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更新が遅れ誠に申し訳ございません。
次回も隔週での更新を予定しています。遅れが生じていますが、完結はさせますので見捨てないで下さい。
そして大変、大変ありがたいことに、初FAを頂戴いたしました!!
wakkaron様(pixiv)よりイラストをいただきました!!
ありがとうございます!!
【挿絵表示】
※掲載許可をいただいています。
最初の方シリーズ間違えてない?と思われるかもしれませんが、ちゃんと続きです。
I・アイランドで起きたヴィランによるシンボルタワー占領事件。
その被害者であり、事件を引き起こしたデヴィット・シールドは怪我による入院、および秘密裏に身柄を拘束された。
表向きは療養のため。
実際、彼は重症であった。
そしてデヴィット・シールドの娘である彼女メリッサもまた、一時的にl・アイランドを離れ本国へと戻っていた。
空港の出口で待っていると目の前に派手なスポーツカーが止まった。
「やあやあメリッサ!もうすっかり一人前のレディじゃないか!もう
降りてきた人物もまた派手であった。
ブルネットの髪を整髪料でセットし、少年のような輝きと深淵を覗く知性を煌めかせる青い眼をした男性。
父親より若く全身をハイブランドで固めているのもそうだが、存在自体に華があるというか、派手である。
「お久しぶりです、アンソニー小父さま。お世話になります」
挨拶のハグを交わす。
連邦法で17歳のメリッサは保護者が必要な未成年。
母を早くに亡くし、父親がその責任を履行できない為、その間の保護者に名乗りを上げてくれたのがデヴィットの友人であり共同での研究も行なったこともあるアンソニーであった。
「お父さんのことは大変だけど、まあ気落ちするな。すぐ出てくるさ」
「ありがとうございます」
「さあ乗って。ああ、そこの君、彼女の荷物積んでくれる?」
付き添いの職員と別れ、2人は車で邸へと向かう。
お喋りとガンガンにミュージックを掛けながらしばらく走った後、着いたのは豪邸であった。
「ようこそ我が家へ。これからしばらくは君の家でもある」
足早に中に通されると、中も広々とした、実に洗練された造りである。
「ただいまハニー、おっと良いタックルだ」
アンソニーは出迎えてくれた妻にキスをして、続いて突進してきた娘を抱き上げる。
「我が愛しの妻と、我が家のお姫様」
「よろしくねメリッサ」
「お世話になります」
アンソニーの妻は同時に彼の秘書でもあるらしく、ハキハキとした美しい人だ。娘は少し人見知りなのか、ママの後ろに隠れてしまった。
メリッサは一人っ子なので、妹ができたようで少しくすぐったくもあった。
アンソニーはきょろきょろと辺りを見回す。
「ピーターはどうした?」
「さっき声をかけたわ」
「またオモチャに夢中になってるのか?仕方ないヤツだ」
「ええ、あなたと同じで」
「何事にも集中できるのはいいことだ」
一瞬で発言を翻す。
すると、アンソニーは誰とも知れぬ虚空に向かって呼びかけた。
「J.J、ピーターを呼んでくれ」
『はい、アンソニー様』
答えたの機械音声、現れたのはシナプスを模した無数の点と線とで構成された球状のホログラムであった。
「WAO…!」とメリッサは感嘆の声と共に瞳を輝かせる。
天才アンソニー・スタークが造り上げた最先端を誇る人工知能のそれ。
情報工学史においてかつて反乱を起こしたAIのプロトモデルを基盤としてより高度に造られた通称Jモデルは、先日のI・アイランド占拠事件を受けてセキリュティ強化のためシステム導入されることが決まっている。
知りたいこと聞きたいことを頭の中をいっぱいにしながらメリッサがその叡智の輝きに見惚れていると、ドタドタと足音が聞こえた。
「ママ!J.Jにシステム電源落とさせるなんて酷いよ!」
「残念、パパだ」
階段を駆け降りてきたのは同じ歳くらいの少年だった。
父親譲りのブルネットとキラキラした青い瞳をした細身の少年はメリッサの姿を見つけて固まった。今日からホームメイトが来ることをすっかり忘れていて、今思い出したのである。
そして今の自分の格好。髪はくしゃくしゃ、作業していたから顔はオイル塗れ、同じく汚れてもいいやと適当なシャツとズボン。女の子と初対面として有りか無しかなら完全にナシだ。
「メリッサ、息子のピーターだ。仲良くしてやってくれよ」
「初めまして、よろしくピーターさん」
なお、当のメリッサはそんなことは大して気にしていない。父がそのタイプだし、工学専攻の同級生は大体そんな感じなので、見慣れているのである。
「あ、うん、よろしく」
ピーターは差し出された握手に応えようとして、手汗と汚れを慌てて拭った。
どこかぽうっとした表情に混ざる頬の赤みは、たぶん恥ずかしさだけではないだろう。
そんな息子の様子にピンときたアンソニーは、「ははーん」と片頬を吊り上げる。
女性同士の方が話しやすいだろうと妻にメリッサの案内を任せると悩み多き青少年ににじり寄り肩を抱く。
「ピーター、何事も最初が肝心だぞ。そして今のは減点だ」
「わかってるよ」
気持ちの芽生えに気づいていない彼は、前々から言われていた来客をすっぽかした事をへの小言だと受け取った。
他方、誘導されたメリッサは用意された部屋に案内されていた。
「部屋はここを使って。足りない物があったら遠慮なく言ってね」
「素敵なお部屋…ありがとうございます」
部屋も至れり尽くせりであったが、それ以上に、感激したのがラボであった。
「わあぁ…!!」
J.Jが管理するI・アイランドの設備に比肩する設備、星条旗カラーのシールド型アイテムのレプリカといったヒーローグッズも飾られているが、何より目を惹くのはアンソニーの最高傑作であるメタリックカラーのパワードスーツ。
彼は元ヒーロー、何故かすっぱりと引退したが、自らが造ったアーマードスーツを纏い目覚ましい活躍をしたヒーローであった。
飛行系の個性でもないのに空を自由に飛び回り、パワー系でもないのに車を持ち上げる。
個性社会において、科学を用いて人類の可能性を押し広げた。
その集大成が目の前にある。
科学者の端くれとして、興奮するなという方が無理である。
そうして始まったメリッサの新しい生活は、まずまず順調であった。
科学技術学校での勉強も楽しいし、新しい友人もできた。
同じ学校に通うピーターも何かと親切にしてくれる。家ではアンソニーも交えて議論に熱が入ることも。
面白そうな思い付きはピーターと一緒に2人でラボで実験。オイルや火花が飛び散る事もしばしばで、この前なんかは自動消火装置が作動してまとめて叱られた。
時々飛び入りでアンソニーも交ざる。もちろん叱られるのも。
「私は元気です、この前ー」
電子機器は持ち込めないからと父に週一回手紙を書く。
時折寂しさもあるが、充実した日々。
そんな平穏が破られたのは、夏のあの日だった。
遠く離れた日本で起きた、後に“神野の悪夢”と称される事件。
“平和の象徴”オールマイトの実質引退であった。
「小父さま……」
呼吸器半壊、胃の全摘出におよぶ怪我で彼の身体はすでに限界であったのだ。
痛々しいほどに痩せ細った彼の姿に、メリッサは察してしまった。
父デヴィットが造った装置が、起こした事件が誰の為で、何の為であったかのを。
「メリッサ…」
テレビを見つめるメリッサの肩に心配そうな表情のピーターの手が添えられる。
「いつかこうなると思ってたんだ」
言葉と表情とちぐはぐな態度でアンソニーも溢す。デヴィットほどではないが、彼経由でオールマイトとは付き合いがあった。
それぞれがそれぞれの想いで画面を見つめる。
そしてその会見の主からメリッサへ連絡があったのは、それからそう時間の空かない頃だった。
『私がもう一度、戦えるサポートアイテムを創って欲しい』
父デヴィットはオールマイトのコスチュームの作製に携わり、かつてはサポートアイテムを造ろうともしていた。
けれどもそれは叶わなかった。
どんなアイテムも、オールマイトのパワーに耐えられなかったのだ。耐久性を求めればその分機動性機能性が犠牲になる。
結局納得のいくものは造れず、オールマイトはその身ひとつで戦うことを選んだ。
デヴィットとオールマイトの友好関係は長く、それは2人が学生時代からごく最近にまで続き、デヴィットはオールマイトの身体および個性データの全てを持っている。
最盛期から、骨と皮になった状態までも。
ヴィランを引き入れ事件を起こした父では、しかもその理由を鑑みれば彼がオールマイトのヒーローアイテムを造る事は許されない。
そもそも彼は拘束されている。
しかし、デヴィット個人的の所有するシステムならば、唯一の親族であるメリッサであれば手続きを経て触れることができる可能性が高いのだ。
父に代わり、オールマイトのサポートアイテムを作製する。
メリッサはずっと、幼い頃から父の仕事を見てきた。造るモノを見てきた。
それを引き継ぎ、超える。
メリッサは震えそうになる手を、ぎゅっと握る。
「……やります」
メリッサだって、周りの子たちと同じようにヒーローに憧れた。
けれど、メリッサは無個性だ。
「私が小父さまを助けるアイテムを創ります」
だからヒーローを助ける為のサポートアイテムを造る側を目指した。
「それが、私のヒーロー活動です!」
無個性の八木俊典を、オールマイトを再び『オールマイト』にする。
それはきっと、無個性のメリッサ・シールドの使命だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「却下だ」
協力を仰いだメリッサに、アンソニーはにべもなく「NO」を突き付けた。
オールマイトのオーダーを受けるには、どうしたって設備も道具も素材も必要で、メリッサだけでは用意できない。
メリッサがアンソニーに協力を願い出たのは、何も後見人であるからだけではない。
ヒーローアイテムを超圧縮する技術は確かにある。
しかし、圧縮するアイテムそのものを用意するには自分の力だけでは到底足りない。
デクに渡したアイテムだって耐久力が足りなかった。オールマイトからのオーダーに応えるには、知識と技術、設備も素材も、何もかも。
「お願いです小父さま、力を貸してください」
「ダメだ。オールマイトには僕から断りを入れておく。僕はデヴィットから君を預かってるんだ」
メリッサ側についているピーターからも援護が入る。
「頼むよ父さん。シールド博士がオールマイトが使えるサポートアイテムを造れなかったから「僕が造る!」って造り出したのがアーマーを造るのきっかけだって言ってたじゃない」
「何?僕はそんなこと言ってないぞ」
「酔っぱらうといつも言ってるよ」
アンソニーは酔うと記憶が飛ぶ質である。禁酒しよう、じゃなくても飲み過ぎには注意しようと心に誓った。
「お願いします、小父さま」
「お願いだ父さん」
2人に頭を下げられ続け、とうとう、アンソニーは参ったとばかりに両手を上げた。
hold up。
メリッサたちの勝利である。
協力を取り付けたメリッサは早速とばかりに動き出した。
「チーム代表はメリッサ、君がやれ」
「小父さまでは?」
「君が受けた仕事だ。僕は設備を貸すだけ。まあ、あと資金と資材と、少しは口や手も出すかも」
メリッサにピーターが耳打ちする。
「ごめん。父さん素直じゃないんだ」
「聞こえてるぞピーター」
ついでとばかりにキャスリーン・ベイトースターアンドストライプも巻き込んだ。アンソニーが。
造るモノの性能的に、造っても届けられない危惧があったのだ。
いざとなったらスターアンドストライプにその強権を発動してもらう。
あそこには世界最速の黒い鳥もいる。
何も日本にミサイルを撃ち込もうというわけではないのだから、始末書と減給とアグパー司令の説教と彼の胃か血圧か頭髪かが犠牲になるくらいで済むだろう。
オールマイトを師と仰ぐ彼女は二言と要らず承諾した。
「この構成だと発動までのタイムラグが…」
「ここのアタッチメントはパーツ強度を上げないと衝撃に耐えられないよ」
「あー確か似たような構造のビーム装置が軍にあったな。現物をチラッと見た記憶がある。J.Jにデータ取りに行かせよう」
「私の前で止めてよね」
「じゃあちょっと後ろを向いててくれ。すぐ済む」
真剣な議論の合間合間に冗談を交えながらもやっていることは寝食を削るデスマーチ。
代表者のはずのメリッサとピーターはしばしば研究室から追い出された。
その時間を使って、アンソニーはクライアントに連絡を入れる。
『やあ、アンソニー。迷惑をかけるね』
「なんだ自覚はあったのか。それは良かった。まあいい、君の注文のことだ。No.17は元の使用者データ通りガントレット部分からの噴射式に変更する」
『それは…』
「良いかトシノリ。君やデヴィットは確かに歳上だ。人生の先達。大いに敬おうじゃないか。だけど君と僕なら、親としては僕の方が先輩だ」
だからこそ、この注文は承諾できない。
「僕もきっとそうするだろうね。しかし、それは最後の手段だ。ありとあらゆる可能性を追求し、潰し、最後にそれしかないのなら」
だがそれは、夫として、親としては落第点どころかレッドカードものだ。だからアンソニーはヒーローを辞めた。
そして友として、大人としても。
「たが長い付き合いだ。君が首を縦に振らないことくらい僕はお見通しだ。だから、これは僕の独断にする。
返事も待たずに雑に通信を落とす。
クルクルと椅子を回すして、遠心力も無くなり止まったところで、「はあ」と脱力した。
「まったく、じーさんばーさんは何だって余生を楽しもうと思わないんだか。気が知れない」
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メリッサやピーター、もちろんキャスリーンにも内密に、最終段階で組み込まれたオーダーは、ただ1人に不発を願われながら日本へと届けられた。
アタッシュケースサイズに圧縮されたそれと、と車。
ヴィランの襲撃を受けてもバラバラにならなかった車。
そのどちらも、海を越えて友人たちから、彼等の次代たちから託された。
オールマイトはアタッシュケースを手に戦場を見つめる。傍には地下倉庫から持ち出したエルクレス。
本当ならば、既にこの棺から降りていなければならない身だ。
棺桶に片足を突っ込みつつある身だが、今は、八木俊典には死ねない理由がある。
しかし、ここで大人しく
避難あるいは拘束した中に、娘の姿も名前も未だ無いのに地上に降りられるわけがなかった。
何もせず、誰の、何の役にも立てずにいることなど、出来はしなかった。
「きゃ…!」
「波動先輩!」
死柄木とデクとの戦いは一分一秒を経るごとに激しさを増していた。
仲間が1人、また1人と倒れてゆく。
ミルコはすでに両腕を欠いてる。それでも極太ワイヤーを止血帯代わりに跳ね回っているのは、彼女が生粋の
それでも、それも時間の問題であった。
デクの目の前で、ネジレチャンが吹っ飛ばされる。
すでに皆満身創痍。救けなければ、守らなければ。
頭の中で男のー2代目の声が響く。
『デク、使い所を見誤るな。しくじれば終わる』
解っている。だからと言って、見過ごす選択肢は存在しない。
敵を見据え、瓦礫を足場に『切り札』を切らんと構える。
「何かしようというのがバレバレだ」
断じて死柄木は不気味な笑みを崩さずデクへと迫る。
それを、爆発が吹き飛ばした。
デクの前に、黒い影が降り立つ。
痩身を包むのは鐵、マントすら小さなパーツが形成している。
2本のそり立つ
無個性。故に役目がなかった。故に人の役に立てることが嬉しかった。
無個性。故に戦う方法を求めた。
「私が来た!」
擬似個性再現パワードスーツーアーマードオールマイト。
これはその結果であり過程だ。
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メリッサ
アーマー制作の代表者
アンソニー&ピーター
オリキャラ。
モデルはご存じm○rv○lヒーローのあの人たち。
スターアンドストライプ
権力&テスター担当。あと課金。
引退後は心穏やかに過ごして欲しい。
だけどそれはそれとしてパワードスーツで戦うオールマイトは見たかった。
そう語った彼女は後に来日した際サーと固い握手を交わす。
オールマイト
一時的だが前線復帰。
娘の賠償金用以外は資産ブッパしたけどアレ?何か明細おかしい気がする…?
葬
死に体のため引き続き出番なし。
デク
写真お願いします!!
ここにきてオリキャラを追加する暴挙。
シールド(S.H.I.E.L.D.)博士がいるならいても良いいじゃないスターク博士。そんな思いつきからです。
本当なら時間と文才があればメリッサメインで短〜中編くらいのを1本書くつもりのネタだったんです。
事件後のメリッサの新生活、ほんのり青春ラブストーリー。大人たちの苦悩や思い出話もあったり。
オールマイトから依頼を受けてアンソニーを説得してアーマー制作に取り掛かるも、必要パーツを巡りヴィランに狙われ、ヘタレなピーターくんが漢を見せる。
チームメリッサがアーマを造り上げてオールマイトに届けるまで。
でも本編でアーマードオールマイトを出したくて……
最近パンチの効いたのが書け無いのが悩みです…(血涙)
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