開聞岳を目指して、完。
「なんだか猛烈に中華が食べたい」
道中かなり食べて来たはずだが、事ここに至って脂ぎってガツンと香辛料の効いた中華料理が食べたくなった。
せっかくの九州最後の食事だが、この押し寄せる中華欲は抗いがたい。
私は料理屋を探した。
「……おいおい。どこも閉じるの早すぎだろ」
私は愕然とした。
行動範囲内の店が、軒並み閉店間際なのだ。
ただでさえ乗船時間が迫っているというのに、これでは中華を食すことが叶わない。
私は祈る思いで検索を続け、一軒だけ行けそうな店を見つけた。
「ここも閉店直前だけど、そもそも船の時間もギリだから行くしかねぇ……!」
そうと決まれば早速動き出す私。
もはや一刻の猶予もない。中華料理を堪能するために、そこへ至るルートを頭に叩き込んで展望台から出発した。
この展望台付近の道は一通なので、急な下り坂を対向車を気にすることなく楽しく下りていく。
そして一般道に合流し、右折。
その先で一応念の為、コンビニにて停車し現在地を確認。
周囲が暗いので、覚えたルートにちょっと自信がなかったのだ。
「よしよし、ここまでは合ってる。この先はしばらく真っ直ぐ、信号曲がってトンネル入って……」
ルートを再確認した。
ちゃんと道順を覚えて出発した。
しかし案の定、道に迷ってしまった。曲がるべき場所を直進してしまったのだ。
自分が道を間違えたと気づいたのはしばらく直進し、周囲が埠頭のような様相を呈してきてからだ。
「さっき通り過ぎた信号が曲がるポイントだったか。……もう中華は間に合わねぇな」
例えノーミスで辿り着けたとしてもラストオーダーに間に合うか怪しい時間だったが、これでもう確実にムリだ。
もう大人しくフェリーに向かうしかない。
「しょうがない。テキトーなコンビニでそれっぽいの食うか」
九州最後の食事はコンビニ飯に決まった。
これはこれでオツなもの……と思うしかない。
北海道のセコマのような、九州独自のローカルコンビニがあれば良かったのだが、生憎と周辺には全国チェーンのコンビニしかない。
まぁ港の近くにコンビニがあるだけありがたいか……
「さっさと行こう。お腹減ったし、意外と寒い」
春と夏の間の夜は肌寒い。
私は信号を曲がり、トンネルを抜け、フェリーが待つ埠頭へと入った。
目当てのコンビニを見つけ、停車する。
「トラックばっかだな」
流石は港の一角に建つコンビニ。
駐車場はトラックが何台も駐車できるほど広く、私は片隅にバイクを停めた。
トラックが居すぎてマトモな場所に停められないのだ。
私は早速チャーハンと飲み物を購入。これを中華の代わりとする。
温めてもらい、駐車場の寒空の下、バイクの傍らで冷たいコンクリに胡座をかいて座る。
少々行儀が悪いが、周りはトラックだらけの排気音だらけなので、食事くらいは大目に見てほしい。
熱くて溶けそうで溶けない包装ラップを破いた。
ふわりと香ばしい匂いが立ち上る。
「いただきます」
いつでも食べれるコンビニ飯であるが、弁当系には未着手だったので逆に新鮮だった。
プラスプーンの強度に不安を覚えながら、アツアツのチャーハンを頬張る。
「うまいっ。最高だ……!」
漕い味付けが舌に踊る。
空腹も然ることながら、冷たい夜空で食べるロケーションも良いスパイスになっていた。
周囲がトラックだらけで景観など皆無だが、絶賛仕事中の彼らを差し置いて行楽中の自分という、ちょっと良くない優越感にも浸れてさらに美味しく感じる。お仕事お疲れ様です。
あと普通にコンビニチャーハンが美味かった。
量が少ないという個人的な不満はあるが、パラパラの米と細かな具材に濃い味付けがしっかり乗っている。
もう一個買ってもいいくらいだ。
「普通に満足感満載だな。なんだかんだオツだったわ」
バイクを侍らせているのも良い。車だとこうはいかない。
というか結局、バイクで旅すると何でもかんでも『オツなもの』になる気がする。
非日常感があれば、例え妥協のコンビニ飯でも満足できるものだ。全食コンビニだとさすがに味気ないが。
ブロロン、と目の前のトラックから排気ガスが排出された。
「よし、ご馳走様。さっさと乗り場に行くか」
ここまで来たらもう、大人しくフェリーを待つしかない。
さっさと受付を済ましてゆっくり過ごそう。
私はゴミをコンビニのゴミ箱に捨て、コンビニを後にして門司港へ向かった。
〰️〰️〰️
曲がる場所をまたもやミスって変な所を走ったりしたが、広くて狭い港湾。
5分と経たず私はフェリー発着場に着いた。
「なんか、メッチャ明るいな」
──21:30。
闇に染まる海と空の中に、まるでライトアップされるかの如く真っ白な巨大フェリー“それいゆ”の姿が浮かんでいた。
そんな船の前に、数えるほどだがバイカーが何人か居た。
私はその最後尾に付く。
何人かにチラリと見られたが、私は会釈だけしてヘルメットを脱ぎ、受付を済ませるために建物の中へ。
受付のカウンターに近付き……、いや、そういえば受付はした、か……?
ネット予約した段階でQRコードがデジタル配布されたから、確か現実の受付カウンターでは何もしなかった気がする。
うろ覚えだ。
しかし建物に入ったのは確実だ。
私は二階に上がり、売店コーナーを冷やかしたのだ。
(買うものは……、無いな)
まだちょっと小腹が空いていたので何か食べ物を探したが、お土産的な商品しかなかったので何も買わず。
横須賀港のようなカフェ施設があればよかったのだが、それは求めるのは贅沢か。
私はバイクの下へ戻り、大人しく読書して待つことにした。
「おう
ザックを背もたれにバイクに跨って本を読んでいると、前に並んでいたバイクのオッチャンに話し掛けられた。
私は本を開いたまま下げ、話に応じた。
「はい。まぁこれから帰るところですけど。……そちらは?」
「俺ァ仕事だ。アッチとコッチを行き来しててな……」
詳細は分からないが、ちょっと羨ましい仕事だ。九州と関東を往来するバイク乗る仕事ってなんだ。
実際には大変なんだろうが、絶賛旅行中の私は旅行感覚で出掛けるお仕事に思いを馳せた。
そんな感じでしばらく他愛もない話をして互いに時間を潰していると、乗船のアナウンスが流れた。
日付が変わる頃。
順次、誘導員に従って船内へ案内されていく。
もう慣れたもので、スロープを渡り誘導に導かれるまま、無事に停車。
バイク乗りが全員入ったが、バイク専用と思わしき駐車場はスカスカだった。本当に数える程しかライダーが居ない。
車両甲板には乗用車が数台と、あとはほぼトラックばかりだ。
もしかして旅行客は私だけかと勘ぐってしまう。
「ふぅ。初めての九州はこれで終わりか」
客室に向かいながら感慨に耽る。
あとは寝て起きてボーッとしたら関東である。
長いようで短かった旅もほぼ終わりと言っていいだろう。
ロビーに出て割り振られた部屋を探して、荷物を置いてベッドに座ると私はそのまま寝転んだ。
「あ〜……、疲れた……」
気が抜けていくのが自分でも分かる。
フェリーは寝ながら移動出来るから強い。故に乗れさえすればどんなに気を緩めてもいいのだ。海運輸送は偉大である。
「寝る前に風呂入るか」
お待ちかねの行水だ。
乗船と同時にレストランも開店しているが、先ほど
乗船と同時、そして元々の人の少なさでガラ空きな大浴場。
「貸し切りだ」
シャワーで汗を流し、身体を洗い、お湯に沈む。
「あ゛〜……、溶ける……」
極楽とはこの事。
道中の温泉をすべてスルーしてきたのだ。
フェリー内の風呂だろうと、それはもう格別だった。
内風呂で温まった所で露天風呂へ行き、外気にその身を晒す。
夜の海の空気は冷たい。ブルリと震えそうな身体を湯に沈めて抑える。
船はもう出発したのだろうか。辺りは暗闇に染まっているので分からない。
「今日はもう寝よう」
浸かりながらボーッと考える。
夜更かしも魅力的だが、さすがに疲れた。
今日はグッスリ寝て、普通に朝起きよう。
船旅は20時間に及ぶ。
移動に時間が掛かるのは勿体ないが、しかしこのゆったりとした時間はフェリーならではだ。
私は心ゆくままに湯船を堪能し終え、水を購入して火照った体をそのままにベッドに寝転んだ。
大部屋であるのにほとんど人の気配がないツーリストルーム。
カーテンを閉めるまでもなくプライベートルームの様相だ。さすがに就寝時はカーテンを閉めるが。
「今日はもう終わりだ……おやすみ」
揺れ始めた船底の感覚を余所に、私は意識を手放した。
〰️〰️〰️
「メッチャ明るい」
目が覚めて廊下に出ると、窓から差し込む眩い朝日に目を細めた。
──7:30。
睡眠時間は6時間ほどだろうか。質の良い眠りだったのか気分は爽快だ。
トイレを済ませ顔を洗い、朝食を食べに行く。
乗船者も少なく朝という事もあり、ずいぶんと静かな船内だった。
船旅という言葉がぴったり合う、時間がゆっくり流れる贅沢な空間である。
朝食はパンに目玉焼きにウインナーにコーヒーと、コテコテな洋風朝ごはんをチョイス。
お腹が満たされた幸福感に酔いしれながら、コーヒーを啜る。
さて、この後はどうしようか。
本を読む、二度寝する、船内を散歩する、朝風呂に入る。
何をしてもいいが故に、何をしたらいいか迷うリッチな悩みだ。
朝食の余韻に浸りながら、目の前の大海原をボーッと眺める。
何もしないというのもアリだ。
こうやって波に揺られながら景色を眺めるというのもイイ。
少々ジジくさいが思考に寄るが、そこに突如として天啓が思い浮かんだ。
「そうだ。スマホ内の曲のプレイリストを作ろう」
私はボカロ系の同人CDを漁るのが趣味で、スマホにそんなCDたちを数多取り込んである。
その中で好きな曲だけ集めたプレイリストを作ろうとずっと思っていたのだが、中々着手せずにいた。
その作業をするのが今だ。
この暇な時間で最強のお気に入り集を作成するのだ。
そうと決まれば早速食堂から出て、適当なテーブルに座りサコッシュからイヤホンを取り出して装着。
音楽アプリを立ち上げ、取り込んであるCD音源を一枚ずつ聞いて厳選していく。
──結果をいえば、この帰りの航行はほぼこの作業に終始していた。
途中、行きの便にもあった姉妹船のすれ違いが10時頃にあり、これを見に行く。
少し船酔いの感覚がキていたので、外の空気を吸って休憩がてらだ。
その後は座る場所を変え、フォワードサロンへ。
ここは船の前方の部屋、進行方向の海を眺められる場所だ。
私はそこでプレイリスト作成を黙々と進めていった。
曲の数は膨大だが、何とかこの航海と同時に終えたい一心で整理を進めていく。
「ああクソ、良い曲だな」
振り分けしたら直ぐに次の曲へ進まないと終わらないのだが、好きな曲・良い曲が始まると最後まで聞きたくなってしまう。
私は3曲までフルで聞く権利を自分に与えた。
それ以上音楽にハマると終わらないだろう。
船旅は黙々と進んでいく。
昼飯を食べる前に、軽く運動をしようと思った。
ずっと座りっぱなしで疲れた。血の巡りが悪い気がする。
3階の甲板に出る扉の手前に、スポーツルームがある。
そこにランニングマシンとエアロバイクが設置されているのだ。
行きの便で気になっていたのだが、あの時は開聞岳が控えていたためスルーしていた。
だが今は違う。帰るだけなので体力の温存なども気にする事はない。
エアロバイクに乗ってみよう。言い方が大袈裟だが、人生初エアロバイクだ。
無人のスポーツルームに入る。
「さて、どうやってやんだろ?」
私はサコッシュを足下に置き、自転車に跨って軽く漕ぎながら画面を操作する。
漕げば勝手に始まるかと思ったが、何か操作して選択しなければならないらしい。
サドルの位置が低かったので最大にまで伸ばしながら、画面を操作する。
「ただ延々と漕ぐ感じのがいいな……、コレか?」
私はそれっぽいモードを選択し、発動。
画面が切り替わったので、よく分からないが後はひたすら漕いでいく。
「ちょっとペダルが軽いなぁ。お、重くできるのか」
エアロバイクでの言い方が分からないので便宜上『ギア』と称すが、ギアが軽くてペダルが空回りしていたので設定画面の数値を上げていく。
ギュインギュインと、電子音とギアの混じった音を上げて回るペダル。
「いい感じの負荷だ。……へぇ、心拍数とかも測れるんだ。
他にも漕いだ距離、時間、そして消費カロリーが表示される。
中でも面白いのが消費カロリーだ。
50kcal毎に、それに値する食物が表示されるのだ。
ちなみに今はバナナが召喚されている。
「ほう。なかなか気になる事をするじゃないか」
一体この先には何が待ち構えているのか。
自分は何kcalまで消費できるのか。
私とエアロバイクの戦いが始まった。
──15分後。
「枝豆……だとっ!?」
150kcalくらいだったか。
ちょっと汗ばんできた私は、その表示を見て愕然とした。
だって枝豆とは……、あの枝豆?
あんな、ポンポン食べれる物が。おつまみ程度のものがっ。
こんなにも運動しないと消費できないほどのカロリーを持っているというのかっ!?
「なんか怖くなってきたな。やめよう」
私は謎の恐怖を感じてエアロバイクから下りた。私の負けだ……
体力的にはまだまだ余裕はあるが、これ以上やると汗まみれになってしまう。
客室に着替えは持ってきていないので、汗をかくのは勘弁なのだ。今日はこれくらいで勘弁してやる!
「ふぅ。程よく疲れた」
血流が促進されたからから、船酔いの兆候もナリを潜めている。良いリフレッシュになった。
昼メシを食べて、飲み物でも飲みながらまたプレイリスト作成作業に戻ろう。
それから半日間、私はずっと曲の選定作業に没頭していた。
お陰で下船の船内アナウンスが流れる頃には、残りCD数十枚にまで進められた。
「くっ……、流石に酔った……っ」
もう少しで終わりそうとムリをして、私は見事に船酔い一歩手前に陥っていた。
アナウンスが鳴る前に休憩兼夕飯として温かい蕎麦を食べてひと息もついたのだが、どうやら画面に集中する時間が長すぎたようだ……っ。ちょっと気持ち悪い……
一旦自室に戻って下船準備を整え、いつでも降りられるように完全装備でエントランスにて待つ。
バイク民の下船は最後の方なので、まだ時間はある。
その間にも私は音楽を聞き続け、なんとか下船前にプレイリスト作成作業を終えることができた。
もう東京湾に入ったからか、揺れも少なくラストスパートが掛けられたのだ。
「よっしゃ出来た……、すげー疲れた……」
せっかく作業が終わったのにあまり達成感はなかった。なんならちょっと後悔しているかもしれない。
だが『やる事のない電波のない船上』という強制的な暇な時間を、有効活用は出来たと思う。
まぁ最後の方はちょっと雑な感じになってしまったので、後日改めて整理し直さないとだが。
何はともあれ、下船である。
またひとつ、旅の終わりを感じる瞬間である。
乗船時点でも感じたが、降船する時も『帰ってきた』『もう終わりか』という気分になる。
ちなみに地元に踏み入れた瞬間にもまた感じる。帰宅の心の三段活用だ(意味不明)。
すでにスカスカな車両甲板に、これまたスカスカなバイク組のエンジン音が響き渡る。
人数も少ないので待ち時間もなく、準備を整えた順に流れ作業で次々と船から出ていく。
私もその流れを途切れさせることなく、船外へ。
旅の終わりを飾るにはあまりにも呆気ない瞬間であった。
──20:00。
辺りは当然、真っ暗である。
九州ならば、まだ空に薄ら茜色が残る時間だが、コチラは完全に『夜』だ。
関東に帰ってきた。
私はノンストップで横須賀の夜の街並みを駆ける。
「なんか提灯がぶら下がってる」
祭りでもあったのだろうか。
どことなく祭事の余韻を残した灯りの中を、私はスルーして通り過ぎていく。
……明日は仕事だ。
今から帰るとなると26時頃に帰宅予定である。寄り道をしている暇はない。
まぁ、仕事といっても夜勤なので、ほとんど丸一日分くらいの余裕はあるのだが。そうじゃなかったらこんなカツカツなスケジュールは立てられない。
「うーん。でもどこかで給油しないとか」
ガソリンが半分ほどしか入っていなので、途中でガス欠してしまう。補給しなければならない。
しかし、深夜の高速スタンドってそもそもやっているのだろうか?私は深夜帯の高速など利用したことがなかった。
営業していたとしても高速料金だから、あまり高速のガソスタは利用したくなかった。
仕方ない。途中、どこかで下りよう。
頭の中でそんな予定を立てつつ、横須賀のコンビニで一旦停止。
帰り道の途中のスタンドを検索。目星を付けそこへ向かう。
だがこれは正直、失敗だった。
JCTを経て首都高、そこから下りて直ぐ。
「あん?何処だここ……?」
麻天狼が乱立する鉄とコンクリートの都、東京。
帰宅ラッシュも終わりかけだろうという時間帯にも関わらず、混雑する道路。
迷路のように上下左右入り乱れる道に、私はすっかり道迷いに呑まれていた。
「クソ、直進していけば目当てのスタンドがあったはずなのにっ」
どうやらアンダーパスに入らず直進する道があったらしい。全然分からなかった。
私は東京の複雑な地形に完璧に翻弄されていた。
私はワケが分からなくなった道を感覚で運転し、数十分経ってようやく念願のガソリンスタンドに辿り着いた。
「はぁ。やっぱ東京は公共交通機関じゃねぇとダメだな」
都民はよくこの複雑で混雑する道路を運転できるな。早く高速道路に、田舎に戻りたい。
私は直ぐに高速道路へ復帰し、その安心カンタンな運転状況に感謝した。
平日だからか、首都高でも比較的空いていた。
次からは大人しく高速料金でもスタンドを利用しようと誓い、帰路に就く。
それから数時間後。
私は最寄りと言っていいほどのSAにまで帰ってきた。
これにて旅は終わり。ここまで帰ってきたらもう日常の範囲だ。
地元の空気に当てられて気が抜けたのと、ガソリンを都内で補給してからほぼノンストップでここまで来たので、流石にちょっと疲れてたので休憩だ。
あと寒い。
私は寒過ぎてツナギの上に雨具を羽織っていた。この時期にツナギの一張羅はいささか楽観的すぎたと反省する。今回の旅は反省点だらけだ。
さて、もう少しで帰れるとはいえ、油断は禁物という事で立ち寄ったSA。休憩は大事である。
「ちょっとコーヒー飲んで温まろう。……ん?店がやってる?」
自販機で温かいコーヒーを購入。
外のテーブルに座るも、寒すぎて啜りながら深夜のSAを徘徊していると、まさかのラーメン屋が営業していた。
今更ながら、私は自分がようやく深夜の高速利用は初めてだという事を思い知った。
まさかこんな時間に店がやっているとは思わず、お腹も減っていた事もあり一も二もなく飛びついた。
食券を買い、ワンオペらしきオバチャンに渡す。
そして数分後。
出来上がったラーメンを受け取り、その悪魔的な匂いと温かさに胃が蠢く。
「いただきます」
船旅を終え、バイクに乗り、寒空の深夜の高速SAで食う濃厚とんこつラーメン。
これが〆でなくてなんだと言うのか。
行きのSAでカツ丼を食い、帰ってきてSAでとんこつを食う。
九州要素は皆無だが、これにて九州遠征・開聞岳の旅は終わりを告げた。
「ラーメン、うめぇ……!」
ここで一旦ひと区切りとします。
まぁ書き残したい話はまだまだあるので、生きてる限りこの日記は綴っていく所存です。