灯里「パラレルワールドとか、異世界とか、自由に行けたら素敵だよね」
藍華「自由に行ければいいけど、帰ってこれないとかだったら困るわ」
灯里「それは、そうかも…」
アリス(キャ)「でも灯里先輩なら、異世界でもでっかい生きて行けそうですけどね」
灯里「えー」
Navigation 1.「その、朝目覚めたら…」
「ん…」
爽やかな朝の光が、目に飛び込んでくる。
「…(あれ?)」
朝の光?
「…なんで外で…しかも森の中で寝てるのわたし!?」
昨日はお仕事終わって…自室に戻って…普通にベッドに入ったはず…。
しかもなぜか制服着てる…?
アイちゃん。
実は今日、私は久しぶりに不思議な体験をしました―。
「かー?」
と、不思議に思う間もなく、すぐ近くからのんきそうな声が聞こえました。
よかった、誰かいる…と思う間もなく、そののんきそうな声でとんでもないことを聞かれました。
「あなたは…食べてもいい人類?」
「ほへっ!?
だ、だめです、だめですよぉ!!!」
そういうと私はその場からすぐに走り出しました。
遠くてのんきそうな声は、「そーなのかー…」と言っているのが聞こえましたが…。
「はぁ…はぁ…」
ひとしきり無我夢中で走っていましたが、何か不思議な空間。
森の中であることは確かなのですが、何か変なものが浮いていたり、変なキノコが生えていたり。
と、その時。
「ぷいにゅー!!!!」
聞き覚えのある声が前からしました。
「あ、アリア社長!!!」
「ぷい…ぷい…ぷいにゅぅ…」
アリア社長、マジ泣きしてます…。
「アリア社長…ここ、どこなんでしょうねぇ…」
「ぷいにゅーい…」
どうやら、アリア社長にもわからないみたいです。
と、ふと下を見ると…。
「きゅー」
「ん? なんだろうこの子…。
なんかかわいい…」
そこには見たことのない、かわいらしい小動物がいました。
「ぷいにゅーい」
「あ、社長のお友達ですか?」
「ぷいぷーい」
「きゅ!きゅ!」
「あはは、そうだったんですね。
かわいいですねぇ…」
「ぷいにゅーい」
「きゅ///」
抱きしめると少し赤い顔になりました。
照れてるのかなぁ。
よく見ると結構立派な角がありますが、そこにはリボンがしてあったり、りっぱなもっふもふのしっぽを持ってたり。
かわいいけれど、みたことはない動物でした。
「それはすくすくハクタクよ」
「すくすく、ハクタク、ですか…」
その小動物とアリア社長が遊んでいると、横から声がしました。
「あなた、こんな森の奥で何をしているの?
見かけない顔だけど…」
「あ、ハイ…実は私もよくわからないんです。
目を覚ましたらここにいまして…それで、さまよっているんですが…。
あ、私、水無灯里と言います、ARIAカンパニーの水先案内人(ウンディーネ)です」
「ARIAカンパニー? ウンディーネ?
まぁいいわ、少しお話聞きましょう。
あ、私はアリス、アリス・マーガトロイドよ。
すぐそこにうちがあるから」
「はい、すいません。
行きますよ、アリア社長、すくすくちゃん?」
「ぷいにゅー!」
「きゅ!きゅ!」
こうして二人と二匹は、アリスさんの家に向かうことにしました。
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます…。
あ、おいしい…」
アリスさんの家に入ると、お手製のクッキーと紅茶でもてなしてくれました。
「そう? 珍しく外の世界から入ってきた紅茶なのだけれど、お口に合ったみたいで」
「外の、世界?」
「あぁ、そうね、どこから説明しましょうか…。
まず、ここは幻想郷といって、あなたがいたはずの世界、こちらでの通称「外の世界」から、忘れ去られたものだけが入ってこれる理想郷なの」
「げんそう、きょう…」
「そう。
時々、あなたみたいに、外の世界の人間が迷い込むこともあるわ。
でも、あなた運がいいわね。
人食い妖怪も割といるから、外の世界から迷い込むと生きて帰れないことも多いのだけれど」
「はひぃぃ…。
あ、そういえば…『あなたは食べてもいい?』みたいなことを聞く女の子がいました…」
「あ、ルーミアね。
人食い妖怪だけど、あの子は素直だから「ダメ」っていえば食べないわ」
「はひぃぃぃ…よかったぁ…」
「それと、後で神社に行きましょう。
本来に迷い込む予定じゃなかった人を戻す役目をする奴に文句言ってやらないと」
「ほへ?
そんな人が?」
「ええ、一から十まで胡散臭いスキマ妖怪よ。
ここの結界の管理をしている…のは霊夢か。
この幻想郷を作った張本人。
まぁ、私はここが好きだからその点は感謝してるけど」
「ほへぇ…」
「でもあなた、珍しい服着てるわね」
「え、あ、はい、そうですか?」
「私、人形を使う魔法使いなの。
人形の服飾に凝ってたら、服の仕立て屋みたいな扱いになっててね。
その服、興味深いわ…少し見てもいい?」
「え、あ、はい、どうぞ…」
「ふぅん…これ、何かの制服?」
「あ、ハイ。
わたし、ARIAカンパニーって会社に勤めてて、そのこ制服です」
「それ、どんな会社なの?」
「えっと、ネオ・ヴェネツィアのお仕事の一つで、水路の多いネオ・ヴェネツィアをゴンドラで観光案内するお仕事をする「水先案内人(ウンディーネ)」の会社です」
「そういえばさっきも言ってたけど、水先案内人(ウンディーネ)って、そのゴンドラ?で観光案内するお仕事なの?」
不思議そうな顔でアリスさんが聞きます。
「そうです。
こないだまで私は半人前でしたが、ようやく一人前の水先案内人になれたところなんです」
「そう…うーむ…なんかおかしいわね」
「ほへ?」
「いえ、なんかおかしいような気がして…。
なんとなく現代じゃないような…ん、まぁいいわ。
とりあえず、スキマ妖怪とコンタクトをとれるところに行きましょう」
「あ、はひっ。
アリア社長、すくすくちゃん、行きますよー」
「ぷいぷーい」
「きゅ!きゅ!」
そういって私とアリア社長はアリスさんについて行くことにしました。
「魔理沙ーいるー?」
「ん? あぁ、アリスか、どうした…ってその子は?」
アリスさんは、すぐ近くにあった『霧雨魔法店』と書かれた場所に来ました。
「あ、この子、外の世界からの迷子。
どうやら、忘れ去られて幻想入りしたとも思えないから、霊夢んところに連れていきたいと思ってね」
「そいうわけか。
アタシは霧雨魔理沙。
普通の魔法使いだ」
「はひっ、水無灯里、ウンディーネです。
通り名は『遥かなる蒼(アクアマリン)』と申します」
「ぷいぷーいにゅ」
「『遥かなる蒼(アクアマリン)』?
外の世界でも通り名があるんだな。
職業が名前に入ってるわけじゃないんだな」
そういって魔理沙さんが首をかしげます。
「あ、ええ、通り名があるのは、ゴンドリエーレの中でも水先案内人(ウンディーネ)だけなので」
「ウンディーネ?
外の世界の職業か?」
「はい、ネオ・ヴェネツィアを観光案内するお仕事です」
「へー、そんな職業があるのか…。
それで、ここには何の用事だ、アリス?」
「だから霊夢のところに行きたいの。
この子外の世界の子だから、空飛べないし、箒にのせてあげて」
「なるほどな。
わかった…」
そういって魔理沙さんは持っていた箒にまたがると、「後ろ」といって微笑みました。
「え、えと…」
「早く乗りなさいよ。
そのためにここに来たんだから」
アリスさんも少し体を浮かべて、それを待っているようです。
「ぷ、ぷいにゅぅ…」
アリア社長も少し後ずさりしますが、それを抱きかかえて意を決して私は箒にまたがりました。
「お願いします、魔理沙さん」
「よし、しっかりつかまってろよ!」
「はひぃぃぃ!!」
「ぷいにゅぅぅぅ!!!」
「あ、魔理沙、待ちなさい!!」
こうしてウッディーさんのエアバイクに乗った時以来の空の散歩が始まりました。
同じころ…。
「ん? なんでしょうか、この…えっ!?」
とある機器を前に驚愕の表情を浮かべたこの女性。
名前を朝比奈みくる。
「時空震だわ…えっ!? 人が巻き込まれて…?
仕方ないですね、この時空震の終点に行きましょう…ってここって…」
彼女はその時空震の場所にさらに驚愕した。
~to be continued~