人類最終防衛機構さん   作:アークナイツと東方にドはまり

1 / 4
登場

 

記録ーー2010年 夏

 

【事態】

 

○○県✕✕市△△町にて、"窓"が大結界の発生を確認

 

総監部は数名の窓に対して、県の大半を囲む大結界の調査を急命

 

結果として判明した効果は次の通り、『呪霊の進入阻止』、『結界内の循環作用』、『非術師への隠匿化』の3つ

 

総監部はこの大結界が梵界に至る浄界と推定

 

議会にて解体が決定されるが、いかなる手段を用いても破壊不能であった事実から、総監部はこの大結界をテロ行為と断定

 

【依頼】

 

✕✕市一帯の呪術師を取りまとめる『比佐嚴家』を対象に、原因の調査・解明・報告を依頼

 

【結果】

 

報告担当者『比佐嚴封魔』より、大結界は比佐嚴家本家の一人娘『比佐嚴哀歌』によるものと判明

 

経緯や過程は共に未だ不明だが、大結界の作用は次の通り

 

『呪霊(一定の呪力量保持者)の侵入阻害』

 

『結界内部限定で循環定義への介入』

 

『通過者の呪力記憶』

 

『結界の透明化』など...

 

総監部は一般人を害するものではないと推定したが、天元様の浄界に干渉すると推測

 

大結界の現管理権限者『比佐嚴封魔』に、大結界の解体を要請

 

ーー要請拒絶ーー

 

ーー緊急招集ーー

 

呪術総監部は『比佐嚴封魔』を『特級術師』に任命した

 

 

 

 

☆☆☆

 

~~~~ジリリリ♪ジリリリ♪ジリリリ♪~~~~

 

「はい、もしもし『ーーー』なんだ、あんたか、なにか用か?」

 

『ーーー』

 

「は?両面宿儺の器、虎杖悠仁が死んだ?なんでまた急に....」

 

『ーーー』

 

「おい、聞き間違いか?特級案件を呪術師になって一年も満たないやつに受けさせたと言ったのか?」

 

『ーーー』

 

「なるほど、鬼の居ぬ間になんとやら、か。まんまと老人どもの策略に引っ掛かったわけだ、阿保だな」

 

『ーーー』

 

「本人も気づかないもんなのか?戦闘経験がないやつが戦場へと行くんだぞ?行けば死ぬと分かって然るべき事案だと思うんだが?』

 

『ーーー』

 

「呪胎、ね。恵も踊らされたわけか...ったく、あれだけ鍛えてやったのに...」

 

『ーーー』

 

「度胸云々はどうでも良いんだよ。結果として、老人どもの卑劣さはあんたと恵の想定を上回った。いくら言い訳を重ねようとこれは確実に判断ミスだ。いい加減あんたはその適当な性格を、恵はあの軟弱な精神を見直すことだな」

 

『ーーー』

 

「断言して良い、虎杖悠仁の死は紛れもなく必然、逆らえなかった現実そのものだ」

 

『ーーー』

 

「....面白い冗談だな、俺がそんな小細工を必要にするとでも?」

 

『ーーー』

 

「分かれば良い。苛立つのは分かるから攻めもせん。で、結局は何の用なんだ?大方、何を言うかは予想がつくが、さっさと用件を言え」

 

『ーーー』

 

「....はぁ、断る。俺はそんなことにかまけてるほど暇じゃない。そもそも、あんたが拾ってきたんだろ?面倒はちゃんと保護者が見ろ」

 

『ーーー』

 

「さぁな、思想に合っていようがいまいがそれはタラレバの話だ。今がそうじゃないなら、あいつらは俺の保護下にはいない」

 

『ーーー』

 

「そもそも、一年の頃は権力を確かにするために在籍してたんだ。二年も乙骨を鍛えてやるためで、もう高専に俺が通すべき義理と義務は無いんだよ」

 

『ーーー』

 

「いや、金って、そんなはした金で動くとでも『ーーー』...あんたの財産どうなってんだ?」

 

『ーーー』

 

「い、いや、待て、それだけじゃあ流石に『ーーー』...あんたは本当に...」

 

『ーーー』

 

「...はぁ、分かった分かった!そこまで言うなら引き受ける!あいつらを鍛えてやる!」

 

『ーーー』

 

「はぁ、あんたは何でこうも全てをゴリ押しで通すかな...一応言っとくが勘違いはするなよ、あくまで鍛えてやるだけだ。それ以上の保護をするつもりはないぞ」

 

『ーーー』

 

「は?虎杖悠仁も?ちょっと待て、死んだんじゃないのかよ?」

 

『ーーー♪』

 

「...なるほど、両面宿儺は伊達じゃないってことか」

 

『ーーー』

 

「阿保、それは充分に危険視出来るレベルだ。理性のない化け物が何のメリットもなしに死者蘇生を成すわけがない、何かあると思った方がいい」

 

『ーーー』

 

「...あくまで勘だ、付き合えとは言わんけど、そうする方がいいのは明白だろ?少なくとも呪力をまともに操れるまで育てるのは最優先事項だ」

 

『ーーー』

 

「はぁ、割に合わん...『ーーー』あぁ、分かってる、愚痴っただけだ。どのみち俺は高専に行く用事があったからな。その間なら鍛えてやる」

 

『ーーー』

 

「やかましい、誰がツンデレか」

 

『ーーー』

 

「あぁ、顔合わせ後に即殺害は行わないとも約束する。人柄は充分に見るさ」

 

『ーーー♪』

 

「あぁ、また後で」ブチッ

 

薄暗い部屋の中、一人の青年が椅子に深く腰を下ろす

 

辺りには溜め息混じりの疲れを感じさせる唸り声が響いた

 

そして、青年は虚空に向かって呟く

 

「まだ、俺は自由になれないみたいだぞ、哀歌」

 

☆☆☆

 

この世界には人の負の感情から生まれる、『呪力』と言う未知のエネルギーが存在する

 

そんな呪力は利点として人に『術式』と言う特殊能力を発生させるメリットがあるのだが、そのメリット消して余りあるデメリット、妖怪のような化け物『呪霊』を生む力がある

 

呪霊は人を襲う、その被害は年間約1万人

 

だから人は呪霊を退治もしくは祓う職業を『呪術師』を作り、呪術師を育成する学校を建造した

 

それが『東京都立呪術高等専門学校』

 

表向きは私立の宗教学校で、裏ではあらゆる呪術の内外的取引が一手に行われて呪術の総本山

 

現在、そんな高専では二人の一年生が意気消沈した雰囲気を醸し出していた

 

「虎杖の最後の言葉だ。長生きしろよ、だと」

 

「長生き、か...言ってる本人が死んでりゃ世話ないわね」

 

木製の階段に腰を下ろすのは、尖り頭の男子『伏黒恵』と頬にガーゼを付けている女子『釘崎野薔薇』

 

彼らは先日の任務で亡くした同級生の遺言について話し合っていた

 

「…伏黒、あんた、仲間が死ぬのは初めて?」

 

「タメは初めてだ」

 

「その割には平気そうね」

 

「お前もな」

 

「当然でしょ、虎杖とは会って二週間やそこらよ。そんな男が死んで泣きわめくほど、私は安い女じゃないのよ」

 

一年生の総勢三名に請け負わされたのは、特級相当の呪胎が発見された少年院の被害調査任務

 

三人はそこで特級呪霊と遭遇し、策を労したにも関わらず、同級生の仲間『虎杖悠仁』を亡くすことで任務を終える結果となった

 

偶然か、はたまた必然か、どちらにしろ奇跡的に生き残った二人の胸の内には、己の無力さとなにも出来なかった後悔が渦巻いていた

 

「…暑いな」

 

「そうね、夏服はまだかしら」

 

夏に差し掛かった時期特有の湿度と温度

 

蝉の鳴き声響く環境のなか、呪術師は死と隣り合わせであると知っている彼らは、度し難い感情に沈黙で折り合いを付けることしかできなかった

 

しかし、そんな沈んだ空気を祓うように乱入者が現れる

 

「なんだ~?いつにも増して辛気臭いなぁ~恵、お通夜かよ」

 

彼女は東京の呪術高専の二年生、四人の内の一人

 

眼鏡をかけた何処か厚かましい態度の呪具使い『禪院真希』だった

 

「禪院先輩...」

 

「私を名字で呼ぶんじゃねぇ!「真希、真希!!」なんだ!今、話中だ!」

 

「し、知らないのか、あいつらが暗いわけ!」

 

そして、木の影から真希を静止しようとする者が二人

 

彼らこそ、二年生のなかで最も個性の強い二人、見た目通りのパンダである『パンダ』と、語彙がおにぎりの具しかない呪言師『狗巻棘』であった

 

「マジで死んでるんですよ!一年坊が一人!」

 

「おかか」

 

二人が告げる衝撃の事実

 

なにも知らず先走った真希は「何故今言うんだよ!」と焦った顔を2人へ向ける

 

「は・や・く・言・え・や~!!!これじゃあ私が血も涙もない鬼みてぇだろ!」

 

「実際そんな感じだったぞ!?」

 

「ツナマヨ」

 

無意識のうちに行っていた非道さは客観的にみても相当なもの

 

仕切り直すためにも「後輩にはもっと優しく接しないと」「甘やかすだけが優しさかねぇ」「すじこ」とタイミングの悪さを悟った彼らは、目的を果たすためにも素直に一年生の前へと集結した

 

「いや~、すまんな喪中に。許してこの通り!....実はお前達に京都姉妹校交流会に出て欲しくてな」

 

「京都姉妹校交流会ぃ?ってなにそれ?」

 

「京都にあるもう一校の高専との交流会だ。でも二・三年メインのイベントですよね?何故俺達に?」

 

「その三年のボンクラ二人が停学中で、一人が出場拒否ってるんだ、人数足んねぇからお前ら出ろ」

 

願い出るは高専のとあるイベントの参加

 

高専をよく知る伏黒は先輩ズからの説明を理解するが、対称的に内容をよく知らない釘崎は首をかしげた

 

「交流会ってなにすんの?スマブラ?」

 

「東京校、京都校、それぞれの学長が提案した勝負法を1日ずつ、合計2日かけて行うんだ。

まぁ、つってもそれは建前で、初日が団体戦、二日目が個人戦って毎年決まってる」

 

「団体戦、個人戦って...戦うの呪術師同士で!?」

 

「あぁ、殺す以外なら何をしていもいい呪術合戦だ」

 

「これからどっと呪霊の数も減るだろうからな、逆に殺されないよう参加してくれるならミッチリしごいてやるぞ!」

 

本来なら『力は他者を助けるためのもの』と言う常識を持つ釘崎にとって、二年ズが当たり前のように告げた回答は受け入れ難いものだった

 

それもそのはず、いくら呪術なんていうオカルトを扱っていようと本人はただの学生

 

悪人がいると分かっていようと、人を喰う怪物が世の中を徘徊していようと、一歩間違えれば人なんて容易く殺せてしまう力を他人に向けれるわけがなかった

 

しかし、精神的状況がそれを否定した

 

仲間の死、己の未熟さ、心の内で燃え滾る屈辱

 

パンダと真希は己の技量を試す機会であると同時に、己の成長させる場であるとも告げられたことで、二人は悟ったのだ

 

悔しさが天元突破している二人にとって、これは紛れもない成長のためのビックチャンスであることを

 

「で、やるだろ?仲間が死んだんだもんな?」

 

「「やる!」」

 

((私は・俺は、強くなるんだ!そのためならなんだって!))

 

「でもしごきも交流会も、意味ないと思ったら速攻で止めるから」

 

「同じく。俺も時間を無駄にする気はありません」

 

「ハッ、いい度胸だ」

 

「こん位生意気な方が良い贄に...やり甲斐があるわな」

 

「おかか」

 

堂々たる宣言、一年生の交流会参加は今この時、決定した

 

「よし!そうと決まれば早速鍛え始めようと思うんだが...」

 

「「...?」」

 

「ふぅ....よ、よし!パンダ!棘!かけるぞ、いよいよ電話かけるぞ!いいな?!」

 

「あ、あぁ!元々心の準備はしてたんだ!ば、ばっちこい!」

 

「しゃしゃしゃ、しゃけ!」

 

しかし、突然に目の前で輪を作る二年ズ

 

どこか怯えた様子の彼らは、真希が携帯電話を取り出したのを合図に、剣幕な様子になった

 

「「...?」」

 

「くっ、ぐぅっ!手が、手が震える!ボタンが押せないっ!」

 

「おい真希!今更臆病になるなよ!?覚悟が揺らぐだろ!」

 

「だってあの人だぞ!?あの人が来るんだぞ!?あぁっ、またあの地獄の訓練を味わうことになるのかなぁっ...!」

 

「ははっ、今回も血反吐を吐く羽目になるんだろうなぁ...」

 

「…っ!」ガクガクブルブルッ!!

 

((なんだ、この人達???))

 

なにも事情を知らない一年ズとってその光景はあまりに奇怪

 

釘崎は若干引いて後退るが、訓練と言っている以上怯えてる原因に交流会が関係していることを伏黒は悟った

 

「先輩、急にどうしたんです?何をそんなに怯えてるんですか?」

 

「「「....」」」

 

急に黙ってはお互いに頷き合う二年ズ

 

彼らは一年を囲うように広がりながらとある事実を語った

 

「…私たちは当初、交流会は油断は出来なくても苦労なく勝てると考えていたんだ。

予定通りなら圧倒的な個の強さがある上に、それなりのチームプレイが出来るからな。

相手もそれ相応の作戦を立てては来るだろうが、それは私達が頑張れば問題はない、とそう確信していたんだが...状況は大きく変化した」

 

「主戦力になるはずだった憂太の海外渡航、戦力になると期待していた三年の停学、無駄骨と化した数々の作戦。

安心から一転、俺達は見事、悟の判断と下らない内輪揉めで、圧倒的に不利で不安な状況へと追い込まれたわけだ。」

 

「このままでは敗けは必至。だけど俺達は俺達で交流会の勝ちを諦められない理由がある。

そこで一つ!俺達はとあることを思い付いた!」

 

「それこそ二年考案!『目指せ!交流会必勝!対一年用トレーニングプラン!』」

 

((うわ、捻りのない名前...))

 

「お前らは近接弱っちいからな。格闘・武術・連携の三段階で鍛えることにした」

 

まるで自分達の頑張りを褒めて欲しいかのようなテンション

 

だが、次の瞬間にはそんなハッピーな表情も真顔へと変わる

 

「そのために予定まで綿密に組んだんだが、昨日ある人から一つの連絡が来た」

 

パンダの目配せに合わせて真希は自分の携帯電話を伏黒へと見せた

 

「それがこれだ」

 

「?」

 

長ったらしい前置きを経てようやく見せられたその画面に映るのは一通のe-mail

 

「...喜べ、恵。私達は強くなるのが確定したぞ」

 

真希の同情するような視線

 

画面を見た伏黒が目を見開くと同時に、釘崎を除く4者が4様に動き出した

 

「…っ!」ダッ!(恵が吉備津を返して逃げ出す音)

 

『止まれっ!!』

 

「ぐっ!?」ガッ!(恵が呪言で動きを止められる音)

 

「「逃がすかっ!!!」」

 

「へぶッ!?」ガシッ!(恵が羽交い締めにされて転ける音)

 

「なにしてんのよ、あんた達...」

 

縺れ合う4人を尻目に、蚊帳の外だった釘崎は呆れながらも地面に落ちた真希の携帯電話を拾い上げる

 

「ん?メール?」

 

「…っっッ!!!」ジタバタッ!(恵が言葉を発する余裕も無く足掻き踠く音)

 

「ふんぬぁァア!気持ちは分かるが恵!逃げようとするんじゃない!!」

 

「なんならお前だけは絶対に逃すなとご指名なんだ!頼む受けろ!受けてくれ!じゃないと私達の後が怖いだろ!」

 

「しゃけしゃけ!」

 

「(何をそんなに暴れて....)え~っと、何々?『お前らは俺が鍛える。準備しておけ』え、内容これだけ?」

 

怯え具合から相当に怖い文が書かれてるのだろうと思っていた釘崎は、シンプルで簡潔な内容に呆気を取られてしまった

 

「なによ、普通のメールじゃない」とも呆れてもしまうが...

 

「うぐぁァァァ!!!」ズザザザッ!(恵がそれでも足掻き二年ズわ引き摺る音)

 

「な、なんて力だ!?恵にこんな秘められた力があったのか!?」

 

「阿保!んなこといってる場合か!全力で引き留めろ!」

 

「しゃーけぇーー!!!」

 

メールを読むだけで変貌した同級生の拒絶っぷりに、釘崎は自分達が受けるであろう訓練が、もしくは訓練を施してくれる人が原因なのだと悟る

 

故にメールの差出人欄へ自然に視線が行く

 

「....『比佐嚴封魔』?」

 

彼が何者なのか、なにも知らない釘崎は首を傾げ、対称的によく知るであろう恵は抑えようとしてくる二年ズに対して強行な手段に出た

 

「蝦蟇!」

 

手印を結ぶことで自身の影から調伏した十種の式神を顕現させる術式『十種影法術』

 

伏黒はそのうちの1体、半人体サイズのカエルを3体顕現させ、その舌でパンダと真希の体を、棘には口を拘束してみせた

 

「なっ!?そこまでやるかっ!?」

 

伏黒の予想外な反抗に緩む二年ズの拘束

 

「俺は!帰ります!!!」

 

伏黒は駆け出すことで自身を抑える拘束から離脱し、無様な駆け方でも逃げられるならなんでも良いと、まさに必死になってその場から逃げ出した

 

しかし、伏黒にどんな事情があろうと、逃がしたくない二年ズがそれを許さない

 

「「させるか!棘!飛ばすぞ!!」」

 

「しゃけ!!!」

 

一挙手一投足の間

 

真希が棘を拘束する蝦蟇の舌を斬り、パンダが自由になった棘を投げ、棘が前方を走る伏黒を捕まえに宙へとシャンプした

 

(うわ~、なんて無駄な連携....)

 

事前に話を合わせてないと出来ないような洗練された動き

 

「鵺!!!」

 

これには伏黒も危機感を抱き、距離を空けるため鳥とも梟とも言えない翼を持つ式神を顕現させるが....

 

『止まれっ!!』

 

その式神は伏黒の体を足で掴んだ瞬間に停止させられ....

 

「脱兎っ!!!」

 

終いには圧倒的な数で召喚できる兎で壁を作るも...

 

「ほう、俺から逃げるか、恵」

 

「「「「ギャッ!?」」」」

 

時は既に遅く、暴れていた全員が謎の力で直立不動にさせられた

 

辺りに響くは苦しそうな悲鳴

 

身に何も起きていない釘崎の視界は、彼等を取り巻く空間が陽炎のように歪んでいることを認識した

 

「数年で随分と偉くなったもんだ、これはまた1から上下関係を叩き込まなきゃいけないらしいな」

 

圧迫されているのか凹凸化した全身

 

連想するは巨大な透明の手

 

その場にいる全員がそれは乱入者の術式によるものだと直感し、次には伏黒のおかげで確信へと変わる

 

「お仕置きだ」

 

「え"?あんたなにをって!う、嘘だろ!ウオワァァァァァァァっ!!??!?」

 

伏黒が直立不動のまま、まるでペン回しのように宙を舞うことになった

 

横回転、急停止、縦回転、急停止、斜め回転、急停止

 

最終的に二年ズの横に並べられた時には三半規管を揺らしに揺らしており、酔って言葉も発せられないほどのグロッキーな状態へ

 

「あ~らら、だからあれほど逃げるなと言ったのに」

 

「こうなるから私達は必死に止めたのにな」

 

「おかか」

 

その様子を横目に素知らぬ顔で自分の正当性を主張する二年ズ

 

「なに言ってんだ、止められなかった時点でお前らも同罪だぞ?」

 

「「「....え"?」」」

 

しかし、その主張は無慈悲に棄却された

 

「ほら、お仕置きだ」

 

「「ま、まさか、あんたっ!?」」

 

「・・・っ!」ブンブンブンッ!(棘が全力で首を振る音)

 

「飛べ、阿保ども」

 

「「「ウワァァァァァァァっ!!??!?!?」」」

 

結果として二年ズも宙を舞っては振り回され、伏黒同様グロッキーになり喋れなくさせられることとなった

 

「ったく、面倒かけさせやがって」

 

釘崎は同級生と先輩達が成す術なくやられてしまった事実に唖然とする

 

(なんなの、この力....)

 

警戒か、畏怖か、はたまた好奇心か、釘崎は声のする方へと振り返った

 

「あんたは....」

 

「初めまして、だな、釘崎野薔薇。」

 

向き合うは眼鏡の向こうにある赤と黒のオッドアイ

 

「俺は三年の『比佐嚴封魔』、日本にいる四人の特級術師が一人」

 

口に咥えられている煙草が赤い光を灯す

 

「今回は悟の要請でお前たちを鍛えるためにここに来た」

 

泣き黒子を付けた男は釘崎を見下ろしてはつまらなそうにこう告げた

 

「精々、面倒をかけてくれるなよ。愚か者」

 




オリ主の参考キャラ
・東方project→博麗霊夢
・fate→ギルガメッシュ
・境界の彼方→名瀬泉
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。