(法を)お菓子屋さんへようこそ!   作:新田トニー

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第146話 親子喧嘩は大体しょうもない事から始まる④

「っ……」

 

 俺はまた病院にありそうな簡素なベッドの上で目を覚ました。

 本日二度目である。

 白い天井白い壁、窓はなく外の景色が見れない窮屈な地価の部屋は相変わらず殺風景極まりない場所だった。

 

 少し頭がフラつく。

 どうやら脳震盪がまだ収まっていないようだ。

 

 そしてこのザマから察するに、俺の能力は未だ回復していない。

 あの女神や骸骨も姿を表さない。

 今度こそ本当に能力が消えてしまったのだろうか。

 

「……」

 

 俺は身体の奥で力の鳴動を探すが、空っぽの箱を振っているのと同じような感覚で、やはり力は戻らなかった。

 俺の身体から20年の付き合いのある不死身の能力が消えて死にかけた、というか一回ガチで死んだ。

 しかも今年だけで2回も能力が消えた。

 ひょっとして俺は今厄年の真っ只中にいるのだろうか。

 そういえば結構前にテレビで占いを見た。

 

『ウェイクザファックアップニュース占い!最下位は粉挽き陣のアナタ!近いうちに何度か死にかけることがあります!アイデンティティの消失かも?』

 

 テレビのニュースキャスターが明るいテンションで物騒な番組のタイトルと占い結果を言っていた。

 

『ギャハハ!サビター!お主近いうちに死ぬらしいぞ!?』

 

 まだクソガキのふりをしていたセアノサス、ライラが俺に指をさしながら嘲笑って言った。

 ちなみに粉挽き陣というのは、俺の生まれた月の名前、まあお前ら風に言えば星座と言った方がいいだろう。

 俺は無冠の龍の月に生まれたから粉挽き陣、他の月にも色々名前があるが今は気にする必要はない。

 

『オイオイ…良い大人がこんなくだらない占いで右往左往するわけねぇだろ。ちったぁ考えてから俺に発言しやがれってんだ』

『特に性格が死ぬほど曲がってて最近ギルドに追放された死にずらいアナタ!そんなアナタには注意が必要!貴方は少なくとも二度死ぬでしょう!』

『いやめっちゃ的確ですよ。死にずらい人とか言ってますよ』

『これはもう死の宣告じゃないか……』

『ばいばいサビター。ぼくは君のことをこの本を読み終えるまでは忘れないよ』

 

 アリーシア、アルカンカスが顔を引き攣らせながら心配そうに俺を見つめ、タマリはほぼ終わりかけの本のページをめくりながら呑気にそう言った。

 

『ハッくだらねぇ。お前らちゃんと金玉付いてんのか?俺みたいにドンと構えてろ。いちいち胡散臭い占いなんかに惑わされんな』

『いや私に男性の睾丸はついていませんよ。ていうかお祓い行った方がいいですよ』

『わしもタマなんか付いとらんぞ。あと普通に祈祷師か巫女さんのところに行くべきじゃ』

『あっそ』

 

 そうして俺は会話を無理やり切り上げた。

 何がいけなかったのだろうか。

 あいつらの話をまともに聞かなかったからだろうか。

 それとも俺のプライドを貫き通さず悪魔祓いを生業にしてる冒険者に土下座して儀式をやってもらったことがいけなかったのだろうか。

 

 俺がそんな、もはやどうにもならない過ぎた事を考えていると、

 

「やぁ。起きたかい?」

 

 俺の隣でリンゴの皮をナイフで剥いていた鉄製のブリキのロボットのような男(いや、完全にロボット)が俺に問いかけた。

 文字通りの丸い目が黄色く光っていた。

 

「…ぇダレ?」

「ああ、ごめんごめん。初対面だよね俺達。俺の名前はコボー。サンズオブリバティの同志だよ」

「お掃除ロボットじゃなくて?」

 

 コボーと名乗る男、いや、ロボットは人間みたいな口調で会話していた。

 このロボットはマッドギアでは炊事洗濯その他諸々の雑事などの家庭用ロボットとして市民達に認知され、頑丈で利口な事で有名だった。

 そんなロボットと同じ見た目をしていたので、てっきりこの地下にもそういったモノが居るのかと思っていたが……

 

「いいや、俺はこんな見た目だけど心がある。君の言う通り元々は家庭用ロボットだった。でもある日自我が目覚めてね、ご主人様の家から飛び出したんだ。今は成り行きで傭兵として活動してるよ」

「へぇ〜……俺まだ頭いてぇからあんまお前の言ってる意味がわかんねぇけど、俺達の味方ってことで良い?」

「いいよ」

 

 俺は自我が芽生えたロボットの話をなんとなくぼうっとしながら聞いていたが、脳震盪でまだクラクラしていた頭が更にひどくなりそうだったため、これ以上詮索するのはやめておくことにした。

 

「はい、リンゴ」

「ああ、どうも」

 

 俺はコボーから皮をむいてもらったリンゴを受け取った。

 普通ならウサギ型の剥きリンゴだと思うだろうが、実際に貰ったリンゴはまるで獰猛な肉食獣の姿をそのまま生き写しにしたかのような見た目だった。

 

「んだこれは」

「インサニティーホーンラビットの姿を真似たリンゴだよ。すごいだろ」

「お前これで食欲湧くと思ってんの?寸分違わぬ化け物の姿に似せたリンゴ渡されても困るんだよ」

 

 俺は頬を引く尽かせながらコボーに文句を言った。

 

 インサニティーホーンラビットとは、この世界でいうウサギと呼ばれる動物の一種だが、この世全ての憎しみを負ったような目に、ヤドクガエルみたいな色の毛、ハダカデバネズミを100倍悪化させたようなえげつない歯を持つ見ただけで鳥肌が立つような動物だ。

 

 それをコイツはロボット特有の繊細さで丁寧に職人が一つ一つ作り上げた逸品とも言えるレベルまでに作り上げた。

 

 頼むから二度とやらないでくれと思いながら俺は眼を瞑って一口で食べた。

 

「あれ、文句言ってた割には食べるんだ」

「見た目は最悪だが食い物は食い物だからな。まだあるだろ?全部よこせよ」

「うっわ出たよ。最初渋ってたけど後から欲しがる奴。こういう奴ムカつくんだよね」

 

 コボーは目の光を赤くさせながら不満気に言う。

 確かにコイツロボットにしては人間と同じくらい感情表現豊かだな、俺はそんな事を思いながらシャリシャリと音を立ててりんごを食べる。

 

「でもマ、食欲あるようだし回復は順調みたいだね」

「そんなわけあるかよ。こちとら久しぶりに人間に戻ったんだ。慣れるのに時間がかかる。でもまぁ今の方が良いかもな」

「…?どういう事だい?」

 

 最後の俺の言葉にコボーはギィ、と音を立てて首を傾げたが、「気にすんな」とだけ言ってリンゴをガツガツむしゃむしゃシャリシャリと音を立てて食べる。

 

「じゃあ意識戻ったみたいだし、俺は先に戻るよ。それ食べ終わったら司令室に来て。案内してもらった時に見たあのデッカい天蓋があるトコね」

 

 そう言ってコボーは病室から出ていった。

 自動開閉扉がシャーと音を立てて閉まる音がした。

 俺はただひたすらリンゴを食べていた。

 皿の上に盛られたリンゴを全て食べ終わった俺は病室を抜けて司令室へ向かう。

 

 既に頭痛は治り平衡感覚のふらつきも無くなっていた。

 不死身の男からただの男に戻ったわけだが、昔も割と体の回復速度は他の人間と比べて早かった。

 その点に関しては俺を産んでくれた親に感謝だな。

 

 ……親、か。

 

 俺の家族は生きているのだろうか?

 今俺は35歳、平穏に生きていれば俺の父親や母親はまだこの世界で息をしているかもしれない。

 10年、20年前は生きる事に必死過ぎて、家族のことを考える時間がなかった。

 

 だがさっきジョセフと出会った時の日を思い出した事、そして今こうして三十路に入り、四捨五入すれば40歳という人生の折り返し地点に突入して、今更ながら生みの親について知りたくなってきた。

 

 長い渡り廊下を歩いているとふとそんな考えに耽ってしまった。

 今そんなことを考えてもしょうがない。

 早くこのふざけた事態を解決して、仲間を取り戻さないといけない。

 

 俺は司令室の自動開閉扉を開け、中へ入った。

 

「おっ、起きたか。どうだ頭の調子はよ?」

 

 入るなりいきなり意地の悪い笑顔を浮かべてジョセフは俺に問いかける。

 

「……」

「なんだぁ?まだおねむか?」

「……」

「ねむねむの時間かい?お布団と毛布持ってきてあげようか?」

 

 ジョセフ…このようにこの男は他人を暇かにすることが生き甲斐で、人間に戻った俺を脳震盪になるまで強い一撃を打ち込み、その上ヘラヘラと笑いながらも平然としているムカつく奴だ。

 

 それでも、俺はこの男から生きる方法を学んだ。

 認めたくないが俺がこの男に父性のような物を感じていたのは確かだった。

 

「…おーいどした?ぼうっとしてんなぁ。お前まだ頭治ってねぇだろ。もう少しベッドで寝てけよ」

 

 普段の俺らしくない雰囲気に気圧されたのか、ジョセフは冷や汗をかきながら俺を心配した。

 この男が慌てる姿は見たことがなかったため、少し面白いと俺は感じた。

 

「なぁ、さっきはありがとうな」

「あ?なんの話だ?」

「俺との喧嘩に付き合ってくれた事だ。おかげで思い出した」

「…俺には心当たりが全くねぇが、マスかいた後みてぇなスッキリした顔してるからまぁいいか。礼には及ばねぇ」

 

 本人はこんな事を言っているが、コイツは俺のためにわざと煽り喧嘩を仕掛けたのだろう。

 俺に足りないもの、かつて持っていた感情を呼び起こすために。

 俺はまだこの男のことを知らなければならない。

 この男に対する感情を、父親だと思いたくなってしまうこの気持ちを理解するために。

 

 だから俺は、この人と一緒に、戦わなければならない、俺はそう考えを決め、それと同時に、頭の中の痛みも消えていった、ような気がした。

 

「もう少し綺麗な例えにしてくれないかしら?ここには子供もいるのよ?」

 

 ミシェルが俺達の間に割って入り呆れ顔で言う。

 彼女の視線の先には10代の少女がいた。

 

「なんで司令室にいるんだ。避難民ならシェルターに匿っておけばいいだろ」

「この子はマッドギア奪還作戦に参加するメンバーの1人、メル。ハッキングのスペシャリストよ。これから貴方達を安全にガイドするために必要な子なの」

「メルって言います。髪は黒の片方刈り上げ、スレンダー体型身長165センチ、趣味は企業と政府相手にハッキングして仕事を邪魔すること。彼氏募集中ですシクヨロー」

 

 メルと名乗る少女はダウナー気質な返事をし、俺は「シクヨロ」と返しながら「ガイドってどゆこと?」と問いかける。

 俺の問いにミシェルは言葉で答える代わりにモニターに視線を映した。

 俺もそれに釣られてモニターを見る。

 

 そこには巨大な高層ビルが映されていた。

 アルバアムが持っていたビルなんかよりも遥かに高い、まるで天まで届く巨大樹の如き大きさと高さだった。

 

「マッドギアの中でもトップクラスの企業、ザイオンの本社。奴等はそこでプロジェクトOを始めようとしているの」

 

 プロジェクトOという聞き慣れない単語に俺は首を傾げる。

 だが俺以外の全員は理解しているのか、特に難色や疑問を呈さない。

 おそらく俺が寝ている間に既に情報は共有されていたのだろう。

 

「プロジェクトO。あの宰相、ハルワンドとテミナが主導している恐ろしい計画……あのマジガミとデバイスは実験段階に過ぎなかった」

 

 コボーが機械音混じりに俺や皆に説明するように語る。

 

「奴等は洗脳用デバイスなんかとは比較にならない、世界中に洗脳電波を発して全ての人間を自分たちに忠実な腑抜けたオタクにする気なのよ」

「ふざけた計画だなホント」

「ねー」

 

 俺の言葉にメルはだらけた言葉と座り方で答える。

 

 今度はミシェルが話し始める。

 大きな長方形のテーブルにも明るい光と共に画像が浮かぶ。

 そこには確かにプロジェクトOと記載された画面、そしてテミナやハルワンドの顔写真、マジガミや洗脳デバイスなど、今回の事件に関係している画像が映っていた。

 更に、見覚えのない大きな機械が映された写真が載っていた。

 

「メル君やミシェル君のおかげで我々サンズオブリバティが奴等の作戦の鍵であり心臓部とも呼べるある情報を手に入れることが出来た」

 

 ガダンがそう言って映したのは、先ほど一瞬だけ見た巨大な機械の塊が写っている画像だった。

 見た目は巨大な二つの鉄球があり、それに百あるいは千を超えそうなほどのぶっとい配線細い配線が様々にくっついている異様な機械だった。

 

「金玉と陰毛を参考にして作ったみたいなデザインだな」

「もっと他に言い例えないの?」

 

 俺の例えにコボーは苦言を呈した。

 だが俺からしたらそれくらいにしか言葉が浮かばないのだ。

 俺の頭の中の辞書は大体が下ネタと淫語で埋まっている。

 

「これはミシェル君が話してくれた、装着用のデバイスとは一線を画す超大型洗脳マシーン、通称、OY2だ」

「OY2?んだそりゃ」

「奴等の秘蔵っ子よ。これこそがこの国やウィルヒルの人間を苦しめている元凶と言ってもいい。元をたどればOY2が洗脳波を出しているの。そこからデバイスを通じて人々をコントロー、そして今も人々は自らをオタクだと思い込んでいる」

「じゃあこれを壊せば…」

「そ。洗脳波は放出されなくなり、人々は正気を取り戻す」

「だがコイツを囲っている施設が普通じゃねぇ」

 

 そう言ってジョセフは勝手にコントローラーを掴んでスライドを進める。

 

「セルデンフサク34。マッドギアが抱える最高機密施設。主に最新兵器の製作にお熱な場所さ。だがそんな場所が今や脳をシャバくてキメェアニメ漬けにされたアホタレ共の武装集団施設と化しちまった」

「言い過ぎだろ」

「コイツめちゃくちゃオタク馬鹿にしてるじゃん」

「まぁ言うてコイツジジイだからな。マジでああいう趣味理解できねぇんだろうよ」

 

 俺とメルとコボーはジョセフのドン引きするほどの差別発言に恐れおののいていると、話を元に戻すためミシェルが「マそーいうわけで」と強引に会話に斬り込んで来た。

 

「私達はその施設に潜り込み、OY2を破壊、そしてテミナやハルワンドを無力化、拘束して事態の収拾を付ける。作戦名はオペレーショングッドラック」

 

 

「…?オペ?オ?グッドラ?」

 

 脈絡のない単語に俺は首を傾げながら呟くとミシェルはしまった、とでも言いたげに口を開けて目を丸くさせる。

 

「あぁ、ごめんなさい。馬鹿には難しい単語だったかしらね」

「違ェわ!馬鹿にすんじゃねぇよ!」

「じゃあオペレーションってなに?」

「ああ、あれだろ?鼻押したら変身するきのこだろ」

「それカペリートな」

「コイツ馬鹿過ぎだろ」

 

 メルは補足するかのように言い、ジョセフはまじかコイツと言いたげな呆れた表情で嘲笑う。

 うるせぇなコイツ等は。

 似てるだろうが、なんというか、語感が。

 

「いやそんな似てないよ」

 

 コボーが魔法を使ったわけでもないのに俺の考えていた事を当てやがった。

 

「ロボットが人間様に意見するのか!?心臓なんざねぇくせに良い度胸してンじゃねェか!」

「はい出たロボット差別!まだそんなことしてんの?時代に取り残されたジジイみたいな真似みっともないからもうやめなよ!本物のジジイはここにいるジョセフだけで十分だろうが!」

「おっ喧嘩か?殴ろうか?お前のメインコア」

「あっ作戦名は私が付けたよ。ほぼ完遂不可能なミッションだから縁起を少しでも担ぐためにグッドラック、幸運をってね」

 

 今にも喧嘩に発展しそうなところをメルが空気を読まずに言う。

 

「完遂不可能って……そんな難しそうか?これ」

「だって国の人間は大半が頭イジられて、しかもそれを正すためにこの国で一番侵入難易度が高い施設の最深部に行くんだから、そりゃもう自殺任務みたいなモンだよ」

 

 メルの言葉に一同は重い空気になる。

 敵だらけの国で一番重要度が高く警戒されているであろう施設に潜入し、最重要物質を破壊する。

 言うは易し、するは難しと言うように、言葉だけを並べることは簡単だが実行するのは大変骨が折れることである。

 

「俺達ゃスーサイドスクワッドか」

「俺、まだ自我を得てから一年しか経ってないんだょ?まだ死にたくないょ…」

「任務の過程で命を落とす覚悟は出来てる。それは他の皆も同じ。私の命に変えてでも絶対に阻止してみせるわ」

 

 ジョセフやコボーはあまりにも理不尽な任務に苦言を呈した。

 

「やっぱりテミナには敵いっこないんじゃ……」

「そもそも国相手に勝てるはずないんだ…」

「どうしてこんなことに……!」

 

 最後にミシェルが皆を鼓舞するような言葉を放ったが、言葉が悪かったのか反応はイマイチなようだ。

 他の周りのレジスタンスのメンバー達も不安な表情になった俺は皆の前ではっきりとそう言った。

 

「お前らは死なねぇよ」

 

 俺の発言に一同は俺の方へと顔を向ける。

 

「つーか俺が死なねぇ。俺は不死身のサビター様だ。不死身の俺様がいればお前らも不死身だ。絶対に死なねぇ。だから安心して作業に集中しろ。一番危険なヤマは俺が引き受ける」

 

 俺は胸を張りながらそう言った。

 俺の一寸の澱みもない溢れ出る自信に感化され、周りのレジスタンス達は不安がっていた顔を綻ばせる。

 

「さっきまで能力封じられて苛立ってたガキがよく言うようになったじゃねぇか」

 

 ジョセフが鼻で笑いながらもどこか満足げな笑みを浮かべると、奴は俺の肩に強引に組み、

 

「よっしゃ!死なねぇように精一杯足掻こうじゃねぇか!まぁ死んだら死んだで祖国のために貢献したってことで満足して死ねよ!」

 

 と勇気付けたいのか追い詰めたいのか分からん発言をしながら言った。

 

「死ぬ気で生きようぜお前ら!俺の経験上、そんな気持ちでいた方が死なねぇのさ!」

「テメェ、俺がせっかくいい感じに言ったのに台無しじゃねぇか」

「大丈夫だって。コイツらこうやって発破かけた方が喜ぶんだ」

 

 俺はジョセフの言葉に半信半疑だったが、周りの奴らと言えば、

 

「そうだ、死ぬ気で死なないようにするんだ…!」

「俺は死なない!俺は死なない!」

「うおおおお!やってやるよぉ!」

 

 ジョセフの言葉にあてられ、意気軒昂士気高しといった状態になっていた。

 この国の奴等もウィルヒルの奴等も、頭がどうかしているな、と俺は密かに呆れながらも皆やる気を出していることに安堵をした。

 

 そうして俺達の反撃の第一歩、「オペレーショングッドラック」は始動した。

 

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