遊戯王~平凡な精霊王~   作:雲珠

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短い小説を書くことに定評の無い作者こと雲珠(うず)です。
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第四話 千年パズル

 

ふわりと柔らかい風が私を撫でる。

目を開けると、綺麗な青が広がっていた。

 

「……帰って来たんだっけ」

 

上半身を起こし、周りを見渡す。

そうだ、私は精霊界に帰って来たんだ。

まぁ、私は人間界に戸籍が無いから、帰るところは此処しかないんだけどね。

 

《王よ》

「ん?……あぁ、どうしたの?」

 

声を掛けられた方向には、片膝を付く【ブラックマジシャン】がいた。

いや、正確には“マハード”と呼ぶべきか。

 

《この度は私の願いを叶えて下さり、光栄にございます》

「気にしなくていいよ。私はアナタ達に幸せになって欲しい」

《勿体無きお言葉です、王》

 

願いというのは、彼が“遊戯君の所に行きたがっていた”というヤツだ。

そんなに畏まれてお礼を言われるほどじゃない。

今までの精霊王がどうだったのかは知らないけど、私は民を幸せに出来る王でありたい。

 

私は静かに笑みを漏らし、空を見上げて呟いた。

 

「そろそろ行こうかなぁ」

 

人間界に。

 

遊戯君との約束もあるし、デュエルモンスターズの大会にも出てみたい。

そんなに大きい大会には出れないけど、町内会あたりだったら大丈夫かな?

危ない橋を渡りそうになったら即逃げればいいだけだし。

一回逃げれば後はこっちのモノだ。

 

「じゃあ皆、留守はよろしくね」

《お任せ下さい、王》

 

他の精霊たちにも一、二言の言葉を交わし、人間界へと飛んだ。

 

 

 

「あ、おねぇちゃん!」

「こんにちは、遊戯君」

 

再び遊戯君の家へとやって来た私。

ぱたぱたと駆け寄ってくる遊戯君を可愛いと思いながらも、その手にある金色の箱に目がいった。

ウジャドの目が特徴的なソレは、私の記憶を深く抉った。

 

「(千年、パズル…!)」

「おねぇちゃん?どうかしたの?」

「あ、ううん。その箱…」

「これ?じいちゃんからもらったんだ!」

 

ニッコリと笑う遊戯君に、原作の面影を見た気がした。

だけど、これが完成するのは8年後。

遊戯君が高校1年生になってから。

まだまだ時間はある。

 

「中には何が入ってるの?」

 

答えは知っているが、下手に口走って疑問を持たれては駄目だ。

今の内に遊戯君から聞けば心的に楽になる。

 

「……だれにもいわない?」

「大丈夫。誰にも言わないわ。……教えてくれる?」

「うん!あのね、」

 

耳元でコソリと教えてくれた遊戯君。

その千年パズルに何を願っているのかも教えてくれた。

 

「(親友が欲しい、か)」

 

大丈夫よ、遊戯君。その願いは必ず叶う。

私は知っている未来を言う訳にもいかず、静かに遊戯君の頭を撫でた。

 

「頑張ってね」

「うん!」

 

原作まで、あと8年。

 

 

 




取り敢えず千文字クリア
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