ザボエラ転生 ~ダイ大世界をおっさんが生き抜く~   作:リドリー@犬小屋

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次回は来週の木曜日23時頃を予定しております。

*呼称について
ザボエラ……主人公の事です。
真ザボエラ……現在、ガルヴァスの肉体を乗っ取った、本物のザボエラの事です。



第五十八話 ガルヴァス襲来

 

グランナードは陽気で人懐っこい面を見せ、ヨミカイン魔導図書館に馴染んでいた。

 

竜水晶から聞くと、精霊よりのエレメント系モンスターという括りらしい。

精霊に近い存在が見ると、大地の精霊の眷属かな?と思うような存在になっているそうだ。

 

眷属といえば、私の魔法力を注いだ魔法玉を核に身体を作ったせいか、

大地の精霊か私の魔法力で身体を修復できるらしい。

 

そのグランナードとボリクスが魔導図書館の前で模擬戦をしている。

ボリクスはグランナードの多彩な攻撃方法が面白いようで、反応がいい。

 

地面から射出される四十本ほどの岩の槍を見て、はしゃぐボリクス。

 

 

「おっ!? めっちゃ多くて速いやん! これはかわせへんなー!」

 

 

そう言いながら飛んでくる岩の槍を竜闘気(ドラゴニック・オーラ)で全部防いでしまう。

"オイオイ、そりゃねーぜ"と言いながら、

陽気なイタリア人のように手を挙げて歩いてくるグランナード。

 

 

「なんだよ。当たっても姐さんには通じねぇなぁ」

 

「うちには痛手にならなくても、他の奴には十分やで。

当たらないのはラーハルトくらいちゃうか?」

 

「あー、兄貴は速ぇえな。わけわからねぇくらい速ぇえ」

 

 

ボリクスがグランナードの特訓に付き合っている。

視認できる範囲から岩の槍を幾つも投射できるし、腕を岩の武器に変化させ、

肘や膝に岩の刃を作ったり、両手に巨大な岩の盾を展開することもできる。

 

更に原作で空裂斬を防いだ三枚の岩の壁を地面から出現させる技も、

最大で六枚出現させたり、視認している範囲の味方を守ったりもできるようだ。

 

花崗岩にしか干渉できなかったかつてと違い、大地の精霊の眷属となることで、

自由に大地の力を使う事ができるようになっている。

 

 

「グラン、あれやってーな」

 

「見世物じゃねぇんだけどな。いくぜ……岩石呪文(ドガン)!」

 

「ええなー! おもろいな、それ!」

 

 

石を飛ばす呪文、岩石呪文(ドガン)という私が知らない呪文を覚えていた。

土や石に触れている必要がある呪文だが、本人が石でできているグランナードに制限はない。

ただ、この呪文を使うくらいなら、グランナードは岩の槍を出現させた方が早いので、

あくまでもできる事が多いという範囲ではある。

私は楽しそうにしている彼らを後にして、幾つかの手紙の返事を書くために図書館の中に戻った。

 

 

 

それから一時間ほど経過した後、ドオオンという瞬間移動呪文(ルーラ)の着地に失敗した音が響いた。

すぐにボリクスが走ってきて、私にこう告げる。

 

 

ザボ爺(ざぼじい)、大変や! ザボ爺(ざぼじい)の息子いうやつが来たで!!」

 

「なに!? すぐに行こう」

 

「大怪我しとんのや。いま、竜水晶が回復しとるとこやで!」

 

 

私はボリクスと一緒に瞬間移動呪文(ルーラ)で外へ出て、竜水晶とグランナードの側に行った。

そこには怪我を負ったザムザが横たわっていた。

 

 

「何があったのじゃザムザよ!?」

 

「父……上……。やはり、オレは……騙されていたのか……」

 

「騙されていたとは、どういうことじゃ」

 

「私の記憶装置に……父上を名乗る何者かが長年宿り……。

いうがままに……ガルヴァスという魔族の肉体を……与えてしまいました……」

 

 

つまり、真ザボエラが乗っ取ったのはハドラーではなかったのか……。

まあ、人間の神の残留思念と約束をしたわけでもないし、

仮に約束をしたとしても、律儀に守る真ザボエラではないな。

 

しかし、ガルヴァスの肉体を奪ったという事は、

今の真ザボエラはなかなか強いのではないか……?

 

 

「暗黒回廊から……力を得て……。良からぬことを……企む……ガハッ……」

 

「もうよい、ザムザ。無理をせんでよいぞ!」

 

「はい……」

 

 

竜水晶がしっかり回復させたいといい、背負ってヨミカイン魔導図書館の中へ運んで行った。

私はケインに二人の警護とロカ殿を呼んでくるよう頼む。

 

ザムザは明らかに戦闘の跡があった。

ヨミカイン魔導図書館に来たことがないだろうから、

恐らくは地上のどこかに出て、ここまでやってきたのだろう。

 

瞬間移動呪文(ルーラ)は視認した場所にも飛べる。

飛翔呪文(トベルーラ)で逃げ切れないから、瞬間移動呪文(ルーラ)で一気に跳躍したが、

怪我と疲労から集中力を欠いて着地に失敗したという事だろうか。

 

しかし、何故私がここにいることを知っていたのか……?

そう思っていると、ロカ殿が中からやってきて、こちらに歩いてきた。

 

 

「ザボさん。あんたの息子、追手の攻撃を掻い潜って、

ここまでたどり着いたようだな」

 

「そのようですな……」

 

「切創もあったし、何より閃熱呪文(ギラ)系呪文や火炎呪文(メラ)系呪文の攻撃の跡があったぜ」

 

ザボ爺(ざぼじい)! 追手が来たで!!」

 

 

ボリクスの声に振り向くと、ホークマンやソードフライヤーの混成部隊が、

40あまり飛んできて、彼らとの戦いになってしまう。

 

なし崩し的に戦闘に入ってしまったが、更なる増援を引き連れたベグロムが姿を現し、

後続の者達に対して大声をあげて知らせた。

 

 

「ガルヴァス様! こちらでございます!!」

 

 

来ているのかガルヴァスが……!?

ザムザの話から考えるとその中身は真ザボエラであることは確実だ。

 

ブレーガンとダブルドーラが先導して部隊を率いている。

5頭のライバーンからキラーアーマーが降りてきており、

その他は空を飛べるマヒャドフライやダースギズモなどが随伴した部隊だ。

魔物たちが左右に分かれ道を作り、その間を悠然と歩いてきたガルヴァスは、

開口一番こう言い放った。

 

 

初めて見る(・・・・・)が貴様がザボエラか。しみったれた爺だな。

さっさとザムザを引き渡してもらおうか」

 

 

どうやらガルヴァスの記憶を読めているわけではないようだな。

私はギュータが襲われた時、ガルヴァスと戦っているのだから、

初めて会うような会話はおかしいのだ。

少し揺さぶってみるか……?

 

 

「おや。初めて会ったような言い様ですな。

ギルドメイン山脈のギュータでお会いしたはずですぞ?

ワシの事はお忘れかな、ガルヴァス殿?」

 

「な、なに!?」

 

 

あからさまに動揺するが、すぐに言い返してくるガルヴァス。

 

 

「ふん……! 貴様のような小物の存在は記憶にはないわ!」

 

「あなたはあの時、手痛い敗北を喫しましたからな。

都合の悪い記憶は思い出したくはないでしょうが」

 

 

煽る私にガルヴァスより先に、ブレーガンが激発する。

 

 

「偉そうに言うな! クソジジイが!

今度こそ地獄へ送ってやるわ!」

 

「なんやお前! 出番ちゃうわ! 話に入ってくんなや!」

 

 

激高したブレーガンがガルヴァスに次いで罵声を浴びせてくるが、

その程度は想定内でしかない。

ブレーガンに対して言い返して、激発しそうなボリクスの肩を叩き、

落ち着くように言ってからガルヴァスに向き直る。

 

 

「ほうほう、左様ですか。しかし、クロコダインがここにおらずにようございましたな。

彼がおったら、恐怖で動けなくなっていた所ではありませんかなガルヴァス殿?」

 

「なっ!? お、おのれ、皆殺しにするのじゃ! あとでザムザを探し出せばよい!」

 

 

怒らせるだけで素が出るということは、演技がまだまだのようだ。

ボリクスがスッと前に出て、剣を構える。

 

 

「あん時はクロコに譲ったからな。うちが相手してやるわ!」

 

「じゃあ、オレが姐さんについていくぜ!」

 

「ザボさんはオレが守るか?」

 

 

私はロカ殿の提案に首を振り、ガルヴァスは自分一人で十分だと話した。

ヨミカイン魔導図書館に入れないようにして欲しいとだけ言って、戦闘に雪崩れ込む。

 

 

「オラッ、タラタラやってると串刺しだぜッ!!」

 

 

そう言ったが早いか、グランナードが地面から無数の石の槍を噴出させ、

キラーアーマーたちを貫く。

運よく破壊されなかったものたちも動きが鈍っているので、

飛び込んだロカ殿が真っ二つにして回っている。

 

電撃呪文(ライデイン)を自分に落として、速度をアップして突っ込んだボリクスは、

先ほど私に罵声を浴びせたブレーガンに頭に来ているのか、大地斬で真正面から攻撃する。

 

だが、棍を構えくるくると回転させたブレーガンのカウンターを、

まともに食らってフッ飛ばされてしまう。

 

あれはまさか水流の構えか……?

なるほど、ブレーガンが強くなっているのは確かか。

 

竜闘気(ドラゴニック・オーラ)で守られたボリクスにほとんどダメージはなく、

閃熱呪文(ベギラマ)を撃ってブレーガンの追撃を牽制した後、

ダブルドーラが飛ばす円盤を海破斬で叩き落している。

 

ボリクスも見事なものだ。

ロン・ベルク殿との修行はちゃんと身についているらしい。

 

 

私はダースギズモやマヒャドフライが他の仲間たちに向かわぬよう、

彼らを攻撃しながらガルヴァスの様子を見ているが、

本人は余裕を持っているのか腕を組んで一番後ろで眺めていた。

 

よほど部下の強さに自信があるのだろうか?

こちらの仲間が強い事を知らないのかもしれないが……。

 

ボリクスをブレーガンと一対一で戦わせるためか、

グランナードが両腕を巨大化させて、

ダブルドーラを横殴りに吹っ飛ばした。

 

 

「こっちは任せろ姐さん! そのすかした野郎は任せたぜ!」

 

「助かるわ! 頼むでグラン!」

 

 

飛翔呪文(トベルーラ)でブレーガンに向かっていくボリクス。

 

ダブルドーラが十の円盤(ソーサー)を縦横に操って、グランナードへ叩きつけるが、

地面を軽く踏みつけると石の槍が高速で射出され、円盤(ソーサー)を全て叩き落す。

 

 

「やっぱりボリクスの姐さん特別だよなぁ。オレの技、強いよなぁ~」

 

「貴様……! よくもやってくれたな!」

 

 

二体に分かれてから、新たな円盤(ソーサー)を繰り出し、

あらゆる角度から仕掛けてくるダブルドーラをグランナードが迎え撃つ。

 

 

逆の方向ではロカ殿がホークマンやソードフライヤーを叩き斬りながら、

ベグロムの閃熱呪文(ベギラマ)爆烈呪文(イオラ)を全て豪破一刀で迎撃していた。

 

 

「ならば食らえ! 闘魔傀儡掌(とうまくぐつしょう)!!」

 

「なっ!? 体が動かん……!」

 

 

これがロカ殿以外なら狼狽える所だが、彼ならば問題はない状況だ。

 

 

「武鋒円!」

 

 

地面に突き刺した剣から円状に光の闘気が広がってゆく。

それと同時に、ロカ殿を縛る暗黒闘気の糸は引きちぎられる。

 

 

「お、おのれ!? お前ら、オレを守れ!!」

 

「ミストバーンってのほどじゃないな。逃がさんぞ!!」

 

 

闘魔傀儡掌(とうまくぐつしょう)を破られた事で慄き、

ソードフライヤーたちの背後に隠れるベグロムに、

ホークマンを切り倒しながら迫るロカ殿。

 

こちらも大丈夫なようだな。

そう考えていたら、戦況の不利を悟ってか、ガルヴァスが迫ってくるのが見えた。

いきなり極大閃熱呪文(ベギラゴン)を撃ってくるガルヴァス。

私は飛翔呪文(トベルーラ)で回避するが、二撃・三撃・四撃と連射してくる。

 

 

「キィ~ヒッヒッヒ!! どうだ! 極大呪文すら連発できる魔力量!!

貴様ごときジジイの干からびた魔族が、私に敵うはずもないのだぁ!!」

 

 

だが、既に集束呪文(マホプラウス)を展開している私には傷一つもない。

ザムザから暗黒回廊について聞いていたので、膨大な魔力を得ているであろうことは予想済みだ。

 

 

「ワシが集束呪文(マホプラウス)を使える事をお忘れかな?

そして、ワシがこれを使える事をご存じないと?」

 

 

そう言いながら取り込んだ極大呪文の閃熱エネルギーを、私の極大閃熱呪文(ベギラゴン)に上乗せする。

 

 

「ばっ、ばかなぁ!! なぜ、貴様がその呪文を使えるのか!!」

 

「おめでたいですな。あなたの専売特許だとでも思いましたか?」

 

 

鼻水を垂らしながら驚愕するガルヴァス=真ザボエラに、

マトリフ殿のセリフを浴びせたのちに、

莫大な閃熱エネルギーを蓄えた極大閃熱呪文(ベギラゴン)を解き放つ。

 

瞬間移動呪文(ルーラ)で逃げるガルヴァス=真ザボエラだが、

集束呪文(マホプラウス)で得た魔力を攻撃範囲に回した極大閃熱呪文(ベギラゴン)の閃熱から逃れられない。

極太の極大閃熱呪文(ベギラゴン)が放つ、熱い閃光に飲まれて消えた。

 

拍子抜けするほどのあっけなさだが、生きていた場合の為に、

策を講じておくことにしよう。

私はもしもの時のため、一つ呪文を仕掛けておいた。

 

チラリと目をやると、ロカ殿がとうとうベグロムに迫り、豪破一刀で彼の氷結呪文(マヒャド)を切り裂き、

グランナードが二体に分離したダブルドーラを両腕を蛇腹剣にして仕留めていた。

 

ボリクスに攻めあぐねていたブレーガンが残った魔物たちに声を荒げて命じる。

 

 

「クソッ! やつの動きを止めろ!!」

 

 

生きているマヒャドフライやダースギズモ、キラーアーマーがボリクスに殺到するが、

ボリクスは一歩も動かず氷結呪文(ヒャダルコ)を唱えて魔法剣を作り、地面に突き刺した。

 

 

「食らえ! フリーズブレードや!!」

 

 

ボリクスを中心として氷が円のように広がって行き、地面が凍り付いて行くのと、

その地面から凶悪な氷の刃が無数に突き出されて、

マヒャドフライやダースギズモたちを貫いてゆく。

氷の刃に貫かれたり、直撃され、モノ言わぬ氷の彫像に変わっていくのは同時だった。

 

魔物たちを犠牲にして得た時間で、棍を燃え上がらせて、

ボリクスに迫るブレーガン。

 

 

「ハッハッハッハ!! 受けろー! 奥義! 轟炎殺!!」

 

「いくで! 火炎呪文(メラゾーマ)ッ!!」

 

「なにっ!?」

 

 

火炎呪文(メラゾーマ)を剣に宿し、燃え盛る魔法剣を作り出したことに驚愕するブレーガン。

そして、ボリクスが放つのは──。

 

 

「メラゾーマストラッシュッ!!」

 

 

恐らくはブレーガンが炎の技を使うのを読んでいて、炎の技で上回ってやろうと考えたのだろう。

火炎呪文(メラゾーマ)を宿したアバンストラッシュから燃え盛る闘気の刃がブレーガンに迫る。

 

 

「オレの轟炎殺が負けてたまるか!!」

 

 

ブレーガンの轟炎殺と第一陣のメラゾーマストラッシュが拮抗している間、

ボリクスは第二撃の準備を既にしており、ブレーガンに燃え盛る剣を持って迫る。

 

 

「メラゾーマストラッシュクロスやーー!」

 

「くそっ!? なにが起こっ──」

 

 

流石にストラッシュクロスの威力には耐えられなかったようで、

ブレーガンは豪炎殺の炎と共にXに切り裂かれて敗北した。

楽に勝っているように見えるが、いまのボリクスの魔法剣ストラッシュに拮抗するとは、

ブレーガンは魔界で相当修行を積んだのだろうか……。

 

 

ボリクスの勝利を確認した後、私の背後に気配を感じた。

赤い髪が黒焦げになっており、大仰なプロテクターやマントを脱ぎ棄て、

身軽な姿になっているガルヴァスが、凄まじい形相で立っていたのだ。

 

火傷だらけであり、よくあの極大閃熱呪文(ベギラゴン)を食らって、

生きているものだと私は内心感心した。

もちろん、そんな素振りは少しも見せないし、

準備していた仕掛けが生きそうだと、少し安堵している。

 

 

「ハァ…ハァ……。な、なぜ、極大呪文を使えるのだ……!

まさか、呪いが解けたのか?」

 

 

なるほど。ガルヴァス=真ザボエラは勘違いしているわけだな。

恐らくは事実が一番突き刺さるから、ありのままに言ってやろう。

 

 

「修行しましたからな」

 

「しゅ、修行……だと?」

 

「あなたの手記も読みましたが、様々な手段を講じながら、

一番手軽な努力して自身を磨く事を、あなたは最後まで行おうとしなかった」

 

 

そういうと、膝から崩れ落ち、愕然としたガルヴァス=真ザボエラだったが、

膝が地面につく前に不気味な顔をして哄笑した。

 

 

「この距離なら……極大閃熱呪文(ベギラゴン)も外さぬぞ!」

 

「ふむ。では、手向かいしましょうかな?」

 

 

私は手を後ろに組んだまま、微動だにしないので、

こちらを見て大笑いするガルヴァス=真ザボエラ。

 

 

「キィ~ヒッヒッヒ! 手向かいするといいつつ、何もできぬか?

極大呪文なぞ使いおったから、魔法力が尽きたかぁ! 情けないのう!」

 

「さて? どうでしょうかな?」

 

 

大地の魔法陣が地面に姿を見せた時には既に遅い。

私が設置した地爆呪文(ジバリーナ)が、ガルヴァス=真ザボエラの腹を刺し貫いた。

 

地爆呪文(ジバリア)系最強の呪文に、私が氷系呪文(ヒャド)を組み合わせたので、

氷の柱が幾本もガルヴァスの腹を貫き、瀕死のダメージを与えた。

 

だが、よほど肉体が強靭なのか、予想外の反撃に出るガルヴァス=真ザボエラ。

 

 

「ぐおおお……火炎呪文(メラゾーマ)!」

 

真空呪文(バギマ)!」

 

 

左手の真空呪文(バギマ)で高速回転する竜巻を作り、

火炎呪文(メラゾーマ)を吸い込んで上方向へ逸らして防御。

それと同時に右手の閃熱呪文(ベギラマ)でガルヴァス=真ザボエラの右肩を射抜く。

 

 

「ギャァアアアアアアア~~~!!」

 

 

呪文を放った右手を肩から溶断され、絶叫して地面に倒れ伏す。

流石に何もできないだろうが、近寄るのは何かしてくるかもしれないから、

距離を置いて声をかけてみよう。

 

 

「暗黒回廊を開いたと聞いております。どこで行っているのですかな?

あれはこの世界を滅ぼす力ですぞ」

 

「ふ、ふ……ふざけ……るな! デルパァ!!」

 

 

ゾンビのようなモンスターが出現して、いきなり唱えたのは自己犠牲呪文(メガンテ)だった。

咄嗟に真空呪文(バギマ)で前面に風の障壁を作り出すが、

閃光のように飛来した電撃呪文(ライデイン)で速度を増したボリクスに救われる。

 

 

「まさかあのような奥の手を持っておるとは……。油断したわ」

 

「ハハハッ! ザボ爺(ざぼじい)もやらかすんやな。せやけど……」

 

 

笑いながら私をからかうボリクスが、途中で急に真面目な表情になる。

何かを確認したのか、ボリクスが嬉しそうではない顔で私にこう告げた。

 

 

「まずいでザボ爺(ざぼじい)。あいつ、逃げよった」

 

「なに? まことか? ワシには見えなかったが?」

 

「キメラの翼使(つこ)たんやないか? 消えよったで」

 

 

しまった……まさか取り逃がしてしまうとは。

ロカ殿とグランナードの元に戻り、どうするか話し合っていると、

竜水晶に支えられながら、ザムザが姿を現した。

まだ辛そうなザムザが事情を聞き、自分が大魔王城(バーンキャスル)瞬間移動呪文(ルーラ)を使おうと言い出した。

 

 

「その体では無理じゃぞ、ザムザよ」

 

「ですが、私以外は大魔王城(バーンキャスル)の場所をイメージできないでしょう……。

それに、部外者が敷地内に瞬間移動呪文(ルーラ)で移動しようとすれば、

弾かれる結界が敷かれております」

 

「むぅ……やはり魔界の大魔王の城ともなれば、そのような事になっておるか」

 

 

傷は塞がっているが疲労が酷い。

この状態のザムザに無理をさせるのは……。

そう悩む私に、竜水晶が挙手して意見を述べた。

 

 

「我が同行しよう。大魔王の城まで到着したら、我がザムザを連れて戻ればよい。

あとは、絶対安静だ」

 

 

竜水晶がそう言ってくれたので私とボリクス、竜水晶。

ザムザとグランナードで大魔王城(バーンキャスル)へ赴くこととなった。

留守を預かるロカ殿にはアバン殿とマトリフ殿に、

メタッピーで知らせを送ってもらうよう話しておいた。

 

大魔王城(バーンキャスル)に入れない可能性はないのかと尋ねると、

出てくるときに呪法を破壊してきたので、いまは自由に出入りできると言っていた。

 

かなり危険だがあのガルヴァス=真ザボエラをそのまま野放しにはできない。

我々は魔界にある大魔王バーンの居城たる、大魔王城(バーンキャスル)へ赴くこととなった……。

 

 





独自設定

岩石呪文(ドガン)
ドラクエ10の竜術士が使える新呪文です。
土や石に触れている必要があるという所が独自要素になります。

フリーズブレード
氷系呪文(ヒャド)系呪文を宿して作った魔法剣の技です。
ドラクエ10の大剣の技ですが、竜の(ドラゴン)騎士の技となりました。

メラゾーマストラッシュ
電撃呪文(ライデイン)系が最強だろうということで、後半は火炎大地斬とかがあまりでなくなって、
折角の魔法剣の設定がもっと見たかったなと思いましてこんな感じになりました。
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