一般日本人が転生する話。   作:あうん

32 / 44
才能がある。ない。

マダラにチャクラコントロールを習得してもらう。

 

 

「ーーということで兄さん。母上のとこ行こ」

「なにがということ、だよ!?」

「だから、糸ようじ。兄さんも使えるようになった方が便利でしょ」

「……いや。無理だろ……」

 

初っ端諦めるやつがあるか!

マダラは俯いてしまった。自信持てよ。お前はすごいんだから。

 

「兄さんならできるよ!」

「やったことねぇし……」

 

何事も最初はそうだろ!?

俺にできてお前にできないことなんてないんだ!

 

「大丈夫だって!絶対できる!」

「……」

「あー俺、兄さんと一緒に修行したいなー!?」

「……!で、でも、」

 

ちょっと反応した。

それでもなおうじうじするマダラ。

俺は奥の手を使った。

 

「もー!!母上に会いたくないの!?」

「そ、それは……」

 

マザコンのマダラは顔を上げた。

 

「行こ!会いに!!」

 

小さく頷くマダラ。マダラの手を取った。

ヨシ!

出発!!

 

 

「ーーということで、兄さんにもチャクラコントロール教えてください!」

「……難しいと思いますけどねぇ」

「ええ!?」

 

微笑みの母。

隣のマダラがしょんぼりした。

おい!

 

「やってみないと分からないじゃないですかぁ!!」

「……そうですね。では、これを」

 

母は針をマダラに手渡した。

 

「これは?」

「縫い針です。ここの穴にチャクラを通せるようになってみなさい」

「は、はい!」

 

俺もやったやつだ。マダラなら楽勝でしょ。

母は俺に向き直った。

 

「ではイズナ。昨日の続きです」

「は〜い」

 

母は俺に針、布、糸を手渡した。

産着完成させたいな。

母は日向さんの装束の手直しをし始めた。

縫い縫い。

 

 

「イズナ様。お食事のご用意ができました」

「お」

 

もうそんな時間か。まあ今日はお昼からだったし。

母に縫かけの産着を返す。受け取った産着を見て母は微笑んだ。

 

「頑張りましたね。明日には完成するでしょう」

「おお!」

 

俺の頭を撫でる母。元ヤンといえど。その手はやはりタジマとは別格だ。幸せ。

 

「あ、兄さんはどうだった?」

 

マダラの方を見る。針を持っていた。苦しそうな顔。

チャクラは?

 

「やはり難しかったようですね」

「え?」

 

母は微笑んでいる。

 

「才能がないのでしょう」

「ちょっ」

 

ひどい!!

 

「そんなこと言わないでください!」

「事実ですから」

 

はぁ!?

 

「じ、事実ってそんなすぐ決めつけないでください!!」

 

母は首を傾げた。

 

「チャクラコントロールは才能が物を言います。下手に期待を持たせるよりも、ハッキリと言ってやった方がいいと思うのですが」

 

そ、そうなの?でも、でもさ。

 

「でも、もっと!言い方がーー」

「イズナ、いい」

 

マダラが俺を止めた。

 

「俺が、できないのが、悪い」

 

そんなことない。マダラは何も悪くない。

 

「に、兄さん……でもっ」

「いいんだって、言ってるだろ!」

 

マダラの目から涙がこぼれた。

あー!なんてことを!!マダラが泣いちゃった!!

どうしよう!

 

「男子が泣く姿を見せてはなりませんよ」

「も、申し訳、」

 

母はマダラの顔に手を添えた。顔を覗き込んでいる。

 

「できないことに固執する必要はありません。お前には、お前にできることを。すれば良いのです」

「母上……」

 

マダラの涙を拭う母。

 

「頑張りなさい」

「はい……!」

 

……。

 

母に見送られて部屋から出た。

無視女さんは足早に去っていった。お辞儀からの身の翻しが早すぎる。どんだけ俺嫌われてるの??

マダラを見る。もう泣いてはいない。

 

「……兄さん。あんまり母上の言ったこと気にしない方がいいよ」

「ん?何がだ?」

 

きょとんとするマダラ。

あれ、ほんとに気にしてない?

 

「俺には、俺にできることを頑張ればいい」

「……」

「だろ?」

 

マダラは目元が赤いまま、ニッと笑った。

 

「……そっか」

 

俺の方が気にしすぎだったのかな。

 

食事部屋まで歩く。

 

……マダラを泣かせてしまった。

慰めることもできなかった。母のおかげで泣き止んだ。けど。……泣かせたのも母の発言が元だけど!いや俺の発言の、せいかな……?い、いや、そんな……。

うん。母のせい!母のせいだから!

……才能がないって。あんな真正面から言うもんかね。ひどい!

チャクラコントロールってそんなに難しいの?こんなの、別に誰だってできる。そう思ってた。

やる気があれば。俺よりもすごいマダラなら、もっと上手に扱えると、思ったのに。

母に褒められて嬉しがっていたマダラを思い出す。大失敗だ。最悪!!

何やってんだ。またマダラを傷付けた。

こんなことばっかりやってて何してるの本当に。

 

マダラがあんまり気にしてないのは良かった。

 

……けど、マダラ糸ようじ使えるようになろう計画が頓挫するのはまずい。このままじゃ安心して死ねない。未練タラタラで死ぬのは嫌だ!

マダラには頑張ってもらわないと、才能の有無なんて関係ない。何がなんでも糸ようじは習得してもらう……!

 

 

マダラと一緒に夕飯を食べた。タジマはいなかった。なんなのあいつ。

温かくて柔らかいお米を頬張る。美味しい!これが白米だったらもっと美味しいのになぁ!

味噌汁に浮いた豆腐を見る。木綿。俺絹ごし派なんだけど。いや悪くないけどさ。

あぁ〜麻婆豆腐食べたくなってきちゃったよ〜。

 

早く麻婆豆腐を食べるために頑張らねば。

 

麻婆豆腐じゃない飯を食べながら考える。

なんでマダラはできなかったんだろう?

あんなのちょっとチャクラ練って、手から出して塊を細くしていくだけだ。

今ご飯を食べながら片手間にできる、その程度の難易度。

マダラには違うのか。

 

「兄さん」

「ん?」

「さっきはどんな感じでチャクラ糸作ろうとしてたの?」

 

考え込むマダラ。俺は待つ。

 

「……」

「……」

「……分かんねぇ」

「はい?」

「そもそも糸を作るって、何だよ」

「……」

 

えぇ?

 

「さっき針渡されてたじゃん」

「そうだな」

 

頷くマダラ。

 

「穴に通せるようにって言われたじゃん」

「ん」

「じゃあチャクラ出すじゃん?」

「?」

「??」

 

マダラは困り顔だ。俺も困った。

 

「さっきまで何してたわけ?」

「針をずっと見てた」

 

本当に何してんの!?

え、あの時間ずっとそうしてたわけ……?

つ、つらすぎる……。

 

「見てるだけじゃ何もなんないじゃん!?糸出すんだよ?」

「……糸出せって言われても、わかんねぇよ」

 

マダラがむすっとした。あーあー。

 

「やり方わかんなかったんだったら聞いてよ!」

 

マダラは目を逸らした。

 

「……二人とも、忙しそうだったから」

 

……。

 

「気にしないでよかったのに」

「……」

 

才能の有無というより、マダラがコミュ障だっただけでは?

 

「じゃあ。改めて、教えてしんぜよう!」

 

俺は手からチャクラを出して見せた。マダラにも見えるように圧縮してる。

 

「ほらこんな感じに出すんだよ」

「……どうやるんだ?」

 

どうやるって?マダラの方が分かってるよね?

 

「ほら、火遁使うみたいなもんじゃないの?口から火が出るのと同じ感じで!」

「……印組まないと術は出ないだろ?」

 

業火球はね!?チャクラ単体なら別にお腹でグルグルしたらできるじゃん!

むしろ手遊びで火遁飛び出る方がおかしくない!?

 

「これは術じゃないよ!」

「?」

「?、じゃないよ!!?」

 

何だろう。思った以上に認識が違ったみたい。

 

「とにかくチャクラ練って!練れる!?」

「あ、あぁ」

 

写輪眼で見る。確かに練ってる。……俺よりチャクラ量多くない?あ、そんなにチャクラって練れるもんなんだ……。

やっぱマダラすごい。

 

「手に集めて」

「……」

 

手の内側にチャクラが集まってる。なんだよできるじゃん。

 

「それを手の外に出すんだよ」

 

チャクラが外側に出ていく。そのチャクラはふにゃ〜んと漂って、霧散した。

 

……。

 

維持しろよ!?消えちゃってんじゃん!!

チャクラダダ漏れ状態で何の意味もないことをしているマダラ。なんでそうなるのかな!?

 

「そ、そうじゃなくって!こう!何か、形を維持するの!」

「……?こうか?」

 

う、うーん。ちょっと動いてるような、空気に流れていってるだけのような。大量の消えていくだけのチャクラ。勿体ねぇ!

 

マダラはなんでできない?

同じ視点で立つことが大事。

一旦写輪眼を解除した。何も見えない。

チャクラ全然見えない!?量は多くても圧縮してなきゃこんなもんか!?

見えてないんじゃねぇ。どうしろ言われても分からんか。

うわ〜もどかしい!早く写輪眼使えるようになってくれよ!どうやったら使えるようになるの!?

 

ま、まずいぞ。段々マダラの顔が曇っていく。

アワワ……。

なんかないかなんか……。

俺は湯呑みの茶を一気飲みした。あっつ!舌やけどしたっ!

 

「に、兄さん。これに入れてみよ!」

「は?」

「チャクラをこれに込めてみるんだよ!そしたら、見えてくるから!」

 

まずはチャクラを見えるレベルまで濃くすることだ!

 

マダラの手のひらに、逆さにした湯呑みを押し付けた。

写輪眼で見る。

よし。湯のみ越しにチャクラが入ってるのが見えた。外にも漏れてるけど空気中に無意味に消える量は格段に減った。

湯呑みを斜めにして中を覗く。

 

「み、見えた!」

「すごいよ兄さん!」

 

マダラの明るい声。いいぞいいぞ!

見えるなら話は簡単だ。

 

「じゃあそれを消えないように留まらせるの、できそう!?」

「や、やってみる……!」

 

マダラはグッと気合いを入れた。

 

……って待って。

マダラいつまで湯呑みにチャクラ入れ続けてんの?どんだけチャクラ練ったわけ!?

 

ビシリと音が。

湯呑みに罅が入ったと思った瞬間にはもう遅かった。




原作でも螺旋丸で手と球の間に隙間が存在していたので、チャクラが少ないと視認できないということでいいですか?
(・o・)<いいですよ
ありがとう……!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。