宇佐見蓮子は覚を詠む ~memory read   作:フロウリバー

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東京都八王子市大和田町に存在する「大和田刑場跡」へと足を運んだ蓮子を待ち受けていたのは桁違いの”恐怖体験”だった。「岸辺露伴は動かない」と「東方project」を原作とした一話完結型短編二次創作シリーズ第2弾。


第二話:処刑場

 「これは・・・実に興味深い。」

今度のコミケで出す新刊本のおまけとして出そうと思っている本のネタを探すために私はインターネットを使って奇妙な体験ができる場所を探していたのだが、京都周辺にはコレと言っていいところがなかったため。東京に探りを入れてみたら、丁度探し求めていた心霊現象が起きる場所があった。それが東京都八王子市にある「ホテルニューグランド」。このホテルが建てられた場所は、もともと江戸時代に処刑場として使われていた土地だったそうだ。

 ここで実際にこの刑場跡の周辺で起こったことを紹介していこう。

 曰く

 『八王子市の中心部を流れる浅川にかかる大和田橋。激しく車の行き交う甲州街道(国道20号)は、この橋の北側で右に大きくカーブしている。そこの信号で、とくに深夜、交通事故が多発している。

 スピードを出しすぎた車が、カーブを曲がりきれずにガードレールに激突したり、反対車線に飛び出したりするからだという。本当に、それだけが事故の原因なのだろうか?』

 曰く

『以前、このあたりに建っていた製紙工場にはたしかに処刑者を供養する慰霊碑があったのである。この工場では、死亡事故などの大事故が多かった。とくに、二月二十八日には必ずといっていいほど事故が起きた。

 祟りのせいじゃないかと恐れた工場では、昭和二十九年、慰霊碑を建立した。その後、毎年二月二十八日と春のお彼岸に供物をいっぱいお供えして供養をするようになった。すると、目に見えて事故が減ったという。』

曰く

『大和田刑場の跡には、今、ビルが立ち並んでいる。ビルが建てられるときに慰霊碑は取り壊されてしまった。

 供養されることのなくなった怨霊たちが、さびしさのあまり、新しい死者を招き寄せるので、交通事故が多いのかもしれない。そうして、いよいよ死霊が増えていく……大和田橋の北側のカーブは、よほど注意して運転しないと危ない。』

と、ここまで一通り紹介したところで、早速現地へ向かうことにした。

 

 「おいおいおいおい・・・こんな異様な雰囲気は初めてだぞ・・・おいおいおいおいおいおいおい」

 早速「大和田刑場跡」へ向かってみたは良いものの、大和田刑場跡の近くにある「大和田橋」へと足を踏み入れるその刹那、とんでもない怨みつらみを感じ、さしもの私も少しだけ後ずさってしまった。現在時刻は夜の十一時。周囲に人はいない。意を決して私はホテルニューグランドに向かって歩みを進める。と、私の前方10m先にボロキレのような服を来たじいさんが現れた。

(10mか・・・ヘブンズ・ドアーの射程距離内だな・・・少し探りを入れてみるか)

 私は子供の頃から不思議な能力を持っていた。その能力はなぜかビジョンを持っており、私はそのビジョンに「ヘブンズ・ドアー」という名を付けている。

 余談はさておき私は着物のじいさんの元へとヘブンズ・ドアーを送り込む。が、その瞬間、じいさんは白目をひん剥いたかと思うとこちら側へと全力(かは知らないが)疾走をして向かってきた。

「なッ!こいつ!ヘブンズ・ドアー!!」

ヘブンズ・ドアーの能力、それは相手を本にして記憶を読む能力。一度本にされてしまえばそいつはもう動くことはできない。全力疾走をしてきた爺さんはヘブンズ・ドアーによって瞬く間に体の一部を本にされてしまい、道路に横たわった。

「記憶を読ませてもらう・・・なるほど・・・やはりそうか。この爺さんは・・・」

ここで処刑された人だ。と言い終わったところで、今度は後ろから異様な気配を感じ、振り向くと、前方5m地点に生首が浮かんでいた。そう、前にも、後ろにも、横にも、斜めにも。

これは物理的な「八方塞がり」というやつだろうか。全方位を囲まれてしまっている。どうやら私を逃がすつもりはサラサラないようだ。

「まずいぞ・・・実にまずい」

ぼそっと私がそう呟くと同時に、生首だけの怨霊たちは一斉に襲いかかってきた。

「クソッ!やるしかない!!ヘブンズ・ドアー!!」

私は少しだけヤケクソ気味に能力を発動し、生首怨霊全員を本にして戦闘不能にするという無謀な賭けに出た。四方八方から襲ってくる怨霊たちをヘブンズ・ドアーで攻撃し、本に変えていく。しかしまだいるのか、後ろから無尽蔵に生首がやってくる。

「ぐッ!ヘブンズ・ドアー!命令を書き込む!!」

ヘブンズ・ドアーのもう一つの能力、それは対象に命令を”書き込む”能力。書き込まれた命令に逆らうことは不可能。その能力を利用し、私は自分自身に

『10分間だけ飛行可能になる』

と書き込んだ。怨霊たちが私を抑え込もうとするよりも一瞬速く、私は宙に舞い上がり、攻撃を交わす。そして空からヘブンズ・ドアーで怨霊たちを攻撃、命令を書き込み、その場にいた生首怨霊たち全員を強制成仏させた。

「ふぅ、なんとか一安心だな」

そう呟きながら、私は駐車場まで飛んでいくと、駐車場に停めていた自分の車に乗り込み、今日泊まるホテル「東横イン」まで車を走らせた。それにしても今回の霊は強敵だった。今まで遭遇してきた心霊体験の中でもかなり記憶に残ったところだった。これでまたいい漫画が描ける。私は少しだけ上機嫌気味に車を走らせた。

 

to be continued




はい、ひとまずは無事に第二話を投稿できました。持続力は何においても重要ですね。みなさんも持っていますでしょうか?持続力。私は持続力を身につける最中にあります。で、今回の話の元ネタは私の第二の故郷でもある八王子市大和田町にある「大和田刑場」です。この「大和田刑場」に建てられたホテル「ホテルニューグランド」が解体されてしまうらしいので、私としてはとても残念に思います。ありがとう、ホテルニューグランド。・・・やべ、私情入りまくりのあとがきでしたが、あんま気にしないように。というわけでまた次回も会いましょう。さようなら
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