私は天童寺さりな。
今大変な時期に入っている新人アイドル
ルビー「さりなさん、本番ですよ!」
さりな「わかった、すぐ行く!」
まぁ私のいる芸能界って結構大変だし、年末年始は特番とかで忙しいから仕方ないんだけどね。ただ私は周りとは少し違うのは、ちょっと特殊というか変わり者扱いされてることぐらいかな。
それもそのはず、私は難病にかかりそれが原因で一度死んだ。
でも未練が残っていた。それはアイドルになりたかった、ただそれだけの未練が残ってしまった。
そんな時だったと思うんだけど、あの人と私は出会った。後にアイの旦那さんになる人で緋色の魔剣士と呼ばれることになるレヴナント、三日月キョウスケさんに。
私は魂と記憶が集まる場所にいた、肉体はもう無いけど魂という形で実態を作ることができていた。
誰が私をここに呼んだのかわからなかったけど、そこで私はあの人と出会った。その人は肉体は別の場所にあって眠っているのかもしれない。ただこの場所にいる人達とは雰囲気が違っていた。
「運がいいな」
「え?どうして?」
「なんせ俺が世話役だからだ」
「私の世話役?」
「レヴナントとしてのな」
「え?レヴナント?」
私は聞き慣れない単語に困っていた
そもそもレヴナント自体がよくわからない。
一体なんのことかもまだよくわかっていない。
「これからどうなるの?」
「レヴナントとして、生きていた世界に生き返らせる」
「私を?」
「うん」
どうやらここは元いた世界へ生き返らせる為にある場所みたいだった。
しかもレヴナントとして私の住む世界に帰すことが目的だったのもあり、驚きを隠せなかった
「さて立ち話もなんだし、早速だけど基本的なところからやっていこう」
その人は剣を手に施設へ私を案内してくれた
施設はかなりシンプルな作りだったけど必要な物はちゃんと揃っていた。
「これ持ってみて」
「こう?」
「うん、構えはもう少しこうしたらいい」
まずは剣の構え方や体力作りをし始めた
私は病気で身体をあまり動かせてないことがあったのもあって最初はきつかった。特に寒さが厳しいところは息が上がりすぎて過呼吸になったことも多かった
そんなある日私はその人にあることを聞いた
「どうしてここまで大切にしてくれるんですか?」
体力のない私をここまで大事にしてくれる人はせんせー以外いなかった。だから気になっていた
「そうだな、誰かに似てるからかな」
「え?」
「ソイツはとにかく頑張り屋で仲間思いだったからな」
私はその人に似ているらしく、何故か涙が出てきた
そんな風に言われたことがなかったのもあるし、大事にされていることに初めて気づいた。
「この世界の1年は元いた世界の6倍、6年に相当する。努力次第では半年ぐらいで元の世界に帰れる」
「半年、つまり3年ぐらい?」
「そんぐらいかな」
それが分かればやる事はわかった
3年以内に生き返えってせんせーに会う
それを目標にしてわたしはまた頑張り始めた
時は流れて目標だった3年がたった
最初の頃に比べ、体力もつき日常生活に支障がないレベルまでなった。それに1人で深層や探索も行けるようになり、実力もついてきた。
当然元いた世界の事もたくさん勉強して大学院レベルの知識を身につけていたし、戻った時に備え資格もたくさん取った。
そして元の世界に帰るための最終試験、指定深層踏破の日がやってきた。これは元の世界に帰る前に相互扶助ができるかの確認などを兼ねた試験らしく、合格すれば元の世界に帰れるし、帰る期日を定め、その日が来るまではここで世話役や試験監督官として過ごしていい、また合格できなくても再度試験を受けていいというもの。
「試験当日は世話役と行くこと、指定深層は天牢の雪獄...寒いところかぁ」
「一緒に行って倒してこいってことだろうな」
私が最終試験で行く指定深層はやはり寒いところになった。最初の頃はかなり苦戦したし、過呼吸にもなったあの場所だ。
しかもこの深層には変わった主がいるらしく、それを倒してブラッドコードを手に入れるまでが試験になっているそう。
ただ私が幸運だったのは、相方が私を鍛えてくれたあの世話役の人だった。
「そういえばまだ名前聞いてなかったよな」
さりな「私はさりな、天童寺さりな」
キョウスケ「俺はキョウスケ、先走って崖から落ちるなよ」
そんな話をしながら私達は目的の深層へ向かった
迎えた試験当日はやはり寒かった
いのり「試験監督は私だから頑張ってね」
この人は言の葉いのりさん、まだこの時は試験監督だったけど、後にレヴナント評議会の議長になる人。あとから知ったんだけど、実は時の女神だったらしく私を連れてきた命の恩人だった。
キョウスケ「行ってくる」
さりな「キョウスケさん、頑張ろ!」
キョウスケ「ああ」
いのり「お気をつけて」
天牢の雪獄...凍てつく氷の大地が広がり、気温は零度からマイナスになる極寒の環境
この場所にいる主を倒してブラッドコードを手に入れたら試験は合格になる。
キョウスケ「冷えるから着込んどきな」
さりな「うん」
牙装も寒さ対策を考え、厚手のものを着てきた
寒いと集中が切れて戦えない
キョウスケ「左からいこう」
さりな「うん」
左のルートから順にロストを倒し、封印を解く鍵を手にようやく本題の場所についた
そう最終試験最後の課題は、その先にいるバケモノを倒してブラッドコードを手にしなければならないこと。
キョウスケ「準備いい?」
さりな「うん」
封印を解きその先にいたバケモノ、大崩壊を起こした時にこの場所を氷河にした蒼白い光を放っていた。
キョウスケ「こいつを倒せばクリアだ」
さりな「やるしかない、私はせんせーにもう一度会うんだ!」
その戦いは熾烈を極め、長期戦になった
キョウスケ「危ねぇ!」
さりな「隙ができれば」
なかなかの強敵で隙がない
そんな時、私はある事に気づいた
さりな(アレを狙えば...)
浮いている氷さえ止めれば一時的ではあるけど、攻撃が弱くなると思った
さりな「キョウスケさん!あの氷狙って!」
キョウスケ「あの浮いてる氷を?」
さりな「もしかしたら、攻撃が弱くなるかも」
キョウスケ「わかった」
実際にやってみない事にはわからないけどやるしかなかった。
私の予想は意外な形で当たる
キョウスケ「動きが鈍った⁈」
読み通りって感じになったのか、動きが鈍くなった
この隙を狙い私は全力で氷土を走る
さりな「絶対逃がさない!」
そして
さりな「私はもう一度、せんせーに会うんだ!」
この一撃が決まり私は氷獄の深層にいたバケモノを倒した。
バケモノが倒れ、消滅した後に赤く光る石のようなものを見つけた。あのバケモノが落としたものらしくこれを私が触り同化すれば試験は終了、合格である。
さりな「大丈夫だよね?」
キョウスケ「自分と俺を信じろ」
キョウスケさんの一言に後押しされ、私はそれに触れる。
さりな「アグっ!」
触った手にくる強烈な痛みが私を襲った
これはかなり痛い、元の世界にいた時の病気で痛みに襲われたことがあったけどその倍の痛みが走った。
しばらくして痛みは消え、その石は消えていた
同化に成功したらしく、意識もしっかりしていた。
さりな「アレ?なんか着込んでた牙装が変わってる?」
キョウスケ「多分あのバケモノのブラッドコードの影響だろうな」
あのバケモノの影響だとしたら納得ができた
それと同時に私は自覚した。
この力は私が大切な人を守る為にある力
いのり「合格だよ、頑張ったね」
さりな「ありがとう」
そして試験は合格となり、私は当面の間キョウスケさんの世話役のお手伝いをすることになった。
世話役のお仕事をして何か得られそうな気がしたからっていうのもあった。
これがまさかの再会を果たすことに繋がることを私はまだ気づいていなかった
さりなちゃんの復活秘話
そしてこの選択がまさかのあの人と再会に繋がるとは