遊戯王~平凡な精霊王~   作:雲珠

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第八話 一時の休息

 

あの後、マリクの父親に「今回のマリクの行動はファラオの意思だ」とか何とか言って、今回の件は不問にしてもらった。

やっぱり権力(?)って大事だね。

私が精霊王だと発覚した途端、態度が変わるんだから。

 

「(遊戯君とかにも畏まられたら、ちょっと悲しいけど…)」

 

まぁ、彼なら普段通り接してくれるだろう。

その前に私がバラさなきゃいい話だし。

 

「…うっ……」

「おはよう」

「!あ、貴女は……」

 

椅子に座り、目が覚めた彼に笑いかける。

彼には私の正体を話しておかないといけない。

きっと、必要なことだと思うから。

 

「リシド」

 

マリクの闇と痛みを共有する、彼には。

 

「……貴女の正体は、分かっています」

「そう。聞いていたのなら話が早いわ」

 

実際、彼があの時起きていたのは知っていた。

それでも黙っていたのは、話を円滑に進めるため。

 

「話し…?」

「単刀直入に聞くわ。あのマリクを見ていた?」

「……はい。ですが、マリク様はあんなこと出来るハズありません…!」

「彼はマリクであってマリクではない」

「?」

 

リシドは意味が分からないというように首を傾げた。

ま、それが普通の反応だし。

 

「あのマリクは、マリクの心の闇によって作られた人格。所謂、二重人格よ」

「マリク様の…?」

「今は私の力で眠っているけど長くは持たないわ。それに、私はもうココにいる訳にいかない」

 

全国を見て歩きたいし、デュエルの大会にも出てみたいし←

 

「なら、どうすれば…っ!」

「アナタの顔に刻まれた古代文字」

「……これが、何か…?」

「それはマリクの苦痛を共有するためのモノでしょう?」

「何故、貴女がそれを知って…」

 

彼の問いに、私は意味深に笑う。

アニメで見たから。なんて言えないので、勝手に勘違いして欲しい。

出来れば「精霊王だから」が一番無難だけどね。

 

「その刻まれた文字の意味は大きく、そして重い。アナタにとっても、マリクにとっても……ね」

 

気を付けなさい。

それが、あのマリクを封印できる唯一の方法なのだから。

 

私はそう言うと、椅子から立ち上がった。

 

「今のはどういう意味…ッ!」

「そのままの意味よ。私なら助けてあげるけど“私”はもう手を貸さない。これはアナタたち人間の問題なのだから」

 

精霊王の“私”は、あまりこちらの世界に干渉できない。

私の下の存在とはいえ、神であるオシリスを呼び出したせいで力も大分弱まっている。

精霊界での休養が必要になるかなぁ…。

 

「もう行くわ。そろそろ、私の力も限界みたいだし」

「待って下さい!私は…!」

「生きなさい。マリクにとって、アナタの存在は支えであり家族よ」

 

私はリシドの目を大きく開かれるのを見ながら、精霊界へと姿を消した。

 

 

 

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