※オリキャラが複数出ます。
この回は飛ばしても今後の展開に支障はありません。
幕間が早い?
仕様です(震)
だってこれ以降軽くなる事がないので…
「ええっ⁉︎オールマイトが入院⁉︎」
朝のSHRで担任の相澤が告げた内容に、クラスの生徒たちは驚愕の声を上げた。
「だだだだ大丈夫なんですか⁉︎」
「入院っつっても検査入院だよ。時間取れんなら全身丸々診ようって事で泊まりで。人間ドックでも泊まりなんざ珍しくねえよ」
10代の生徒たちには馴染みがないだろうが、大事無いのだと告げる。
「よかったぁ…」
「今のお前らみたいに、入院って聞いただけで不安になる奴も多い。お前らには授業なんかで関わりがあるから伝えたが、外で話すなよ」
一同はほっと胸を撫で下ろす。
「あとはまあ大人の事情だな」
「大人の事情?」
「有給取得の日数が足りなくて事務局にどやされた」
半年以上在籍している労働者は10日の有給休暇が付与され、5日以上の取得義務がある。
オールマイトは今期の4月1日付けで教職員となり、すでに半年以上経過している。
「ついでに消化しちまえってことだ。つーわけで今週来週のヒーロー基礎学は持ち回りになる。問題起こすんじゃねえぞ」
「「「はーい!」」」
すっかり安心納得した生徒たちに良い子の返事。
SHRを終えて、相澤は教室を出る。
生徒たちに伝えた内容は、いわゆる合理的虚偽である。
オールマイトの入院は秘密裏とは言えどどこから漏れるかわからない。秘匿するも、所用でと言うこともできたが、嘘や誤魔化しの苦手な人だ。全くの嘘では後々齟齬が生まれる。だから一部真実を混ぜた。
理由は検査でなく心労。
今は元サイドキックのサー・ナイトアイがついていてくれている。
ヒーロー基礎学の担当や副担任としてのオールマイトより、担任である自分は彼女に関わることが多かった。
潜入役である以上演技だったのだろうが、死柄木葬がこの事を知っていたようには思えない。
今後の事を想い、相澤は人知れずため息をついた。
担任が出て行った後、生徒たちは各々授業までの時間お喋りをしたりと過ごしていた。
「ん?」
「どうした轟?」
「士傑の奴からだ」
通知の振動に、轟が会話を中断してスマホを取り出す。
「仮免補講で一緒だった奴?」
「ああ」
用件はインターンの件。
士傑も雄英同様にインターンシップがあるようで、行き先は決まっているのかと訊いていた。
轟は素直に父親であるエンデヴァーの事務所へ行く旨を返信した。
父親としては思う所は大いにあるが、実力は紛う事なきトップヒーローであり、現No.1だ。学ぶことは多いだろう。
士傑高校とはこれから連携を強化していくらしい。
仮免試験にて敵連合が士傑にも手をかけた事実。これまで双方特段深い交流はなかったが、情報共有も含め協力していこうという話だ。
「士傑と合同実習なんかもあるって話だよな!楽しみだぜ!」
「ねーねー切島!轟!」
そこに、芦戸と葉隠が割って入った。
「クリスマスパーティの準備なんだけどさ、買出しお願いできる?」
「おう!任せとけ!」「ああ」
「爆豪は調理班ね!」
「勝手に決めんなや」
「緑谷と飯田も買出し班ね!」
「無視すんな…!」「任せてくれたまえ!」「うん、わかったよ」
「瀬呂は青山たちと飾り付けよろしく!」
「オッケー任せろ」
束の間の休息。
教室には賑やかな生徒たちの声が溢れていた
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週末。
緑谷たちは買出しに出掛けていた。
一番近いのはエオンだが、量が量なので少し足を伸ばし業務用を売っているスーパーに向かう。
別働隊で上鳴たちがドンキ・オオテに飾り付け用の折り紙などを買いに行っている。
「女子もサンタコスするんだよなぁ…クリスマスが待ち遠しいぜ…!」
じゅるりと涎を啜る峰田の脳内ではいかがわしい妄想が炸裂していた。
ふと轟が反対側の歩道に視線を止める。
「なあ、なんかアレ揉めてねえか?」
つられて緑谷たちも目を向ければ、あまり柄の良くない青年たちが女の子たちに絡んでいるようだった。
道行く人々もちらちらと視線を投げかけているが、関わり合いにはなりたくないと足早に通り過ぎている。
これを見過ごせる彼らではない。
杞憂ならば良いが、困っているなら助けなければ。
「いい加減にしてもらえませんか」
同じ年くらいだろうか、亜麻色のサラリとした髪に海色の瞳をした楚々とした細身の子が、背に怯えた様子の連れを庇っている。
「いいじゃん、ちょっとくらい。高校生?どこ高?この辺じゃないよね?」
「俺たちこの辺詳しいからさ。案内してやるよ。ちょうど3・3だしさ」
「結構です。他に連れもいますので」
男3人に囲まれても露とも動じず、毅然として冷ややかな視線を送っている。
ニヤニヤと下賎な表情をした男の1人が腕を掴もうと手を伸ばした。
「そこの人たち!女性たちが迷惑している!即刻やめたまえ!」
きびきびとした飯田の一喝に、動きが止まる。
大柄な障子や防御に優れた切島が前に出た。
「げ、こいつら雄英生じゃねえか」
「エンデヴァーの息子もいんじゃん。やべえ行こうぜ」
雄英生は体育祭やニュースなどでも顔が売れている。
勝てる相手でないことを悟った男たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出していった。
轟は父親を持ち出されるのはいささか不服だったが、今ばかりは飲み込んだ。
「大丈夫ですか?」
「はい、先輩たちも大丈夫でしたか?」
「う、うん」「怖かった〜」
圧迫感のない柔和な緑谷が声をかける。
男たちと対峙してた子は問題ないようで、連合いの少女らを振り返る。
怪我も異常もないことを確認してから、緑谷たちに「ありがとうございました」と頭を下げた。
他の女の子たちも続いて礼を述べる。
「い、いえ!困ってるようだったので!無事ならよかったです!」
「そうそう!俺たちヒーロー目指してんだ!見て見ぬふりなんか漢が廃るぜ!」
「可愛い女の子が困っているのを見過ごす事なんてできませんよ!お嬢さん方!」
何だかキラメキエフェクトを背負っている峰田のキャラがいつもと違う気がしたが、いやいつも通りだな思い直しと誰も突っ込まなかった。
「弓親くんもごめんね。私先輩なのに」
「光矢くんありがとう〜」
「どういたしまして。先輩たちが無事でよかった」
彼女たちは学校行事で東京を訪れたらしい。
2人は僅かな自由時間で散策していたが、初めての土地で道に迷い、弓親が迎えに来て合流したところ、男たちに絡まれたという。
「これでも結構強いんですよ。いざとなったら延してやります。正当防衛ですよ」
女の子たちの恐怖を和らげようとしているのか、弓親は悪戯っぽく微笑いながらも物騒な事を言う。
少女たちも冗談めいた表情に少し気が紛れたようで、まだぎこちなくなあったが笑みが戻った。
「でもカッコよかったぜ!女の子がデカい男相手に立ち向かうって勇気あんな!」
切島の言葉に、3人組はきょとんとする。
ああ、と弓親がぽんと手を打った。
「僕、男ですよ」
嫋やかな少女にしか見えない少年はにっこりと優しげに笑う。
数舜間を置いて男子(主に峰田)たちの絶叫が響いたのは、言うまでもない。
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年明け新学期。
夜嵐は登校中に友人を見かけて駆け寄った。
「おはよう野荒!新年あけましておめでとうっス!」
「はいはい明けましておめでとうさん」
「ぞんざい!」
しかし夜嵐はそれでめげるようなメンタルではない。
「相変わらずもっふもふだな!」
「寒ぃんだから仕方ねえだろ」
野荒は個性の関係もあって寒さが苦手だ。
そして今日は一段と冷え込んでおり、コートはもちろん中も着込んでいるようで、マフラーや手袋の防寒具とでもふもふしていた。
尻尾まできちんとしまわれている。
夜嵐と野荒は同じクラスで席が前後。
「アンタ野荒って言うんスか⁉︎俺夜嵐!1文字違いなんて奇遇ッスね‼︎アンタとは仲良くなれそうだ‼︎」
人見知りせずグイグイ突き進む夜嵐がガンガン話かけるので、当人の野荒以外は早い時期から2人を友人認識していた。
教師の方も、他よりも頭一つ以上飛び出たのが2人いると組ませやすいと、何かとニコイチ扱いされることが多い。
今期の仮免試験に臨んだ1年生は彼等だけである。
「野荒はインターン先決まったか?」
「うんにゃまだ決めてねえ。夜嵐は?」
「俺もまだ!やっぱ熱いヒーローの所がいいよな!」
3学期のインターンは任意でなく課題なので、どこかは行かないとならない。
野荒は冬は前回のインターン先がオフシーズンの為受け入れしておらず、夜嵐は先月の補講で仮免を取ったばかりだ。
雄英の轟は仮免取得後早速活躍していたし、夜嵐が聞いたところインターンはやはりエンデヴァー事務所へ行くようだ。
締切も近いので、2人はあーでもないこーでもないと議論し、お互いに知らないヒーロー名が上がればスマホで検索する。
「よう!おっはよう!野荒!夜嵐!」
後ろからクラスメイトが寄ってくる。
「おはようっス!」
「何見てんだ?」
野荒のスマホを覗き込むと、画面を切り替えた際に映った待受の写真に、クラスメイトは目を剥き声を上げる。
「おいコラ野荒テメエ!誰だこの超絶可愛い女子は‼︎しかも複数⁉︎正統清純可憐美人系よりどりみどり‼︎」
「内2人男だぞ。多分清純と可憐」
野荒の反論は拾われなかった。
「クッソ滅びろイケメンが‼︎」
「道端で何を騒いでいる‼︎」
聞き覚えのありすぎる大喝に野荒は帽子の中でペショリと頭上の耳を伏せる。
「げ、肉倉」
「おはようございます肉倉先輩‼︎」
ヒーロー科2年の肉倉は先輩にあたる。
同科は現場でのチームワークや指揮能力、協調性やコミニケーション能力育成の為に学年を超えての授業が多い。
「先輩と呼べ!せめて敬称をつけぬか野荒獅郎!」
野荒は「うへえ」と辟易した表情を隠しもせず、コートの中にしまっていた尾が不満げに揺れる。
「せんぱーい!野荒が異性交友してまーす‼︎」
「何⁉︎貴様!異性交友は校則で禁止されているぞ‼︎」
「身内だ身内。この前家でクリスマスパーティーした時に撮ったんだよ」
罰ゲームで男2人に女装させたら洒落にならない出来になったので記念に撮ったのだ。
フィルターでも盛っているので見た目完全美少女4人である。
野荒もノリノリでハーレムごっこに興じ、個性の見た目と合間って高い完成度に爆笑をさらった。
なお彼自身はどちらかというと尽くしたい派である。未来のド級のいい女が身近にいるので。因みに相方は囲みたい派。4年で人は変わるのだ。
「大体今どき異性交友禁止って」
「だよなだよな!」
クラスメイトががしりと肩を組み、声を潜める。
「なあなあ野嵐、どの子か紹介してくれよ」
「4分の2男だし4分の1確率で明日の朝日は拝めないと思え」
なお本命当てるとキレるし本命以外指名しても誰それが一番だとキレるので確率4分の1ではない。
夜嵐は「このふわふわした子かわいいな!」と言っていたが、それは男だ。
「聞こえてるぞ貴様ら!」
ぐちぐちネチネチと規律だと伝統だの遊びにかまけて学業を疎かにするなど言語道断だのと説教を聞き流しながら早足を進めていると、交差点でまた知った顔と合流した。
「おはおは〜何やってんの?」
「お前たち、道端であまり騒いではいけないよ」
「あ!毛原先輩!ケミィ先輩!あけましておめでとうございます!」
「はよざいます。毛原先輩、現見先輩。コレ引き取って下さいよ」
「コレとはなんだ‼︎そしてなぜケミィには先輩をつける‼︎」
「やば肉倉人徳なさすぎ。ウケる」
「ウケるな!」
わいわいと賑やかに、学生たちの朝は始まった。
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「え…」
高校に入って初めての夏休み。
夜、心操は自室で課題を消化していた。
スタートは既にだいぶ遅れてしまったけれど、その分を取り戻す。
ヒーロー科移籍の打診がされたのは、前期の終わりのことだった。
イレイザーヘッドに稽古をつけてもらえるようになった。毎度転がされ、ボロボロになっても喰らい付いていく日々。
最初の頃の筋肉痛は地獄だった。
でも、夢に近付ける。憧れた場所に行ける。
嬉しかった。
心操は、この事を黒衣には告げなかった。
だめになったら情けないし、本決まりになったら驚かせたかった。
ちゃんとヒーロー科へ行けるようになったら、これからは同じヒーロー科だと、伝えたかった。
解答欄を埋めていると、血相を変えた母にリビングへ呼ばれた。
TVでは、速報を伝えるニュースが、緊張した面持ちのキャスターに繰り返し読み上げられている。
『本日20時頃、○県○市の山岳部にて、夏季合宿中の雄英高校の教師含め生徒等がヴィランに襲われる事件が発生しました。ヴィランは先日雄英高校を襲ったグループと同一と見られ、合宿に参加していた雄英高校1年爆豪勝己くん、同じく黒衣一花さんが連れ去られ、行方がわかっていません。また、ヴィランの個性によるものと思われる有毒ガスによる15名が意識不明の重体、他重軽傷者も10名以上に及ぶとみられ、現在ー」
今何と言った、今映っているのは誰だ。
ひっきりなしに通知を伝える携帯が、手からこぼれ零れ落ちた。
それから早数ヶ月。
ヒーロー科の戦闘訓練を兼ねた編入テストで、心操は十分な成績を上げた。
正式な審議はこれからだが、十中八九、2年からはヒーロー科への編入がほぼ確実となったのだ。
真っ先に知らせたかった友人には、会えていない。
敵連合による林間合宿への襲撃。神野の悪夢と呼ばれる事件。あれから約半年。
帰ってきたのは爆豪のみだった。
黒衣は帰ってこなかった。
報道は直ぐにオールマイトの実質引退一色に染まり、誘拐され行方知れずとなった少女1人の事など、皆忘れ去ってしまった。
あれだけの被害だ。保護されてもニュースにならないだけかもしれないと思いながら夏休みが明け新学期が始まっても、黒衣の姿はどこにもなかった。
黒衣の交友関係を知っているわけでもないし、A組とも然程接点があるわけでもない。
授業でもA組の生徒たちも話題にはせず、彼らに訊くのも憚られた。
相澤にそれとなく訊ねてみた事もある。
言葉を濁され、なぜか個性の影響がないかの検査を受けさせられた。
知人友人、親しい人を失くすというのは、こんなにも苦しいものなのか。
苦しさを紛らわすためもあったのかもしれない。
訓練にさらに熱が入った。
やっとスタートラインに立てるのだ。
もうすでに何十歩も出遅れている。1日、1分1秒たりとも無駄にはしたくない。
ただ、少し熱が入りすぎて気が急いてミスをすることもある。
ここ最近、それが続いた。
連続で世話になり見かねたリカバリーガールが提案してくれたのが、チャリティイベントの手伝いだった。
相澤も、どうせ休めと言っても何かしらトレーニングをしそうだし、気分転換に行ってこいと担任に話を通してくれた。
「これここでいいですか?」
「ああ、そこ置いといてくれ」
心操はイベント会場の一画で「♡リカバリーガールの出張保健室♡」の手伝いに勤しんでいた。
ここでは簡単な健康相談だったり、ヒーローになりたい子供たちへの体づくりのアドバイスだったり、怪我人や急病人の応急処置などが行われている。
ヒーローやスポンサー企業なども参加していて、出店なども出ている。
確かに、気分転換にはいい機会だった。
「お弁当もらってきました」
主催側で用意してくれた昼食をとって戻ってきたのは、中学生ボランティアの
「おや、ありがとうね。じゃあ、時間もちょうどいいし、ちょっと休憩しようかね」
福音はふわふわした金茶の髪に少し垂れ目の蜂蜜色の瞳、ちょっと低くて小さい鼻に雀斑が散っている少女めいた容姿の少年だ。
彼は稀少な治癒系個性だと紹介された。
「福音祈です。個性は怪我を直したりできます。よろしくお願いします」
「私らみたいな治癒系個性は数が少ないからね、早い内に医療や看護系の仕事に興味持ってもらおうって取り組みさね」
彼も中学の教師に勧められての参加らしい。
「じゃあ、これだけ片付けます」
心操はプリントの束を手に取る。
「…っ!」
拍子に、指先に痛みが走った。
スッパリと皮膚が切れて僅かに血が滲んでいる。
「大丈夫ですか?」
「ああ、うん。平気。ちょっと切っただけ」
「冬場は乾燥するからね。ハンドクリーム塗っときなよ。そうだ、福音。見といてあげるから、個性で治してごらん」
有資格者が監督していれば公共の場でも個性を使えることがある。
「えっと、いいんですか?」
福音がリカバリーガールと心操を行ったり来たり顔を向ける。
「じゃあ、お願いするよ」
間を置くと段々と痛みが増す。紙で手を切ると地味に痛い。
これくらいの傷なら失敗しても酷くもなるまい。
「失礼します」
心操が差し出した手を、福音が両手で取る。
その手をじっと見つめると、瞼を伏せる。
まるで祈るように。
するとふわりと温かな光が心操のを覆った。すうっと痛みも癒え、傷も消える。
「はい、終わりました」
「ありがとう」
念のためリカバリーガールも確認して、問題なしと太鼓判を押した。
「凄いな君の個性」
触れただけで傷を治せるのは純粋に凄い個性だろう。
リカバリーガールの治療法はちょっとアレなので、頼みやすいのも良い。
「ありがとうございます。ただ、僕の個性、気分に左右されるので安定させるのが難しいんです」
「気分?」
「治したいって想い、助かってほしいという願い、祈る心。そういうエネルギーが必要なので、状況とかによっては全然で」
福音はちょっと気まずそうにする。
「心操さんって、個性“洗脳“でしたよね。体育祭決勝戦見ました」
「ああ…その、ヒーロー向きな個性ではないけど…」
そんなことないですよ、と福音は柔らかく微笑む。
「戦わないで勝てちゃうんですからすごい個性ですよ、“洗脳“って」
不意に、黒衣の言葉が脳裏に呼び起こされた。
相手がどんな大型だろうが頑丈だろうが瞬時に制圧可能。自分たち精神干渉系は装甲無視の初見殺し。非暴力、不戦勝、無血勝利。傷付けず、壊さず、迅速に解決できる数少ない個性。
「でも、どうしたって危険は付きものです。そんな中で戦い続ける人も、守ろうとしている人たちも、どんな怪我でも治せるようにって僕は医者を目指してます」
「いい夢だな…叶うことを願ってる」
「はい、叶えてみせます。心操さんがプロになって怪我しても僕が治してみせますから、安心してくださいね」
「頼もしいな。安心して怪我できる」
ヤレヤレとリカバリーガールが茶を入れながら口を挟んだ。
「怪我も病気もしないのが一番。医者とヒーローと警察は暇な方がいいんだよ」
「「確かに」」
ヒーローには危険が伴う。
ヴィランとの戦いで当然怪我をする。最悪命を落とす。
知人友人、同僚や仲間の、助けられなかった人の、家族の死を見ることもあるのだろう。
それはとても苦しい。
こんな想いをしながら、ヒーローたちは戦っている。
こんな想いをさせないために、ヒーローたちは戦っている。
強くなろう。
静かに強く、燃える想いを胸に。
穏やかな昼下がりの時は過ぎて行く。
──────────────────────────────
峰田
その顔でついてんのかよ⁉︎(血涙)
夜嵐
轟とは別ベクトルでライバルで友人。
肉倉
後輩に舐められがち。
心操
黒衣=死柄木葬な事はA組以外伝えられていない
葬
まさかの2話連続出番なし
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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ニアミス第二弾でした。
次回以降はまたおっもいのが続きます。期待しててください(笑)
写真見られて大丈夫?とお思いの方。
髪色変えてカラコン入れて服のテイスト変えた顔知ってるだけの人とすれ違って気づきます??
自分は制服→私服だけで気づきません!!
TUM6巻で士傑も寮じゃね?ってなりましたが、本編じゃないのでセーフと言い訳します。