ザボエラ転生 ~ダイ大世界をおっさんが生き抜く~ 作:リドリー@犬小屋
やってらっしゃる方を見て、
書き溜めてたら可能かと思っておりましたが、
ストックがあっても手直しをしていると、
時間的な余裕が無くなっていきます。
そんなわけで、
書き溜めていた分が無くなりました。
またストックを作っていこうと思います。
私の
一直線にコープスフライの群れの右翼を焼き払う。
左側に走ったクロコダインへ注意を向かわせないための一撃だ。
クロコダインが驚愕の表情を浮かべつつ、
一瞬こちらを見るが、すぐに切り替えてコキュードスへ向かった。
本当であれば、
クロコダインより私の方に敵の目を引き付ける為、
やや狙いを甘く撃って派手に挑発してみたのだがさてどうなるか?
「グルァアアアアアアアアアア~~~!!!」
コキュードスが唸り声をあげた。
自分に向かってくるクロコダインを警戒してか、
本人は動く気配がない。
「グェアアアーッ!!」
恐らくいまの声でコープスフライに命令を下したのだろう。
なぜなら、コープスフライたちが一斉に
「「「「「「「「「 メラミ 」」」」」」」」」
私はそれに対して、一つの呪文を用意する。
最初の
残るコープスフライは七十はいる。
それらが一斉に
さて、相手が必ず呪文攻撃をしてくると分かっていたなら、
対策として用意するべき呪文は明らかに一つしかないのである。
「ふん、愚かすぎるのう……
私を覆う光のシールド。
確か大魔王バーンは前面に鏡のように展開したが、
この呪文は元々パーティーを全員呪文から守るものだ。
ヨミカイン魔導図書館での訓練で、
様々な形状で展開する事が可能になっている。
そしてその
つまり、
無論、反射の角度もあるので、確実に命中させる形で返せたわけではない。
だが、反射された
地面に叩きつけられたコープスフライを、
ケインが爪を伸ばしたり
反射されてきた
私が
そうしている内に、クロコダインがコキュードスに接近した。
「さて、クロコダイン様はあのコキュードスに勝てますでしょうか
最後のコープスフライを伸ばした爪で引き裂き、
一仕事終えた感じで私の隣に器用に歩いてくるケイン。
「真正面から戦ってあの男に勝てる存在は、この地上にはそうそうおらぬよ」
そして、その言葉は予言ともいえない話だったが、
実際にその通りとなった。
コキュードスはかがやく息──氷属性のブレス──をクロコダインに叩きつける。
そのブレスは光り輝く膜によって阻まれ、
役目を終えた
そして、無傷のクロコダインは、徒手空拳の間合いに入る。
踏み込み、重い右の拳をコキュードスの腹に叩きつける。
本人はコキュードスと小細工なしで戦うと言ったが、
まずコキュードスは数を恃んだのだから、
そう言い含めて
クロコダインの一撃を喰らいながら、
コキュードスの爪が彼の分厚い表皮を裂く。
その凍てついた爪や牙が、引き裂いたクロコダインの傷口を凍らせる。
その間に、クロコダインは重い拳をコキュードスに何発も当て、
丸太のような足で蹴りを食らわせ、尻尾も巧みに使う。
やはり、クロコダインは近接格闘戦でこそ輝くな。
ダイの大冒険では登場初戦のダイとの戦いで左目を負傷。
以後、味方チームの盾として、
MMOでいうタンク
──敵の攻撃を全て受けて味方に被害を出さないようにする役割──
になってしまったのだが、
やはり攻撃力の高い近接アタッカーとしても映える男だ。
上手く彼の左目の負傷を避けるか、
目を潰されても治癒させることができれば、
盾役もこなすことができる近接戦闘のエキスパートが誕生するかもしれない。
「
そうケインが声をかけてきて、色々と黙考していた私を、
目の前の光景に意識を引き戻した。
丁度、クロコダインの尻尾が、コキュードスの左足の膝を砕き、
体勢を崩させることに成功した所、
渾身の力を込めた右ストレートが顎ごと頭を粉砕した。
荒い息をつくクロコダインの横に歩いてゆき、声をかける。
「お見事といったところかのう。
やはりおぬしの言った通り、じゃったなクロコダインよ」
「ハァ……ハァ……。
お前が、いやお前たちが、
コープスフライを引き付けてくれたからだ。
改めて礼を言う」
そこで私たちに向き直り、頭を下げるクロコダイン。
「助かったぞザボエラ! ケインよ!」
「いえいえ。
改めて
「さて、コキュードスの中にある真空の斧を、取り出してみてはどうかのう?」
クロコダインはうむと頷き、
コキュードスの肋骨の奥に挟まっている真空の斧を掴み、外に取り出す。
おお!!とか、見事!だと言いながら構えたり、
眺めたりしているクロコダインの動きがピシリと止まる。
「どうしたのじゃクロコダイン?」
「ざ、ザボエラ……伝説の武具を修理する事は……できるか?」
ギャグ漫画ならギリギリとか硬質な音をさせながら、
クロコダインがひきつった表情で、
こちらを眺めている絵が載っているページだろう。
ギリギリという音はしないが、
実際、クロコダインはひきつった顔をしている。
「うむ? それはつまり、まさか……!?」
「真ん中にある魔法玉に……そのなんだ、ひびが入っている……」
消え入りそうな声でクロコダインが私に言ってきた。
やむを得ず、その場で呪法を使って魔法玉を修理してみた。
斧本体に損傷がなくて良かったと安堵している。
ヨミカイン魔導図書館での呪法の練習の際に、
まどうしの杖など呪文を魔法玉に封じ込める事なら何度もやった。
真空の斧に込められているバギ系呪文は、
故に
「運が良いなクロコダイン。
ワシは呪法にも長けておるが、斧自体は直せぬ。
斧の方が砕けておったら、武器職人を探さねばならんところじゃったぞい」
そう声をかけると、
礼と共に恐縮してか感謝を告げてくるクロコダイン。
ここは鷹揚に答えておく。彼は義理堅い人物だ。
恩は売れるだけ売っておいた方がいい。
きっちり恩返しに来てくれるのだ。
それに、魔界では何があるのか分からない。
クロコダインがガルーダに魔の森の守護を任せる。
魔界へ行って留守にしている間は、彼が魔の森の王だ。
幾つか指示を話した後、
ガルーダが飛び立ち、クロコダインが戻ってきた。
「ところで、キメラの翼は屋根がある場所へは行けないのではないか?」
なかなか鋭い事を聞いてきた。
原作でも彼は豊富な知識で、
よっぽどザボエラなどより役に立つことを知っていた覚えがある。
例えば、バラン戦においてメルルに動物の"すりこみ"について、
丁寧な解説をしてダイの状況を伝えていた。
余談はともかく、私はクロコダインのその疑問にこう答える。
「通常のキメラの翼ならばな。キメラの翼には位階があってのう
青いキメラの翼はごく普通のルーラで本人が行き先をイメージするものじゃ」
そういいながら私が手に出したのは、ピンク色の翼である。
聡い彼なら分かるだろう。
「まさか、それはスターキメラの翼を使ったキメラの翼か?」
「左様。これには
文字通りルーラは空を飛翔する呪文じゃが、
ケインに聞いたところ、
ルラムーン草という特殊な植物を薬液に浸し、
作り上げた溶液で魔法陣を描くとそれを目印に転移できるらしい。
出てきたなルラムーン草。
アバン先生とキルバーンの戦いの際、
異空間から脱出する目印として使われていたか……。
「なにせ長い間空けておったからのう。
不逞の輩に占拠されているかもしれん」
「わかった。到着直後から、戦闘になる事も考慮しておこう」
「流石クロコダイン様。
一切油断なさらぬ武人の鑑ですな」
「あまり褒めてくれるなケインよ」
照れるクロコダインという珍しいものが見れたのだが、
それはともかく目的地を見てみたい気持ちが逸る。
「では、ワシのかつてのラボへ飛ぶとしよう
くれぐれも油断せぬように」
そう二人に声をかけつつ、キメラの翼を使った──
独自設定
スターキメラの翼には