(法を)お菓子屋さんへようこそ!   作:新田トニー

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今回から文字数短めで投稿していきます!その代わり投稿頻度上げる予定ですのでよろしくお願いします!


第68話 マジシャンズアサシン①

 僕はあまり他人に興味を持たない。

 

 だって魔法の勉強とか研究してる方が楽しいし、他人と関わってると限りある時間を無駄にしてしまうから。

 

 だからかな、僕は他人との関わり方があまり得意じゃないんだ。

 

 誰かと会話してても、皆が不快な顔して僕から離れてく。

 

 いつも僕は選択を間違えるけど、今僕がやっている事は、間違いだとは思わない。

 

「中々の防御魔法だ。一見薄い膜のような見た目の魔法障壁だが、それを何重にも重ねて圧縮し強固にする芸当、やはりアールウェーンの神童と呼ばれただけの事はある」

 

 ヤーナンはそう言って僕を褒めた。

 

 僕は自己紹介なんてしてないはずだけど、なんで僕のことを知っているんだろう?

 

「なんで知ってるんだって顔だな。実は俺もアールウェーン出身なんだ。あの国じゃ君の存在は誰でも知ってる。アールウェーン魔法学校きっての天才、そして天災……魔法の実験で学校を全壊させ、追放された問題児」

 

 ヤーナンは僕の個人情報をつらつらと並べ立てた。

 

 僕はヤーナンの言った事に対して否定も肯定もしない。

 

「ウィルヒルとは比べ物にならない程の魔法の歴史、そしてそこで生まれる人間は皆魔法の才能がある。魔法使いを志す者にとっては夢のような国だ」

 

ヤーナンは自分の言葉にうんうんとうなづきながら言う。

 

 自意識過剰な奴、と思ったけど彼の言った事には納得出来る。だって事実だから。

 

「でも歴史とか伝統とか長く続くと、頭が硬いオジン達も多くて困るよな。魔法は柔軟な発想が大切なのに」

 

 これもまた事実。

 

 僕の故郷、アールウェーンは2000年以上の魔法の歴史を持つけれど、歴史が長いと家柄とか血筋とか才能とか、いろんな事に雁字搦めにされて魔法が進歩しなくなっちゃう。

 

「柔軟な発想と閃きは魔法使いにとっては必須な才能とも言える。例えばこんな風に…な!」

 

 ヤーナンはそう言って右の人差し指と中指を上げた。

 

 すると僕の足元から黒いトゲトゲが浮き上がり、僕の身体を下から貫こうとしてきた。

 

 僕は後ろに飛んで避けた。

 今まで僕が居た地面は黒いトゲトゲで埋め尽くされ、青と緑が混ざったセラミックタイルの床が砕け散った。

 

 僕は直ぐにヤーナンに杖を向け、魔法を詠唱する。

 

「我が血肉の中を廻る火よ、彼の者を燃やし焦がせ、赤炎」

 

 僕は短く魔法の詠唱を口から漏らすと、杖の先から小さな深紅の炎が猛りうねってヤーナンの元へ真っ直ぐ飛んで行った。

 

 赤炎がヤーナンに直撃すると、小さかった炎は瞬く間に大きくなり、周囲を少し巻き込むように燃え盛った。

 

 赤い大きな炎が彼を決して離さないと言わないばかりに包みこみ、対象を骨になるまで燃やし尽くす勢いで炎は燃え続けた。

 

「さっき火力調整してたから、今が一番イイ塩梅で燃えるよ」

「……」

 

 僕の言葉に、ヤーナンは黙ったまま、躱すことも無くそのまま僕の赤炎を受け止めた。

 

 僕の魔法の威力はそこらの魔法使いよりも威力が高い。

 

 だから普通は受けたら死ぬと思うんだけど、どうしてアイツは避けなかったのかな?

 そもそも悲鳴を上げずにまともに受けた。

 

 僕の炎の威力が高過ぎて悲鳴を上げるヒマも無かったのかな?

 

 炎はやがて小さくなり、辛うじてヤーナンの燃えカスの遺体が残っていた。

 

 僕はちゃんとヤーナンが死んだか確認するため、未だ燃えてる彼の元に近づく。

 

「……なにこれ」

 

 でも僕が見つけたのは、ヤーナンの燃えて灰になった肉や骨ではなく、彼の着ていたローブだった。

 

 それを見て僕は一瞬油断したと後悔した。奴はまだ生きている。

 

「死んだと思った!?残念でした!」

 

 ヤーナンの笑い声と共に、奴は僕の背後を取り、僕に攻撃を仕掛けた──!

 

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