そして、また若干の予告詐欺です......。
だって、アスカさんが凄い喋るから(言い訳)
「猫も杓子もアスカ――」
パシャリと1枚。
「――アスカ、か」
そして、パシャリともう1枚。
相田ケンスケはいい写真が撮れたと満足気に頷いた。
「そりゃあ、あれだけ面が良くて性格も良けりゃあ、人気になるわな」
「おっ、委員長一筋のトウジも魅了されたのかい?」
「阿呆。別に、委員長とは何でもないわ」
「どうだか」
ジト目で親友を睨むケンスケ。
「……まぁ、それは置いといてや。あの惣流って女、わしの勘によれば腹に一物隠してるで」
ゴホンと咳ばらいをして誤魔化したトウジは、探偵のような顔をしながらそんなことを言った。
「なんじゃそりゃ?」
「猫を被っとるって言ったんや。きっと、内側には悪魔のような性悪女が隠れてるに違いない」
「アスカが? 馬鹿を言え。お前にはこの天使のような笑顔が見えないのか?」
ほれ、と言って写真を手渡してくる。
確かに美しい顔に、素敵な笑顔だ。
だが、やっぱりどうにも怪しい。
「この女……怪しいで」
「委員長に言いつけるぞ」
「それは堪忍や」
アスカと委員長の仲が良いことを知っているトウジがすぐに頭を下げる。
結局、その話は次の客が来たことで流れてしまったが……後にケンスケはこう振り返る。
「トウジの推理は半分くらい当たっていた」と。
そう。半分。
如何にトウジといえども、猫の皮の向こう側に隠れているのが性悪女とかではなく、素直になれないだけの女の子であることまでは見抜けなかったのである。
♰
「うわっ⁉」
授業を終えて放課後になり、帰宅すべく下駄箱を開いたアスカは驚愕した。
そこから滝のようにラブレターが溢れだしてきたからだ。
「……また?」
彼女は自分へ向けられた好意の数々に感激――することはなく、辟易した表情を浮かべた。
彼女が転校してきてから既に一週間が経つが、毎日こんな調子だ。
(鬱陶しいったらありゃしないわね!)
ぐしゃりと足で踏みつけたくなるが、グッと堪えて自分の靴を取り出す。
短気で苛烈なアスカの性格が知れ渡ればもう少し数が減りそうなところだが……彼女は未だに上手いこと猫を被っているため、ラブレターの数は日に日に増していく一方であった。
どうして窮屈な猫の皮を取らないかというと――
「うわ! 今日も凄いね、アスカ」
この少年が原因だった。
驚いた様子で床に散らばったラブレターの洪水を見るシンジ少年。
どうやら、今日はファーストチルドレンと一緒ではないらしい。
そのことに何故か安堵しながらアスカは肩を竦めた。
「全くよ。モテるってのも楽じゃないわね」
「そうだね」
いまいちよく分かっていなさそうな感じで同意する、学園のアイドル碇シンジ。
アスカはピクピクと頬を痙攣させた。
笑おうとしたが、笑えない。そんな感じだ。
(ホント楽じゃないわ……アンタのせいでね! バカシンジ!)
アスカが男子にモテそうな猫かぶりを続けているその理由はシンジ少年にあった。
別にシンジ少年が何かしたというわけではない。
ただ、アスカが――
(バカシンジがモテてんのに、私がモテないなんて変でしょ⁉ なんか、負けた気がするし!)
一方的な対抗意識を抱いているだけであった。
アスカらしいといえばらしいが、しかし。
猫かぶりの状態であればモテるが、
そんな決めつけをしてしまっているところに、彼女の根本的な自己評価の低さが現れていた。
「でもさ――」
2人肩を並べて歩く帰り道。
すっかり見慣れた道を歩きながらシンジ少年が心配そうにアスカを見遣る。
「本当にあのラブレターで困っているなら僕から男子に言っておこうか? やりすぎると迷惑だからやめておけって」
「別にいいわよ。そのうち止むでしょうから」
「そうかな? こういうのは自分の意思をハッキリ伝えておかないと、いつまでも終わらないよ?」
しみじみと――やけに実感が籠っていそうなコメントをするシンジ少年。
アスカはハッと気が付いた。
「アンタ、まさか……同じような感じで女子からラブレター貰ってたわけ?」
「一時期ね。流石にあんなに多くはなかったけど、手紙を捨てるのも可哀そうだし、できればやめてほしいって言ったらピタッと止まったよ」
なかなか凄まじいモテっぷりだ。
アスカは自分を棚に上げてそんなことを思った。
「……まぁ、本当に鬱陶しくなったら私から言うから別にいいわよ。にしても、アンタ本当にモテてるのね」
「うん」
「じゃあさ――」
アスカはごく自然な感じを装い、さり気ない口調で尋ねた。
「これまで何人かと付き合ってきたってこと?」
(この顔で意外と女好きだったらどうしよう……)
何故かそんな不安を抱きながら。
シンジ少年はあっさりとした様子で回答した。
「いや、一回も付き合ったことはないよ」
意外な回答に目を丸くするアスカ。
大勢、と言われるよりは俄然マシだったが、あれだけモテているのだから流石に1人くらいとは付き合った経験があるものだと思っていた。
自分のことを棚に上げ、首を傾げならアスカは尋ねる。
「なんでよ」
「うーん……」
少し考えてからシンジ少年は答えた。
「よく、分からないから」
「なにがよ」
「女の人と付き合うってことが」
アスカが首を傾げる中、シンジ少年は言葉を続ける。
「だって、良く分からなくない? 付き合ったからってどうなるのさ? 何を変えればいいのさ。僕はいつだって僕なのに……恋人になった途端に何かを変えなくちゃいけないのが、良く分からなくて……」
「……」
「それに、好きだって告白されるのは嬉しいけれど、僕の中でその人への好きの度合いが変わらないなら、受け取るだけ失礼かなって思って」
シンジ少年なりに色々と考えた結果だった。
彼は究極的な意味において他者を必要としない人間だ。
先にも言った通り、自己完結型の人間であるため、葛城ミサトや綾波レイなどの例外を除いて皆に平等なのだ。
だから、分からない。
その人の特別になるということの意味が。
「好きだ」と言われただけで、彼氏になったというだけで自分を変えなければいけないということの理由が。
「ふーん……」
やや斜に構えたシンジ少年の回答に対し、同じく斜に構えたところがあるアスカは彼のことをこう評した。
「餓鬼なのね、アンタ」
「はっ?」
「ガキシンジね」
「はぁ?」
滅多に出ない声がシンジ少年の口から洩れた。
実はアスカと同じくらい高い彼のプライドが刺激されて反応している。
アスカは構わず続ける。
「それってつまり、
「……」
「なーんだ。モテる、なんて言うからどんな恋愛達者かと思って警戒してたけど、全然大したことないじゃない」
「……」
「よーするに、恋愛経験0なんでしょ? アンタ」
ちなみに、アスカも0だ。
ピクピクとシンジ少年の頬が引き攣る。
笑おうとして笑えない。そんな感じだ。
いつも余裕なはずの彼が、コントロールを失っている。
それを悟ったアスカはニヤリと意地の悪い笑みを浮かべた。
「あれ~? もしかしてシンちゃん、怒ったのかなぁ~? 餓鬼って言われて怒っちゃったのかな~?」
言ってから、そういえばとアスカは思い出す。
この間の退院祝いの時も、ミサトに子供扱いされたことに怒ってシンジ少年は不用意な発言をしたのだった。
(へぇ~? ふーん。そう)
思わぬ弱点を見つけたアスカは性格悪そうな笑みを浮かべながら、心底ご機嫌になっていた。
「そ、そういうアスカはどうなのさ? 恋したことあるの?」
「そりゃあ、もちろん! 私には――」
そう言おうとして、何故かアスカの口は動かなかった。
「アスカ?」
言うのは簡単だ。
彼に恋をしていると言って、このお子様にマウントを取ればいい。
でも――アスカは何故かそれを口にできなかった。
「……何でもないわ。ただ、少なくともアンタと違って私はちゃんと恋したこともあるのよ。お子ちゃまシンジ君」
そっぽを向きながら、煽るような口調はそのままにアスカはそんなことを言った。
よく分からない反応を示している自分自身に疑念を抱きながら。
一方、恋愛でマウントを取られたシンジ少年は拗ねたようにそっぽを向いた。
「はいはい。どうせ僕は初恋もまだのお子ちゃまですよ」
「分かればよろしい。シンちゃんは賢いわね~」
不機嫌そうなシンジに対し、マウントを取れてご機嫌なアスカはニコニコと笑いながらシンジ少年の頭を撫でた。
(あっ、髪サラサラだ……それに結構撫で心地良いわね……ミサトがしょっちゅう触りたがるのも分かるわ)
実は、以前からずっとシンジ少年の頭を撫でてみたかったアスカ。
ふざけていることから真剣に捉えられないと考え、ちょうどいい口実ができたとばかりに彼の頭を触りまくる。
「ちょっとアスカ! いい加減、怒るよ?」
「やだ、怖~い。そうムキになることないじゃない」
アスカはパッとシンジ少年の頭から手を離した。
ちょっと名残惜しいのを隠しながら。
(まったく、アスカったら……僕が可愛いのは良く分かるけどさ……)
バカにされている意味合いが強いと思ったので怒って見せただけで、内心は結構喜んでいたシンジ少年がアスカに乱された髪型を整える。
いつもの落ち着きを取り戻したシンジ少年はアスカに向き直った。
「確かに恋愛経験はないけどさ、僕がモテてるのは事実でしょ?」
「とか何とか言って。本当は女の子と話すのが怖いんじゃないの?」
「怖かないよ。こうしてアスカと喋ってるじゃないか。それに、普段だってよく話しているよ」
自分をさり気なく女の子扱いしてくれたことに内心悪くないものを感じつつ、しかしアスカは後半の言葉が気になった。
不意に思い浮かぶ仲良さそうに話すシンジ少年と、赤い瞳の少女――
「……ねぇ、ガキシンジ」
執拗に餓鬼扱いしてくるアスカにピクリ、とシンジ少年の頬が苛立ちで引き攣るが、既に精神的な余裕を取り戻していた彼は穏やかな口調で答えた。
「なに?」
「……アンタ、最近ずっとファーストと一緒にいるわよね?」
「ふぁーすと?」
「ファーストチルドレン! 綾波レイのことよ」
「あぁ、綾波のことか」
滅多に呼ばれない呼び名で困惑したシンジ少年だが、そういえば綾波がファーストだったなと思い出す。
「確かに最近はよく話しているかもね。それがどうしたの?」
「……なに、話してんのよ」
「なにって……普通に雑談だけど?」
「雑談って、なによ」
「色々だよ。好きな食べ物とか、授業の話とか」
家族の話とか。
流石に口には出さなかった。
「なんで急に話し始めたのよ。前までは普通の距離感だったんでしょ? アンタたち」
「なんでって……」
シンジ少年はアスカの方を向く。
青い瞳がじーっと彼のことを見ている。
何となく居心地の悪さを感じながらシンジ少年は答えた。
「綾波が大事にしていたエヴァに乗れなくなって、ちょっと落ち込んでいるのかもと思って、それで前よりも話し始めたんだ」
「へぇー……そう」
自分で聞いておきながら全く関心がなさそうな声音だ。
半眼で見つめてくるアスカに何か嫌な気配を感じたシンジ少年は眉をひそめる。
「どうしたの? アスカ」
「……別に」
明らかに様子がおかしい。
シンジ少年が優しく尋ねるも、ぶっきらぼうに断って立ち入らせようとしない。
「そういえば、アスカって殆ど綾波と話したことないんだっけ?」
「……そうね」
「綾波って天然でさ、表情は分かりにくいけど本当は凄い良い人だから、アスカも仲良くなれると思うよ」
「……そうかしら」
アスカは思い浮かべる。
蒼銀の髪。赤い瞳。感情に乏しく、人形のように整った顔。
まるで、アスカの正反対かのようなその容姿を。
そして、シンジ少年と楽しそうに話すその姿を。
“仲良くはなれないだろうな”
アスカは何故かそう思った。
♰
「初号機が直った?」
「そう。明日から使えるんですって」
その日の夜のことである。
葛城家にて夕食を取っている最中、ミサトが切り出した話題に食いついたシンジ少年がご飯のお代わりを持参しながら聞き返した。
不機嫌そうに頷きながら肯定するミサト。
折角シンジ少年を戦わせずに済む日々が続いていたというのに、それも今日で終わりだ。
仮にミサトが作戦部長権限で初号機を温存できたとしても、それで易々と勝てるほど使徒という存在が甘くないことをミサトは知っている。
だからこそ、忌々しい。
ミサトは釈然としない思いを胃に流し込むように
「……ねぇ、シンちゃん。ビール飲んじゃダメ?」
「だーめ。今日は休肝日でしょ?」
「……こういうむしゃくしゃした日はビールが一番なのに」
「なんて?」
「何でもないわよ~」
ミサトはシンジ少年作の肉じゃがを一口食べてから彼の頭を撫でた。
相変わらず料理は美味しいし、愛しい少年の撫で心地も最高。
別にアルコールなくてもいいか、とミサトは機嫌を持ち直しながら思った。
変わらず、心の中にモヤモヤしたものはあったが。
「まっ、これで初号機と弐号機の2機を同時に起用できるわけだし、戦力は大幅UPね。頼もしい限りだわ」
「――ねぇ、ミサト」
「なに? アスカ」
もはや恒例というか、当たり前のように食卓にいるアスカ。
今日はやけに大人しいなと思っていた中、どこか冷たい空気を身に纏いながら彼女は言う。
「エヴァ零号機って暴走と再起動失敗で凍結になったのよね?」
「そうよ。残念ながらね」
「じゃあ、どうしてファーストチルドレンはまだチルドレンの資格を持っているの?」
「なんでって……」
「だって、普通に考えておかしいでしょ? 私たちはエヴァに乗れるからチルドレンの資格があるのに、どうしてファーストはエヴァに乗れないのに資格があるのよ」
「それは――」
どうして急に綾波レイのことを気にし始めたのか。
ミサトは困惑しながらも説明する。
「原因がエヴァとパイロットのどちらにあるか不明だからよ。今は鋭意調査中ってところね」
「……使徒が攻めて来ているのに、役立たずのパイロットを置いとく意味なんかあるの?」
ボソッと呟かれた心ない台詞。
「ちょっとアスカ。その言い方は良くないんじゃない?」
普段は口が悪いアスカの発言を寛容な心で受け止めていたシンジ少年だが、この場に居ない人間を――それも、半ば身内だと思っている少女を悪く言われるのは我慢ならなかった。
軽く窘めるように口を挟む。
綾波を擁護するシンジ少年の発言を聞いたアスカは――怒った。
「私は事実を言っているだけよ! 私やアンタが戦っている間、あの女が何をしてるっていうのよ⁉ どうせ、何も考えずにボーッとしてるだけでしょ?」
「綾波だってエヴァに乗りたいんだよ。なのに事故でそれがなくなっちゃって……そんな心ないこと言うことはないじゃないか」
「……随分とアイツのこと庇うじゃない。なに? お子ちゃまシンジ君にも春が来たってわけ?」
言ってから、アスカは心底不安な気持ちになった。
仮にシンジ少年がいつもの調子で「うん」と頷いたらどうしよう。
青い瞳が不安に揺れる。
「そういうのじゃないよ。綾波は――」
家族かもしれない、人。
シンジ少年はそう言おうとした。
だが、その直前に彼はミサトとの約束を思い出す。
♰
時は遡り、二ヶ月前。
第五使徒との死闘を終えたシンジ少年が入院する病院にて。
「えぇ⁉ 綾波レイが、シンちゃんのお姉ちゃんかもしれない?」
「……うん」
頷いてから恥ずかしそうに俯くシンジ少年。
入院する彼の病室に毎日訪れていたミサトは、約束通りにシンジ少年に尋ねた。
「綾波レイのことで悩んでいるみたいだけど、どうしたの?」と。
それに対するシンジ少年の回答が冒頭のそれだったため、ミサトは驚いた。
驚いたが――同時に安堵していた。
シンジ少年があれほど彼女を気に掛けていた理由がようやく分かったからだ。
(そう……シンちゃん、お姉ちゃんが欲しかったのね。血の繋がった本物のお姉ちゃんが)
チクリと心が痛む。
彼の母に、姉になろうと努力してきた。
だが、幾ら絆を結ぼうとも血の繋がりを持つことは出来ないのだ。
ミサトは寂しい笑顔を浮かべた。
(でも、せっかくそのチャンスがあるなら、私が手伝ってあげないとね)
思うところはある。
綾波レイへの嫉妬もある。
だが、ミサトは彼に協力することを約束した。
それが彼の望みであれば、どんなものであれミサトは叶えてあげたかったから。
ただ、その代わりといってはなんだが。
ミサトはシンジ少年にむやみやたらにこの仮説を人に言わないようにも注意をしておいた。
理由は綾波レイのプロフィールにある。
生年月日……不明
父親……不明
母親……不明
不明、不明、不明……何もかもが不明。
(きな臭いわね……)
改めて綾波レイのデータを見たミサトは嫌な気配を感じた。
その直感は正しく――何者かが綾波レイのデータを削除した痕跡を見つけた時、ミサトは調査は慎重に行うべきと判断した。
優れた危機察知能力が、NERVの
下手をすれば命を落とすことになる。
そう直感した。
自分はいいが、シンジ少年を危険に晒すのは避けたい。
だからミサトは彼に忠告した。
「いい? シンちゃん。このことはなるべく人に言っちゃダメよ」
♰
再び時は戻り、葛城家。
そんなわけで、シンジ少年は言葉に詰まっていた。
別に説明してもいいのだが……ミサトとの約束を律儀に守っているが故に、説明できない。
だから
「――友達、だよ」
結果的に無難な回答をするに留めた。
アスカは眉を顰める。
シンジ少年は隠し事をするには些か性格が素直すぎる。
対して、アスカは大胆不敵に見えて驚くほど繊細で、人の機微に敏感だ。
「……友達だから、役立たずでも庇うわけ? 健気な友情ね」
シンジ少年と綾波レイの間に何かがあることを確信したアスカは荒れ狂う内心を誤魔化すように口を動かす。
その言葉に多分に毒が含まれているが、余裕がないアスカは気が付けない。
一方、1年以上の付き合いである綾波を散々「役立たず」とこき下ろされたシンジ少年もまた限界だった。
「――綾波のことを馬鹿にしないでよ」
シンジ少年が珍しく怒った瞳でアスカを睨みつける。
その瞳に宿る炎を見たアスカは思わず後退った。
そして、すぐにカッと怒りに火が付く。
「なによ……正論言っただけで私のこと責めるわけ⁉」
「正論なわけないだろ! 綾波のこと何も知らないくせに!」
「えぇ、知らないわよ。アンタたちが教えてくれないからね!」
「知ろうとしていないのはアスカだろ! 綾波のことファーストって言って名前で呼ぼうともしないくせに!」
「名前で呼ぶかどうかは私が決めることよ!
「――――」
「アスカ! いい加減にしなさい!」
あんまりなアスカの台詞に言葉を失うシンジ少年。
代わりに怒ったミサトがアスカを叱責する。
大人としては正しい態度だったがしかし、今のアスカには火に油を注ぐだけだった。
「なによ! ミサトまで――!」
ファーストの方が大事なわけ⁉
アスカは歯を食いしばった。
つい先日まで、驚くほど穏やかで幸せだったというのに、急に奈落の底に突き落とされたような錯覚に陥る。
「くっだらない! ファーストと2人でよろしくやってれば⁉」
この空間に耐えきれず、アスカは捨て台詞を吐いて食卓に背を向けた。
バタバタと激しい足音。そして、扉が開き――乱暴に閉められる音。
葛城家を出て自分の家に帰っていったのだろう。
「アスカ!」
咄嗟に追いかけようとしたシンジ少年だが――
「ミサト?」
黙って彼の腕を掴み、今は追いかけない方がいいとミサトは首を横に振った。
「……」
一気に冷静になったシンジ少年は彼女の意図を読み取り、静かに席へ座りなおした。
なにせ、分からないのだ。
どうしてアスカが綾波レイをあんなに嫌っているのかが。
理由が分からないまま話し合いをしたところで、アスカを余計に怒らせてしまうだけだろう。
「アスカ、急にどうしたんだろう……」
「……」
ヒートアップしていた自分を反省しつつ、心底困惑した様子で呟くシンジ少年。
何となくアスカ豹変の理由に気が付いているミサトは、シンジ少年の頭を黙って撫でた。
「……シンちゃんには、まだ難しいかもね」
「ミサトまで僕を子ども扱いするの?」
アスカとの口喧嘩を引きずっているのか、不機嫌そうな表情を浮かべるシンジ少年。
ミサトは「そうじゃないわ」と否定し、アスカが出て行った先を見つめた。
「――女の子はね、時に自分自身のことが分からなくなるものなのよ」
今はそっとしておくべきだろう。
彼女が落ち着いたタイミングで、2人きりで話をしようとミサトは決心した。
アスカと非常に良好な関係を築いていて、しかも同性のミサトであれば心の内を明かしてくれるかもしれない。
問題があるとすれば――
(今、使徒が来たらまずいわね……)
NERVの作戦部長として苦い表情を浮かべるミサト。
だが、彼女には分かっていた。
使徒という連中はとにかくこちらの都合など一切お構いなしであるということを。
彼女の予想は正しく――翌日、使徒は現れた。
考え得る限り、最悪のタイミングだった。
♰
『――パイロット両名。最後にもう一度作戦を確認するわよ』
空輸されているエヴァンゲリオン初号機と弐号機。
ミサトはエントリープラグ内で集中力を高めているシンジ少年とアスカに語り掛ける。
『先ほども説明した通り、第3新東京市の迎撃システムはこの間の使徒戦でボロボロの状態。復旧率は50%といったところよ。戦えなくはないけど、ジオフロントまで侵攻されるリスクを抑えるため、今回は使徒到達予定ポイントで迎え撃つわ』
「了解」
「……了解」
素直に頷くシンジ少年と、ワンテンポ遅いアスカ。
お互いにミサトの顔だけを見ており、当人同士では目を合わせようともしない。
この様子を見れば一目瞭然だが、シンジ少年とアスカはまだ仲直りできていなかった。
アスカは自分から謝れるタイプではないし……シンジ少年もまた、自分に非がないことで謝るなど言語道断というタイプであった。
特に、シンジ少年の中では良く知りもしない綾波をひたすら罵倒し続けたアスカが悪いという考えが強くなりつつあり……2人の仲直りは何か大きなきっかけでもない限り不可能と思われるほどになっていた。
(まずいわね……)
ミサトは苦虫を嚙み潰したような顔をする。
第五使徒の前哨戦を思い出す。
不安な要素があるにも関わらず、パイロットを戦場に送り込まなければならないこのジレンマ。
だが、仲直りをさせるにはあまりにも時間が足りない。
仕方なくミサトは説明を優先する。
『今回の布陣は、アスカが切り込み隊長として先行。容赦なく敵へ近接攻撃を仕掛けて。反撃を受ける可能性が高いけれど……現状では殆ど敵に露見していない上に、最も破壊的な攻撃オプションだと考えているわ。頼んだわよ、アスカ』
「! う、うん!――じゃなかった。了解」
ミサトの厚い信頼を受け、パァっと顔を明るくしたアスカが頷く。
頷いたミサトは続いてシンジ少年が映る画面を見つめた。
『初号機はシールドとスピアを装備。アスカの先行攻撃をパレットライフルで後方から援護して頂戴』
「了解」
集中した真剣な表情でシンジ少年が答える。
私情は見えない。
完全にパイロットとしての意識に切り替わっているようだ。
ミサトは頷き、作戦の説明を続ける。
『それから、今回から新しい作戦オプションが追加されていて――』
♰
遂に現れた第7使徒。
第3使徒と同じく二足歩行型だが、完璧な人型とは言い難いフォルムをしている。
現状ではどのような攻撃を仕掛けてくるかも分からない状況だが、既存兵器での様子見を止めたミサトは、作戦通り号令を掛けた。
『エヴァンゲリオン弐号機、攻撃開始ッ!』
ミサトの命令を受け、赤い貴人が疾走する。
この間の使徒戦、そしてシンジ少年との仮想シミュレーションで圧勝を収めたアスカは、初の使徒戦で失われていた自信を完全に取り戻していた。
完璧な操縦技術で弐号機を操り、使徒へ突貫する。
もちろん攻撃が来たらすぐに躱せるよう常に意識はピンと張っているが。
そんな弐号機を後方からパレットライフルで援護する初号機。
今のところ使徒に動きは見られない。
地味な役回りだが、ミサトの指示を信じている彼に不満や慢心はない。
的確な援護射撃で使徒が足止めを食っている隙に間合いを詰めた弐号機は装備しているソニックグレイヴを思いっきり振り下ろし――使徒を見事に真っ二つにした。
(……あれ、もう終わり?)
状況についていけず、シンジに命を懸けて救ってもらった第5使徒戦。
雑魚だったジェットアローン。
そして、ミサトの作戦と自分の力で圧倒した先日の使徒。
様々な戦いを経験してきたアスカは手応えのなさに内心首を傾げる。
どちらかというと瞬殺での勝ち星が多い彼女だが、殆どがミサトの作戦勝ちであるという認識が強かった為、ただの先行攻撃で使徒があっさりとやられたことに違和感を覚えたのだ。
『アスカ! 離れて! まだ終わってないわ』
怪訝な表情を浮かべていたアスカはミサトから注意されるよりも先にその場を離脱していた。
その瞬間、真っ二つに分かれていた使徒の身体がそのまま2つの身体に変貌する。
「……ま、そんな簡単に終わるわけないか」
ソニックグレイヴを構えなおしながら、何とも言えない表情で呟く。
使徒の厄介さは(主に第5使徒のせいで)身に染みて分かっていた。
2体となって襲い掛かってくる使徒。
だが、こちらも数では負けていない。
パレットライフルを連射しながら後方から駆けつける初号機。
シンジ少年とアスカは同時に叫んだ。
「「僕/私が右を‼」」
ピタリとエヴァの動きが止まる。
顔を合わせる初号機と弐号機。
ある意味で息はピッタリだが、意識はまるで共有できていない。
普段だったらシンジ少年が快くアスカに譲っていただろうが……昨日の件が尾を引いていて言葉が出てこない。
これはまずいと判断したミサトが咄嗟に指示する。
『弐号機が右で、初号機が左の使徒を相手にしなさい!』
「「りょ、了解!」」
どこか気まずさを感じながら2機のエヴァンゲリオンがそれぞれ指示された敵個体撃破へ向かう。
ミサトとしては既存兵器で1体を引き付け、その間に2機の連携で確実に1対ずつ処理していきたかったのだが、今の一幕ですぐに悟った。
今の2人に連携は無理だ、と。
頭を抱えるミサトだが、結果的にシンジ少年とアスカの各個撃破という形が正しかったことを後に知ることになる。
『凄い……エヴァンゲリオン2機、使徒を相手に善戦しています!』
オペレーターのマヤが感心する通り、2機のエヴァは使徒相手にかなり優位に立ち回っていた。
特に圧巻なのは弐号機だ。
圧倒的な瞬発力とソニックグレイヴを武器に使徒を翻弄している。
高いシンクロ率と圧倒的な操縦技術、そして無類の格闘センスを誇るアスカの本領発揮だ。
初号機は弐号機と比べれば立ち回りは地味だが、お決まりの盾とスピアを武器に無難に立ち回って使徒のコアを執拗に狙っている。
まるで、タイトルを掛けてじっくりと戦うプロボクサーのようだ。
お互いに善戦しているが、やはり戦闘スタイル的に先に戦況が動いたのは弐号機の方だった。
「これで……終わりよッ!」
回し蹴りで使徒の体勢を崩し、狙いすましたソニックグレイヴがコアを貫く。
苛烈にして獰猛。
圧倒的に華がある戦い方で決着を付けてみせたアスカが得意げな顔を披露する。
「どうよ、シンジ。これが私の実力――」
『まだよアスカ! コアが修復されるわ!』
「ッ⁉」
ミサトの言葉を聞いた瞬間、本能的にアスカはその場を飛びのいた。
先程まで弐号機の顔があった場所を横切るのは、先程コアを貫いたはずの使徒の爪。
「嘘……どういうこと?」
身体に突き刺さっていた弐号機のソニックグレイヴを器用に引き抜いた使徒がそれを構える。
一方、じりじりと敵を追い詰めていた初号機側にも動きがあった。
「やりましたよ、葛城一尉」
スピアが使徒のコアを貫いている。
だが、シンジ少年の声に喜びはない。
先程のやり取りを無線で聞いていた彼はすぐにスピアを引き抜いた。
そして、案の定再生する使徒。
コアを貫いても倒れない使徒。
『使徒の分析急いで!』
ミサトの檄が飛ぶ。
技術部が躍起になって使徒の状態を解明しようとする中、戦況は徐々に変わりつつあった。
粘り強い初号機は先程と同じ戦い方を継続しているが、問題は弐号機の方。
「クソ……人の武器を勝手に使ってんじゃないわよッ!」
吠えるアスカの視線の先では、使徒が器用にもソニックグレイヴを振り回しながら間合いを詰めようとしている。
流石の操縦技術でそれを躱しながら武器奪取の隙を伺う弐号機だが、敵の武器はそれだけではない。
ピカっと輝く使徒の頭部。
咄嗟に防御の体勢を取った弐号機に使徒の怪光線が襲い掛かった。
(鬱陶しいわねぇ……!)
痛みに耐えながら弐号機が大きく後ろに飛んで距離を取る。
追撃で怪光線が飛んでくるが、弐号機は遮蔽物が少ない中、凄まじい速度で疾走しながらそれを躱す。
一方その頃、初号機はコツを掴んだのか使徒に2回目の死を与えていた。
だが――
『ダメです! やはり使徒のコア、復元されます!』
マヤが叫んだ通り、即座に回復する使徒のコア。
やっぱりか、と溜息をつきながら初号機は盾を構えて反撃に転じた使徒の攻撃を受け流す。
しかし、彼の攻撃は決して無駄ではなかった。
『パイロット両名。MAGIによる演算結果が出たわ』
淡々と告げる赤木リツコの声。
敵の攻撃を縦横無尽に動き回って躱すアスカと、盾と反射神経で躱すシンジ少年が一言一句逃すまいと耳を傾ける。
『結論から言うと、今の状態では使徒のコアは破壊できないわ』
そして、驚愕の事実が知らされる。
・使徒のコアは間違いなく1つだったこと。
・今はそれが分離している状態ということ。
・分離している状態では片方だけを破壊してももう片方が無事なら即時回復されること。
「それってつまり、どうしろって、ことなのよッ⁉」
スタミナもかなりあるアスカだが、流石にずっと動き回っていれば疲労も蓄積する。
肩で息をしながら尋ねる彼女に対し、リツコは淡々と告げた。
『2体に同時に攻撃を命中させ、敵が1体の状態へと戻り――
「「……」」
パイロット2名の間に絶望的な沈黙が満ちる。
それがどれほどハードルの高いことなのか、赤木博士は本当に分かっているのだろうか?
追い打ちを掛けるように彼女は言った。
『あなたたちの連携が肝よ。頑張ってね』
アスカは頬を引き攣らせる。
「頑張ってねって! そんなの――きゃあ⁉」
寝不足によるスタミナの枯渇と、集中力の低下。
それによってほぼ限界まで伸びきったアンビリカルケーブルで足を滑らせるという、初歩的なミスをしてしまったアスカ。
使徒がその隙を逃すはずがなく、ソニックグレイヴが弐号機目掛けて突き出される。
「アスカ!」
彼女を助けたのは初号機だった。
赤木博士の言葉を聞いた瞬間から弐号機と連携を合わせようとアスカのことを注視してシンジ少年は、彼女がピンチと見るや否や、
スピアを投げなかったのは、あの位置からではアスカに命中させる危険があったからだろう。
盾なら最悪アスカに当たっても致命傷にはならないし、何なら敵の攻撃から弐号機を強制的に逸らすことができるからだ。
横から巨大な物体を投げつけられた使徒が怯む。
その隙にアスカは使徒へ飛びつき、自身のソニックグレイヴを取り戻した。
「もらったッ!」
己の得物を取り戻したアスカは、シンジ少年のシールド投擲によって怯んでいる使徒に飛び掛かり――敢えてコアを貫かずに胴体を貫いて地面へ縫い付けた。
賢明な判断である。
後は、もう一体の使徒に攻撃を当てれば元に戻るだろう。
問題はコアが1つに戻り切る前に同時に攻撃を当てられるかだが……それはシンジ少年と呼吸を合わせる他ない。
(シンジ……)
防御の要である盾を放り投げてでもアスカのことを助けてくれた少年のことを思う。
昨夜の暴走によって身勝手に傷つけたにも関わらず、彼はリスクを冒して自分を助けてくれた。
アスカは片意地を張っていた自分が急に馬鹿らしくなった。
目を瞑り、自分の心に目を向ける。
彼女の心は叫んでいた。
彼と仲直りをしたい、と。
謝りたい、と。
一瞬だけ閉じていた瞼を開く。
アスカは初号機の方を向いた。
「シンジ、その、ありがとう。助かったわ。取り敢えず、喧嘩のことは忘れて一緒に――」
振り向いた弐号機。
その視線の先では、ほぼ零距離で使徒の怪光線を食らう初号機の姿があった。
その両手には、真ん中からポッキリと折られたスピアが握られている。
あぁ……多分、盾をアスカに投げてから咄嗟にスピアで攻撃を防ごうとしたけど、当たり所が悪くて折られたんだな、とアスカは妙に冷静な頭で推察する。
「ッ――」
言葉にならないくぐもった声が無線から漏れる。
1発、2発、3発、4発……
両手の爪で初号機の両腕を固定し、無防備になった胸部へ連射性能が高い怪光線が容赦なくぶつけられる。
それは、的確に弱点ばかりを狙って来ていた初号機への意趣返しかもしれなかった。
不気味に静止した一瞬の時間。
それを破ったのはミサトの悲痛な声だった。
『弐号機援護してッ‼』
弾かれたように弐号機が飛び出す。
その盾を追いかけながらアスカは獣のように吠えながら使徒へ飛び掛かった。
勢いそのままに使徒を押し倒し、その上から狂ったように拳を叩きつけ、殴りつける。
凶悪な暴力に晒され、ダメージを負った使徒の形態が変化し始めた。
ソニックグレイヴで地面に縫い付けられている個体と1つの姿へ戻ろうとしているのである。
もうすぐこの厄介な使徒撃破のチャンスが訪れる。
だが、アスカはそれどころではなかった。
「シンジは――⁉」
♰
一方、発令所もまた混乱状態だった。
「シンちゃんは――⁉」
指揮官としての殻を脱ぎ捨て、ミサトが叫ぶ。
残酷な話だが、これが初号機の右腕が吹き飛んだ程度の話であればここまで動揺はしていなかった。
悲しさと、自分への悔しさで口の中を血に染めながら撤退を命じるだけで済んだから。
だが、今回のは明らかに当たり所が悪かった。
心臓は、
「胸部へのフィードバック大!」
「初号機パイロット脈拍が安定しません!」
「て、停止! 心臓が停止しています!」
ミサトの頭が真っ白になる。
脳裏に蘇るのは、医師の言葉。
『結論から言いますが、これ以上心臓に負荷を掛けるのはまずいでしょう。特に身体が出来上がっていない成長期の今に心臓震盪を招くような事態に遭遇し続ければ、いずれは――』
動揺は一瞬。
ミサトは鬼の形相で叫んだ。
「生命維持装置最大! 心臓マッサージ!」
「了解!」
チャージ音の後、ピッと軽い電子音。
次の瞬間、意識を失っているシンジ少年の身体がエントリープラグ内で大きく跳ねた。
「……」
ロザリオは捨てたが、何かに祈るように両手を組むミサト。
「……戻りました!」
「心拍数戻り、安定しています!」
「……そう」
処置の素早さもあってか、一度のショックでシンジ少年の心臓は鼓動を取り戻した。
ミサトは安堵のあまり、崩れ落ちそうになる自分を指揮官としての理性で何とか支えていた。
「一度撤退します! 弐号機は初号機を回収!」
『……』
「アスカ? 聞こえているの? アスカ!」
『……ミサト』
迷子になった幼い少女のような声。
ミサトは優しい声で伝える。
「アスカ……シンちゃんは無事よ。だから、帰ってきたら話をしましょう? ね」
『……了解』
ようやく自分を取り戻したアスカが弐号機をのろのろと操り、大事そうにそっと初号機を抱きかかえてから戦線を離脱し始めた。
「……使徒のコアは」
「完全に1つに戻っています。今からでは間に合わないかと」
「……エヴァの退避は?」
「完了しています」
「
「
「良し。それじゃあ、作戦通り一発かましますか。時間を稼ぐくらいはできるでしょう」
少しでも雰囲気を明るくしようと、明るく振舞いながらミサトは号令した。
「ジェットアローン、ポジトロンライフル改、発射ッ!」
日本重工から格安で買い取ったジェットアローン。
今回の作戦の肝でもあったそれには、電力問題を改良されたポジトロンライフルが接続されている。
OSはエヴァンゲリオンの技術を転用し、さらに技術部の魔改造が施された最新型……のような何かを搭載。
MAGIとの接続も強引に実行し、超長距離からの精密射撃も可能となった。
人の力で造り上げられた新生ジェットアローンが引き金を引く。
強烈な一撃は使徒の身体を吹き飛ばし――
人類には7日の猶予が与えられたのであった。
予告
使徒に敗戦したシンジ少年とアスカ。
ミサトは難敵に挑むべく、特別な訓練を考案する。
交わる拳と心。
2人の心が重なり始める。
次回
ずっと、心、重ねていて【中編】