遊戯王~平凡な精霊王~   作:雲珠

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第十話 お披露目

 

会場に着くと、真面目にデュエルしている人が3割、賞金やレアカード目当ての人が2割、諦めている人が5割見受けられる。

 

………いやいやいや!諦めてる人多すぎだから!

アニメとかではあまり分からなかったけど、海馬君ってそんなに影響力あるのかな…。

まぁ、現実と二次元は違うってどっかの人が言ってたような気もするし、そこら辺は………ねぇ?

 

「《番号211、608の方はBテーブルにお越し下さい》」

「608………私か」

 

いきなり呼ばれたけど、大会に付き物の開会宣言とか無いのかな?

それとも私がエントリーする前にやったとか?

まぁ、待たされない分は楽で良いけど。

 

「あ!キミはさっきの…」

「アナタが相手?」

「そうみたいだね」

 

私の対戦相手は、どうやらさっきの青年らしい。

どんなデッキなのか楽しみだな。

 

「ルールの確認は大丈夫ですか?」

「大丈夫です」

「同じく」

 

不正を監視するための審判に了承を得、デッキをスタンバイする。

先行は相手からだ。

 

『デュエル!』

 

LP2000

LP2000

 

「俺は【黒き森のウィッチ】を召喚し、カードを1枚伏せる。ターンエンドだ」

 

【黒き森のウィッチ】攻1100/守1200

 

うーん、厄介なモンスターが出てきたなぁ。

 

「私のターン、ドロー」

 

私のデッキは、攻撃力高めのモンスター+効果モンスターが入っている。

更に、今回はそれに加えて【青眼の白龍】が加わっている。

どうなるかは微妙だけど………私は楽しめればそれで良い。

 

「【キャノンソルジャー】で攻撃!」

 

【キャノンソルジャー】攻1400/守1300

 

LP2000→1700

 

ウィッチとの攻撃力の差分が相手のライフから引かれる。

だが、相手はニヤリと笑うだけだった。

 

「ウィッチの効果で、デッキから守備力1500以下のモンスターを手札に加える!」

 

相手が手札に加えたは【ハネハネ】だ。

……本当、面倒臭いカードばっかり使ってくるな。

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド」

「俺は【火炎地獄】を発動。相手に1000、自分に500ポイントのダメージを与える」

「ッ…!」

 

ユズ LP2000→1000

相手 LP1700→1200

 

まずい、この時代じゃこのカードはレアカードだったハズ。

つまり目の前にいるこの青年は大会優勝者かそれに相当する人。

……初っ端から強い相手、か。

 

「(楽しめそうね)」

「モンスターを裏守備表示で召喚し、ターンエンドだ」

 

攻撃してこない、ということは相手の手札に私のモンスターの攻撃力を超えるモンスターがいないことになる。

とはいえ、カードを1枚も伏せていないとなると明らかに攻撃を誘っている。

 

…ま、考えてもしかたないか。出たとこ勝負だ。

 

「【キャノンソルジャー】で攻撃!」

「残念だったね。俺のモンスターは【異次元の戦士】!」

「なっ!?」

 

【異次元の戦士】攻1200/守1000

 

【異次元の戦士】の効果は、このカードがモンスターと戦闘を行った時、そのモンスターとこのカードをゲームから除外する。

攻撃を行った【キャノンソルジャー】は【異次元の戦士】と共に除外された。

 

「モンスターを裏守備表示で召喚。ターンエンド」

 

まだ通常召喚を行っていない私はモンスターをセットし、ターンを終了した。

 

「俺のターン!……俺は【アックス・レイダー】を召喚し、攻撃!」

 

【アックス・レイダー】攻1700/守1150

 

このカードは確か、遊戯君の親友の城之内君が使っているカード…。

一応私のデッキにも入っている。攻撃力もノーマルカードの中では強いし。

 

「(…ごめんね)」

 

【王室前のガーディアン】攻1650/1600

 

【アックス・レイダー】の攻撃により、伏せていた【王室前のガーディアン】が破壊された。

 

「俺はこれでターンエンド。キミの番だ」

 

今の私の手札に【アックス・レイダー】の攻撃力を超えるモンスターはいない。

次のドローが勝負だ。

 

「私のターン、ドロー!」

 

―――ドクン…ッ

 

「!」

 

引いたカードから、鼓動が聞こえた。

何のカードかは見なくても分かる。

 

私は静かに周りを見渡した。

 

「(彼は、海馬君は………いるわね)」

 

このデュエルを見ている集団よりも、少し離れた場所にいる彼。

遠巻きにだが、このデュエルを見ている様子が窺えた。

良かった。いなかったらこの子に示しがつかなかったもの。

 

「私は…」

 

ちゃんと見ていて。

このカードが、アナタを求めているのだから。

 

「【青眼の白龍】を召喚!」

「な、んだと…ッ!?」

 

この世界では幻とまで言われる、超レアカードだ。

周りが五月蠅いくらいにざわついた。

背後にも鋭い視線を感じる。

 

「【アックス・レイダー】に攻撃!」

「ぐぁああぁ…ッ!!」

 

LP1200→0

 

流石は最強の座を持つモンスターだけなことはある。

古代エジプトでは、その攻撃力ゆえに「神」と称されたこともあったらしい。

 

「……負けたよ。おめでとう」

「ありがとう。えーと……」

「名乗ってなかったっけ?俺は楠木智哉。智哉って呼んでくれ」

「私はユズ。楽しいデュエルだったわ、智哉」

「こちらこそ」

 

お互いに握手を交わし、応援のエールを貰った。

 

さて、後の問題は海馬君ね。

穏便に済ませられたら良いんだけど…。

 

 

 

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