多分続く連続短編小説:プロジェクトセカイカースドステージ!feat.呪術廻戦 作:DUN.ネコノカンリニン
前回までのあらすじ
変人ワンツーフィニッシュ、愛莉、雫、絵名、まふゆが呪術高専に転校してきました。
「―――というわけで来ました、ただの学校!」
あー……と、元からいる組が察する。
この流れは、前にもあったやつ。確か、「ただの校内で児童が失踪する小学校」の略称だった気がする。
「ふむ。ここからは呪霊の気配がするが……本当にただの学校か?」
「いいや、ここは『ただの校内で児童が失踪する小学校』だよ」
やはりそうだった。いつも通りの五条先生だった。
「んじゃ、ここからはこの前のペアで行動してもらうから、はい。前に決めたペア組んで〜」
えっと、確か僕は……
「よろしく、天馬くん」
「ああ!よろしく頼む、憂太」
声はやっぱり大きいなぁ。
「それじゃあ、帳下ろすよ。……『闇より出でて闇より黒く、その汚れを禊ぎ祓え』。それじゃ、後は頑張ってね。くれぐれも、死なないように」
やはり、最後の脅し文句には慣れない。この前だって、狗巻くんと準一級呪霊と対峙した時は、本当に死ぬかと思ったし。
現在は、ここで呪霊を祓っています。けれども、ここは小学校なのでそんなに強い呪いは湧いていないです。だけど……
「ねえ、天馬くん」
「おお、どうした憂太。何か用か?」
「いや……その……君って何級?」
本当におかしいのだ。多分、僕もいるせいだとは思うけど、呪霊が全然よってこない。普通なら、こんな高校生ぐらいなんて格好の餌だとしか思っていないはずなのに。
「ああ、俺か?俺はな、特級だ」
「へ?」
「だから、特級だ。お前のことは聞いている。同じ特級同士、仲良くしようじゃないか!ハッハッハ!」
ま、まさか五条先生以外に特級がいるとは……あ、僕も特級か。
しかし、そう考えていると、前から呪霊の気配を感じた。
そして、同様に天馬くんも気配を感じたらしい。
「む?お前、誰だ?呪霊か?」
そうして、現れたのは不定形、あるいは玉虫色に輝く球状物体の集合体の怪物。それは、僕たちにテレパシーをして、話をしてきた。
《はじめまして。私は
「ほう。俺たちの命を奪いに来たというのか。それにしても、すごい呪力量だな。どこかの神が呪霊に変貌したか?」
《いかにも。私は元々、世界各地で崇拝されていた神だったのですが、私を崇拝する教団が減りましてね……それで、このような醜い姿になり、人の命を奪わざるを得なくなったのです》
「ならば、俺たちが祓ってやろう。そうすれば、そのようなこともなくなるだろう。では行くぞ!術式順転『朱雀』!」
《しかし、私がそんな何も抵抗せずに死ぬわけがないでしょう!領域展開『
「天馬くん!領域展開は危ない!」
「ああ、わかっている!ならばこちらも……やむを得ない!」
もしかして、天馬くんは領域を展開しようとしているのではないか?
「もしかして、領域展開?」
すると、天馬くんは、胸に手を当て、片手を大きく広げるポーズをとった。
「ああ。行くぞ!俺から離れるな!展開時の術式必中で焼かれるぞ。領域展開『天の果てのフェニックスへ』!」
まさかの、あのポーズが領域展開の時の印だったらしい。ここからは、呪術戦の極地の、領域の押し合い。技量、経験、呪力量、術式の相性、呪術の全てが問われる。
「うおおおおおおおおおお!」
《なかなか厳しい!負けぬ!はあああああ!》
そして、この領域の押し合いに勝ったのは……
「俺の勝ちだ!」
《なにィ⁉》
―――天馬くんだった。
ここは、天馬くんの領域の中。天馬くんの領域は少し特殊で、展開するときだけ必中効果が現れるらしい。
そして、領域は術師の心象風景―――心の中の景色を表す。天馬くんの心象風景は、夜のテーマパークだった。遅くまで稼働しているメリーゴーランドが今も回り続け、黄金色の光を放っていて、その馬は生きているようだった。その馬の上に、天馬くんはいた。
「さぁ、ショウタイムだ!」
天馬くんのターンだけど、僕の活躍がなかったのは少し残念だったりする。
「まず、未来のスターたる俺が言うのも何だが、星というのはとても不可思議なものだ」
《何故、そう思うのですか?》
「まず、熱を持ち、重いのに、実態がない。そして、その光は天をも焦がす。灼熱の炎のように」
夜具は死にかけていた。玉虫色に輝く球状物体の集合体の姿は剥がれ落ち、出てきたのは、不定形で触手を伴う冒涜的な化け物だった。
「そして、今は俺が、その光であり、炎であり、救済の象徴だ」
よく見ると、天馬くんは淡く光っていた。それは、マグネシウムが酸化するときのような眩しい光ではなく、優しく、全てを照らすように光っていた。
《はあ、まさか、神たるこの私が、人間に救われる日が来るとは。少年、名は、何という?》
「天翔けるペガサスと書いて天馬、世界を司ると書いて司。その名も―――天馬司。よく覚えておくことだな」
《ああ、覚えておくよ。次、また逢う日まで私は、ずっと……》
その者は、灰となった。今までの神性を失い、呪いへと堕落した旧き外なる神は、今、この時を持って、その屈辱から解放された。
呪霊紹介のコーナー
名前・夜具
術式名・???
領域展開・窮極之閂(きゅうきょくのもん)
極ノ番・閂(かぎにしてもん)
元々神(冒涜的な外なる)様だった呪霊。未だに発見されていなかった特級呪霊なので、未登録の特級呪霊ということになる。しかし、そこに特級が二人いたことが運の尽き。実は、司くんの術式は周りの呪力を吸い取らなければ順転―――この術式で言う反転―――を発動させることができない。何故なら、司くんは、体の中に流れている全ての呪力が自動的に正のエネルギーに変換される特異体質だったから。
窮極之閂は、空間と時間の感覚を徐々に縮めていく領域。つまり、放っておけば圧死するか、発狂する。しかし、司くんの領域展開は呪霊と相性がいい。正のエネルギーを基本的に使うからだ。