ザボエラ転生 ~ダイ大世界をおっさんが生き抜く~   作:リドリー@犬小屋

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次回は来週の木曜日23時頃を予定しております。



第六十五話閑話 氷炎の魔人

 

ハドラーは大魔宮(バーンパレス)の一室で、久々にマキシマムとの訓練を行っていた。

動けるようになった大魔王バーンが、最近、魔力を使い果たすほどの秘術を行っているらしく、

その際の護衛の任務があるとかで、忙しくなり以前ほど頻繁に指導は受けられていない。

 

ハドラーは地獄の爪(ヘルズクロー)に魔界の宝石のように輝く、純度の高い暗黒闘気をまとわせる。

左右からヘルズクラッシュを繰り出し、以前は余裕で回避され空を切っていた拳打が、

マキシマムにかすり傷をつけられるほどにはなっていた。

 

 

「ふむ。見事だ。

吾輩の超金属(オリハルコン)ボディに傷をつける者は、そうそうはおらぬぞハドラー殿!」

 

「ふん……。褒められても嬉しくはないな。

オレと貴様、どちらが勝者か傍から見ればわかるだろうよ」

 

 

ハドラーはマキシマムの打撃を幾度も食らっているので、骨は折れている箇所もあり、

打撲や擦り傷などが痛々しい。

だが、以前の暗い表情が嘘のような晴やかな顔をしている。

 

先ほどの台詞も不貞腐れているようにも聞こえるが、苦笑しながら言っているので、

マキシマムも笑いながら聞いていた。

 

本人の精神が安定しており、魔力の伝達も良いせいか、

小さい傷はすぐに回復している。

折れた腕を固定して、魔力を高めて治癒しており、

小一時間で繋がって翌日には元通りだ。

 

そんなハドラーに、マキシマムは気になった事を質問する。

 

 

「そういえば、ヘルズストロークという打撃と一緒に、

暗黒闘気を前面に放出する技は使わなかったな?

吾輩はあれを警戒していたというのに」

 

「オレも考えた。だが、あれは威力はあるが直線的過ぎる。

貴様には容易くかわされるだろうよ」

 

 

実際、暗黒闘気を拳から前面に放出するヘルズストロークは、

魔界の強大な魔物たちの腹を穿ち、頭を吹き飛ばしてきていた。

 

頑強な甲羅を持った魔物や、分厚い鎧をまとった魔物も、

関係なく粉砕しているので、当たればかなりの威力を持っている。

 

マキシマムには一度だけヘルズストロークを食らわせたこともあったが、

不意の一撃であり、以後は一度も当たったことが無かった。

実際、その際は、マキシマムの肩当てが、大きくひび割れるほどの威力を見せた。

 

疑問が解消されたマキシマムがなるほどと唸っていると、

今度は逆にハドラーが彼に質問をした。

大魔王バーンの側近であり、最も言葉をかわしている側近であるマキシマムに、

魔王軍六大軍団の人事について尋ねてみたのだ。

 

 

「マキシマムよ。

氷炎魔団と超竜軍団は、いまだ軍団長の適任者がでていないのだな?」

 

「吾輩が伺った範囲ではな。

だが、超竜軍団の軍団長は、大魔王様が宛があると仰っていた」

 

「ほぅ……」

 

 

どこかからドラゴン族の猛者を探してくるのだろうかとハドラーは考えていたが、

それは難しい事も彼は知っていた。

 

元々、ドラゴン族は、竜族を統べる冥竜王ヴェルザーに、数多く従っていたのだ。

その彼が行方不明な現状、知恵あるドラゴンもおらず、

かつてのヴェルザー十二魔将のキングヒドラは、地上で人間に敗退したと聞いている。

 

そうなってくると、何者が超竜軍団の長に就任するのか……?

ハドラーは興味があったが、同時に氷炎魔団の軍団長に空きがある事が気にかかっていた。

 

 

「氷炎魔団長はいまだ空席という事か……マキシマムよ?」

 

「現時点ではな。先日伺ったが、氷や炎の力を使う強い魔物を集め、

一カ月ほど後にバトルロイヤルを行い、勝利した者を軍団長に登用するという話だな」

 

「ほう……! では、やってみる価値があるかもしれぬ」

 

 

ハドラーは兼ねてから六大軍団長の内、半数は自分の息がかかった者で占めたい思いがあった。

だが、現状は百獣魔団長にザングレイ。妖魔士団長にメネロ。不死騎団長はデスカール。

魔影軍団長はミストバーンと、大魔王臣下古参の者達ばかりで、新参の自分としては肩身が狭い。

 

ザングレイとは最近打ち解けてきたのだが、他の者達は礼儀は通すが、

あくまで忠誠心は大魔王様に捧げているという態度を崩さない。

 

派閥を作ろうという気はないが、一軍団くらいは自分の意志を通わせた部下を置きたい。

かつての部下たち、ガンガディアやキギロが生きていれば、

どこかの軍団にねじ込めたのだが、彼らは命を落としてしまっている。

 

となると、生命を作る禁呪法で部下を作るのが一番だ。

幸いなことに素材には事欠かない。

 

ハドラーは魔界の大魔王城(バーンキャスル)で防衛の任についており、

魔界の強豪の城に攻め入り、その城の宝物を手に入れる事もあった。

 

最近、極めて貴重な魔石を手に入れた。

高純度の炎の力を内包した炎魔石と、美しい輝きと凍てつく冷気を併せ持つ氷魔石だ。

マキシマムを通して大魔王に許可を取り、生命を作り出す禁呪法で、

ハドラーは炎と氷の能力を併せ持つ魔物を作り出すことに成功する。

 

禁呪法生命体を作ると、寿命を数十年消費してしまうが、

既にバルトスやグランナードで寿命を削っているし、数十年単位であったら、

長命な魔族にとってはあまり大きな問題ではない。

 

生命を作る禁呪法を使い誕生した禁呪法生命体は、ハドラーの眼前に現れた。

しゃがみ込んで荒い息をつく炎と氷の魔物に対して、ハドラーは声をかけた。

 

 

「ハァ……ハァ……」

 

「お前はオレが禁呪法で作り上げた、炎と氷の力を持つ存在だ」

 

「あんたがオレを作ったってのか……」

 

 

ハドラーの言葉に、身体の左半身が凍てつく氷と、

右半身に炎が揺らめいている魔物はそう答えた。

勢いよく立ち上がり、立ち上がった時よりも機敏に、大げさに頭を下げた。

 

 

「命じて欲しい。オレは戦って勝つことが楽しみでならねぇんだ!

……えーと、なんて呼んでいいんだ? パパとかは駄目か?」

 

「それはやめろ。オレの名はハドラー。

大魔王バーン様から魔界にある大魔王城(バーンキャスル)防衛司令の任を受けている」

 

「そうか。ハドラー様か! オレの名は……名前あるか?」

 

 

そう尋ねられて、あまり名前に拘らない性質であるハドラーは、安直に考えた。

フレイムとブリザードという魔物から名前を取り、

フレイザードという名を目の前の禁呪法生命体に贈った。

 

 

「クカカカカカッ!! いいねぇ、フレイザード! 気に入ったぜハドラー様!

命じてくれ、誰をぶっ殺してくればいい?」

 

「どういうことだ? 少し休んでいてもよい──」

 

 

ハドラーの言葉を遮り、フレイザードは力説した。

 

 

「オレには分かる! あんたがオレを生み出した時、戦う意志で満ちていたんだぜ!

オレを生み出したのは戦う兵隊が欲しいって事だろ?

力になるぜ! いますぐ戦場へ案内してくれ!」

 

「フッ……気に入った! 良い心意気だぞフレイザード。

行こう。魔界で猛者共が待っているぞ!!」

 

「そうこなくっちゃなぁ!!」

 

 

産み出されたその日から強い闘争心を見せたフレイザードは、

魔界の大魔王城(バーンキャスル)での防衛戦で初日から見事に戦い抜いた。

 

ハドラーは自分の手勢の一部隊を、フレイザードに与えて戦わせた。

フレイザードは戦闘において非常に優秀だった。

戦場での判断が早く、炎と氷を自在に操る生得の力に加えて、

火炎呪文(メラ)氷系呪文(ヒャド)の系統の呪文も見事に使いこなす。

 

メキメキと頭角を現し、周囲からも一目置かれるほどの存在感を出すフレイザード。

そんなある日、ハドラーはフレイザードの疾風迅雷ともいえる戦い方を見て、

思わずこう口にした。

 

 

「フフッ、貴様はまるで魔王軍の切り込み隊長だな」

 

「クカカカカカッ! いいねぇ、カッコイイじゃねぇかハドラー様!!」

 

 

戦いとその勝利に付随する功名を求める姿勢は、

百獣魔団長のザングレイからも評価を受け、二人は妙に気が合った。

 

ある日、大魔王領の南に居座った魔界の強豪勢力の首魁と戦った折、

火炎呪文(メラゾーマ)を同時に四つ繰り出したという報告を得て、ハドラーは驚いた。

 

 

「ほう、どうやったのだ? オレでも同時には無理だぞフレイザードよ」

 

「いやぁ、無我夢中ってやつで。しかし、ごっそり魔法力もっていかれちまってな」

 

「そこは慣れだろうな。習熟して、精進することだ……。

しかし、もしも五本の指から放てたら、まさしく五指爆炎弾(フィンガーフレアボムズ)というやつだな」

 

 

ハドラーがポツリと言った言葉に、フレイザードが食いついた。

 

 

「ハドラー様ァ! 今、なんていった!! カッコイイ名前言ってなかったか!!」

 

「ん? 五指爆炎弾(フィンガーフレアボムズ)と言ったが……。そうだ、フレイザードよ。

もし、五本の指から同時に火炎呪文(メラゾーマ)を撃てたら、その技名を使ってよいぞ」

 

「おおっしゃぁー! 見ててくれよハドラー様ぁ!!」

 

 

そう言って去って行ったフレイザードが、五指爆炎弾(フィンガーフレアボムズ)をモノにするのに、

時間はあまりかからなかった……。

 

 

一カ月が経過し、大魔宮(バーンパレス)の闘技場で大魔王バーン観覧の元、

氷炎魔団長候補を集めたバトルロイヤルが開催された。

分厚い御簾の後ろに、大魔王の影が見え、闘技場は歓声で溢れた。

審判はキング・マキシマムだ。ルールは単純明快。

最後に闘技場に立っていた者が氷炎魔団長となる。

 

吹雪の魔女、シャイニング、雪の女王、魔人ブドゥ、じごくのほのお、

ブルデビル、ヘルバトラーetc……。

その中にフレイザードも立っていた。

 

六大団長ではザングレイが見に来ており、闘技場の観覧席に陣取り、

樽から柄杓で酒を飲み、あからさまに物見遊山の様子である。

ハドラーは大魔王が観覧しているということで、

落ち着かず行儀良くしているが、ザングレイはまったく気にしていなかった。

 

貴賓席の御簾の裏から観戦している大魔王バーンを守るように、

左に立つデスカールはあからさまに大魔王の方ばかり見ているようだ。

闘技場の方には無関心な様子である。

右に佇むミストバーンは、その沈黙の仮面から感情を汲み取ることは難しかった。

 

 

「フレイザードが勝つぞハドラー殿。オレはフレイザードに賭ける」

 

 

いい感じに酔っているザングレイは、上機嫌でハドラーにそういった。

この一カ月で友情を育んだザングレイは、フレイザードを推している。

 

ハドラーも心配はないだろうと思ってみてはいる。

ただ、才能も素質もフレイザードは豊富であるし、

この一カ月激戦を潜り抜けてはいるが、

圧倒的に戦いの経験が少ない事を問題視していた。

 

ハドラーはそこが気になると考えていたが、マキシマムの声で思考が途切れる。

 

 

「これより氷炎魔団長を選任する戦いが始まる。

ルールは一つ。この場に最後まで立っている事だ。

大魔王様もご観戦されておる故、各人奮起せよ」

 

 

大魔王が見ているという事で、魔物たちが湧きたつがマキシマムは手を叩き、

場を静粛にして言葉をつけくわえる。

 

 

「この戦いは猛者を選出するためのもの。

逃げ回って最後まで立っていたとしても、そのような卑怯者は吾輩の拳で粉砕する。

各人は己の力の粋を、大魔王様にお見せし、氷炎魔団長の座を勝ち取ることを期待する!」

 

 

そして、手を振り上げたマキシマムが、始めという言葉と共に振り下ろし、

バトルロイヤルが始まった。

 

雪の女王がつめたい息で広範囲に攻撃をしてくる。

炎を操る魔物の内、鈍重な者達がこれに捕らえられ、物言わぬ氷の彫像に変えられていた。

 

太陽のような姿をした魔物であるシャイニングが、

光を放って目つぶしをして、怯んだ魔物たちをその巨体で潰していった。

 

魔人ブドゥが放った真空呪文(バギクロス)を、魔力を込めた爪で引き裂いたヘルバトラーが、

火炎呪文(メラゾーマ)を撃って焼き尽くす。

 

各所で魔物たちの戦いが繰り広げられている中、フレイザードは炎と氷を巧みに使い分け、

炎が得意な魔物には氷を。氷に耐性がある魔物には火炎呪文(メラ)系呪文を叩きこんだ。

 

熾烈な戦いは続き、10分後にはほとんど残っておらず、

フレイザードとヘルバトラーの一騎打ちになっていた。

 

ヘルバトラーの火炎呪文(メラゾーマ)は、フレイザードには通用しなかったが、

戦術を切り替えたヘルバトラーは強力な灼熱の炎を吹いてきた。

フレイザードが氷の半身が溶かされるのを感じ、

距離を取ったところ、ヘルバトラーは大音声でおたけびを上げた。

 

おたけびと共に大地から土の槍が無数に出現し、

フレイザードは串刺しにされてしまう。

畳みかけるように放たれたヘルバトラーの極大爆烈呪文(イオナズン)をかわしそこねて、

上半身の氷の部分を溶かされてしまっていた。

 

ヘルバトラーの得意分野である火属性で戦っても勝てない。

切り札である五指爆炎弾(フィンガーフレアボムズ)で仕損じたら、

やられるのは自分だという焦りが、フレイザードを迷わせていた。

 

それを読まれたのかヘルバトラーが灼熱の炎を叩きこみ、

炎の半身で受けたフレイザードの隙をつき、

接近して鋭利な爪で攻撃を叩きこみ、フレイザードに痛撃を与え転倒させた。

 

ヘルバトラーは足が焼けるのも構わず、フレイザードを足で踏みつけ、

爆烈呪文(イオラ)を至近距離から叩きこもうとしていた。

 

 

「いかん! あの距離では流石に核もやられてしまう!」

 

「フレイザード! 立て! 魔界の切り込み隊長の名が泣くぞ!!」

 

 

ハドラーとザングレイの応援の声が飛ぶが、フレイザードはどうするべきか迷っていた。

その最中、妙な思い付きを得た。火炎呪文(メラゾーマ)を五連射する技が、五指爆炎弾(フィンガーフレアボムズ)なら……。

氷結呪文(マヒャド)を同じようにやってやればいいのでは、と。

 

至近距離からの爆烈呪文(イオラ)を、フレイザードが真下から炎を噴き、

堪らず退いたヘルバトラーに対して、必殺の呪文を叩きこむ。

 

 

「好き放題やってくれたなぁ! 食らえええええ!!」

 

 

フレイザードの右手の指に青い光が五つ宿り、氷結呪文(マヒャド)が五つ同時に放たれた。

凍てつく青い光は弧を描き、ヘルバトラーに見事命中する。

その凍結の範囲はすさまじく、ヘルバトラーは勿論、

彼の足元に倒れていた魔物たちも氷の彫像に変わり、

更に闘技場の壁も凍り付く威力を見せた。

 

フレイザードは力を使い果たし、赤と青の岩石生命の姿を晒して、

荒い息をついている。

だが、無様は晒せないと、立ち上がり片手を上げた。

己の勝利を宣言するかのように。

 

マキシマムが近寄ってきて、フレイザードの手を取り、

闘技場中に響き渡る声で言った。

 

 

「うむ、見事だったぞ! 勝者フレイザード!

氷炎魔団長の座は、フレイザードのものとなった!!」

 

 

フレイザードは決め手になった氷結呪文(マヒャド)の超強化呪文の技名を考えるのに必死だったが、

ザングレイとハドラーが駆け寄って声をかけてくれて、二人に気づいた。

 

 

「見事だぞフレイザード! オレは貴様が勝ち残ると思っていたわ!」

 

「ハハハ、ありがとよザングレイ。これで、オレも同格だ。敬語はなしだぜ」

 

「フン、貴様が敬語など使った事があったか?」

 

 

ザングレイは嬉しそうに言い、フレイザードの体を支えている。

ハドラーはフレイザードを褒めた。

 

 

「よくやったなフレイザード。

これからは氷炎魔団長として、一軍を率いる任に就くのだ。

心して勤め上げてみせろ」

 

「お任せくださいハドラー様!」

 

 

その様子をマキシマムは嬉しそうに眺めていたが、

観覧席にいたはずの大魔王の気配がないことに気づいた。

最近、何か行っているのは知っていた。

 

秘儀を行う部屋の前で、マキシマムは護衛を務めているだけである。

その詳細はマキシマムには明かされていなかった。

 

"フフ……手品は種明かししては興ざめであろう?"

 

そうはぐらかされてはいたが、以前の蚊帳の外と言った感じではなく、

単純に自分が専門分野ではないという事だろうと理解していた。

 

 

 

 

氷炎魔団長決定戦の結果を見て、高揚した気分のまま、

大魔王バーンはデスカールを従えて大魔宮(バーンパレス)を歩いていた。

付き従うデスカールは、大魔王に追随する事に対して、嬉しさを隠しきれていない。

 

最奥には厳重な牢があり、牛頭で黄色い肌を持った悪魔──

ヴェルザー十二魔将が一人ベリアルが中に立っていた。

冥竜王城の封印を解き、ヴェルザーその人の石像と彼を守る三将軍を捕らえ、

この牢獄に収監していたのだ。

 

アトラスは巨大すぎるので他の場所に。

バズズにはやるべきことがあり、この場にはいなかったのだが……。

 

大魔王バーンは、奥に鎮座する冥竜王ヴェルザーの石像に話しかける。

 

 

「今日は面白い事があってな、ヴェルザーよ。

余の作る魔王軍六大軍団の、氷炎軍団を率いる軍団長が決まったのだ。

まだまだ粗削りだが、素晴らしい闘争心と、

炎と氷を自在に操るフレイザードという男だ」

 

「貴様の部下の話など聞いて、オレになんの得がある?」

 

 

怒りに満ちた荒々しい声が聞こえる。

竜騎将バランに倒され、不滅の魂故にすぐに蘇る所を、天界の精霊によって封印され、

新たな肉体を得られぬまま、石の中に魂を封じられている冥竜王ヴェルザーその人だ。

 

 

「そなたの身柄を確保してから、封印を解く術を探っていたのだが……。

ようやく、なんとかする見当がついたぞ」

 

「なに!? それは本当か!!」

 

 

さきほどまでぶっきらぼうだったヴェルザーが、己の封印を解く方法だと言われ、

思わず食い気味に大魔王に聞き返してしまった。

 

その姿に満足げな笑みを浮かべながら、大魔王バーンは冥竜王ヴェルザーに、

一つの選択を提案した。

 

 

「一つ条件があるのだヴェルザーよ。

そなたには余の配下として、超竜軍団を率いる軍団長になってもらいたい」

 

「正気かバーン! このオレに貴様の部下になれというのか!!!」

 

 

隠しきれない怒りを迸らせるヴェルザーに対して、

大魔王バーンは、一歩も引かずに朗々と謳うように要求を突き付けた。

 

 

「選べ冥竜王ヴェルザーよ。

このまま身じろぎもできぬ石像のまま、

永劫を冥竜王ヴェルザーとして存在し続けるか……?

それとも、余の配下としてドラゴン族で構成された超竜軍団を率いる、

冥竜将ヴェルザーとして仕えるかをな!!」

 

憎々し気な声のヴェルザーに対して、大魔王バーンは喜悦を隠しきれない声で、

冥竜王ヴェルザーに二つの選択肢を提示した。

 

 

 

 




独自設定
炎魔石と氷魔石
フレイザードの核の形状から、
炎と氷の力がこもった素材だろうなと考えて、
炎魔塔と氷魔塔を参考にして名前をつけました。

五指凍結弾(フィンガーアイスバレッツ)
ダイの大冒険 魂の絆に登場したマヒャド版の五指爆炎弾(フィンガーフレアボムズ)です。

ヴェルザーの封印
多分、こういう事なんじゃないかなという答えを、
私なりに考えております。



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