多分続く連続短編小説:プロジェクトセカイカースドステージ!feat.呪術廻戦 作:DUN.ネコノカンリニン
……今日のライブ最高だった。
―――「術式順転『蒼』」
「術式反転『十度音程』」
それぞれの術式がぶつかり合う。その衝撃で帳が上がりかけたので、悟は一旦「蒼」の威力を下げ、帳の強度を上げた。
今、戦っているのは、現代最強の呪術師とも呼ばれる五条悟。そして、その時は知るはずもないことだが、人間と呪霊のハーフの血筋である「半人半呪」宵崎奏である。
「『蒼』で圧縮できないとは。なかなかに油断ならない相手だね。君」
「そういうあなたも相当な強さだね。現代だと敵なしかもしれない。けれど、強敵と戦った経験は、私のほうが上だよ。術式順転『
響くは、すべてを崩壊させる大いなる音色―――終末のラッパの音である。
この奏での術式―――「救音律呪術」は聞いたものや、その音波に当たったもの全てに影響を与える。順転は音波に高密度の呪力が乗っていて、それを相手に当てるという技である。
しかし、悟は、その術式を六眼で読み取り、とっさに無下限の設定を変え、音を防いだ。
「やるね。流石は特級というべきかな。特級未確認呪術霊『宵の宮』」
「あなたも流石だよ。その術式は五条家相伝の術式『無下限呪術』?久しぶりに見たけれど、以前見たものとは比べ物にならないほど精度が段違い。なるほど、それ―――原子レベルでの干渉を可能にしているのが、その眼―――六眼?ということは天元がまだいるの?星漿体は伏黒甚爾によって殺害されたはず」
「お?知ってる?実は、その時僕もいたんだよね〜。けどさ……その甚爾ってやつに全部邪魔されちゃって……親友もどっか行っちゃったし、どうしよっかな〜って思って先生やってんの」
「そうなんだ。だったら、尚更助けに行かなきゃいけないんじゃない?あの子達、今特級と遭遇してる」
「いや、問題ないよ。あの子達なら、特級も祓える。その証拠に、ほら。司が領域を展開して特級を祓った」
「嘘……!ただの学生が祓える相手じゃない……!」
その通り、特級とは、通常兵器が呪霊に通用すると仮定した場合、クラスター弾でトントンの奴らなのだ。それを学生が祓ったと言っても、誰も信じないだろう。
「嘘じゃないよ。君も、その眼で見て分かってるでしょ?その眼……『宵之眼』でしょ。気付いてんだよ」
『宵之眼』とは、六眼同様、特殊な目のことで、すべての事柄の裏・闇の部分を見ることができる眼。なので、結界の内側や相手の隠している術式を見ることも可能であるが、呪力消費が激しいという縛りの上で成り立っているので、宵之眼を多用しすぎると、昏睡状態に陥る―――奏は、半分が呪霊と同等のため―――。
「だけど、中には一級で止まっている子もいる。なら、私が助けに行く。どいて。じゃないと本気で……」
「止まれよ、宵の宮。あの子達は僕の可愛い生徒だ。その時は僕が助けに行く。だから、邪魔をするなら本気で……」
「変身、審判、城と甲虫、想起の夢、極ノ番『ザムザ』」
「九綱、偏光、烏と声明、表裏の間、虚式『茈』」
ぶつかり合うは威力最大の呪術。
「茈」は仮想の質量を押し出す能力。そして、「ザムザ」は一点に集中させた音波に当たったものが自由自在に変身するという能力だ。
今回の対象は、「茈」によって押し出された仮想の質量の塊である。
「私の勝ちだね。行って、グレゴール」
『グルルルェェェ!』
このグレゴールは変身したものが持つあらゆるエネルギーが大きいほど、力が増すという性質を持つ。今回の「茈」は、とてつもないほどの質量を誇るので、それはもう巨大なグレゴールが出現した。
しかし、ここで負ける悟ではない。
「侮ってたというわけではないけど、負けた……なら、本気と書いてマジと読むぐらいの思考で!領域展開『無量空処』」
「まずい!なら、こちらも悔やむと書いてミライと読むぐらいの思考で領域展開『いつか、絶望の底から』」
今度は領域がぶつかり合う。
しかし、その領域勝負に決着が着くことはなかった。
なぜなら、その領域がどちらも消失するとは考えられないだろう。
そこで、二人の術式は焼き切れ、勝負はお預けとなったのだが、元々なぜそうなったかがわからないのでこの際どうでもいいことにしよう。