re:東方のキャラに憑依したやつがすげーバカだったら 作:ナチュラル7l72
Q, 崩壊一年前に戻っただけで解決してなくない? A, もうとっくに解決してます
「チルノちゃーーーーん!!!」
ブイサインを決めあたいは良いタイミングできた大ちゃんにもそれを決めようと手を大ちゃんの方へ向け、大ちゃんの方に向き直り…
どしゃあああ
「チルノちゃん!!チルノちゃあん!!!」
「な、なに?なになになに!?大ちゃんどしたんだ?ちょっと暑苦しいぞ!」
突っ込んできた大ちゃんの突進力を受け止めきれずハグしながらべしゃあと地面を転がる。
ぐいぐいと引き放そうしても一生引っ付いてきて離れようとしない。それどころかべちゃべちゃとあたい自慢のワンピースに涙と鼻水を付けてきてすごいきたない。
ええ…大ちゃんどしたの?あたいが知ってる大ちゃんはもうちょっと落ち着いた性格してると思ってたんだけど…原作と現実でちょっと設定が違うとか?いやでもあたいの記憶でも大ちゃんこんなんじゃなかったはずだぞ…
ぐちゃぐちゃと臼に入れられたお餅を練るかのように引き離そうとするあたいVS絶対に離れない大ちゃんのバトルが展開される中後ろに佇んていた紫が「はあ…」と疲れたような感じで溜息をつく。
「チルノ。貴方大妖精がなんでこんな反応しているか理解してないみたいね」
「そりゃそうだぞ!大ちゃんに抱き着かれる云われなんて覚えがないに決まってるだろいい加減にしろ!」
「チルノちゃーーーーーん!!!」
うるさっ。大ちゃんうるさっ。
紫が「ベースがアレだから今もどこか抜けてるわね」とか呟いてるけどなんでもいいからとりあえず助けてほしいぞ!
「むしろ貴方の方が馴染みがあると思うのだけど…貴方の世界にはエンタメとして「異世界転生もの」があるわよね?」
異世界転生ものと言えばあれか。
賢者の孫が発端とされるジャンルのブームでだいたい主人公がなんかの拍子に異世界に飛ばされて色々その世界をめちゃくちゃに暴れまわるっていうアレだな。こういうのは大学サークルで早口で説明されたから覚えてるぞあたい!
作品によっては主人公が謎に性転換したり憑依したりするものもあるからてっきりあたいも最初は東方の世界に転生したものかと勘違いしてしまったものだぞ。
「それがどうしたっていうんだ!とりあえず大ちゃん引き離すの手伝ってほしいぞ!」
「ぢーる゛ーの゛ーぢゃああああんんん!!!」
「そういう作品って、なぜか体ごと、いえわかりやすく言うと脳みそも変わっているはずなのに前世の情報を引き継いだまま転生している場合が多いわよね?」
「ま、まあ確かにそういう主人公は多いように感じるけど、それがいったいなんだっていうんだ!」
「つまり、生物の記憶は脳ではなく魂に宿るモノなのよ。たとえその人の脳が焼却されようと分解者に食べられようと、記憶は常に魂に保管されているわ。現に男の貴方とチルノの魂の境界をなくした時男の記憶とチルノの記憶どちらも失っていないでしょう?つまり、たとえ貴方が時間を過去に戻そうと貴方を外へ送ったあの時の光景はあの場にいた全員が覚えているのよ」
「え゛、てことは…」
紫に向けていた顔を大ちゃんに移す。
物理的に絡んでいるため目の前にうるうるした表情であたいを物憂げに見つめる大ちゃんがいた。
「ち、ちるのちゃあん…わ、私、チルノちゃんがいつもみたいに元気に「外」に行くとき、すごく不安だったの…だからわたし、ちるのちゃんが帰ってきてくれてぇええ…」
嫌な予感がしたあたいは大ちゃんがあたいを掴んでくる力が緩んだ一瞬をついて青空に飛び立とうとし…
ガシッ!
「うわああああん!!ちるのちゃんが私から逃げようとしたああああ!すごく心配で不安だったのにいいいいいいい!!」
「め、めんどくさいぞ!そんな事言われても大ちゃんがすごくめんどくさくなったせいだぞ!あたい久しぶりに蛙とか凍らせて遊びたいのに!」
やんややんやとまたも緑と水色がぐちゃぐちゃともみくちゃになっているの紫はそれを呆れたように見つめる。
「この様子じゃあ、全世界の人間が味わったチルノの…妖怪の恐怖の記憶が残ってるってこともわかってなさそうねえ」
最高と言える形で終わった妖怪消滅問題に安心し紫はこの後に訪れるであろうチルノを取り巻く騒動を想いながら隙間に消えていった。
大ちゃんだけでなく各種妖精やなかなか高位の妖怪、魔法使い、人間にさえ引っ付かれることになることをチルノは知らない…
人間視点やばい化け物から逃げたり殺されたりしてるうちにいつの間にか時が戻っている。という謎現象に見舞われています。ですがこれでハッピーエンド。誰も死んでないからね!