ザボエラ転生 ~ダイ大世界をおっさんが生き抜く~ 作:リドリー@犬小屋
長いのでお時間があるときにお読みください。
役所の手続きでまた休日が潰れますので、お休みを頂きます。
次回は12月3日木曜日23時頃を予定しております。
大魔王の
呪文の吸収限界に達してしまったようだ。
こんなことは初めてのことだ……。
極大呪文とはいえ、これがたった一発の呪文というのが恐ろしい。
真ザボエラが原作で、サタンパピー七体の
やはり大魔王の
使用者の魔法力と呪文の威力が桁違いということだろうな。
本来であれば、
溢れたら私がバックファイアを食らうかもしれない。
更に眼前の大魔王が極大呪文を使う隙をくれそうもないだろう。
私は即決して
魔力を集中した掌で、角度を逸らされた。
凄まじい
謁見の間の壁面に巨大な穴を穿ち、
天井に蜘蛛の巣状のヒビを張り巡らせるほどの威力を見せた。
恐らくは通常の相手に叩き返せるフェニックスウィングは、
暗黒闘気によるものだろうが、こちらは魔力バージョンか。
魔力を集中させるのはできそうだが、
掌を当てるタイミング、角度など難易度が高そうだ。
やはりというべきか、大技頼りは危ういだろうな。
ここは慎重に戦うとしよう。
もちろん、大技を叩きつけてるだけで、
単純に勝てる相手だとは思っていないが……。
そこで、観戦しているルビス様が怒りの声をあげた。
「ちょっと、大魔王。
いきなり
「何を言うかルビスよ。その男は並の術者ではない。
故に余も手を抜けぬのだ……」
私はルビス様に声をかける。
「なに、呪文勝負ともなれば、私も慣れたものです。
ルビス様は安心してご覧頂ければ……」
「わ、わかりました。無理はしないでくださいねザボエラ」
暗黒闘気を使われたら、回避するしか手がない。
ダイが一撃で昏倒させられた超圧縮された暗黒闘気など、
予備動作も殆どないし、速度的に避けられる気がしない。
更に光魔の杖がないのも助かる。
あれは原作でダイの剣をへし折っているので、
生半可な武具では防ぐことすら危ういのだ。
ブラックロッドを吸収し、私の魔法力を上乗せしたケインなら、
防げるのでは無いかとは思うが……。
だからこそ、魔法力限定の勝負である事は、ある意味助かっている。
私は大魔王に一礼し、声をかけた。
「大魔王殿。私も本気を出しますが、あなたは宜しいので?」
「ほぅ……いいだろう。では、余も魔法力を解放しようではないか」
大魔王が抑え込んでいた魔法力を解放する。
玉座の間の床石にヒビが入り、彼を中心にすり鉢状に凹んだ。
それに続き、私も魔法力を解放する。
恐らく全力での戦闘は現在は伸びて五分ほどになった。
「え、ザボエラ、ソレなんですか!」
私は答える余裕がないので、軽く笑ってルビス様に一礼し、
まずは
岩蛇は身を翻して私の前で防御態勢を取り、
大魔王が放った
私は
前がまったく見えないほど、荒れ狂う炎の壁を作り出す。
それを隠れ蓑にして、
大魔王は
二撃目で
その場に氷で出来た蛇の彫像を作り出した。
私の方に向き直り、大魔王は
迎撃しようとするが、私は速度アップした
直撃コースにある
威力を上方向へ逃がす度に、天井に幾つもの穴を穿った。
「ふっ……器用な真似をするものだな」
軽く笑った大魔王は、傍らに優雅な不死鳥を従えた。
大魔王の
「受けよザボエラ」
「受けるのは御免被りますな。
私はカイザーフェニックスを予想していたので、魔法力を高めていた。
アーチ状の閃熱エネルギーが私の上に姿を現し、私は
カイザーフェニックスとの真っ向勝負で、
大魔王がカイザーフェニックスの二撃目を放つ。
「うそ、早すぎる!?」
ルビス様の声が響くが、実はそれも想定内だ。
私は
が、
私なら基本的に100%の威力で呪文を反射できるのだが、
半分ほどの威力で大魔王の直前に炎をまき散らすに留まった。
大魔王クラスの極限の魔法力ともなると、
反射の
もしかすると反射・吸収の上限魔法力が決まっている可能性がある。
確かに原作でフレイザードの
アポロの
それを考えれば、相手の攻撃を一回防御できているなら御の字だろう。
元より守勢に回っていて勝てるとは思っていない。
やはり、攻撃あるのみ、か。
そう考えながら
大魔王は高出力の
だが、既に
大魔王のカイザーフェニックスは既に放たれる寸前だったが、
こちらは既に
「むぅ!? それは……!」
「初めてお目にかけますな。
大魔王の放った不死鳥と激突した
その炎の威力が大魔王に迫るが、さらなるカイザーフェニックスで迎撃されてしまった。
「ほぅ、
なかなかの威力だが、燃費があまりよくはないようだな?」
「ご名答です。やはり、誤魔化せませぬか」
試していたのだがいままで使っていなかったのは、
大魔王の言うとおりの欠点があるからだ。
両手を使うし魔力の消費が極大呪文二回分ほどということで、使いづらくはある。
確かに
だが、この世界の
片腕で放てるという点にあるし、魔力の消費も上級呪文としては高くない。
しかし、
カイザーフェニックスは強力だが、あくまで魔力の消費は
呪文の撃ち合い勝負をしたら、いずれこちらの魔力が先に尽きてしまうだろう。
「ふむ……戦い慣れておる。
余の知らぬ呪文や、異なる二種の呪文を同時に使ったりと器用なやり方だな」
「お褒め頂いてありがとうございます。
私も大魔王殿の強さに敬意を表して助言を一つ……」
「ほぅ……助言だと?」
口元は笑っているが目元が一切笑っていない。
「私の次の攻撃は回避なさってください」
「なに?」
私は肩の辺りに二つの魔法陣を作り出す。
魔法陣と私の両の腕に、強い魔法力が宿った。
「ほぅ、ならば、余の
「参ります。
魔法力を解放した大魔王の
先ほどのそれを遙かに上回る威力で私に迫る。
私が解き放った
そのまま直進して大魔王を捉えたように見えた。
私は途中で呪文の出力を弱め、魔力の消耗を少なくするべく手を打った。
手加減をしたわけではない。
だとしても、玉座を吹き飛ばし、壁を貫通して、床石を抉る威力を見せた。
その煙の中から、不死鳥が翼を広げる……。
「ええ……!? ザボエラ、大魔王は元気です」
「分かっております!」
ルビス様から声が飛ぶが、想定内だ。
こちらへ飛んでくるカイザーフェニックスの向こうに、
回復の時間稼ぎなのだろう。
これまでカイザーフェニックスは
なんとか迎撃してきたが、今の私にはその二つの呪文を使うには魔力が足りない。
だが、私は長年、カイザーフェニックス対策を考えていた。
ここはやはり、
両手の人差し指と中指を合わせ、
カイザーフェニックスのくちばしにねじ込み、内部から
すると、竜巻が起ってカイザーフェニックスを内側から解体して無効化。
よし、できたという感慨は置いておいて、次の呪文を用意する。
魔力自体がそろそろギリギリなので、
大魔王の出方で攻防に使えるよう備えた。
尤も途中で気づいた大魔王の意図が当たっていれば、
恐らくこれで戦いは終わるとは思うが……。
「ここまでだザボエラ。
そなたの力はよく理解できた。それより、余の疑問に答えよ」
私は
戦う前に、大魔王はこう言っていた。
"力で余にそなたの言葉を押し通すのだ。"
勝たなければならない、とは言っていない。
大魔王の言葉は、私の力を見せろという意味合いだ。
つまり、交渉のテーブルに着くだけの力が、
という事だったのだろう……。
明快ではあるが、私の本音としては、
普通に話し合って欲しいという気持ちはある。
「では、勝負はここまでで宜しいですかな?」
「うむ……そなたの力は存分に見せて貰ったからな。
予想を上回る力であった。ふふっ……惜しいな。
余の側近に取り立てたいぐらいだ」
「恐れ入ります」
「今少し戦いたかったが、疑問を解消したいという好奇心が勝ってしまった。
厄介な性分よな、我ながら……」
ギリギリで助かったが、おくびにも出さぬようにせねばなるまい。
正直なところ、私の方が魔力の消耗が激しいだろう。
私の方が魔力切れで戦えなくなる可能性があった。
魔法の聖水を持ち込めた訳ではないし、使えるかも怪しい場所だ。
それに魔法力の解放自体、時間制限もある。
「まずは……どうやってカイザーフェニックスを無力化したのか?」
「あれは、
何度か見せて頂いたので、カイザーフェニックスの弱所、
内部から解体させていただきました」
実際、カイザーフェニックスを目の当たりにすると、
ポップが言っていた事がなんとなく理解できた。
私が発見したように言うのは心苦しいが、
大魔道士ポップが見つけた攻略法だと言っても通じないだろう。
心の中で原作のポップに頭を下げつつ、私はそう説明した。
「何度も見せるものでは無いな、そなたほどの魔法使い相手に……。
ならば、今後は嘴を閉ざすことにするか?」
後半は独白のように呟く大魔王。
私は戦うことがメインではなかったので、本来の目的を彼に話す。
「それでは、話の続きを聞いて頂けますかな大魔王殿?」
「よいだろう。そなたは何を聞かせてくれるというのだ?
さきほどの停戦の話を続けるか?」
「その前に大魔王殿に、ある真実をお伝えしたく存じます」
「ほう……? それは一体なんであろうか」
興味を惹いたようだ。
あとは、ルビス様にお願いするとしよう。
「さて、説明するのは当事者にお任せいたしましょう。
ルビス様、アピストの話を……神々についての真実を、
大魔王殿にご説明いただけますかな?」
「あ、私の番ですね。ちょっと、長い話になりますよ、大魔王……」
ルビス様がこちらへ走ってくる。
私はルビス様の隣に立って、大魔王に説明するサポートをした。
神々が
"邪悪な存在"がこの世界へやってきて、その存在が放つ"瘴気"が、
ドラゴンや魔族に強く作用し、邪悪な精神と姿に変貌させてしまうこと。
人間は命を落としてしまうことを話すと、大魔王がそこで口を挟んだ。
「邪悪な存在とは、"大いなる闇の根源"であろう?」
「知っていたのですか……」
「うむ。余は魔族の神に仕える天魔の一人であった。
あの方が戦いに臨まれるのを見送ったものよ」
口を挟まぬように後でルビス様に聞いたのだが、
天魔というのは魔法力と闘気が一定以上の水準に至った魔族が、
一段階上の種へと変貌した姿らしい。
道理で角を持った魔族が原作に大魔王しかいないこと。
オフィシャルファンブックで大魔王の種族が不明であることに納得がいった……。
神々が
黙ってルビス様の言葉に耳を傾けていた大魔王は、
不満げな顔でこう言った。
「ならばなぜ、人間だけを守り、肩入れし、地上を与えたのだ?」
「人間はその瘴気を浴びると、死んでしまうからです。
更に魔界に耐えられるほどの種族的な強さがありませんでした」
魔界に耐えられるほどの強さを人間は持たない。
さらに、"大いなる闇の根源"の瘴気に人間は耐えられぬから、
神々は彼らを守った……。
その話を聞き、大魔王は渋々納得して続きを促した。
「その当時殺され尽くして、一千名ほどにまで減った人間を救出。
しかる後、結界内に閉じ込めて守りました」
「ふむ……人間は弱いから守られたことは変わらぬ、か……。
まぁ、それは最早良い。続きはどうなったか?」
ようやく不満げな顔を和らげた大魔王。
話の続きに戻るルビス様。
ルビス様は特別にこの世界で戦える肉体を、
三柱の神々と主神から与えられていた。
もし、三柱の神が失敗しても、邪悪な存在は力を減らしているだろうから、
違う次元へ吹き飛ばすための力である。
ルビス様は不死鳥ラーミアと共に、人間の神、魔族の神、竜の神たちが、
"大いなる闇の根源"と戦う姿を見届けた。
激しい戦いの後に、"大いなる闇の根源"を撃退したが、人間の神は死亡。
だが彼は破邪の洞窟などに残留思念を残しており、
地上を見守り続けることになる。
竜の神は地上に残った瘴気を吸い込んで、
人類が暮らせるように浄化して命を落とした。
最後の魔族の神は、瘴気の影響で狂ってしまい、
魔界の奥底へ行き、己を結界内に閉じ込め出られぬようにした。
それを聞いた大魔王はため息をつく。
「そうか……あの方は"大いなる闇の根源"と戦った後に、天界で栄耀栄華を楽しみ、
魔界の魔族の窮状を見ぬ振りをしたのでもなかったのだな。
狂いゆく己が魔族に害を及ぼさぬよう、自らを結界内に封じたのか……」
「はい。彼は魔族という属性故、戦いの後、変貌することを覚悟の上でした。
その上で戦って、あのような結末に至りました」
「従者として何人か天魔がいたはずだが、彼らはどうなったか?」
「魔族の神が生き残れたのも、天魔の従者がいたからです。
彼らは非常に強く、最後まで神を守って戦って、命を落としました」
天魔の結末を聞いた大魔王は、寂しそうに笑って、
悲しみの色をした言葉をこぼした。
「…………神を守って、戦って……。
ふふっ……最後まで……な……」
そう呟いたが、恐らくは独白だろうから私もルビス様も答えなかった。
大魔王がこちらを見て、落ち着き穏やかになった顔で、
ルビス様に話しかけた。
「この先は大体分かった。
狂われたあの方を倒したのはそなただな、ルビスよ?」
「はい、私がアピストと名乗り、魔界へ行きました。
不死鳥ラーミア、当時の
「なるほど……神と不死鳥、そして
容易な相手ではなかったのだな、あの方は?」
「途方もなく強かったですね。
勿論、私もこの世界での依代を失うに至っています」
ルビス様からの魔族の神の評価を聞いた大魔王が、
なにやら嬉しそうなのは私の目の錯覚ではあるまい。
さて、ここからが問題だ。
"大いなる闇の根源"についての話である。
既に知っていたのは誤算だが、その正体については絶対に話せない。
きっと突っ込まれるだろうから、私も口裏を合わせることにしよう。
そう気を引き締めていると、やはり大魔王から言及があった。
「ルビスよ。その"大いなる闇の根源"とは如何なるものか?」
「詳しくは知らぬ方が良いでしょう。
あなたは天魔であっても、魔族の系譜で悪影響があります」
「悪影響か。あの方すら狂ってしまったのだからな。
ふむ……余も今は好奇心を抑えるとしよう」
納得してくれたかと思ったら、大魔王が私に振ってきた。
「ザボエラよ。そなたはその存在について知らぬのか?」
内心慌てまくったが、動揺を押し殺して答えた。
「大魔王殿。聞く相手を間違えております。
私が最初にその話を伺ったのは、ルビス様です。
それ以上の情報を持っているわけがございませぬ」
「確かに道理だ。なに、そなたは何でもよく知っておる。
故にルビスが持たぬ知識を、知っているのでは無いかと思ってな」
悪戯っぽく言うので、こちらが何かを隠していると疑ったままなのか、
それとも違うのか判別できないが……。
「では、ルビスよ。一つ尋ねたい。
その"大いなる闇の根源"とやらは、余が見てきた異界の魔王たち……竜王、破壊神シドー、
大魔王ゾーマ、デスピサロ、ミルドラース、
デスタムーア、オルゴ・デミーラ、ラプソーン……。
彼ら各世界の実力者達と比べ、"大いなる闇の根源"を超える強者はいるのか?」
ルビス様は上げられた名前を頭の中で考えて、
軽く腰に手を当てて言った。
「"大いなる闇の根源"を超える者は一人もおりません」
「あれほどの者達でも及ばぬ存在がいる、というわけか……。
異世界の強さの壁はなかなか厚いな」
腕を組んで唸る大魔王。
「大魔王殿。
停戦の件ですが、今の話を踏まえてどうお考えですかな?」
「余の神々への憎しみの原点。
魔族と竜族を魔界へ押し込めたことが、
実は我々を守るためであったということか……」
「左様です。出発点が誤解であったのなら、
いまから修正しても良いのではないでしょうか?」
「知り得た情報が膨大で、衝撃的でもあったな。
余も考える時間が欲しい。暫し待て」
それもそうだろうと思い、歩み去って行く大魔王に道を譲る。
すれ違った際に、大魔王の独白が微かに聞こえた。
"あの方が、世界を守るため、己が矜持すら捨てた……か……"
魔族の神が狂うことを承知の上で、"大いなる闇の根源"と戦ったことが、
大魔王バーンにとってはよほど衝撃的だったのだろう。
私に目もくれず、玉座の方へ歩いて行った。
大魔王は玉座に座ろうとして、戦いの余波で吹き飛んだことを思い出し、
一旦、大きめの瓦礫に腰をかけて、瞑目して考えをまとめているようだった。
私は大魔王が得た情報を頭の中で整理している間に、
ルビス様の元に近づいて安否を確認する。
「お怪我はなさそうですが、大丈夫ですかな?」
「私は問題はありません。あなたこそ、少し回復しておきますか?」
「可能でしたらお願いいたします」
すると、私の身体が光り、魔力が回復した。
「これでも神ですからね。このくらいだったらお茶の子さいさいです」
私でも使わないような言葉を……と思ったが、黙って頭を下げた。
「ザボエラ、ルビスよ。余の下へ参れ」
考えがまとまったようで、我々は大魔王の側までやってきた。
「理由の如何はともかくとして、魔族と竜族を魔界へ押し込めたのは神々の罪だ。
だが、彼らは命を賭してこの世界を守ったという」
そこで一息ついて、言葉を選びながら発言を続けた。
「余は脆弱な人間が地上で安穏と暮らせるのも、
強大な神々の力あってのものだと思っていた。
しかし、真実を知ればなんのことはない」
大魔王がバルコニーの方を見ている。
先ほどまでにはなかったものだ。
そこにうっすらと光が差し込んでいた。
恐らくは良い方向への心境の変化が、
精神世界であるこの場にも影響を与えているのだろう。
「当時の余も含めて、強者を気取った魔族も竜族も……。
大魔王はそうため息と共に吐き出した。
「地上侵攻は取りやめる。また、方針を練り直すために余は魔界へ戻ろう。
だが、その前に、ヴェルザーとデスカールめは叩き潰す、がな」
「では、一旦、
「ふむ、良かろう。
だが、その後、同盟せぬか、であったら首は縦に振れぬぞ?」
「いいえ。元より我々と魔王軍は手を携えてきたことはありませぬ。
急な同盟など、敵につけ込む隙を与えるだけでございます」
"では、どうするのだ?"そう問われて私は答えた。
「我々の間には同盟などという、都合の良い言葉は存在いたしません。
共通の敵に対して、お互い敵対せず個別に当たり、目前の戦いを全うすること。
それが、ある意味、共闘になりえませぬか、大魔王殿?」
「個別の共闘、か。ふふっ……矛盾しておるなザボエラよ」
今日、一番機嫌が良さそうに言う大魔王。
我々の方を見て、長い髭を軽く触って言葉を続ける。
「同盟はせぬが、同一の敵に対して当たるわけか。
そして、我らは争わぬ、と」
「左様です。そして、
デスカールとヴェルザーの裏をかけると思ったのか、
大魔王は飛びきり人が悪そうな笑顔をしてこう言った。
「ふっふっふ……面白い!
そなたの言、良しとしようではないかザボエラよ」
楽しくて堪らないと言った風で、大魔王は私の言葉を受け入れてくれた。
独自設定
アピストの話
「第七十一話 精霊ルビス」で説明したこの世界に神がいない事の説明です。
アピストというのは精霊ルビス物語でのルビスの名前、
ルビス・アピスト・カリクティスから取っています。
"大いなる闇の根源"
第七十一話 精霊ルビスで言及したドラクエ10のver5までのラスボスです。
恐らくは開発当初の大ボスなので、名前は伏せさせていただきます。
第八十九話閑話 天魔で、角が生えて天魔の兆候が現れ始めたハドラーに、
大魔王が語って聞かせていますが、当時の彼は末席の存在だった為に、
ルビス様の語る話の方が正しいものです。
当然、魔族の神の顛末も大魔王は知りませんでした。
"大いなる闇の根源"の強さ
ラスボス魔王最強議論は色々あるかと思いますが、
本作では隔絶した強さであるという事になっています。
天魔
本作独自設定です。
オフィシャルファンブックに大魔王バーンの種族が不明になってましたので、
気になって作った設定です。