ザボエラ転生 ~ダイ大世界をおっさんが生き抜く~   作:リドリー@犬小屋

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次回は来週の木曜日23時頃を予定しております。



第百二話閑話 前編 大魔王、動く

岩だらけで、草木が一切存在せぬ死の大地。

その岩塊の下には、極めて整えられた一流の宮殿が存在する。

魔界の神、魔族の王たる大魔王バーンが住まう大魔宮(バーンパレス)だ。

 

虚飾とならぬよう、威厳をそこなわぬよう、均衡を保たれた大魔宮(バーンパレス)、謁見の間。

玉座にゆったりと座り美酒を味わっているのは大魔王バーン。

右に近衛師団長、キング・マキシマムが控え、玉座から降りた赤いカーペットには、

兵士(ポーン)が四体油断なく控えている。

謁見の間の入り口にも僧正(ビショップ)騎士(ナイト)が油断なく立ち、

胡乱な侵入者を許さぬ構えで見張っていた。

 

左側にはミストバーンがおり、指をこめかみに当てて、何者かと話をしているようだった。

話が終わったようで、一礼してから大魔王に報告をする。

 

 

「大魔王様。パプニカで浮遊樹の護衛を行っていたシャドーが帰還いたしました」

 

「ふむ、大義であった。パプニカは何やら聖なる力で、浮遊樹は近寄れぬようであったからな。

そなたの分身であるシャドーが暗黒闘気で守ることで、現地の様子が観戦できたわ」

 

「ハッ……。

望外のお言葉を賜り、シャドーも喜ぶことでございましょう」

 

 

非常に見応えのある戦いであった。

なるほど、まさに西の雄カールに対して、東の大国たる賢者の国パプニカである、と。

かつて、魔王ハドラーがヴィオホルン山の地底魔城に居を構えたにもかかわらず、

八年近くも戦い続けた強国よ。

 

ヒュンケルとバルトスの骨肉の争いも楽しめた。

結末が彼好みではなく、ヒュンケルがあの全てを憎んでいるかのような瞳ではなく、

穏やかな色を湛えたことが不満ではあったが、勝負としては良いものだった。

 

勇者アバンと仲間たちの実力も、魔王ハドラーと戦った折よりも強くなっていると見て取れた。

四人揃えばそれこそ、魔王軍の軍団長も危ういであろうと警戒するべき力だ。

 

戦闘の最中に高度な呪法を行い、それを維持し続けたザボエラの魔力にも驚かされた。

やはり、部下に欲しいとの思いを大魔王は強くした所である。

 

翻って不死騎団軍団長たる、デスカールの不甲斐なさはどういうことか?

パプニカ攻略はデスカールがたっての願いとして自分に対して直言し、

自ら攻略を買って出た国だ。

 

であるにも関わらず、ベルクスの一人を影武者として置き、

侵攻軍の軍団長でありながら自分自身は居留守を使う有様。

 

声に不満さを隠さず、大魔王は腹心(ミストバーン)に命じた。

 

 

「ミストバーンよ。デスカールを呼べ。詰問すべきことが山ほどある」

 

「バーン様。恐れながら申し上げます。

至急、謁見を望む者が二名参っておりますれば、

彼らの言をお聞きくださいますよう……」

 

 

ミストバーンが大魔王の言葉に従わず、己の意を通すのは常にない事である。

大魔王は怒りを越える好奇心に突き動かされ、何者であるか尋ねた。

忠実な腹心(ミストバーン)は、魔軍司令ハドラーと氷炎将軍のフレイザードの二名であると答えた。

 

大魔王が魔王軍六大軍団長の中で、熱い視線を送っている者がフレイザードである。

以前から魔界で戦功をあげ、冷静な判断力と戦における惜しみない戦いぶりが好ましかった。

更に現在の六軍団で唯一、オーザム陥落という戦功一番槍を勝ち得ており、

ブルーオーブを発見して持ち帰るという見事な功績を上げているのだ。

 

そのフレイザードと彼の上司たるハドラーが、大魔王の眼前で跪き説明を始めた。

ベンガーナ戦でデスカール配下を名乗るアンデッドが、百獣魔団副軍団長ボラホーンを殺害。

大魔王バーンが任じた百獣魔団長たる、ザングレイにも重傷を負わせたという。

元々が瀕死であった彼は、その後命を落としている。

 

これは伝聞などではないのだ。

フレイザード自身が現地で見聞きしたことで、それ故に鬼岩城帰還まで、

オーブを手に入れたことをひた隠しにしていたのだ。

デスカールの横やりを警戒して……。

 

ハドラー達の話が終わった後、ミストバーンが大魔王に言上した。

 

 

「大魔王様におかれましてはさらにお耳汚しなれど、

ロモスの調査結果が出ましてございます」

 

「……聞こう」

 

 

かつてないほど大魔王バーンが苛立っている。

付き合いが長いミストバーンはその事を自覚したが、情報を得たのは彼自身だ。

魔影軍団でも隠密に優れた、スモークやあやしいかげを大量に動員して事態を調べ上げた。

誤りがないことはなんども情報を突き合わせて確認してある。

 

曰く、メネロはデスカールから受け取った、暗黒闘気の盃により暴走。

更にメネロは巨大な人面樹となり果て、ザボエラたちに敗死したという報告になっている。

現在、ロモスは人間達に奪還されてしまい、妖魔士団は軍団を維持できる数ではなく、

ミストバーンの指示で魔界の大魔王城(バーンキャスル)へ帰還していた。

 

バリンッ!と大きな音を立てて、大魔王の酒杯が砕け散り、

酒瓶が置かれていたテーブルが、暗黒闘気で吹き飛ばされ壁に叩きつけられ粉々になった。

 

謁見の間の空気が重くなる。

比喩ではない。

大魔王が怒り故に、暗黒闘気を抑えていないのだ。

 

この場の実力者であれば動けぬわけではないが、状況的にも下手には動けぬ。

極限までの緊張感の中、大魔王が激せぬまでも、

怒りを滲ませた声で命を下した。

 

 

「デスカールを探し出して、余の前に連れて参れっ!

地上侵攻は余の悲願。

長い年月を費やし、準備してきた計画に、泥を塗ろうというのか……!」

 

 

大魔王の激しい怒りに、ミストバーンすら発言できず硬直していた。

そこへハドラーが顔を上げ、大魔王バーンに直答した。

 

 

「お待ちください大魔王様」

 

「余の言葉に異を唱えるというのかハドラー?」

 

「いえ、大魔王様。お怒りはごもっともにございます。

ですが、我々には、まずやるべき事があります」

 

 

ミストバーンは内心、

"……ううっ……! す、すごい……

激高する大魔王様に臆せず話しかけるというのかハドラー!"

と感心し、ハドラーが見せる胆力にただひたすら唸っていた。

怒気を一旦仕舞い、されど眼光鋭く大魔王は問うた。

 

 

「……申してみよハドラー」

 

「ハッ……。まずは、デスカールの不死騎団長解任、これを全軍に通達するべきかと。

あの男が軍団長としての権限を振るい、悪用することを防がねばなりませぬ。

さらに魔界のアクバーにも知らせ、デスカールの研究施設がある第四宮廷を、

すぐさま閉鎖するべきでございます」

 

 

"狡猾さゆえに危険な置き土産などあるやもしれませぬ"そう、ハドラーは付け加えた。

魔軍司令(ハドラー)の冷静な言葉に、大魔王も怒りが収まったのか、

ハドラーの言を良しとして、ミストバーンに手配を命じた。

 

ヒヤヒヤしながら後ろで眺めていたフレイザードは、

激怒する主君に意見を呈したハドラーの度量と、

進言を受け入れて怒りを収めた大魔王の器に感心していた。

その時、謁見の間の扉の向こう側で揉めており、マキシマムが様子を見に行った。

 

戻ったマキシマムが跪き大魔王に事情を説明する。

 

 

「ハドラー殿の親衛隊の者達が手傷を負い、報告したいことがあると参っております。

……ただならぬ事態が発生した可能性がございますぞ」

 

 

そう私見を交えて伝えた。

大魔王は鷹揚に答え、アークデーモンが一名入室を許可された。

 

牛頭の悪魔(アークデーモン)は挨拶もそこそこに事情を説明する。

デスカールが現れ、鬼岩城の司令室を奇襲。

混乱している最中、(ラング)の間を占拠して、溢れんばかりのキラーアーマーを大量に作り出し、

夥しい物量で親衛隊を鬼岩城の外にまで追い出した。

その際、氷炎魔団の援護がなければ、親衛隊は全滅していた可能性があったという。

 

更に驚くべき事に鬼岩城が手足を動かし、いずこかへと移動してしまったということだ。

ガーゴイルやアークデーモンがいるので飛んで追うことも可能だったが、

溢れたキラーアーマーとの戦闘中で追いすがることもできなかったという。

 

 

「馬鹿な! 鬼岩城を動かすバーンの鍵はここにあるのだぞ!」

 

 

そう言うミストバーンは懐の鍵を出して見せた。

真剣な表情の大魔王は、ミストバーンに落ち着くように言って彼に確認した。

 

 

「ミストバーンよ。鬼岩城の制作は初期はそなた。

後期はデスカールが担当して、完成させたのは彼奴であったか?」

 

「ハッ……左様でございます」

 

「ってことはデスカールの野郎、手癖の悪さを発揮して、

鍵を複製でもしましたかね?」

 

 

フレイザードは思わず口に出した意見が、謁見の間の全員から注目を浴びていることに気づき、

少し焦ったが取りあえずミストバーンに振った。

 

 

「その鍵はどうやって作るんだミストバーン?」

 

「……最強クラスの魔力が必要だ。それこそ、畏れ多くも大魔王様に近いほどの」

 

 

顎髭を撫でながら大魔王は話し始めた。

 

 

「デスカールは……魔界においても最高レベルの魔力を誇っていた。

恐らく魔法力に至っては余に限りなく近づいた一人であると言える」

 

「そこまでの力量(レベル)でございましたか……」

 

「余には分かっていたが、デスカールめは魔力を抑えていたな。

魔族は魔力を抑えるなど、滅多にやらぬから分かりづらいが……」

 

 

そう楽しそうに話し出す。

機嫌が直ったかと思って、一安心するミストバーンが驚くことを大魔王は口にした。

 

 

「良かろうデスカールめ。あやつは余を引きずり出したいのであろう。

ならば、余自らが出向き、真正面からデスカールの企みを粉砕してくれるわ」

 

「お、お待ちくださいバーン様!

御自ら、デスカールの誅殺に行かれるというのですか!」

 

 

ミストバーンが最初に驚いたため、多少、冷静でいられたが、

ハドラーもフレイザードも大魔王に自重を求める言葉を、各々口にした。

 

それを黙って聞いておいて、バーンは説明を始める。

 

 

「並の者であればミストバーン一人で事が足りる。だが、相手はデスカールだ。

あの男、野心さえあれば、魔軍司令にしてもよいと思っていたほどだ」

 

 

ハドラーがその言葉を聞いて、軽く眉を上げるが冷静に大魔王の次の言葉を待った。

 

 

「結局、強すぎる忠誠心のせいか、野心の欠片も持たぬ事が分かり、

地上へ向かった若き猛者、そなたに白羽の矢が立てられたわけだハドラーよ」

 

 

その言葉に一礼するハドラー。

 

 

「恐れ入ります大魔王様。ですが、オレもミストバーンを支持致します。

ご自重ください、バーン様!」

 

 

その言葉を嬉しそうに聞く大魔王だったが決意は固かった。

結局、大魔王がミストバーン、マキシマムを連れて鬼岩城を追うこととなる。

ハドラーは大魔宮(バーンパレス)から、魔軍司令補佐となったフレイザードと共に、

現状は超竜軍団、魔影軍団、氷炎魔団となってしまったが、

三軍団へ戦況に応じて指示を出すこととなった。

 

ハドラーの親衛隊と氷炎魔団は大魔宮(バーンパレス)へ向かっているが、今少し時間がかかりそうだ。

超竜軍団は激戦の最中にあるのでそのまま継続させ、

魔影軍団のダブルドーラには、こちらの混乱を悟らせぬ為、

命令があるまで消極的に攻めよ、との指示が送られた。

 

メネロが死んだ後でも、浮遊樹の通信網が使えているのは、

現在、魔界に六カ所の巨大な浮遊樹が存在しているからである。

インスペクター一体に通信網の維持を任せたおかげで、

一カ所の破壊で全体が止まってしまった失敗に学んだ結果だ。

 

この点は戦後を見据えたメネロの功績であったが、

彼女自身はその恩恵を受けることなくロモスで敗死してしまった……。

 

 

バーンの鍵の指し示す方向へ瞬間移動呪文(ルーラ)で向かえば、鬼岩城はその先にいる。

ミストバーン、超金属(オリハルコン)兵団を率いたマキシマムを従えた大魔王は、

両名に対して声をかけた。

 

 

「余のわがままに付き合わせて済まぬな両名よ」

 

「……滅相もございません」

 

「吾輩の役目は御身を守ることでございます大魔王様!」

 

 

その言葉に満足そうに頷く大魔王。

 

 

「ハドラーは類い希ない魔族の猛者ではあるが、恐らく搦め手ではデスカールに敵うまい。

せっかく、天魔として頭角を現し始めたのだ。かの男の成長を今少し見届けたい」

 

「……それゆえ、大魔王様が自ら向かわれるのですか」

 

 

そのミストバーンの問いに対して、凄絶な笑みを浮かべた大魔王は答えた。

 

 

「余を挑発するのは高く付くと、きちんと教えてやらねばなるまい。

尤も教えた相手はすべからく生きておらぬゆえ、

教訓が広まることがないのが残念ではあるが……」

 

 

そう言って低く笑う大魔王に深々と一礼したミストバーンは、

バーンの鍵が指し示す方角が定まったことを伝える。

それを聞いた大魔王が、その超絶の魔法力で高速の瞬間移動呪文(ルーラ)を展開し、

その場の全員を鬼岩城の方角へ向けて連れて、飛び去って行った。

 

 

 

 

鬼岩城を自動操縦させているデスカールは、(ラング)の間でキラーアーマーを大量に作り出していた。

それはある人物の追跡があった場合は気休めにもならないのだが、

一瞬の隙にでもなれば、という程度の気持ちではある。

 

デスカールの背後に一人の男が姿を現した。

豹の仮面を被り軽装の戦士で、腰に物々しい魔剣を佩いたスラッとした体格の男である。

 

 

「気分はどうだライゼ。革新的な技術ではあるが、お前たちが最初の被験者でな。

不都合があればすぐに申告するように。是正する」

 

「いや、問題はないぜ。それどころか、かなりしっくりくるな。

こいつの為に生み出されたのがオレだから……かな?」

 

 

そう言って、手を動かし剣を抜いて見せた。

スラリと剣を抜き放った動きは、流れるようで見事なものだ。

 

 

「実験的な試みだったが、問題はなさそうだな」

 

「しかし、こいつの意志は一切感じないな。

オレの魔力で動いてるんだろこの肉体は?」

 

「そうだ。超魔生物の技術を応用し、"魔力によって再生する細胞"を作り出した。

死者にも適用可能で、お前の最初の持ち主の肉体を探し、超魔細胞で身体を補った……」

 

「恩恵を受けておいてなんだが、背筋が凍る話だな」

 

 

肩をすくめるライゼをチラリとみて、説明を続けるデスカール。

 

 

「超魔生物が因子を奪うために多数の魔物を殺す必要があったのだから、

死体を使うゆえに命を奪わぬ……慈愛に満ちた研究だぞ」

 

「……まぁ、そうだよな。そういう考えもあるよな」

 

 

恩恵を受けているので、雇い主に逆らったり、気分を害する事を言わぬ程度の分別は、

はぐれ武器であるライゼにもある。

なにせ、ベルクスたち全員に、理想の肉体を探し出してくれたからだ。

勿論、裏切ったヒヒ、ザングレイに使われていたグロイサンは除くが。

 

まず、デスカールは部下を動員し、ベルクスたちの最初の持ち主の遺体を捜させた。

特殊な超魔細胞で肉体を復活させ、魔力を通すことで再生する肉体を作り上げた。

かくしてベルクスは長年欲していた、自分を理想通り振るってくれる肉体探しを、

最初の持ち主の死体を再生して使うという手段で達成したのである。

 

 

「既に肉体としては死者ゆえに殺すことはできない。

いかなる傷も戦闘中に治癒……いや、死んでいるから再生が正確か?」

 

 

言葉の用法に拘るデスカールがおかしかったが、

ライゼとしては確認しておきたいことがあった。

 

 

「それだ。デスカールの旦那。超魔生物ってのがしっくりこないぜ?」

 

「ほう……それはつまり?」

 

「死体だろ、この肉体は。生物はおかしくないか?」

 

「その指摘を受けるとは思わなかったが正しいな。

生物は確かに適当ではない……」

 

 

素直に考え込むデスカールがおかしかったが、ライゼは黙って彼の返事を待った。

 

 

「ろくな名ではないが、超魔ゾンビとでも呼称するか?」

 

 

デスカールの言葉を聞いたライゼは苦笑して、その呼び名を首肯する。

 

 

「いいんじゃねぇか。

酷いネーミングだが、死体を生物呼びするよりはいいぜ」

 

 

そう言ったライゼは挨拶をして、デスカールの前から立ち去る。

他のベルクスたちにこの酷い呼称を伝えてやらねばならないだろう。

 

苦笑しながらライゼは、己の胸中の考えに思いを馳せながら歩いていた。

ライゼの真っ当な部分は、ロン・ベルクにベルクの大槌で粉砕されたとき、

後悔と悔恨の涙と共に死んでしまった。

 

いま、彼を突き動かすのは、ロン・ベルクへの……正確に言えば"ライゼの剣"を打った、

かつてのベルク一族の鍛冶師への逆恨みで凝り固まっていた。

 

魔道に落ちたとロン・ベルクは評した。

生み出しておいて、その言い草に心の底からの憤怒が呼び起こされた。

 

魔道に落ちた? 知るか! オレたち武器は戦うことが目的だ。

そして、オレが覚えているかつての持ち主、ライゼの最後の気持ちは絶望感。

力がない事への焦り、それから怒り……。

 

だからこそ、持ち主の肉体を得て、彼、魔剣のライゼは、

ベルク一族の最後の生き残りロン・ベルクを倒す。

 

たとえ創造者といえども、一度倒されれば十分だ。

二度、三度倒される義理はない。

創造者を倒す事で、オレたちは真に解き放たれる。

 

デスカールという悪魔に魂を売ることで、かつてない力を得た。

ならば、武器の本懐として戦いの中に身を置いて、

その中で二度目の生を使い切ろうとライゼは考えていた。

 

 

実はこうした極端な思考もデスカールの誘導によるものである。

グロイサンはプロトタイプだったからこそ、エビルメタルによる修復と補強の後、

持ち主であるザングレイに振るわれることで、真っ当な己を取り戻していった。

 

彼以降のベルクス達は黄泉返る際に、極めて強い暗黒闘気を籠められたのだ。

洗脳とまでは行かないが、元々、暗黒闘気は怒りや憎しみなどの、

負の感情が源泉となっている。

 

その影響を受けたライゼたちは、負の感情が増幅されるのだ。

ある種、思考の誘導を受けていると言っても過言ではないだろう。

 

当のライゼはそんな事は考えもつかず、ネーミングに拘るであろうタークスが、

"超魔ゾンビ"という呼称を聞かされて、どんな嫌そうな声をあげるかを楽しみにしていた。

 

 




独自設定

超魔ゾンビ
原作とは違う形になりました。
ベルクスは最初の持ち主、最も相性が良い肉体を、再生して使っています。
全身が屍肉をベースとした超魔ゾンビ細胞で、ベルクスの魔力を通わせることで、
身体が傷ついても再生ができるようになっています。

己を振るう肉体を求め続けたはぐれ武器、ベルクスの到達点といいますかなれの果てです。


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