲を見てみると他生徒も感情移入をして泣いていたり青髪の生徒は図々しくヒナとマダムの下着を盗撮しようとしていた。とても逞しく育っているようで何より…

 

「…ヒナは私を愛してくれていますか?」

 

「う゛ん゛!!」

 

「抱きしめていいですか?」

 

「うん…」

 

マダムがヒナを抱き寄せると幸せそうに抱き返して何だかキラキラしているようにも見えてくる。馬鹿げた話ではあるがマダムは愛で概念を克服したのかもしれない。みるみるとヒナは元気を取り戻していき20秒ほど抱きしめられた時点で物凄く輝いてシナシナからヒナヒナになった。

 

「…もう大丈夫。ありがとうマザー、貴女が居てくれて本当に良かった」

 

(私もですよ)

 

「マザー? どうしたの? 目を開けてほしいのだけど…ねえ。起きてよ。おきでよぉ!! ひなをひどりにじないで!!

 

然し残念な事にマダムは概念に抗えずヒナの太陽に匹敵する心地よい香りに包まれて失神していた。それを見たヒナはまたシナシナになり子供のように大泣きしている。皆が騒然としている間に距離を取っていたのは正解だった。一連の流れを見て流石に酷なのでマダムから他の人に概念を移行させようと思うには充分であった。移す人によっては大事になりかねないのでどうしたものか…まあゴルコンダにでも移行させておこう、そう思いシステムの箱を起動して移行させようとした際、変な単語が表示された。

 

『大人のカードの番号を入力してください』

 

…課金式なのだろうか? と思ったが無能OSがまた何か余計な手間を増やしているに違いないと思い『受肉させて働かせますよ』と端末に入力するとあっさりと課金催促通知は表示されなくなった。そこまで邪魔をしたいのか構って欲しいのか、理由はどうであれ邪魔をされて良い気分ではない。それはそれとして端末を操作してマダムについた恋愛耐性くそ雑魚概念をゴルコンダに移行しておいた。彼はまだ『こちら側』ではない為押し付けられたところで何も問題はないだろう。

 

『私が言えた義理じゃないですが面倒ごとをほかの人に押し付けるのって先生としてどうなんでしょうね』

 

………

 

『まあ、悪い大人ですし』

 

『確かに…』

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