キリトは五階まで駆け上がり、扉の前で叫んだ。
「城主閣下、失礼します!」
「ジョーシュさま、いるなら返事して!」
数秒後、城主の声が聞こえてくる。
「入りなさい」
すぐに執務室に入ったキリトはデスクの前まで移動する。どう話を切り出そうか悩む彼に、落ち着いた声でヨフィリスは言った。
「戦況はどうなっていますか?」
「ええっと…こちらの船は旗艦含めて四隻が沈み、敵に桟橋まで上がられてしまいました」
「……なるほど。では、敵がここまで来るのは時間の問題ですね」
「………はい。あと二十…いや、十五分でそうなると思います」
キリトの報告を聞いたヨフィリスに動揺した様子はない。
「ならば、私はここで敵を待ちましょう。人族の剣士よ、これまでの助力に感謝を。ここは死地になるでしょう、そうなる前に仲間と共に城から去りなさい」
キリトは焦りが込み上げてくるが、無理やり唾で呑み込んだ。
「……ヨフェル城の兵士たちは、最初から敵に士気で負けていました。……それは、率いるべき真の指揮官が戦場にいないからです」
「真の指揮官?」
「………ええ、それはあなたです城主様」
直球ストレートな発言に城主は軽く苦笑する。彼はコツコツと机を叩いてから言った。
「…それは最早言っても詮無き事。戦い続ければ、いずれは敗れるもの…常勝無敗など理想論でしかありません。今日、このヨフェル城が落とされ私が剣に斃れるというならば…それは、運命なのです」
「………ジョーシュさま、それを言っていいのは最後まで戦ったヤツだけだよ。だって、最初から諦めていたらどんな相手にも勝てないじゃん」
ドルモンの言葉はある種真理だろう。キリトもそれに続く。
「城主様、あなたの兵士はまだ戦っています!彼らはきっとあなたの声を待っているんです!!……病気のことはキズメルから聞いてます。でも…このまま死を待つくらいなら、せめて戦っている兵士たちに一言声をかけてやってくれませんか!!」
キリトの言葉にヨフィリスは黙り込んでしまった。
(……駄目か…。もしかして、俺は彼の病気に関するクエストを見逃してしまったのか?もしそれをクリアできていたなら、今頃あの無能指揮官じゃなくて城主が戦線を指揮していたんじゃないか…?)
城主の説得を諦めたキリトはため息をついて事務室を退室しようと右足を引いた…その時。
「人族の若者とその友たる獣よ。一つ、私の問いに答えなさい」
「………ッ!?」
キリトがヨフィリスの方を向くと、暗闇の向こうでクエストマークの【?】が煌めいていた。
「お前たちは、なぜカレス・オーの民ではなくリュースラの民に力を貸すのですか?」
シンプルな問い、だからこそキリトは即答できない。……だが、ここで誤魔化すという選択は、不思議と湧いてこなかった。
「そんなの、決まってるじゃないか」
「……俺は、最初しっかりとした理由があったわけじゃないです。……けど、今は…」
「「キズメルの愛する国を一緒に守りたいから!!」」
ドルモンと共にキリトは断言する。ふふっという笑みが、ヨフィリスから漏れた。
キリトたちが城に突入して四分が経過した時、クエストマークは音もなく消滅した。その代わりにヨフィリスの力強い声が響く。
「その言葉を真実だと認めましょう。ならば私も真実を以て答えねば、失礼極まりない。……お前たちがキズメルから聞いた病の話ですが……」
キリトの真横に立った子爵は、いたずらっ子のように楽しそうな声で『真実』を告白した。
「アレ、嘘なんです」
「……へ?」
「………え、えぇえええ!!?」
ガコンという音と共に北側の壁の一部が動き、日光が暗闇を貫いた。目を丸くする二人をよそに、細身のシルエットが壁の向こうに躍り出た。
「ついてきなさい」
「え、ちょっと待て!!ここ五階…」
下を見下ろしてみると壁から五十センチほど出た
「……ヨシ、行くぞ相棒!」
城主に十秒遅れで庇を飛び降り、地面に着地する。すぐ横に立つヨフィリス子爵の顔を初めて見たキリトとドルモンは目を見開いた。
顔の左側に、額から左目、顎にまで大きく伸びる切り傷があったからだ。その古傷は、かつてかなりの重傷を負ったことを鮮明に物語っていた。
「……その傷、どうしたの?」
ドルモンが呆然と聞くと、ヨフィリスは自嘲の笑みを浮かべる。
「……長く生きると自然と恥は増えるものですが…、
「あ、すいません…」
キリトが慌てて目を逸らすと、城主はふっと短く笑った。
「謝らなくともよい。私はこの傷を隠そうとするあまり、愚かさを積み重ねていたのですから。……さあ、行きましょう。私の兵士たちと、お前たちの友が待つ戦場へ!」
城主は門に近づくと、右手を上げ声高らかに叫んだ。
「開門!」
門の向こうでは防衛戦が続いている。十八人もいた敵は十人に減っていたが、味方の槍兵も六人から三人になっていた。
門を通り抜けようとする敵兵を迎え撃ちながら、キリトは仲間たちに短く叫んだ。
「悪い、ちょっと遅れた!」
「こっちはまだ余裕あるけど、船の方がちょっと不味いかも!何人か落とされてた!」
アスナの言う通り、味方のゴンドラはだいぶ空いていた。このままでは敵の増援が押し寄せてくるのも時間の問題だ。
「そっちはどうだったの!?」
「えっと、それは……」
キリトが答えようとした時、後方で疾風のごとき鋭い声が響き渡った。
「私は、リュースラの騎士にしてヨフェル城の主、レーシュレン・ゼド・ヨフィリス!!」
「「「!!??」」」
キズメルも、味方の兵士も大きく目を見開き驚愕する。日に当たることができない病であると聞いていた城主が、日光が照らす桟橋に現れたのだから当然と言えば当然だが。
「リュースラの兵士たちよ、私は今こそ長きにわたる不在を詫び、そして
刹那、戦いの音は全て途絶え湖を静寂が包み込む。……その静寂を、
船上で叫ぶ者、湖に落ちた者、桟橋で持ちこたえる者…その全てが武器や拳を突き上げて叫ぶ。その雄叫びは水面に幾つもの波紋を生み、やがて大きな波となって広がっていく。
効果音と共に自身と仲間のHPバーの上に幾つものアイコンが出現したことでキリトは目を丸くする。全て、バフだ!
(攻撃力アップと守備力アップ、ノックバック率上昇に幸運ボーナス…!!?城主様のバフやべぇ!!!)
四種類のバフを城主一人が全ての味方にばら撒いたとするなら、とんでもないカリスマである。そして、反撃の時間が始まった。
「おおおッ!!」
キリトは気合を入れて《ホリゾンタル》を発動させると、眼前の兵士を湖に叩き込んだ。ノックバック率上昇の恩恵は大きく、あちこちで味方が
「ぐぅッ…お、恐れるな!たかが城主が一人増えたところで戦況は我らの有利だ!!」
「なっ!?あいつらまさか…同時にソードスキルを撃つつもりか!?」
単発のソードスキルでも侮れないのに、同時に発動するソードスキルはその難易度にふさわしい爆発力を誇る。だが、対抗しようにも味方の武器種はバラバラで同時に発動するのは困難だ。
「左右に避けなさい!」
その時、後方から有無を言わせぬ命令が飛んでくる。キリトたちはすぐに桟橋の縁まで退避する。敵兵が六人で《
後方から彗星が飛翔した。その光はソードスキルを発動させた敵の真ん中に接触し…六人全員を空高く打ち上げた。空中でぐるぐる回りながら湖面に落ちていく敵と、十メートル後方にいたはずのヨフィリスを交互に見ながら、アスナはかすれた声でキリトに聞いた。
「い、今のソードスキルなの…!?」
「あ、ああ…。公式サイトでしか見たことないけど、間違いない…!アレは細剣の最上位突進スキル、《フラッシング・ペネトレイター》だ!」
「すっごく綺麗だねー」
ヨフィリスは前傾姿勢のまま動かない。上位スキルなだけあって技後硬直は長めらしい。
「クソ!!城主を殺せぇ!!」
今まで船の上で高みの見物をしていた敵の指揮官が鬼のような形相で副官と共に降りてくる。
「アスナ、行くぞ!!」
「ええ!」
キリトたちはひざまずいた城主を追い越し、走ってくる白騎士たちを迎撃する。
「そこをどけぇ人族!!」
「誰が退くか!!」
キリトは敵指揮官こと《フォレストエルブン・インフェリアナイト》と斬り結ぶ。バフがかかっている状態でも重く感じる衝撃に、キリトは舌打ちした。カラーカーソルもそこそこ赤い強敵だ。
「ドルモン!」
「おう!」
ドルモンはインフェリアナイトに《メタルキャノン》を撃ちこむ。ノックバック率上昇バフのおかげで敵は後ずさるものの、重量があるせいで持ちこたえられた。
そこからは白騎士の斬撃を避けたりパリィで凌ぎ、反撃を敵の守りでブロックされる苦しい展開が続いた。アスナも副官の重武装兵を攻めあぐねている。
キリトは剣を交えながら、頭の中でぐるぐるとエルフクエストについて考え続けた。
(なぜ、このキャンペーンシナリオを書いたヤツはエルフたちに浮遊城の破滅だの全ての層の大地の帰還だのって無茶な設定を信じさせたんだ…?ベータ時代のシンプル極まりない秘鍵争奪戦でも充分にキャンペーンとして機能していたのに…)
その時、キリトと白騎士は同時に斬りこみ、鍔迫り合いとなった。懸命に押し返そうとするキリトに、敵の指揮官が問いを投げかける。
「……小僧、人族の貴様がなぜ黒エルフどもに加勢するのだ」
先ほどヨフィリスに訊かれたものと同じだが、同じような答えを言っても駄目なことは明らかだった。個人としての答えではなく、エルフクエストに挑むプレイヤーを代表しての答えを求められているからだ。
究極的には、エルフクエストをクリアせずともデスゲームの攻略に支障は出ない…と思われる。効率だけを求めるのならクエストは全スルーして定点狩りをすればいいのだ。だからこそALSとDKBはクエストを放棄した。
(けれど、俺たちはクエストを放棄したくない。キズメルとの約束もあるし…何か、漠然とした理由も俺の中にはくすぶっている…)
火花を散らす二本の剣の交点で、ピキッという小さく鋭い音を聞いたキリトは思わず叫んでいた。
「それは…
キリトの咄嗟に出た言葉は本人から見ても矛盾にしか聞こえなかったが、嘘偽りのない本心でもあった。
「…たわごとを!!古の時代より、我らカレス・オーの民は黒エルフどもとの戦いで血を流し続けたのだ!!それもすべてこの虚空に浮かぶ牢獄から全ての命を解放せんがため…!我らが尊き使命を、貴様らのような愚かな餓鬼どもに邪魔はさせぬぞ!!」
騎士に大きく剣を弾かれ、キリトは歯を食いしばって踏みとどまる。
「くそ……!」
「キリト、来るよ!!」
白騎士は剣を高々と振りかぶり、銀色の閃光を放つ。片手剣三連撃、《シャープネイル》だ。同じ技で相殺することも回避も不可能と判断したキリトは、剣を頭上に抱えた。
真横に倒した剣の切っ先近くを左手で支える《
「耐えろ、耐えてくれ……ッ!」
アニール・ブレード+8の内訳は鋭さ+4、丈夫さ+4。初期状態よりも耐久はあるはずだし、メンテナンスも欠かしてはいないが…長期間酷使してきたこともまた事実だ。
騎士のソードスキルを受けて、キリトは自身の愛剣が激しく損傷しているのを感じる。
……しかし、ここで退くわけにはいかなかった。目の前の指揮官は戦闘中に
明らかに事実誤認だが、指揮官が騙していないというならば彼自身も誤った情報を教えられているということになる。……問題は、
前者ならこれまでの見立て通り
「ハアアアアッ!!」
《シャープネイル》の三撃目がアニール・ブレードに降り注ぐ。衝撃と共に刃が小さく欠け…同時に、キリトのログにこんなメッセージが表示された。
【片手直剣スキルの熟練度が150に到達】
「……ッ!!!」
キリトはその瞬間を待っていた。熟練度150に到達することで使用できるようになるソードスキルが二つ存在するからだ。技後硬直に陥った敵に、反撃のソードスキルを放つ。
「お…おおぉッ!」
片手剣四連撃技、《ホリゾンタル・スクエア》。
スカイブルーの光を放ちながら一閃した後、左から右にもう一度横切りを放つ。敵の肩装甲を砕きながら、敵は大きく跳ね飛ばされた。
「ぐおっ!?」
「まだだぁ!!」
二撃目の勢いのまま時計回りに回転し、三撃目を叩き込む。白騎士の金属アーマーを叩き割ったキリトは、トドメの四撃目を放とうとする。
「ぐ…ああああああッ!!」
だが、インフェリアナイトは咄嗟に盾を構え、心臓の位置を守る。キリトのアニール・ブレードは盾と激突し、強力なライトエフェクトが視界を塗りつぶす。
遠ざかる敵のシルエットを見ながら、キリトは小さな破砕音を聞いた。それは、デスゲーム初日から共に戦ったアニール・ブレードの別れの声だった。
(……ありがとう、アニール・ブレード)
折れた切っ先は小さく砕け散りながら溶けて消えていく。桟橋の方を見ると、満身創痍だがまだ白騎士は桟橋に残っていた。
「き、さまぁ……!」
まだ戦う気満々の騎士を見たキリトは、ただ一言口にする。
「ドルモン」
「《メタルキャノン》!」
盛大な水音で湖に叩き込まれた白騎士をこれ以上見ることはなく、代わりにアスナの方を確認する。彼女もなんとか副官を桟橋から叩き落とせたようで、ハイタッチで健闘をねぎらった。
「……あ。キリト君の剣…」
「ま、そろそろ寿命だったからな。ここまで頑張ってくれたなら大往生さ」
指揮官が敗れたことを知った
キリトがぼーっと逃げていく
「見事な戦いだったぞ、キリト」
「……あいつら結構な数生き残ってたけど大丈夫かな」
「もっと胸を張れ。敵の襲撃を伝え、劣勢を覆し、さらには敵の指揮官を退けたのはお前だ、キリト。秘鍵も守り抜いたし、これ以上何を望むのだ」
「……そうだな」
かつて妹とその夫を殺された彼女にそう言われては、キリトも納得するしかない。クエストクリアで大量の経験値が入ってくるのを眺めている彼に、こんどはヨフィリスが話しかけた。
「……お前の剣、惜しいことをしましたね」
「いえ、無茶させたのは俺ですから…」
「剣のせいにしないのはいい心がけです。刀身が半ば残っているなら、修理も可能ですが…どうしますか?」
キリトは少し考えてから首を振った。
「……いえ、この剣はもう溶かして新しい防具か何かに作り変えます」
「……そうですか、ならば新たな剣が必要ですね」
ヨフィリスが手を上げると、兵士が二人がかりで大型チェストを持ってくる。中には、鏡のように磨き上げられた武器防具やアクセサリーがたんまり入っていた。
子爵はニヤリといたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「これはヨフィリス子爵家が大昔に他所からうば…譲渡されたり買い取って保管していた品々です。私からの謝礼として一品、さらにそなたの武勇と友との絆に対する褒美として一品、なんでも好きなものを取りなさい」
「ま、マジ!?それ、俺とアスナで二つずつですか!?」
「ええ、マジです。二言はありませんよ」
「やったー!頑張った甲斐があった!!」
キリトは早速クエストリワードの性能を見て至福のため息を漏らした。どれもこれも一級品でしばらく活躍する事は間違いない。
「はー、三つ選べたらなぁ!!」
「キリトはよくばりだなー」
「欲張りにもなるだろ!見ろよこの剣、敏捷+7とかヤベェ性能してる!!」
目をキラキラさせながら悩むキリトに、いつの間にかティルネル号に乗って何処かに行っていたアスナが慌てた顔で近づいてきた。
「キリト君、大変なことになっちゃった!!」
「ああ、大変だな!見ろよこのクエストリワード、一人二つも貰えるんだぞ!!」
「そんなの後!しばらく前にフロアボス攻略レイドが出発したって、アルゴさんから連絡が来たの!!」
「な、なにぃぃいい!?」
キリトは物色していた指輪を落として叫んだ。
「待て待て、今朝の情報じゃどんなに早くても明日の午後だろうって…」
「そうなんだけど、今日の午前中にボス部屋まで到達して、ボスの偵察もできちゃったらしくて…。こうなったら最寄りの村で補給と休憩だけして、午後一番でボスに殴り込みや!って意見が出たみたいで……」
「…あ、あのトゲ頭余計な事を…」
ドルモンが
「それで、レイドが出発したのは何時だって?」
「今から五十五分前!」
「ならもう塔を登ってるな…。今回はボス戦を見送る事になりそうだ…」
「そう、だね……」
一抹の不安は残っているものの、ALSとDKBなら初見のボスでもなんとかなるだろうと思っていたキリトであったが、話を聞いていたキズメルが話しかけてくる。
「三人とも、《天柱の塔》に挑むのか?」
「いやいや、今回はALSとDKBに任せることになりそうだなーって話」
「ああ、三層で出会った彼らか。……ただ、この層にいる守護獣はたしか…」
キズメルは不安そうな顔をする。黙ってしまった彼女に代わって今度は城主が口を開いた。
「伝承でしか知りませんが、この四層にいる守護獣は妙な力を持っていると聞きます」
「……妙って?」
キリトの脳内に、ベータ時代に戦った四層のボスヒッポグリフが現れる。クチバシ攻撃こそ痛かったものの屋内戦なので翼で風を起こすくらいでオーソドックスなボスだった。もちろん妙な技を使われた記憶もない。
だが、ヨフィリスはとんでもないことを言い放ったのだ。
「この層の守護獣は
「………嘘、だろ…」
「こ、このままじゃトゲ頭たちがウマサカナのご飯になっちゃう!!」
ドルモンの言う通り、放置すれば対抗策無しで挑んだ彼らは全滅しかねない。
「は、早くメッセージを飛ばさなきゃ!」
「いや、迷宮区にメッセージは届かない!俺たちが直接行ってボス部屋の扉を開けるんだ!あいつらがまだ浮き輪の実を持っているといいけど…」
外から開けられなかった場合を考えて、キリトはぞわりと背中に冷たいものが走った。
(……いや、こんな低階層でデストラップが仕掛けられるなんて思いたくないが…)
「ごめんねキズメル、わたしたち行かなきゃ!ちゃんと生きて戻ってくるから…!」
キズメルはアスナの言葉に肩をすくめた。
「こういう時、人族は《水臭い》というのだろう?三層でできた借りを返すのも悪くない、私も行くよ」
「「「え?」」」
一行は目が点になった。追撃するように城主も楽しそうな笑みを浮かべて宣言する。
「では私も行きましょうか」
「「「え、ええええええ!!?」」」
一行の絶叫が湖に響き渡った。