例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

496 / 500
ゲヘナの最終兵器

結論から言うと空崎ヒナは勝利した。芸術家が繰り出す作品も粉砕しヘイロー消滅爆弾も回避し圧倒的な力をもって蹂躙しつくした。無慈悲にも研ぎ澄まし続けたその力で芸術家の野望をあっさりと打ち砕いてしまった。

 

「大層な事をした割には張り合いがないのね」

 

「お前が出鱈目な強さを持ち合わせているだけだ…」

 

「貴方に褒められても嬉しくないわ」

 

「お前やホシノとまともに戦って勝てるとは思っていなかったが此処までとはな。全く憎たらしい限りだ」

 

「じゃあ、そろそろ終わらせましょうか?」

 

ヒナは銃ではなくその辺に落ちていた金属バットを手に取り…マエストロの顔面に向けてフルスイングを行った。直撃した彼の頭は粉々に砕け散り残された胴体は力が抜けたようにピクリとも動かなくなった。

 

「これで終わった…のよね」

 

「ええ。良く出来ましたねヒナ」

 

マザー…って動いちゃダメよ。無理して銃弾を受けるからボロボロじゃない」

 

「大丈夫ですよ、ゲマトリアはそう簡単に死にませんからね。体は丈夫なんですよ」

 

「…そうね。でも無茶するのはこれっきりにして。絶対によ」

 

「そう、ですね…これっきりに…なるでしょう」

 

撃たれた場所を手で押さえながらベア先生は立ち上がる。足を引きずるように何処かへ向かう彼女の足はおぼつかない。

 

「マザー、何処に行くの? 動いちゃダメって言ったじゃない」

 

「何処って…やり直すんですよ。本当は皆の死体を弔って後を追いたいのですが…こうなってしまったら彼女の力を借りて元に戻すしかないんです」

 

「元に戻すって…本当にそんな事が出来るの?」

 

「はい。…犠牲は必要ですがね」

 

「犠牲って…?」

 

「それは…」

 

それを答える前にベア先生はヒナを抱きしめ何かから庇った。その直後至近距離で大規模な爆発が起こり彼女の口から吐かれた血が制服を汚しヒナの目が開かれる。

 

「マザー!?」

 

「…このまま終わると思っていたのか?」

 

「"頭を潰された程度で諦めるとでも?"」

 

声のする方向には先程まで倒れていた筈のマエストロとミレニアムで頭を潰した先生が居る。先生に至ってはミレニアム製のロケットランチャーを構えておりベア先生に向けて撃ったのは彼であると伺える。

 

「おっと、何故私達が? とは聞くなよ。先程マダムが言っていた通りだからな」

 

「"ゲマトリアに体を改造されて良かったよ"」

 

「…ゴキブリみたいにしぶとい奴らですね」

 

「また倒せばいいだけよ。マザーを傷つけた罪は重いわ」

 

大事な人をずっと傷つけられているヒナは怒りが爆発し覚醒を果たす。ほんの少し成長した身体を馴染ませるようにゆっくりと二人の大人へ歩んでいく。

 

「空崎ヒナ…お前は良いよな…」

 

「"君がその姿にさえならなければ…"」

 

妬ましそうな発言をする二人に対してヒナは物凄い瞬発力で近付き腹部を殴って吹き飛ばした。

 

「貴方達がどういう理由でこんな事をしたかは興味ない。私に対して恨みを買っている理由も知らない。けれどね…マザーを傷つけた以上は死んで償ってもらうわ」

 

「ヒナ…! 殺人はいけません!! 貴女の手を汚す訳には…」

 

「…じゃあ半殺しで許してあげるわ」

 

どれだけ怒りに満ちていてもベア先生のいう事は聞くヒナ。勿論ちょっとやそっとじゃ傷もつかないような二人なので容赦なくボコボコにしていく。

 

「くっ…この!!」

 

マエストロ達が何かをしてこようとしても咄嗟に防ぎ反撃を許さない。ただひたすら自身の攻撃を続ける。

 

「これで終わりよ」

 

二本の道路標示を引き抜いて二人の腹部に容赦なく突き刺した。腕も拘束し何も動けなくしてから覚醒の時間が終わりその場に倒れこんで呼吸をするヒナ。

 

「死なないだけで痛覚はあるのだが…酷い奴だな」

 

「"これが私達が生徒に与えてきた痛みなのかもしれないね"」

 

「…後の処理はマザー達に任せるわ。…到着したみたいだし」

 

「何?」

 

ヒナが見ている方向からは見知った大人とその生徒がやってきている。黒服とホシノ、それとゴルコンダ。三人? が血生臭いゲヘナに足を踏み入れてきた。

 

「フランシスの言っていた事が此処まで酷いものだったとは…」

 

「誰…誰がこんな酷い事をしたの?」

 

「そこで拘束されているマエストロとシャーレの先生が犯人でしょう。最もヒナさんには敵わなかったようですが」

 

「ヒナ、大丈夫? 手を貸すよ」

 

「ありがとう。でも私よりも先にマザー達を…」

 

「ベアさん達? …危ないなら急いだほうがいいね。ごめん先生、マエさん達の事は任せるね」

 

「ええ、任せてください」

 

ヒナを抱きかかえて走るホシノを見送って標識を突き刺され地面に固定されている二人を見下ろす。

 

「お二人はご機嫌如何でしょうか?」

 

「嫌味か? 見ての通り最悪だ」

 

「"もう辛いから殺してくれると助かるんだけど…"」

 

「生憎ゲマトリアを殺す技術は持ち合わせていなくて。ゴルコンダは技術をお持ちですか?」

 

「いえ、そのような発明には微塵も興味がなかったもので」

 

「だ、そうです。残念でしたね」

 

「"そっか…しょうがないね"」

 

「ですので…大人しく今回の経緯を話していただけますか?」

 

「…ああ。これ以上暴れてもヒナとホシノには勝てない。全部話す」

 

いつの間にか頭を復元させていたマエストロは静かに語り始めた……

そろそろ終わらせようと思っているので参考がてらお伺い致します

  • ビターエンド
  • バッドエンド
  • 奇抜超展開ハッピーエンド
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。