「到着!」
はい、ついに来ましたアメリカ!
ここに来た理由は色々とあるけど………今の目的はバンデット・キースかな。
原作じゃあ卑怯で狡猾な無法者だったけど、この時点では不敗伝説を打ち立ててるデュエリストの1人だ。
ある意味、こんなレアな場面を見れる機会は他に無い。
「(ま、デュエルには参加しないけど)」
あくまでも私は見に来ただけだ。
運が良ければペガサスも見たいけど、原作に入ったら見られるし。
遊戯君に着いて行く気満々ですが何か?
「っと、早く行かないと終わっちゃう」
私はちょっとだけ空間を歪め、精霊化して会場へと足を踏み入れた。
「うわっ、凄い人数…」
あまりの人数に、精霊化している私にすら熱気に当てられそうだ。
……まぁ実際には感じないんだけど。
「流石はアメリカだなぁ」
人も多ければ、会場も大きい。流石はデュエルモンスターズ発祥の地だけなことはある。
日本がここまで追いつけるようになるのは、海馬君が社長になってからだ。
うーん、海馬君様々だね。遊戯君にマイクラされた後くらいからは労ってあげよう。
いくら私でも、原作当初の海馬君は許せないし。
「あ、いたいた」
人混み+精霊たちの間から、目的の人物を見つけた。
隣にいる精霊は【リボルバー・ドラゴン】かな…?
使ってるデッキは機械族が中心みたい。
《ナ、何故王ガ…?》
あぁ、やっぱり精霊同士だと気付かれるのが早いな。
なんて言うか……こう、波長?みたいなのがあるんだよねぇ。
「私のことは気にしなくても良いよ」
《デ、デスガ…!》
「ほら、キミの出番だよ」
《!》
ひょいっとキースを指せば、今まさに手札から【リボルバー・ドラゴン】を出そうとしていた。
……しかし、この効果は卑怯すぎるなぁ。
OCG効果ならコイントスを3回やって、その内の2回以上が表だったらモンスターを破壊出来る。
だけど、この世界じゃ“3つの銃身”が独立してるから、確立はそれぞれ1/2だ。
最大でモンスター3体を破壊出来る。
これをズルいと言わずに何と言うんだ。
「(もし対戦することがあったら【落とし穴】とかで召喚を無効にしよう)」
私の頭じゃ、それぐらいしか対抗策が思いつかない。
リボルバーには悪いけど、ね。
《オ、王》
「あぁ、お疲れ様」
僅かばかり緊張した面持ちで戻って来たリボルバー。
格好良かったよ。と言えば、嬉しそうに笑った。
精霊って私の前だと素直だから、本当に可愛いよねぇ。
だからかなぁ、魂の宿ったカードを渡す時は母親的な気分になるんだよ。
まぁ、すぐに精霊界で会えるんだけどね。
「(さて、次はどこに行くかな…)」
一応キースのデュエルは見れたし、この上ない達成感だ。
やはり不敗伝説を立てているだけのことはある、見事な策略と手腕だった。
ペガサスに負けなければ、デュエリストの誇りは保てたのかな…。
けど、人生が堕落したのをペガサスの所為にするのは言い訳だ。
確かにそれの発端が彼だったとしても、いくら罵られようとも、彼は誇りを捨てるべきじゃなかった。
「(負けた人が敗者?……私はそうは思わない)」
負けを活かせないから、敗者なのよ。
私はキースに向かってクスリと笑みを零し、そのまま精霊界へと帰った。
願わくば、貴方が変わることを祈って。………なんてね?