ソードアート・オンライン+D   作:シャザ

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5話 フロアボス決着!ビーターが生まれた日

 ディアベルが、死んだ。

 

 その事実はレイドの統率をいともたやすくバラバラにした。あるものはショックで足がすくみ、またあるものはボス同士の戦いに巻き込まれる前にボス部屋から逃走を図る。

 キリトは一瞬逃げてしまおうとも考えたが、ディアベルの言葉が脳裏にこびりついて離れない。

 

「………ボスを倒せ、か。無茶言ってくれるぜまったく…」

 

 近くで震えていたアスナに、キリトは声をかけた。

 

「…フェンサーさん、アンタだけでも撤退するんだ。ここはもうじき地獄になるぞ」

 

「……あなたは、どうする気なの?」

 

「ここで負けて逃げ帰ったら、多分二度とボス攻略レイドが組まれることはない。…だから、今、ここであいつらを倒す!!」

 

 アスナはため息をついてからキリトの隣に立つ。

 

「…わたしも行く。パートナーでしょう?」

 

「……ああ、行くぞ!!」

 

 二人同時に距離が近いコボルドロードへ走りだした。アスナがフードつきケープがはためいて邪魔だったのかそれを剥ぎ取る。その美貌は、そこにいたプレイヤーたちの恐怖をほんの少しの間忘却させるほどであった。

 キリトは隣で走るアスナに指示を出す。

 

「俺が相手のソードスキルを弾く、アスナはその隙を突いてくれ!!」

 

「了解ッ!!」

 

 コボルドロードがキリトたちの接近に気づき、最速のカタナスキル《辻風(ツジカゼ)》の構えを取る。キリトはそれを見て《レイジスパイク》を発動した。

 

「うおおッ!!」

 

 キリトとコボルドロードの武器が交差し凄まじい金属音と火花を生み出した。互いに二メートルほど吹き飛び、コボルドロードに生まれた隙をアスナは容赦なく狙った。

 

「せやあああ!!」

 

 流星のような速さで《リニアー》が王の腹を切り裂く。そのHPがわずかに、だが確かに削られた。

 …だが、隙を晒したのはキリトも同じだ。獣の本能か、あるいは竜の直感か、ドルガモンの(アギト)が剣士に迫る。

 

「……っ!!」

 

 キリトは目をそらさないようにドルガモンをにらみつける。大ダメージを受けるその直前、キリトとドルガモンの間に巨大な人影が割り込んだ。

 

「無事か、ダメージディーラー!!」

 

「あ、アンタは…エギル!!」

 

「…ったく、無茶するな!?ここからは壁役(オレたち)も参加する!!」

 

「すまん、恩に着る!…コボルドロードは絶対に囲んじゃダメだ、さっきの全方位スタン技が飛んでくるぞ!!」

 

 キリトの忠告に、巨漢は親指をぐっと立てた。

 

「アドバイスサンキュー!オイ、HPがまだ余裕あるヤツはこっちに来い!」

 

 

 キリトはコボルドロードのソードスキルを相殺しながら、アスナとの連携で敵のHPを少しずつ削っていった。

 その様子を見ていたプレイヤーたちの反応は様々だ。

 

「……あれはラストアタック狙いの強欲なだけや、撤退…撤退するべきなんや…」

 

 言葉ではそう言っていても心が納得しきれていない者。

 

「……あ、アスナ…?……い、生きてる…!!」

 

 閃光のごときアスナの姿に目を奪われるもの。

 

「………きひっ」

 

 ……悪意をもつもの。

 

 

 アスナの戦いを見ていた大鎌使いの少女は目を逸らすことができなかった。彼女の名はミト、アスナの親友…だったプレイヤーだ。

 助けになりたいが、アスナを見捨ててしまった自分に彼女を助ける資格はないとミトは諦めてしまう。

 

(……足が動かない。ああ、やっぱり私には…アスナの隣に立つ資格はないんだ。ともだちを見捨てて、のうのうと生き残る卑怯者の私には…)

 

 …その時、ドルガモンと相対していたアスナは追い詰められていた。ドルガモンは尻尾を振るってアスナを柱にぶつけ、彼女をスタンさせたのだ。

 

「く、うう…」

 

「グルルル…!!」

 

 …今まで動けなかったミトの身体は、親友の危機に動いた。ドルガモンの背中に飛び乗ったミトはボスの首に鎌を添え、そのまま思いっきり引いた。

 首を切り裂かれたドルガモンが絶叫する。

 

「ガアアアアッ!?」

 

「私の親友に、何してるの!!」

 

 ミトはついでとばかりにドルガモンの背中を斬りつけてから、アスナのいる場所に飛び降りる。アスナを抱え、彼女は急いでその場から離れた。

 

「大丈夫、アスナ!?一回後退してから回復するよ!」

 

「……み、と…?どうして、ここに…?」

 

「………アスナ。……強くなったね、私なんかがいなくても、もう…」

 

 だんだんミトの声が小さくなる。アスナは立ち上がると、自身の武器をミトの大鎌にカチンと合わせた。

 

「……ミト、一緒に戦おう?」

 

「………アスナ…!………ごめん、ごめんね…。おいてって、ごめんなさい…!」

 

「もう、泣かないでいいよ」

 

 

 戦況が大きく変わったのは、コボルドロードのHPゲージが三割を切って赤くなった時だ。一瞬の緩みが出たのか壁役の一人が誤って立ち止まったのは、ボスの真後ろ。

 コボルドロードの周囲にはドルガモンを合わせて六体の敵がいる、いわば囲まれ状態だった。

 

「早く動けェ!!」

 

 キリトの叫びも虚しく、全方位スタン攻撃《旋車(ツムジグルマ)》が発動する…その瞬間だった。

 

「させるかこの野郎!!」

 

 ミトがソードスキルでコボルドロードの左腰を切り裂く。クリティカルヒットした両手武器のソードスキルに、コボルドロードは《旋車(ツムジグルマ)》の体勢を崩してしまいそのまま落下する。

 人型モンスターはソードスキルを使用できる代わりに、特有のバッドステータスが存在する。…ソードスキルを不安定な場所で使用しようとして転ぶことで行動不能になる《転倒(タンブル)》だ。

 もがくコボルドロードにドルガモンは驚くべき行動をとった。

 

「《キャノンボール》ッ!!」

 

(喋ったっ!!?)

 

 今まで獣の鳴き声しか発さなかったドルガモンが必殺技らしきものを叫びながら鉄球を吐き出したのだ。コボルドロードはその攻撃で武器を落としてしまう。

 キリトは内心とても驚いていたが、そんな感情なんかよりもよっぽど重要なことがあることに気づき声の限り叫んだ。

 

「今だ、全員総攻撃!!!」

 

 キリトとアスナ、エギルのパーティーとミトのソードスキルが満身創痍のコボルドロードに襲い掛かる。

 爆発めいた光と音が炸裂しコボルドロードのHPゲージががりがり削られた…が、王は生き残った。

 立ち上がろうとするコボルドロードを見たキリトはアスナに呼びかける。

 

「アスナ、一緒に攻撃だ!」

 

「ええ、行くわよ!」

 

 アスナの《リニアー》がボスの左わき腹に撃ちこまれ、続けてキリトの剣が縦に切り裂く。

 残り1ドットのボスがソードスキルを発動するその瞬間、キリトは吼えた。

 

「まだ、だああああ!!!」

 

 キリトの振り下ろされた剣がシステムの力で跳ね上がり、Vの軌跡を描く。片手剣二連撃《バーチカル・アーク》が、コボルドロードのゲージを削り切った。

 ……コボルドロードが消滅するのを確認したキリトは、ドルガモンをじっと見つめた。ドルガモンも、キリトを見つめながらにやりと笑った…ように見えた。

 

 決着を、つけなければならない。キリトは竜に笑みを返し剣を構えた。

 

「……来いよ」

 

「ガルルガァ!!」

 

 ドルガモンの突進を、キリトは《ソニックリープ》で迎え撃つ。

 

 一瞬の交差の後立っていたのは、キリトだった。

 キリトの左腕は突進の勢いで吹きとばされたが、HPはまだ残っていた。

 ……ドルガモンの額にある装飾が打ち砕かれ、HPゲージがゼロになる。

 

「……強かったよ、お前は。俺は、お前のことを忘れない」

 

 キリトの言葉が聞こえていたのかすらわからなかったが、ガラス片のように砕けたドルガモンの表情は安らかだった。

 ドルガモンのいた場所にタマゴが残される。……キリトは、ドルガモンが生まれ変わったのだと信じた。

 ポーションを飲んでからそのタマゴを抱え、彼はアスナに笑顔を見せる。

 

「勝ったな、フェンサーさん」

 

「……ええ、そうね。そのタマゴどうするの?」

 

「……孵してみる予定だけど」

 

「……本気?」

 

「うん、マジマジ。…こいつさ、きっと俺たちと冒険がしたくなったからタマゴに生まれ変わったんじゃないか?」

 

 アスナの呆れた顔にキリトはなんだかおかしくなって、大きな声で笑おうと息を吸い込んだ。…が、彼の後ろから誰かの叫び声が聞こえて振り向く。

 

「……なんでだよ!!」

 

「…………え」

 

「なんでディアベルさんを見殺しにしたんだ!!」

 

 叫んだのは、おそらくディアベルのパーティーメンバーだ。キリトは名前すら知らない彼の言っていることが理解できなかった。

 

「…見殺し、だって?」

 

「そうだろう!?だってアンタはボスの使う技を全部知っていたんじゃないか!!最初からあの情報を伝えていれば、ディアベルさんは死ななかったんだ!!アンタのせいだッ!!!」

 

 血反吐を吐くようなその叫びに、エギルが口を挟む。

 

「……アンタは、ディアベルが死んだときに絶叫していたこの男がディアベルを謀殺したって言いたいのか?オレには、とてもそんなふうには見えなかったが…」

 

 その時、キバオウが指揮していたE隊の一人がキリトに指を突き付けながらわめきだした。

 

「オレ、オレ知ってる!!こいつはベータテスターだ!!だからボスの攻撃パターンとか、隠しボスがいることとか旨いクエとか狩場とか全部知ってるんだ!!知ってて隠してんだ!!」

 

 その言葉を聞いても、ディアベルの仲間だったシミター使いは驚かなかった。というか、キリトがベータテスターであることを確信していなければこんなことは言ってこないだろう。

 シミター使いはエギルの言葉など些事と切り捨てたのだろう。憎しみまみれの顔で何か叫ぼうとするが、それを遮ってアスナが反論する。

 

「ま、待って!この人がベータテスターだったとしても、攻略本はベータ時代のボスを参考にしていたはずよ!?つまり情報に差があるのはおかしいのよ!彼の知識はもっと先の層で得た知識だったと考える方が矛盾は……」

 

 アスナの反論を嘲笑うようにキリトをベータテスターだと暴露したプレイヤーが言い返した。

 

()()()()()()()()ッ!!あの(ネズミ)とこいつが初めっからグルで、どれだけ嘘を混ぜ込めばいいか一層の攻略本に抜けをわざと作って実験してやがったんだよォ!!オレ知ってんだ、こいつが情報屋と話してるところを何度も見たんだァッ!!」

 

「……き、さまぁッ!!!あの女、殺してやる!!よくも、よくもおれたちを…!!」

 

 周りの人間がベータテスターを排除しようとする空気になってきたことに、アスナは絶句するしかなかった。陰謀論が、彼らを狂気に陥れている…。

 キリトはこのまま放っておいたらどうなるだろうと思考する。

 

(……粛清だ。放置なんかしたらあのシミター使いはアルゴを処刑してベータテスター狩りを始めてしまうだろう。そうなれば攻略どころの話じゃない、プレイヤー同士の疑心暗鬼と殺し合いでみんな手一杯になる…)

 

 キリトはそれを防ぐにはどうすればいいのか考えた。考えて考えて考えて……一つだけ、アイデアが浮かんだ。

 彼は、ひたすら利己的なエゴイストを演じることにしたのだ。たとえここで殺されそうになったとしても、アルゴやアスナは守らなければならない。

 

「……はは、あははははは!!俺をただのベータテスターと一緒にするなよ。あいつらは一ヶ月間を無駄に過ごした素人(シロウト)共だ、当然あの(ネズミ)だって例外じゃない。なかなか可愛いもんだぜ、あいつはそれっぽいことを言えば信じるからなあ!!」

 

「……な、なんだって?」

 

「俺は、誰よりも上の層へ行き!誰よりもこのゲームのことを知っている!!ボスのカタナだってそうだ、ずっと上の層でMOBが普通に使ってくるんだぜ!?いやー楽しみだ、この中の何人が抵抗できるかな!!?」

 

 キリトはできる限り悪人に見えるように努めた。…ここにいるプレイヤーのほとんどは、キリトと接したことがなかったためどれだけ杜撰でも彼を『誤解』する。

 頭ではわかっていても、キリトは緊張を抑えられない。

 

「な、んだよ…それ…。そんなもん、ベータテスターどころじゃねえ!!もうチートだ、チーターだろ!!」

 

 周囲からチーターだ、ベータのチーターだという声がいくつも聞こえてくる。それらはやがて混ざり合い、《ビーター》という奇妙な響きの造語になってキリトの耳に届いた。

 

「《ビーター》、か。いいね、最高にクールな響きだ!!俺の名は、キリト。《ビーター》のキリトだ!!元テスターの雑魚どもと一緒くたになんてしないでくれよ?」

 

 キリトはその日、《ビーター》というありもしない悪役を創りだした。メニューウインドウを開いて、コボルドロードのLAボーナスである《コート・オブ・ミッドナイト》を装備した彼は、漆黒のコートを自慢げに(ひるがえ)す。

 

「…二層の転移門は俺が有効化(アクティベート)しておいてやるよ。ここの上から出ればすぐさまフィールドだ、せっかく生き残ったのに初見の雑魚にぶっ殺されたければ俺についてくればいいさ!!ははは、あばよ雑兵ども!!」

 

「ま、待てよ…。待てよ、《ビーター》アアアアア!!!」

 

 シミター使いの憎悪がこもった声を聞きながら、キリトは階段を逃げるように二層へと駆け上がった。

 

 

 アスナに、ボス討伐の余韻を感じる余裕も時間もなかった。…パーティーメンバーの彼が、どれだけの苦痛をこの短い時間で受けてしまったのかと思うと心が苦しくなる。

 

「……ねえミト。わたし決めたわ」

 

「何を?」

 

「進むための、目標!」

 

 アスナはミトの目をじっと見つめた。現実世界の彼女とは違う瞳の色は、それでも彼女によく似合う。

 

「だから、あの人についていってみようと思うの。彼の隣で、同じ景色を見てみたい」

 

「……アスナ。……じゃあさ、コレ持っていきなよ!きっと、アスナの力になってくれるから!」

 

 ミトはストレージから一本の細剣を取り出すと、アスナに放り投げた。

 

「……これって、もしかして…」

 

「……うん、あの時のレアモンスターのドロップ。《ウインドフルーレ》っていうんだ」

 

「綺麗…。ありがとう、ミト!この子と一緒に頑張るわ!」

 

「…じゃあ、またねアスナ」

 

「うん、またね」

 

 アスナは二層に足を進めようとするが、二人のプレイヤーに呼び止められた。

 

「「ちょっといいか(ええか)?」」

 

「はい、いいですけど…」

 

「あいつに伝言頼めるか?」

 

「…ワイからも頼むわ」

 

 

 ボーっと第二層の風景を眺めていたキリトは、後ろから誰かが階段を上ってくる音を聞きびくりと肩を震わせた。

 やってきたのがパーティーメンバーの少女だと気づいたキリトはため息をつく。

 

「…ついてくるなって言ったはずだろ、まったく。悪の《ビーター》様の仲間だと思われる前にUターンしてくれ」

 

「ついてくるなじゃなくて、初見の雑魚で死んでいいならついてこいって言ったのよ」

 

「………そうだっけ、覚えてないや」

 

「伝言があるけど、聞く?」

 

 キリトは首を振る。

 

「どうせ罵詈雑言だろうからいいよ」

 

「そんな伝言だったら最初からわたしは伝えないわ」

 

「……じゃあ、誰から…?」

 

「エギルさんは『次のボス戦も一緒にやろうぜ』って。あとキバオウ…さんからは『今日は助けてもろたけど、やっぱジブンのことは認められへんわ!ワイはワイのやり方でクリア目指すで!』…以上、伝言終わり!」

 

 一緒に戦ったエギルはともかく、キバオウからそんなコメントが出てきたことにキリトは内心とても驚いた。

 いったいどんな心境でそんな伝言を残したんだろうと脳をフル回転させているキリトに、アスナは申し訳なさそうに謝罪する。

 

「…ごめんなさい。あなたに重荷を背負わせてしまって…。わたし、何もできなかった…」

 

「いや、これは多分俺にしかできないことだった。アルゴにはこれからも元気に攻略本作ってもらわなきゃいけないし、もしベータテスター狩りなんてとち狂ったことが起きたらきみだって命を狙われてしまうかもしれない。…それは、嫌だなって思ったんだ」

 

「……ありがとう」

 

「……きみは、きっと俺なんかよりも強くなれる。剣技だけじゃなくて、もっとずっと貴重な強さだって身に付けられるはずだ。……だから、もしいつか信頼できる誰かにギルドに誘われたら断らないでくれ。ソロプレイヤーっていうのは、何時か限界がくるからさ」

 

 アスナはキリトと話していて、何かを思い出したのか顔が険しくなる。

 

「……あ!そういえばあなた、ボス戦の時どさくさに紛れてわたしの名前呼んだわよね!?どこで知ったのよ!」

 

「……え?パーティーを組めばわかるだろ?」

 

「え、そうなの?」

 

 キリトは口元を緩めながらアスナの視界の左端あたりを指さした。

 

「パーティーを組むと自分のHPが表示されてるところの左上に仲間のHPバーが増えるだろう?その下になにか書いてないか?」

 

 アスナは顔を動かして確認しようとしたが、それではゲージも動いてしまう。キリトは彼女の頬に手を添える。

 

「顔動かしたらゲージも動いちゃうよ、顔を固定して視線を左上に向けるんだ」

 

「……こ、こう?」

 

 アスナの瞳がぎこちなく動き、その文字列を捉える。

 

「………キリト、くん?」

 

「お、おう…。……よろしく、アスナ」

 

「………うん」

 

 キリトはアスナの顔に見惚れていたが、彼女の頬に手を添えたままだと気づき慌てて手を離す。

 

「あわわ、ごめん!そのえっとぉ…わざとじゃないんだ!」

 

「……ふふ、わかってるわよ。伝えたいことはこれで全部言ったわ、じゃあそろそろ一回下の層に戻るわね!」

 

「ああ、わかった。またなアスナ!縁があったらまた会おうぜ!」

 

「ええ!すぐに追いついてあげるから覚悟しときなさい、見習いテイマーさん!」

 

 キリトとアスナはそれぞれ別の方向に歩き出す。…だが、彼らは信じていた。信じる道を進んでいけば、間違いなく道は交わるのだと。




<キリトメモ>

《ドルガモン》
フロアボス《イルファング・ザ・コボルドロード》との戦いで乱入してきた竜型モンスター。後に第一層の隠しボスとしてプレイヤー間で有名になる。
竜型とはいうものの、哺乳類のような毛皮に覆われておりその体毛はかなり硬い。
身体能力が高く、さらには鉄球を発射する《キャノンボール》などの遠距離攻撃すら備えていて真正面から立ち向かうのは危険。
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