例えばこんなゲマトリア   作:スカイブルーホワイトヘアー

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VSヒエロニムス

淑女『ヒエロニムス。それはかつてゲマトリアが生成したと言われている人工天使を率いる存在。この世界にも存在しているとはなんて都合が良いのでしょう。そして初めての犠牲者となれる貴方達はとても幸運な事なのですよ、黒服』

 

黒服「そんなくだらない事を仰るために通信をしたのですか?」

 

淑女『くだらない……?よくもまあ、私にそのような態度を取れますね。貴方は興味深いと言うと思っていましたが』

 

黒服「かつての私ならマダムに共感したでしょうね。しかし今となってはただの木偶の坊にしか見えません」

 

淑女『……後悔しても遅いですよ』

 

通話が切られたと同時に異形の存在は咆哮する。一般人が聞いたら恐怖に慄き足がすくむような禍々しい声だ。

 

黒服「皆様、準備は宜しいですか?」

 

5人の生徒は頷き異形と向き合う。桃色の髪を束ね盾を構える少女がこちらに目配せしたのを確認し、「活動開始」と合図を出した。

正直な話、淑女はこちらを舐めていると言わざるを得ない。秘密兵器の様に登場したヒエロニムスはアビドスにとって大した敵ではないのだ。

ホシノがターゲットを取り耐える。その間に他の4人は攻撃。ましてや聖堂という事もあり遮蔽物は腐るほどある。この戦いは当然こちらの勝利で終わるのだ。

 

黒服「その慢心が命取りなのですよ、マダム」

 

逞しく成長した生徒達を見て小馬鹿にするように呟いた。その刹那、背後から気配を感じ振り向くとそこには銃を構えた淑女が居た。

 

淑女「ええ。実にそう思いますよ、黒服!」

 

響く発砲音。しかしホシノは動揺する事もなく目の前の敵から眼を離さない。彼女は仲間を信じる事を覚えたから。自分に出来る事を全力でやると決めたから。

 

黒服「おや、残念ながら不意打ちは失敗しましたね。まあ当然の結果ですよ、私はマダムと違い慢心はしていませんからね」

 

淑女「……アビドスの生徒は5人の筈では?何故貴方を守る生徒が居るのです?」

 

黒服「残念ながら他にも慕ってくださる生徒が居ましてね。それに……」

 

アリス「ヒーローと勇者は遅れてやってくるのですよ!」

 

ケイ「2度も撃たせはしません」

 

そう、彼には2人の勇者がついているのだ。冷静沈着な姉と大胆不敵な妹の姉妹勇者が。

 

アリス「モモイ達からも全力でぶっ飛ばしてこいと言われました!」

 

ケイ「大人しく投降する事を勧めます」

 

淑女「まさかこんな隠し玉があるとは。いいでしょう、ここは大人しく引くとしましょう。……ただし置き土産を残して」

 

淑女は小さな蒼い欠片をヒエロニムスに向けて投げた。それが触れた途端、姿が変貌していく。輪郭は白くなり姿は宇宙を模したような色合いへと変わる。まるでホシノの変身した姿のように。

 

淑女「色彩の力をほんの少し分け与えてあげました。精々足掻くといいでしょう」

 

そう言い残し高笑いをしながら消えていく淑女。まさか彼女が色彩の力を手に入れているとは思わず少々計算が狂ってしまった。

 

黒服「しかし問題はありません。貴女達もまだ戦えるでしょう?」

 

ノノミ「勿論です♪」

 

シロコ「ん、余裕」

 

セリカ「当然よ!ぶっ飛ばしてあげるわ!」

 

アヤネ「問題ありません!」

 

ホシノ「それじゃあ……第2回戦を始めよう」

 

再度戦いの火蓋が切られ高度な連携を見せる5人。先程よりも熟練された動きで対等に戦えているように見える。

 

ケイ「私達も参戦しましょう」

 

アリス「分かりました!」

 

2人の勇者も前線に行きダメージを与えている。7人での戦闘は想定していなかった為訓練を促した記憶はないが乱れは全くない。

 

黒服「ホシノがあの状態になるのも面白いとは思うのですが、どうやらならなさそうですね……おや」

 

突如轟音とも言える叫び声をあげる異形の存在。そしてホシノ達の足元に魔法陣が生成されていく。どうやら最後の大技らしい。そのまま炸裂して全滅……させたかったのだろうがアビドスを舐めてもらっては困る。

 

ホシノ「皆いくよ!」

 

掛け声と共に集中砲火を絶え間なく浴びせる。そして怯んだ隙にショットガンで頭部を撃ち抜く。その刹那、霧のようにその姿は消えてしまい、まるで存在していなかったかのように周辺は静寂に包まれた。

 

ホシノ「……終わった。疲れたよぉ……」

 

シロコ「ん、報酬は紫色のメダルでいい」

 

ノノミ「お疲れ様でした〜」

 

黒服「ご苦労様です。本来であれば一時的に休憩をさせたい所ですが……どうやらお客様です」

 

ヒエロニムスを討伐した先の通路から亡霊の群勢が入ってくる。そして彼女は再度武器を構えて戦いに乗り出した。

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