ヒマリ「……そこからはリオが配置したドローン『AMAS』が警備しております。数十ほど稼働している事を確認しました」
モモイ「警備に力入れすぎじゃない?クソゲーじゃん」
ホシノ「……そのAMASってやつの耐久性は?」
ヒマリ「ショットガンを全弾叩き込んだら壊れる程度ですが……」
ホシノ「ありがとう。それだけ分かれば充分だよ」
ミドリ「ホシノ先輩、まさか……」
ホシノ「時間がないなら正面突破しかないよね。私が注意を引きつけるから皆はその間にアリスちゃんの元に行って」
ユズ「で、でも……1人じゃ危険だよ」
黒服「私が指示を出すので問題ありません。全部倒すという話ではありませんからね」
ホシノ「そういう事。準備が出来たら始めるからね」
モモイ「全員無事で帰るんだからね!」
ホシノ「分かってるよ。……それじゃあいくよ。3……2……1……0!!」
カウントダウンと共にホシノは駆け出し周辺を警備しているドローンを破壊していく。10機程破壊するとAMASはホシノを脅威と判断し彼女を包囲し始める。
ホシノ「今だよ!」
モモイ「ホシノ先輩の犠牲は無駄にしない……!!」
ホシノ「死んでないよ!?」
ケイ「モモイ、不謹慎です」
モモイ「この展開ならお約束のセリフでしょ!?」
ミドリ「ま、まあ……そうだけどさ……」
ケイ「………」
モモイ「……とにかくアリスの場所に向かおう!」
ーーー
ホシノ「……どうやら皆行ったようだね」
黒服「……さて、この状況をどう打破しましょうかね」
ドローンがホシノを全方位で囲んでいる。その程度はホシノにとっては敵ではないのだが道の中心に変なデザインのロボットが立ち塞がっている。
ヒマリ「……その品性の欠片もない機械はリオが作った『アバンギャルド君』です。そのダサいデザインとは裏腹に凶悪な性能をしています。注意してください」
ホシノ「……ちょっと厳しいかもしれないね」
黒服「そうですね。……ですがホシノなら乗り越えられるでしょう?」
ホシノ「……勿論。私は負けられないからね」
黒服「その意気です」
ーーー
ケイ「………」
何かが聞こえる。何処からは分からない。けれど耳に小さな叫びが聞こえるのだ。
『……っ…』
ケイ「(何を伝えようと……?)」
『も…っ…』
ケイ「(もっ……?)」
『戻って!!』
ケイ「(!?貴女は一体?)」
『話は後!早くホシノの元に戻って!』
ケイ「(……分かりました。私の存在意義の維持をするのにホシノも必要なので貴女に従います)」
モモイ「?ケイ、いきなり立ち止まってどうしたの?」
ケイ「モモイ、ミドリ、ユズ。……アリスを任せます」
ミドリ「えっ、ケイちゃん何処に!?」
ユズ「……来た道を戻ってる……?」
モモイ「……何か考えがあっての行動だろうし私達は先に行こう」
ーーー
ホシノ「参ったね……あの機械、どうしようかな……」
あの後周辺のドローンは全滅させたもののアバンギャルド君は想像以上に強い。絶え間なく弾幕を展開してホシノのスタミナを奪っていき相当不味い状況だ。彼女は珍しく息を切らしている。
黒服「……アバンギャルドの構えが変わった?……ホシノ、盾を構えなさい」
ホシノ「……うん……」
ヒマリ「黒服先生、そのアバンギャルド君の構えは破壊光線です。2人とも射線上から離れてください」
ホシノ「……先生が危ない……でも今から先生のところに行っても間に合わない……それならこうするしかないかな……」
数十メートル先にいる黒服に向けてホシノは盾を投げた。全力で投げてそれは黒服の足元に届いた。
黒服「ホシノ……何故……」
ホシノ「……先生、生きて」
彼女はそう言うと笑った。そして深呼吸をしてアバンギャルド君に向き合う。
ホシノ「大事なものを守れたなら……本望だよ」
……彼女は死を覚悟している。なんて馬鹿な事をするのだろうか。何故自分を犠牲にしてまで他人に尽くせるのだろうか。その真偽が分からないまま破壊光線は放たれる。
ホシノ「(ああ……もっと皆と過ごしたかったな……先輩、今そっちに行きますね)」
ホシノは受け入れるように目を閉じる。……しかししばらくしても痛みを感じない。それどころか何か温かいものに包まれているような感覚に陥る。
ホシノ「……?」
恐る恐る目を開けると黒髪の少女が目の前にいる。まるで自分を庇うかのように武器を盾代わりにして。
ケイ「まだこっちに来るには早いよ」
ホシノ「……えっ」
ケイ「自分を犠牲にしてまで守ろうとするなんて並大抵の覚悟じゃ出来ないよね」
ホシノ「ケイちゃん……?何を言って……」
ケイ「でも……それだとホシノちゃんを守る人が居なくなっちゃう」
ホシノ「ホシノちゃん……?」
ケイ「だからこそ私は……私だけはホシノちゃんを守る立場にいないといけない。先輩として」
ホシノ「!?まさか……貴女は……」
黒服「あれはケイ?何故ホシノを庇っているのでしょう……」
ケイ「……なんとか耐えれたけれど武器がもうボロボロだ。……それでも護りたい後輩がいるんだ」
ケイは武器を構える。1発撃ったら壊れてしまいそうな程ヒビの入ったそれを躊躇なく。
ホシノ「……駄目、撃たないで!嫌だ、2度も失いたくない!」
ケイ「大丈夫だよ。どうせ私は偶然生まれた擬似的な人格だから本人じゃない。ホシノちゃんが悲しむ必要はないよ」
ホシノ「嫌だ……嫌だよ」
ケイ「ホシノちゃん……こんなに我儘な子だったっけ?困ったなぁ……」
ホシノ「今度はヘマをしません……先生も貴女も守ってみせますから」
ケイ「……ホシノちゃん、立派になったね。でも……ここは私がやらないといけないんだ」
ホシノ「えっ……きゃ!?」
黒服「おっと……大丈夫ですかホシノ」
ホシノ「うん……ってそれよりも……」
ケイ「ホシノちゃんをお願いします。……さあデカブツ、撃ち合いといこうか」
ホシノ「先生離して!!このままだと先輩が!!」
黒服「先輩?何を言っているのです」
ホシノ「今ケイちゃんに乗り移ってる人格がユメ先輩なの!!武器が壊れちゃったら消えちゃうの!!」
黒服「なんと。Hathorの元になった人間はユメだったのですか。それならばホシノと共鳴した理由も頷けます」
ケイ「……チャージ完了。ホシノちゃん、短い間だったけど会えて嬉しかったよ」
ホシノ「嫌だ!ユメ先輩!!」
ケイ「……さよな」
ウタハ「おっと失礼するよ」
ケイ「……え?」
ウタハ「こんなに武器を酷使するだなんて相当無理をしたんだね。直すのに数分かかるじゃないか」
ケイ「ちょっと?」
ウタハ「原形を留めているから修理は余裕だけどね。ちょっと弄るだけでいいし」
ケイ「えっと……今感動のシーンだったんだけど……」
ウタハ「?よく分からないけど誰も死なないと宣言してしまった以上君を消滅させる訳にはいかないよ」
ケイ「えぇ……」
ホシノ「……助かった」
黒服「いえ、まだです。アバンギャルドがケイとウタハを攻撃しようと……」
「ん、ようやく私の出番」
黒服「……嫌な予感がしますね」
残念な事にその予感は的中して突如巨大なロボットが現れてアバンギャルド君と交戦を始めた。操縦席に乗っているのは勿論……シロコだ。
ホシノ「えっシロコちゃん何やってるの?」
シロコ「銀行を襲った金でこれを作ってもらってた」
黒服「なんて酷い」
ウタハ「おお、我ながら素晴らしい動きだ」
ケイ「……どうしよう。せっかくカッコつけたのに台無しだよ……」
ホシノ「……先輩」
ケイ「あっ……ホシノちゃん」
ホシノ「………」
ケイ「わっ……いきなり抱きついてどうしたのさー?」
ホシノ「……もう消えないで」
ケイ「甘えてくるホシノちゃん可愛い」
シロコ「そこ2人はリア充?ん、爆発させなきゃ」
黒服「貴女は目の前にいるロボットを倒してください。その乗ってる……名前はなんて言うのです」
シロコ「アビドスゴートー・トーカー」
黒服「アクセスコード・トーカーみたいに言わないでもらえますか?」
シロコ「ん、それが元ネタ」
黒服「そういう発言はやめなさい」
ケイ「あの……ホシノちゃん、もう消えないから離れて……」
ホシノ「……スヤァ」
ケイ「寝てる!?」
シリアスクラッシャー砂狼シロコ。彼女が登場してしまったので周辺が滅茶苦茶になり始めている。
シロコ「次回、アーカイブスタンバイ!!」
黒服「お黙りなさい」
盛 り 上 が っ て ま い り ま し た
あ、お亡くなりになったのはシリアスという概念です。え、前半シリアスが多かった?いやいや、ここからが本番ですよ