遊戯王~平凡な精霊王~   作:雲珠

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第十二話 不敗の伝説

 

「到着!」

 

はい、ついに来ましたアメリカ!

ここに来た理由は色々とあるけど………今の目的はバンデット・キースかな。

原作じゃあ卑怯で狡猾な無法者だったけど、この時点では不敗伝説を打ち立ててるデュエリストの1人だ。

ある意味、こんなレアな場面を見れる機会は他に無い。

 

「(ま、デュエルには参加しないけど)」

 

あくまでも私は見に来ただけだ。

運が良ければペガサスも見たいけど、原作に入ったら見られるし。

遊戯君に着いて行く気満々ですが何か?

 

「っと、早く行かないと終わっちゃう」

 

私はちょっとだけ空間を歪め、精霊化して会場へと足を踏み入れた。

 

「うわっ、凄い人数…」

 

あまりの人数に、精霊化している私にすら熱気に当てられそうだ。

……まぁ実際には感じないんだけど。

 

「流石はアメリカだなぁ」

 

人も多ければ、会場も大きい。流石はデュエルモンスターズ発祥の地だけなことはある。

日本がここまで追いつけるようになるのは、海馬君が社長になってからだ。

うーん、海馬君様々だね。遊戯君にマイクラされた後くらいからは労ってあげよう。

いくら私でも、原作当初の海馬君は許せないし。

 

「あ、いたいた」

 

人混み+精霊たちの間から、目的の人物を見つけた。

隣にいる精霊は【リボルバー・ドラゴン】かな…?

使ってるデッキは機械族が中心みたい。

 

《ナ、何故王ガ…?》

 

あぁ、やっぱり精霊同士だと気付かれるのが早いな。

なんて言うか……こう、波長?みたいなのがあるんだよねぇ。

 

「私のことは気にしなくても良いよ」

《デ、デスガ…!》

「ほら、キミの出番だよ」

《!》

 

ひょいっとキースを指せば、今まさに手札から【リボルバー・ドラゴン】を出そうとしていた。

 

……しかし、この効果は卑怯すぎるなぁ。

OCG効果ならコイントスを3回やって、その内の2回以上が表だったらモンスターを破壊出来る。

だけど、この世界じゃ“3つの銃身”が独立してるから、確立はそれぞれ1/2だ。

最大でモンスター3体を破壊出来る。

これをズルいと言わずに何と言うんだ。

 

「(もし対戦することがあったら【落とし穴】とかで召喚を無効にしよう)」

 

私の頭じゃ、それぐらいしか対抗策が思いつかない。

リボルバーには悪いけど、ね。

 

《オ、王》

「あぁ、お疲れ様」

 

僅かばかり緊張した面持ちで戻って来たリボルバー。

格好良かったよ。と言えば、嬉しそうに笑った。

精霊って私の前だと素直だから、本当に可愛いよねぇ。

だからかなぁ、魂の宿ったカードを渡す時は母親的な気分になるんだよ。

まぁ、すぐに精霊界で会えるんだけどね。

 

「(さて、次はどこに行くかな…)」

 

一応キースのデュエルは見れたし、この上ない達成感だ。

やはり不敗伝説を立てているだけのことはある、見事な策略と手腕だった。

ペガサスに負けなければ、デュエリストの誇りは保てたのかな…。

 

けど、人生が堕落したのをペガサスの所為にするのは言い訳だ。

確かにそれの発端が彼だったとしても、いくら罵られようとも、彼は誇りを捨てるべきじゃなかった。

 

「(負けた人が敗者?……私はそうは思わない)」

 

負けを活かせないから、敗者なのよ。

 

私はキースに向かってクスリと笑みを零し、そのまま精霊界へと帰った。

願わくば、貴方が変わることを祈って。………なんてね?

 

 

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