一輪花の咲くまで   作:No.9646

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嬉しいことにお陰様で先日、日間ランキング入りました!
良い時で総合28位!
ありがとうございました!!これからもどうぞよろしくお願いします!!


話変わりますがこのシリーズって「曇らせ」タグつけていいのか悩み中です。


32話:内通者②

 

 

────────────────────

後日、葬はホークスを呼び出した。

ホークスに予め知らせたは日付のみ。

事務所に待機させ、彼が飛べるぎりぎりの距離と時間で到着できる場所を直前に連絡した。

指定したのはホテルの一室。

時間ギリギリに到着したホークスを部屋に通し、羽を全て特殊加工された袋へ詰めさせ、それをキャリーケースに移し鍵を掛ける。

 

「ちょっと厳重すぎん?」

「No.2ヒーロー相手にやり過ぎということはないさ」

 

そのままクローゼットに入れ込む。

 

「何か飲み物は?」

「どうもお構いなく」

 

同行させた護衛が備付のお茶を用意する。

備え付けのソファに腰を下ろし、ホークスにも座るよう促した。

 

「改めて、AFO直属配下にして継子、死柄木葬だ。今は義兄弔の補佐も務めている」

「ご丁寧にどうも、俺も自己紹介からした方がいいかな?」

「それはこの後ゆっくり聞かせてもらうよ。採用試験は面接と実技を予定している。今日は面接だ」

「荼毘が一次試験官ってことね」

「二次は私ともう1人で担当するよ。自己紹介の続きだけれどー」

 

葬の左眼に、八色の光の花が咲く。

 

「‼︎」

 

眼前すれすれに“剛翼“が突きつけられていた。

それでも葬は優勢を崩すことなく続ける。

 

「まだ個性をかけたわけじゃないから、そう身構えなくていい。私の個性“感情支配”。眼、或いはこの燐光を見たものの感情を操る事ができる。健人を廃人に、狂人を常人に。緊張して上手くお喋り出来なかったり、ついつい見栄を張ってしまう嘘吐きさんに素直になってもらうこともできる。なかなか便利な能力だろ?」

「…とっても」

 

ここから先、嘘偽りが通用すると思うなと釘を刺す。

既に対面で、葬の眼を見た。

全部吐かされる事も覚悟しておけと。

葬は個性の発動を解除する。燐光は瞬く間に粒子となって消えた。

 

「ありがとう。では、倒した椅子は戻して、隠し持ってた羽根も預からせてもらおうかな。ああ、責めてるわけじゃない。用心深くて良いことだ。素晴らしい反応だよ」

 

飛び退いた際に蹴倒した椅子を直させ、隠し持っていた羽も没収してケースに封じる。

 

「では先ずプロフィールだけど、ざっとこちらで調べさせてもらったよ。ヒーロー名ホークス、個性“剛翼“。現職プロヒーローで今期チャートNo.2」

 

ここまでは問題ない。

ただ、続けた内容に、ホークスの顔色が変わった。

 

「本名鷹見啓悟。父親は強盗致死及び窃盗などの罪で逮捕服役。母親は夫の逃亡幇助の罪を恐れ逃亡、共に駅高架下にて保護。我が子を売った金で一等地の豪邸で悠々自適とは、いいご身分だ。当時発生した時速130㎞に及ぶ自動車の衝突事故から被害者6名を救出した功績により、その後ヒーロー公安委員会の元養育され、18歳でデビュー、その年の下半期にはビルボードチャートTOP10入りを果たし、速すぎる男として称賛を浴びるーここまでで何か違う所は?」

「随分と、詳しく調べたようで…」

「そりゃ、カワイイ後輩の事だ。よーく覚えてるさ」

 

はっとホークスが振り返れば、背後には護衛の女。

テーブルにお茶を置いた女は、当たり前に葬の隣にどかりと座る。

ウィッグとサングラス、スーツの上着を脱いだ。

現れたのは、ピンクとダークブルーの髪、ノースリーブシャツの30代後半にしては若々しく凛とした、引き締った肢体の女。

ホークスはそれが誰かを知っていた。

 

「レディ・ナガン…!」

 

ホークスの先輩に当たる元公安直属ヒーロー、葬の確保に失敗して行方不明になったはずのその人であった。

 

「その呼び名はよしとくれ。もう捨てた。今はただの名無しの女(レディ)だよ」

 

元公安所属のレディによれば、ホークスは後輩にあたるらしい。

記憶にあった情報と、治崎のところから数人借りて調べにあたっていた。

 

「久しぶりだねホークス。元気そうじゃないか」

「先輩も、お元気そうで何より。いやあ、生きてたんですね。驚きました」

 

白々しさにレディは鼻を鳴らす。

 

「何だい?そっちじゃ私は死んだことになってんのか?」

 

ホークスがちらりと視線を葬に向ける。

葬は無視して出されたお茶に口をつける。

 

「保護対象の子供ら連れて姿くらましたってことになってたんですが、AFOの介入が濃厚だってことで、殺された説が出てんですよ」

「ご覧のとおりピンピンしてるよ。残念だったね、死んでなくて。死んでりゃ美談にできたのにねえ」

 

ヒーローレディ・ナガンは子供たちを守ろうとAFOに立ち向かい、無念の殉職。

世間様が好きそうなストーリーだと、レディは一笑に付す。

 

「先輩は何でこっちに?」

「何で?アンタがそれを聞くのかい?アンタも私と同じ裏切り者ののはずなんだけどね」

「理由なんて人それぞれでしょ?」

 

ホークスの問いに、レディは自分で淹れた薄い茶で喉を潤してから答えた。

 

「嫌になっちまったのさ。守るべきモノを捨ててでも、ハリボテのキレイな社会を守ってくことに」

 

────────────────────

レディ・ナガンが少女と出逢ったのは、とある現行制度に不満を持つグループがヒーローへのテロを画策し、計画の為の物資を取引するという現場だった。

主犯格が揃う瞬間を狙って、連中を殲滅する。その手筈だった。

 

「何でヒーローが⁉︎」

 

慌てふためくテロリストたちを、ナガンは鼻で笑う。自嘲であった。

 

「ヒーローねえ。残念だけど、ここに優しいヒーローはいないよ」

 

居るのは、ただの人殺しだ。

いつものように、個性“ライフル“を展開させ、撃ち抜こうとした、その瞬間。

 

「⁉︎」

 

標的との軌道上に、上から飛び降りた影が躍り出る。

その姿を認めて、慌てて射撃を中止した。

 

「子ども⁉︎」

 

目の前に飛び出して来たのは、下手したら小学生くらいの女の子だった。

仕込んだ弾は曲射用ではない。このまま撃てば、少女に直撃する。

弾を入れ替える隙を与えぬまま、少女はナイフを手に迫る。

繰り出される刃を躱し、ライフルに変形させていない方の手でいなす。

身体を捻り着地した少女は体勢低くすると足を狙う。

避けて飛び退けばそこに、いつの間にやら持ち替えた銃からの一斉連射(ファニング)

ナガンは辛うじてそれも避け、障害物の影に身を隠す。

少女はシングル式から弾を全て吐き出させると、リロードの手間も惜しいとそのまま落としてその手で別の銃に持ち替える。

躊躇いも澱みもない、流れるような動き。確実に、訓練されている。

 

「ハハ!さすがお優しいヒーロー!子供(ガキ)には手出せないよなぁ!」

「お前ら…‼︎」

 

その間にも標的たちは既に逃走を始めていた。年端も行かない子供を盾にして。戦わせて。

外道の所業に、ナガンは明確な怒りを覚えた。

しかし、それよりも今は。

 

「君!やめな!」

 

物陰から呼びかけるが、少女からの返事はない。

代わりに飛んできたのは鉛玉だった。

 

「くそっ!」

 

あんな子供を撃つわけには行かない。

返事がないから意識があるのかわからない。

操作系の個性で操られてる可能性も考え周囲を探るが、それらしき人間はいない。

抑え込むには近づかなければいけないが、あちらは飛道具を持っている。

大人共は皆逃げに徹している。

 

「おい!9番!ずらかるぞ!」

「…ッ!」

 

逃走を許してなるものか、せめてあの子だけでもと、物陰から出ようとした、その時。

暗闇に光の花が咲く。

ナガンの思考はそこで途切れた。

その直前、声が聞こえた気がした。

 

「ー救けて」

 

意識を取り戻したナガンを襲ったのは、しとどに打ちつけられたような頭の痛み。

何か鈍器で殴られたのか、米神付近から血が滴り落ちていた。

結果、任務は失敗。

後から判明した事ではあるが、あの時取引されていたのは生きた子供で、連中は子供を使った自爆テロを目論んでいた。

もし、応戦していたら。銃撃戦をしていたら。

それを考えてゾッとした。

テログループとその取引相手も金を持って逃走、公安はこの失態を挽回すべく奔走した。

先陣を斬って駆けずり回ったのは、ほかでもないナガンだ。

ナガンはヒーローとしての表舞台から姿を隠し捜索にあたった。

敵には死んだと思われている方が都合がいい。

擦り減っていた心が、継ぎ足されて少しだけ上を向いた気がしたのだ。

社会の為、社会を維持するため、裏と表、どちらも欠ければ立ち行かない。

だから従った。

必要なことだと自分に言い聞かせ、血に塗れた。

けれど、こんな事をしていたから、彼女達を見つけられた。

汚れたからこそ、救える命がある。守れる未来がある。

彼女達を救けられたら、自分はちゃんとヒーローなのだと。そう思えるかもしれない。

必死に探し回り、あの時の少女を漸く見つけ出すことができた。

彼女も今の状況から抜け出したがっていた。本当であれば殺せていたナガンを生かしたのは、彼女の意志で、せめてもの抵抗で、託された一抹の希望。

少女の協力を得て、拠点の場所や内部の情報も得て、後は機を見て救出する段階まできた。

なのに。

 

「何でまだダメなんだ⁉︎」

 

一向に救出決行の許可が降りなかった。

 

「あの組織と癒着しているヒーローがいる可能性がある。それは決して表沙汰にしてはならない事だ。動きは最小限にする必要がある。背後関係を洗い連中を根絶する為にも、もっと情報が必要だ。あの子供を上手く使えレディ・ナガン。君の後任になるのだから」

 

公安の出した答えは救いなどではなかった。

公安は、現役プロヒーローを出し抜いて見せた才能のある少女をナガンの後釜に据えようと考えた。

折しも、同様にその才を見出され、幼少の頃から教育してきた少年がプロヒーローとなり、異例の速さでTOP10入りを果たしたところだった。

成功例を踏まえて、また子供を教育して、公安所属のヒーローとしようとプロジェクトが持ち上がった。

少女だけでない。

まだ詳細はわからぬまでも、他の子供達も人材を求める公安にとっては宝の山だった。

対人特化工作員向の精神干渉系、身体能力に優れた異形系、ナガンと同じく遠距離攻撃系、稀少な治癒能力持ちまでいる。

玉石混淆の中から選りすぐりが残っていて、既に高水準の技術指導がされ、汚れ仕事に抵抗がなく、身寄りがなく後腐れがない。

うってつけの人財の宝庫だった。

実施経験がある分こちらの方が予定していた少年より先に使えるようになるかもしれない。

ならばそちらは表社会で引き続きヒーローとして経験を積ませ、飛ばして子供たちの方を『レディ・ナガン』の代用品に。複数いるのであればチーム体制が取れる。

それを聞いて、ナガンは眩暈がした。

自分の後任としての教育。

それはつまり、子ども達に自分と同じ事をさせるー子ども達を人殺しの道具にするという事だ。

犯罪被害者の、暗い場所に閉じ込められて、やりたくもない罪を背負わされて、怯えて、苦しんでいる、救わなければいけない子どもを、救うどころかまだ人殺しの道具にしようとする。

初めから汚れると分かっている未来が、歯車として使い潰される未来が、そんなものが救いであるものか。

それでは、御題目が違うだけで、自分がこれまで消してきた連中と大差ないではないか。

当然、ナガンは異を唱えた。しかしそれは聞き入れられる事はなく。

 

「必要なことだ。表のヒーローたちが紡いでくれた希望を、誰かが維持しなければ」

 

ナガンの心が既に限界に近づいている事を、当時の委員長は察していた。だからこその決定。

しかし。

それがきっと、最後の一押しだった。

 

「救う事すら許されないなら、私は、レディ・ナガン(ヒーロー)は何なんだよ…」

 

次の密会の日。

 

「物は?」

 

帽子で顔を隠し、ひとつ頷いた少女が取り出したのは、小さな情報媒体。

それは、組織の商品カタログー被害者の情報が入ったもの。

ナガンは無意識に差し出されたそれを、その手を、(はた)き落としていた。

 

「レディ・ナガン…?」

 

くしゃりと顔が歪む。

泣いて良いのは自分じゃない。

 

「…ごめん」

 

レディ・ナガン(自分)は、ヒーローなんかじゃない。

 

「ごめんな…」

 

少女に全てを話した。

全てを聞いて、「そう」と静かに返す少女の表情を窺い知る事は出来なかった。

彼女は地に落ちた情報媒体を踏み潰す。

それは小さくパキリと音を立てて、粉々に砕けた。

公安にはあちらの都合がつかなくなったと嘘の報告をして、少女とは会っていない事にした。

それきり、連絡はなかった。

眠れない日が続いた。

それから少しした、ある日の夜。

ナガンは、何となく胸騒ぎがしていた。

或いは、虫の知らせというべきか。

ナガンは深夜、秘密裏に少女の元に向かった。

見張りを言い包め、施設内に侵入する。

異様な静けさに包まれたそこには、強烈な血と死臭、油の臭いが漂っていた。

転がった死体は抵抗らしい抵抗もないまま殺されたようで、数の割に出血も荒れも少ない。

騒ぎの一つすら起こさず外の見張りにも気取られないように事を運んだらしい。

確かにコレは良い腕だなと、明後日な方向に感心していた。

しかし足は逃げる事を許さず、奥に進む。

非常灯の不気味な灯りだけがぼんやりと浮かんでいて、その中に少女はいた。

手には赤いポリタンク。

 

「こんばんは、レディ・ナガン。こんな時間に、何か用でも?」

 

バシャバシャと油を振りかけながら、少女は振り返りもしなかった。

嫌な汗が背中を伝う。

 

「コレはアンタが?」

「ああ」

「他の子達は?」

「みんな新しい家に移した。良い所だよ。長閑で明るくて、檻もない。ベッドもちゃんと人数分ある。庭もあって、食堂も広いんだ」

「新しい、家?」

「代金の一部として貰ったんだ」

「代金って、何の…」

 

バクバクと心臓が波打つ。

口の中はカラカラに乾いていた。

 

「私が売れるものなんて、ひとつしかない」

 

ポリタンクがちょうど空になった。

 

「私を売った」

 

暗がりで振り向いた少女は、どんな顔をしていただろうか。

 

「大層な御大尽で、結果無茶な要求をしてみたんだけど、あっさり聞いてくれた。私1人で良いって。仕事をするのは、汚れるのは、私1人でいいんだ。それでみんな、安全な場所で、飢えず渇かず、凍えず怯えず、安心して暮らせる」

 

頭を殴られた気分だった。

この子は、他の子供たちを守る為に、仲間を道具として使わせない為に、彼等に罪を負わせないために、1人で全てを負ったのだ。

公安の始末屋なんかでなく、ちゃんとしたヒーローに見つけてもらえていれば。

自分と会わなければ。

ナガンは目の前の少女を抱き締めていた。

 

「汚れるよ、レディ・ナガン」

「構うもんか…!私だって、とっくに、とっくに汚れてんだ…!今更だよ…!」

 

血塗れで汚れた手を、キラキラとしたキレイな子どもたちに伸ばすのが恐ろしかった。

白い彼らを汚してしまいそうで。

けれど、今は既に汚れた手だからこそ、彼女は振り払わずにいてくれる。

 

「ごめん…!ごめんなぁ…!」

 

あいつら(公安)に目をつけられたのは、救われるべきだった子どもの未来を潰してしまったのは、自分の所為だ。

 

「あなたのせいじゃないよ。レディ・ナガン。遅かれ早かれ、こうなった。私は、もっと早くこうすべきだった。それが今になっただけで、あなたのせいじゃない」

 

偽善では、ヒーローでは、レディ・ナガンでは、この子を救えない。

ならば、せめて、傍でこの子を。

 

「救えないならせめて、せめて私が守るよ…!私が、アンタを守るから…!」

 

ごうごうと炎が上がる。

ぱちぱちと火の粉が爆ぜる。

油と人間の燃える臭い。

まるで昼間の様に赤々とした劫火と黒煙を背に、悪魔が嗤っていた。

 

「これはこれは、麗しの狙撃手レディ・ナガン。まさか君がこちらに来てくれるとは」

「AFO…」

「嬉しいよ。レディ・ナガン。これで君は晴れて反逆者だ」

「うるせえよ」

 

澱んだ彼女の瞳に、かつて追った巨悪は映っていなかった。

 

「その名前はもう捨てたんだ」

 

大小の影が闇夜に紛れて消える。

こうしてー

ヒーローレディ・ナガンは名前を捨ててただの名無しの女(レディ)となり。

9番とよばれていた少女は、名前を与えられ死柄木葬となった。

 

──────────────────────

レディの話を聞き終えたホークスは、顔色を紙のようにしていた。

 

「まあ、葬が手を結んだ相手があのAFOだった事には驚きだったけどね。アイツを追ってた時期もあったけか」

「今思えば、やはりあの時の選択は正解だった」

 

葬の瞳が、酷く冷たい色を湛えてホークスを睥睨していた。

 

「公安が私達をどう使おうとしていたのか、よく分かったよ。No.2でさえ、こうだ」

 

どちらとも取れる言い回し。

ホークスが裏切り者で有るのなら、結局、戻ってくるのだと。

ヒーローのまま内通者で有るのなら、結局、こういう扱いをされるのだと、汚れ仕事をやらされる未来だったのだと。

 

「ヒーローホークス、有り得たかもしれない、私達の未来。残念だよ、こんな形で会いたくはなかった」

 

同じく金で買われた子供。

未来を示すのなら、彼は荼毘や葬の前に現れてはならなかった。

その翼でもって悠々と、綺麗なまま、天を駆けていなければならなかった。

裏でも表でも、AFOでも公安でも、結局は大差がない。

彼はその証明になってしまった。

 

「私はね、ホークス。私は兎も角、他の子たちには道具として生きる事も、きれいな格好をさせて(ヒーロースーツを着せて)死地に送り出す事も、華やかな表の顔の裏側で汚れ仕事をさせることも、させたくはないんだ」

 

公安は、葬だけでなく他も求めた。

使える駒の種類は多い方がいいと。

AFOは、求めたのは葬1人。

他は利用しようともしなかった。そんな興味も示さなかったのだ。

絶対に譲れない条件から交渉しなければならない公安と、初めから最低条件をクリアしているAFO。

取引とは、成立するだけの信用がいる。

交渉とは、欲しい物がある方が不利だ。

公安とは即ち国家権力。仲間を逃すには対抗し得るだけの力のある後ろ盾が必須。

だから、AFOの手を取った。

 

「1人穢れて、皆が平穏に生きられるなら、私は喜んで汚泥に塗れよう」

「そりゃ、ご立派で。俺なんかよりよっぽどヒーロー向いてるよ」

 

無理矢理絞り出すような、微妙に引くついた表情だった。

 

「ありがとう、よく言われるよ。しかしまあ、皮肉なものだよね。私たちを救えるだけの力を持っている者には私たちはその対象でなく、私たちを救おうとしてくれる人たちにはそれだけの力がない」

 

葬はすっかり冷めたお茶を手に取る。

 

「さて、実技試験を後日予定していたが、どうするホークス?」

 

この茶番を続けるのかと問いかける。

どうせ返ってこない回答を待たずに、葬はソファに寄りかかると悠然と足を組む。

 

「先ずはお使いをひとつ頼もう。簡単な事だよ。()()()()()使()()よりね」

 

葬の顔に、もう笑みは無かった。

 

伝書鳩(お前)の役目は、こちらの言葉を一言一句違わず、お前の飼い主に伝える事だ」

 

──────────────────────

「代用品」になる予定だった子供

相手がヒーロー統括組織で国家権力なので選択肢がなくなりAFO一択。

上げて落とされたので信用度はマイナス振り切ってる。

でもナガンは善い人だし、その後ステインにもヒーロー論とかオルマイ讃美を耳タコで聞かされるので、ヒーロー=全部クズ認識ではない。

 

 

ホークス

とばっちりも良いところな貧乏くじ引かされた。

致命的な人選ミス。

対敵連合には強カードだけど対葬には1番きっちゃいけないカード。

公安いってたら汚れ仕事やらされる未来の証明になってしまった。

 

レディ・ナガン

公安委員会殺害の時期が明確でないので、ここでは原作開始3-4年前で仮定。

間に合わなかったらやっていた。

ホークスの時は本人もヒーロー志望だったし、華々しい活躍(広告塔)してるしまだ精神状態マシだった。

 

公安

やらかしてた。




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ガバ設定捕捉
公安はホークスがデビューして破竹の勢いでトップ入り。子育て成功!
ちょうどひと段落したし次世代育成しよう。
生き残ってる子供達は原石確定。即戦力になるし、切り捨てても文句言う身内いないし。子供達もちゃんとした環境で表社会で生きられるし、ヒーローにだってなれる。(表向き)輝かしい未来、正しい事に力を使えて社会の為にもなるよね!
当時の委員長はナガンも精神的に限界だし、社会の為には必要な事。
汚職ヒーロー絡んでるの?そっちも処理するから性能テストがてら情報とってこいさせてたらナガンも行方不明になるし件の組織施設は炎上する。
前委員長はここ2〜3年で亡くなった(病死)という設定です。
10数年タルタロスぶち込まれてるとすぐ動けるか?と思い。
だったらホークスと先輩後輩で面識あっても良くない?
もしかしたら弔と葬でなく、ホークスと一花とで兄妹みたいな関係になった未来があったかもしれないか
普段はバッチバチ。お仕事スイッチ入るとバッチリ阿吽の呼吸。
子供の喧嘩みたいなことしてるとホークスが「大人気ない」「年上なんだから」と嗜められる兄妹あるある。
先に手を出すのは一花。それで叱られると「ざまあw」ってなってるケーゴくん。
お互い色々言い合うけど顔と実力だけは認めてる。口にはしない。そんな関係。


また、葬送のフリーレンの2次創作「エルフを愛した魔族の話」も掲載しています。
そちらは不定期更新ですが、ぽちぽち続き書いていますのでお待ちください。
よろしくお願いします。(宣伝)
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