例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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このお話は何事にも真剣に向き合い多数の生徒からの信頼を得ているものの生真面目すぎる性格が故に周りから誤解されやすい1人の少女のお話


古代書物を読んだトリニティのシスター

彼女は祈りを捧げている。その後ろ姿を眺めつつ声をかけた。しかし反応がない。とても集中しているようでその真剣さが伝わってきた。

 

サクラコ「……?また迷える子羊が訪れたのですね」

 

マエストロ「いや私だが」

 

サクラコ「あ、先生。ちょうど、先生のために祈りを捧げていたところです。今日も貴方に祝福があらんことを」

 

マエストロ「そ、そうか……それはいいが大事な話というのは何だ?」

 

サクラコ「ああ……そうでした。わざわざ来ていていただきありがとうございます。その行いに、祝福が……」

 

マエストロ「それはもういい。本題に入ってくれ」

 

サクラコ「……分かりました。これは最近気づいた事なのですが……他のシスターの皆様に恐怖を与えてしまっているようで……」

 

マエストロ「恐怖を?」

 

サクラコ「はい。私自身はそういった自覚はないのですが……」

 

マエストロ「そうか。少し待っていろ。私が他のシスターに聞いてくる」

 

サクラコ「面目ありません……何卒よろしくお願いいたします」

 

ーーー

 

モブA「シスターサクラコ様ですか?慈母のような慈愛に満ちたお方ですよね。私も崇拝させていただいています。ただ……」

 

マエストロ「ただ?」

 

モブA「『いつも陰ながら見守っていますよ……うふふ』という発言は恐怖を感じました」

 

ーーー

 

モブB「サクラコ様?ああ、とても良い人ですよ。どんな些細な悩みでも全力で向き合ってくださる姿は全シスターの模範となるに相応しいと思います。ですが……」

 

マエストロ「何だ?」

 

モブB「笑顔が怖いです。この前も他の子が小さい悲鳴をあげていました」

 

ーーー

 

サクラコ「そうですか……笑顔と発言が……おかしいですね……笑うと親近感と安心を与えられるとアドバイスをいただいたのに……」

 

マエストロ「話を聞いただけだとどのような感じか分からないな。試しに私に向けて実践してもらっていいか?」

 

サクラコ「分かりました。……先生、本日はいいお天気ですね、ふふっ……今日も貴方の1日が平和でありますように。いつも貴方を陰ながら見守っておりますよ……それでは、よい1日を。うふふっ」

 

マエストロ「……言っている事が重い。そんな圧のある笑顔で陰ながら見守っておりますと言われたら恐怖を感じるのは当然だろう。何故それでいけると思ったのだ」

 

サクラコ「……やはりそうでしたか。薄々考えてはいたのです。私はまた勘違いをしていたようですね……決めました。今からでも流行に乗り親しみを持っていただけるように変わろうと思います」

 

マエストロ「無理して変わろうとしなくていいと思うがそう決めたなら止めはしない」

 

ーーー

 

マエストロ「流行に乗る、と言って図書館に来るのは違うのではないか?」

 

サクラコ「この前シスター達が噂していたのです。図書館に流行りそうな書物が入荷したと。先程お貸しして頂けるとご連絡をいただいたので受け取りにきたのです」

 

マエストロ「その割には誰も居ないが」

 

サクラコ「人と顔を合わせるのが苦手な方ですので……確か入り口付近に置いてあると……あ、これでしょうか?」

 

マエストロ「流行っているという割には随分も年季を感じる書物だな」

 

サクラコ「中身は……どうやら青春を題材としているようです。早速持ち帰って読んでみたいと思います」

 

マエストロ「解決するとは思えないが上手くいくといいな」

 

サクラコ「ありがとうございます。……しかし、こうして目をかけていただくのは、あまり慣れませんね」

 

マエストロ「私は何もしていないがな」

 

サクラコ「そんなご謙遜をしなくても……」

 

マエストロ「とりあえず明日また聖堂に顔を出そう。成果を楽しみにしている」

 

サクラコ「はい。本日はありがとうございました」

 

ーーー

 

サクラコ「……とはいえこの本の内容はあまり理解が出来ませんね。青春が題材かと思いましたがいきなりアイドル?のお話になって歌い始めましたし……ですがこの話し方を極めれば皆様も親しみ易くなるのでしょうか。試してみる価値はありそうですね」

 

サクラコ「アイドル……中々に興味深いです。決め台詞はやはり作中の人物と同様の台詞を……わっぴー?不思議な掛け声ですね」

 

ーーー次の日の朝

 

マリー「……あら先生、おはようございます。本日はどのような用でいらしたのですか?」

 

マエストロ「サクラコの様子を見に……お、ちょうど挨拶をするようだな」

 

サクラコ「………」

 

マエストロ「(果たしてどうなったのだろうか)」

 

サクラコ「みっんな〜☆わっぴ〜☆今日も良い天気だね♪」

 

マエストロ「……は?」

 

モブA「サクラコ様!?」

 

サクラコ「ちょっと〜?オーディエンス達、もっと盛り上げて欲しいな☆」

 

モブB「サ、サクラコ様……?」

 

サクラコ「しょうがないなぁ……それじゃあ目覚めの一曲を歌ってあげるね!」

 

マリー「………」

 

マエストロ「何をどうしたら1日であんな風になるのだろうか」

 

サクラコ「〜〜♪」

 

モブC「……!?な、なんて美声……サクラコ様、素敵です!!」

 

モブ達「サ・ク・ラ・コ!サ・ク・ラ・コ!」

 

マリー「聖堂でアイドルソングを……」

 

マエストロ「セイアといいトリニティは何故こんな人間ばかりなのだろうか」

 

サクラコ「アンコールいっくよー☆『恋する少女のマジカルW.A.P.P.Y!!』」

 

モブ達「ワァァァァァァ!!」

 

マエストロ「シスター達よ、お前らはそれでいいのか……」

 

マリー「どうしてこんな事に……」

 

書物の影響を受けて歌姫と化したサクラコ。かなり方向性を間違えてはいるものの本人が楽しそうなのでいいか。そう思いながらマエストロはその場を後にした。後に報道されてCDが発売されるのは別のお話。




わっぴわっぴ わっぴえーなじー わっぴわっぴ わっぴほーりでい

てーとてーあわーせてー(せーの)W.A.P.P.Y!

次はホシノスワップを書きます
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