東方水妖精   作:粟飯原勘一

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 灯里「ずんたかぽーん♪」
 アリス(マ)「なんでそんなに楽しそうなのよ」
 灯里「なんだか、この世界ってすごく楽しいんですよね。ずんたかぽーん♪」
 魔理沙「まったく…本当に帰りたいのかね」
 灯里「ずんたかぽーん♪」
 アリス(マ)「少し、狂気すら感じるわ」
 


Navigation 3.「その、船の上の職業ってば…」

 

「おっし。ついたぜ灯里」

「ふぅ…」

「わーひ、また神社だぁ♪」

「なんでこんなに楽しそうですかこの子は」

「あ、魔理沙さんにアリスさんご夫婦、いらっしゃいませー」

 神社につくと、緑色の髪をした巫女さんが魔理沙さんに近寄ってきました。

「夫婦言うなし」

「あら、お客様もいらっしゃいますね。

 ようこそ、守矢神社へ。

 私、ここの巫女の東風谷早苗と申します」

 ぺこり。

「あ、水無灯里です。

 実は、外の世界?からこの世界に迷い込んでしまったみたいで」

「あぁ、そうでしたか。

 アリスさんとか魔理沙さんにお会いできたのは幸運でしたね~」

 そういえば、アリスさんにもそんなこと言われたっけ。

「ここは怖い妖怪も、いたずら好きの妖精もいませんから、安心してくつろいでくださいね」

「そういうことさ。

 よし、上がらせてもらうかな」

「あ、はいどうぞ~。

 神奈子様はお出かけ中ですが、諏訪子様がいますので」

「なんだ、面白いほうの神様は出かけてんのか」

「何よ魔理沙、私は面白くないって?」

 ひっ!

 急に私の後ろから小さな女の子がすり寄ってきました。

「諏訪子か」

「魔理沙にアリス、久しぶりね。

 えっと、こちらは?」

「外の世界の迷子よ」

「あ、水無灯里です。

 えっと…外でゴンドラで観光案内する仕事をしています」

「私は洩矢諏訪子。

 この神社の神様…なんだけど、神奈子、もうひと柱のほうの神様が実務、私が緊急対応みたいなことやってるよ。

 普段はこの通りお気楽だけどね」

「ほへぇ…神様にもいろいろあるんですね」

「そうさ。

 まぁ私たちみたいに、一つの神社に三柱の神様が同時に存在してるってのは珍しいって聞くけどね」

「えっ、そうなんですか?」

「そうなんですよ!

 普通は、一つのお社に二柱以上の神様がいると、喧嘩してしまってご利益がなくなるんです!」

「うわっ、びっくりしたぁ!」

 早苗さんの突然の登場に、魔理沙さんがびっくり。

 その顔にアリスさんと私が笑っちゃったり。

「でも、この神社には、神様がお三方いらっしゃいますよね?」

「そう。

 外の世界にいたころから、早苗は私たちにとって娘みたいなもんだったし。

 私と神奈子は、諏訪大戦で一度やりあってお互いを認めてるからね」

「ほへぇ…って、大戦!? やりあった!?」

 こんなに優しそうな人が?と思って私は聞き返しちゃいました。

「そう。

 東国の軍神だった神奈子が、土着神だった私の元を攻めてきたのさ。

 最終的に私の信仰の力で何とか勝ったんだけど、負けを認めた神奈子に、私の配下につくってことで私が苦手な実務をお願いしたのさ。

 信仰集めとかをね。

 そして、その二柱が子供のころから見ることができて、まるで私たちの娘みたいに思って、こっちに来るとき連れてきちゃったのが…」

「私、東風谷早苗、なのです!!」

「ほへぇ…えっ、こっちに来たんですか?

 外の世界から?」

 そういえば、アリスさんもそんなこと言っていた気がする。

「あれ、言ってなかったっけ。

 この神社自体と目の前の湖全部、神様三柱の力で外の世界から持ってきたんだって。

 とんでもない神様もいるもんだろ?」

 魔理沙さんも注釈を入れてくれる。

「ほへぇ…湖まで…」

 ふと見ると、湖にボートが浮かんでいるのが見えた。

「…」

「ん? 灯里ちゃん、どうしたんだい?

 あぁ、そういうことか。

 ボート、乗ってみるかい?」

 先ほど、自己紹介で、外の世界でゴンドラに乗っている仕事だと話たのを、諏訪子さんが思い出してくれて、ボートに乗せてくれる許可をくれました。

「はい、ぜひ!」

「あ、私も乗りたい!」

「アタシも乗ってみるかな、灯里の運転なら」

「私も私も!!」

 

「♪~」

 珍しく私も舟謳(カンツォーネ)を歌いながら、湖でボートをこぐ。

 火星(アクア)に来てから今まで、毎日練習していて、手袋無(プリマ)になってからも、お客様を載せたり、買い物に行ったり、毎日乗ってきたゴンドラ。

「なんか…いつも乗ってるボートと少し違う気がする。

 乗り心地はいつも通りなんですけど…。

 灯里さんの運転だからでしょうか?」

「あ、ありがとうございます///」

「それに歌もお上手で…」

「そうね。

 心地いい歌だわ…」

「あ、これ、舟謳(カンツォーネ)っていうんですよ。

 私の仕事では、基本技術の一つです」

「カンツォーネ…つまり、船の上で聞かせる歌ってことかい?」

 諏訪子さんが楽しそうに聞いてくれました。

「そういうことです。

 基本技術には、舟謳(カンツォーネ)・操舵・接客があって、それぞれ同じ仕事をしている人でも、得意分野があります」

「灯里ちゃんは、たぶん接客だな」

「そうね。

 カンツォーネも操舵もうまいけど、やっぱり接客な気がするわ」

「あ、ありがとうございます///

 私最近、ようやく一人でお客様を乗せられるようになって…でも、そういっていただければ嬉しいです」

「一人前なんだね…」

「そっか。

 当たり前に船漕いでるけど、技術力も必要だもんね」

 そんな皆さんの声をBGMに、私はボートを漕ぎます。

 やっぱり、ボートを漕ぐのは楽しいですね―。

 




 
 
 インターローグ:八雲紫の捜索
 
 同じころ、外の世界。
 関西の高級住宅街付近にある、マンションの一室。
「ひっ!?」
「あなた、未来人ね」
「いいいいいいえええ、そそそそんなことは…」
「大丈夫、わかってるから…それに私今少し困っているの。
 それを助けてほしいなーなんて」
「…へ?」
 
  ~to be continued~
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