今回は本編には影響しない番外編です。
理由はお察しください大変申し訳ございません。
次回の更新は再来週11/24を予定しています。
エタりはしません最後の方が先にかけてるので完結はさせますもうしばらくお付き合いのほどお願いいたします。
if平和軸
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不動のNo.1ヒーロー“平和の象徴“オールマイトこと八木俊典には一人娘がいる。
「おはよう、父さん」
「おはよう、一花」
妻は早くに亡くなり、父1人子1人の父子家庭。
亡くなった妻によく似ていて、髪や瞳の色は父親である己と揃いで、目に入れても痛くないほどとはこの事だ。
娘の一花は今年16になる。
少しずつ大人に近づく横顔に時折、俊典は母の面影が見える気がしている。
用意された朝食は、胃を全摘している俊典に合わせたものだ。
6年前のAFOとの戦いでの代償は大きかったが、それでも奴を監獄にぶち込めたのだから悔いはない。
宿敵との戦いを控えて、負けるつもりで戦うわけはないが、万が一に備えて一花を日本から出した。
「マスターの頼み?私が断るわけないじゃないか」
かつての留学先、アメリカの友人が快く引き受けてくれた。
同じく1つ上の娘がいるl.アイランドの親友に預けてもよかったのだが、安全面から本土でヒーローをしているキャシーに任せることにした。
一花は究極の脳筋などと言われる事もある己に似ず頭が良く、アメリカの教育制度は合っていたようだ。トントン拍子に飛び級してしまった。
本来なら後処理を終え、傷が癒えた頃に帰って来る予定が延び延びになっていたのがようやくの帰国とあいなった。
一時帰国はあったし、連絡も頻繁に取っていたのだがその度「父さんはいつキャシーと結婚するの?」と訊かれる。
何回かサラームやビッグフットたちから祝電届いたこともあり、何事かと思った。
外堀から埋められている気がするのは気のせいだろうか。
AFOとの戦いでOFAの維持時間も3時間ほどまで短くなっている。
まだ未公開ではあるが今季を最後に一線を退き、後進育成のため雄英高校で教鞭をとる予定となり、お互いに都合がつきまた一緒に暮らすことが出来ている。
「あ、兄さんだ」
朝のニュースに見知った名前が出て、俊典は一花と共にテレビに眼を向ける。
ヴィランの確保と倒壊した現場での人命救助で活躍した新人ヒーローとして称賛されているのは、恩師の孫に当たる志村転弧。
彼は5歳の時に個性事故により家族を亡くしてしまった。
亡き師には関わってくれるなと釘を刺されていたが、グラントリノが亡き孤太郎氏の安否だけは確認していた。
そこに家屋倒壊の知らせ。
一家全員行方不明の上、現場には夥しい血痕と肉片。
未子の物だけ見つからず、大捜索により発見に至った。
橋梁下で蹲っていた彼をグラントリノと共に見つけた時、彼は個性暴走で家族を殺めてしまったストレスからか、黒色だったはずの髪はすっかり色が抜けて白くなっていた。
「志村との約束破っちまったが、事が事だ。向こうに行ったら謝る」
転孤は祖母の盟友である空彦の養子になった。
一花と4歳差の転孤は家族ぐるみの付き合いもあって親戚や兄妹のような間柄だ。
今はグラントリノの元でサイドキックとして下積み中で、“崩壊“の個性は事故や災害救助で活躍している。
先日20歳の誕生日を祝ったばかりだ。
グラントリノのスパルタ訓練【地獄のしごき】を乗り越えた者同士、トラウマ話に苦い酒となった。
でも言動がヴィランっぽいって評判はちょっと頂けない。
画面の中の転弧はインタビューに気乗りしないようで、さっさと引き上げて仲間の元に戻ってしまった。
「燈矢もいたんだ」
「ガワはクール系イケメン、中身は煮ごこり」
と称されるエンデヴァーの長男、燈矢とは気が合うようで良く連んでいるらしい。
高校在学中の事故で寝たきりになり休学したが、さすが努力を冠するエンデヴァーの息子だけあって、弛まぬ努力で復帰した。
最後の1年が転弧と被り、その頃からの付き合いらしい。
エンデヴァーの所は末の子が娘と同じ年なのでそれとなく懇親会に誘ったりしているのだが、梨の礫。何故か嫌われている。
耳に届く限り、未子に期待をかけすぎで家族間がギクシャクしているらしいので心配だ。
うちは良いのか悪いのか、拗れる程娘との時間が取れていない。
No.1ヒーローは多忙で、父子家庭だと大変だろうからと公安委員会が幼い頃は娘を預かってくれていた。
教養や個性訓練もしてくれていて、とても助かっている。
娘は才能にも恵まれていたようで将来を嘱望されているのは親としても誇らしい。
ただ、大人に囲まれて育ったせいか、妙に大人びていたり擦れていたりする。
同じ歳の子より年上の燈矢や転弧の方が仲がいい。
留学中もゲームを通して交流を続けていて、「League of Villains 」というチームを組んでいるらしい。
ネーミングに関してはこの際何も言うまい。
一個上の渡我という少女とは親しいらしいのだが留学もあり、自身が正体を隠してヒーローをやっていることもあって家に友達を呼んだりすることはないし、その手のお願いを聞いたことがない。
これまで我が儘らしい我が儘も聞いたことがないのだ。
面倒を見てくれているレディ・ナガンやスタンダールには懐いて甘えることもあるようだが。
寂しい思いをさせていると反省している。
娘と改めて対話が足りないのを実感したのは、高校受験の時。
本人はアメリカで飛び級して卒業資格取っているので高校に行く気はなかった。
それを聞いたのが、願書の受付期限間近だった。
「お嬢さんの高校受験ですが、やはり雄英を?」
所用で公安委員会に出向いた時に聞かれて、発覚した。
帰国時期にはもう推薦入試は大体どこも終わっていた頃だったので今まで話が出てこなかったのだ。
どうするか一花に訊ねたところ、そもそも行く気がなかったことが判明した。
学校とは勉強だけする場でもない(もちろん一番は学ぶことだが)しと説得して高校に行くことにしたのだが。
「父さん、入学書類届いたからサインお願い」
「合格おめでとう一花。実は来年から私も雄英で教師をすることになっていてね」
「経営科で父さんが持ちそうな授業ないと思うけど?体育?」
俊典も周囲もてっきりヒーロー科だと思っていたのだ。
それが蓋を開けてみれば、届いた合格通知は経営科。
ヒーローは目指さないのかと聞いたが、一花曰く。
「間近で実態見てると憧れない」
割とショックだった。
ヒーロー科でないことに驚きはしたものの、思い込みでよく読まずに保護者署名をした事もあるし、事務所経営の苦労は知っていたので選択肢としては悪くないなと思い、親として必要書類の準備をする。
これに大慌てで待ったをかけたのがヒーロー公安委員会である。
公安はオールマイトの娘がヒーローになることを疑っておらず、一花に幼少期から施していた教育は、ヒーローになること前提であったのだ。
相当厳しい内容だったが、『オールマイトの一人娘』は危険も多いので身を守るためでもあったし、本人も特に不満も言わず熟していた。
普段明るく微笑んでいる優しい娘が一転して冷笑を湛えて、口にするのは説得する公安職員への慇懃無礼な皮肉、八つ橋に包んだ嫌味。嘲り煽って揚げ足をとり自滅に導く。
大人顔負けどころか言い負かす様に、横にいた俊典が青くなって縮こまるしかなかった。
娘のこれまで見なかった一面が発覚した瞬間だった。
「え?今更ですか?けっこういい性格してますよ、お宅の娘さん」
とは、預け先の公安で一花が幼い頃から顔見知りのホークスの言である。
他転弧、燈矢からは後で知ったが「黒寄りグレーならセーフ、黒でもバレなきゃセーフと思ってる銭ゲバ」と散々であった。
ちょうど顔を出していて、歳の近いトップクラスヒーローとして説得役に呼ばれたホークスは早々に諦めていた。
結局、公安側が折れた。
雄英は成績次第で転科も可能だし、最悪免許はヒーロー科卒でなくても取れる。
「是非前向きに検討してください。大事なお嬢さんの将来に関わることですから」
そして一花は雄英高校経営科に入学、俊典はオールマイトとして教師になった。
オールマイトの正体を隠していることもあり、学校ではほぼ接点がない。
家でも差し障りのない学校生活を語るので、慣れない教師生活に四苦八苦していた矢先。
次に騒ぎになったのは、体育祭だった。
「今年の雄英体育祭1年の部は何となんとー!ヒーロー科を抑えて経営科からの優勝だ!!」
一花が優勝を掻っ攫った。
体育祭はいわばヒーロー科生徒のドラフト指名。
短期間とは言え、何の訓練も受けていないはずの経営科の女子生徒に選りすぐりのはずのヒーロー科が完封されたのである。
他科生徒への指名についてなどの問合せの急増、ヒーロー科生徒への指名数激減など、対応する雄英側は荒れに荒れた。
荒れたと言えば轟親子もだ。
関係者優遇でチケットを取って燈矢がわざわざ負けた末弟と叱咤激励に来ていた父を嘲り笑い、親子喧嘩に発展してスプリンクラーが作動する騒ぎとなり、轟親子(父親と長男)は揃って根津校長の元に連行、説教とあいなった。
後日巻き込まれた娘にとエンデヴァー事務所サイドキックのオニマーが代表して菓子折り持ってきた。
そもそも体育祭に乗り気でもなかった一花が優勝まで狙いに行ったのは燈矢に唆されたようで。
親子喧嘩も止めるどころか煽っていたらしい。焦凍が氷壁張ったので怪我はなかったが、やはり娘とは今一度よく話すべきかもしれない。
「どうしたんすかオールマイト?」
浮かない顔のオールマイトに、同僚教師が明るく声をかける。
「ラウドクラウド」
声をかけてきたのは、ラウドクラウドこと白雲だった。
「ああ、職場体験の指名!今年は大掛かりになりそうすね」
「お前んところも1人出るんだろ」
A組担任のイレイザーヘッドこと相澤消太、英語担当のプレゼントマイクと普通科C組担任の彼は、かつてこの雄英で共に学んだ同級生で親友だそうだ。
「おう!心操な!あいつも喜んでたぜ!」
ヒーロー科以外で決勝進出した生徒は3人。
予選1回戦で敗退したヒーロー科生徒には機会を設けて決勝進出した他科生徒には与えないのかと批判を受け枠を広げた。
おかげで調整に教員たちはバタバタしている。
「前にもサポート科の生徒が優勝した時はこんな感じだったらしいですよ」
「娘さんはどこ行くんですか?」
経営科の八木一花がオールマイトの娘という情報は教員には知らされている。
緊急連絡先が父親なので。
「今日帰ったら聞いてみるよ」
参加拒否の娘の説得をしないといけないなぁと、オールマイトは心なしか視線を遠くしたのだった。
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「と言うわけで1週間の職場体験(強制)よろしく、グラントリノ、兄さん」
「帰れ」
呆れ顔の転孤がソファにもたれながらガリガリと首を掻く。
「大体、お前ヒーロー志望じゃねえだろ」
「うん。私は金儲けの方が得意だからね。そっちを活かした方が効率がいいじゃない」
父親名義だが証券口座作ってそれなりに稼いでいる。
それを運用してさらに増やし、増やした金は同じく父名義で犯罪被害者救済の為の基金や災害復興の寄付支援に突っ込んでいる。
平和の象徴を父に持ち愛されて、衣食住何一つ不自由せず、最高の教育を受けられる環境に恵まれ、容姿も頭脳も運動神経も一級。
何か欠落があるとすれば母親がいないことだが、父がキャスリーンと一緒になれば解決。更に拍がつくというもの。
全てを持っているのだから人助けするのは当然。
持てるものこそ与えなければ。
「つか何でウチだ?」
「父さんは教職メインに移してるし、ナガンかホークスの所行こうとしたらストップかかった」
「だろうな。それじゃいつもと変わんねえだろ」
「エンデヴァー(燈矢)の所もダメだって」
「小火騒ぎに油注いだ奴が何言ってんだ」
「あ、あの…」
ソーセージとトマトケチャップをぶち撒け、とぼけた痴呆老人の演技に翻弄され、騒ぎに起き出してきた夜勤明けの転弧に睨まれてすくみ上がっていた緑谷が、おずおずと声を発する。
「や、八木さんはこちらの方々とお知り合い…?」
「何じゃ?俊典の奴、弟子に言っとらんかったのか?」
「こいつ、オールマイトの娘だよ」
それ、と転弧が一花を指差す。
「で、俺はオールマイトの前、お前からした先々代OFA所持者の孫。こっちのクソジジイはそのおばあちゃんの友人」
この場の全員OFAのこと知ってるから隠さなくていいと告げられる。
「………」
「……緑谷君?」
一花が呼びかけても、目の前で手のひらを行き来させても、反応がない。
ようやく理解し終えた緑谷が絶叫を上げるまで、あとー
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一花
全てを持って生まれた女の子。
自己肯定感バリ高。但ししっかり問題児。
趣味特技は金儲け。もてあた精神。
夢や希望与える側の実態見過ぎて捻くれた。
俊典
男寡。無事に結婚して数年後に妻を看取った。
6年前に念願叶ってAFO逮捕。
娘がいるので無茶も控えめ(控えるとは言ってない)
最近の検索履歴が【娘 反抗期 高校生 接し方】
転弧
下積み中の新人ヒーロー。
AFOより先に見つけてもらえた。
アトピーは治ったけど首掻くのは癖。
オールマイトとはグラントリノの地獄の特訓を愚痴る仲。
おばあちゃんたちの墓参りは毎年皆で行っている。
燈矢
下積み中の新人ヒーロー
山火事起こさず、体質改善できないなら道具で補おうと雄英のサポート科に入学。
そっちの道進んでくれたかと両親はホッとしたが、3年次にやらかして3年間入院。
過去に体育祭優勝したサポート科はこいつ。
末弟の優勝阻止(嫌がらせ)の為だけに一花に「勝ってきて♡」した。
元A組の3バカ
みんなで元気に先生してる。
インターンの事故は九死に一生。本当にギリギリだった。
白雲「心操って昔の消太に似てね⁉︎」
山田「わかる!」
相澤「……そうか?」
公安
多少漂白。白くはない。
実力はしっかりついたけど情操教育間違えたと頭が痛い。
レディ・ナガン(遠距離)、スタンダール(近距離)、ホークス(中距離、探知)でバランスの良い秘匿指令チーム。
トガ
小さい頃にできたおともだち。一花経由で弔たちとも知り合い。
カウンセラーも変えてもらった。事件は起こさず。
今後お茶子や梅雨ちゃんとも友達になる予定。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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筆が!進まない!!時間が足りない!!
パンチが!ネタが!文章力が足りない!
でももう1人2人オリキャラ出したい。
次回の更新は再来週11/24を予定しています。