仮面ライダーギーツエクストラ 追憶:知られざるゲーム   作:ロンギヌス

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第12話の更新です。

後少しでギーツの放送が終わってしまうのかと思うと、どこか寂しいものを感じます。

そんな作者の呟きはさておき、今回もどうぞ。

ちなみに第2回オリジナルライダー募集ですが、8月18日の午前0時を迎えると同時に締め切りますので、何か送りたいと思った方はお早めに。












・主なプレイヤー

小林紬/仮面ライダーハーム
我那覇冴/仮面ライダーロポ
宗像勇海/仮面ライダーオルカ
浅利切人/仮面ライダーターボン
雪ノ下幸/仮面ライダーホワイティー
榎本龍之介/仮面ライダーグリズ
浮世英寿/仮面ライダーギーツ

参加人数:30名

現在生き残っている人数:4名



















ところで、これまで紬に関する伏線を色々仕込んできたけど、意外と誰も気付かないものなんだなぁ……まぁその方が都合が良いか。










第12話:戦う理由

「あぁ……疲れた……」

 

その日。

 

学校の授業が終わり、帰宅する生徒や部活に向かう生徒がいる中で、紬は机に突っ伏していた。

 

何故彼女がこうなったのか?

 

その答えは至って単純、冴のトレーニングによる疲労である。

 

冴のトレーニングもあって、ある程度は1人でもジャマトと戦えるようになった紬。

 

しかし、いくらそれなりに強くなったと言っても、紬はデザイアグランプリの初心者。

 

慣れない戦いは、紬の体にかなりの疲労を与えていた。

 

特に最初の第1回戦が終わった後、その翌日は筋肉痛でまともに動けなかったくらいである。

 

少しでも戦いに慣れなければならない。

 

もっと強くならなければならない。

 

そんな気持ちから、紬は今現在も、冴の指導によるトレーニングを続けてきていた。

 

だからこそ、それによる疲労も相当なものだった。

 

(とはいえ、最初の頃に比べたらだいぶマシにはなってきたかな? この調子で、もっともっと強くならなくちゃ。でないと、また3人に迷惑かける事になっちゃうし……)

 

紬の脳裏に浮かぶ、数日前の出来事。

 

デザイア神殿から立ち去る前、紬は英寿達とこんなやり取りがあった。

 

 

「にしても、紬ちゃんも凄いよね」

 

デザイア神殿のロビー。

 

ツムリが「次の最終戦までごきげんよう」と告げてから立ち去った後、勇海は紬に語りかけた。

 

「全くの初心者だったのに、まさか最終戦まで生き延びるなんてさ」

 

「1回戦での戦いを見た時から思っていたが、これはなかなか、手強いライバルが生まれたかもしれないな」

 

「い、いやぁ、手強いって……私なんてまだまだですよ」

 

勇海と英寿から称賛され、紬はイヤイヤと否定しつつも、その表情は嬉しさを隠し切れていなかった。

 

しかし、それで紬が調子に乗らないよう、冴は釘を刺しておく事を忘れない。

 

「と言っても、私からすればまだまだだけどね。見た感じ、あなた相当疲れてるでしょ?」

 

「うっ……はい、その通りです」

 

冴から指摘された通り、この時点で紬はだいぶ疲労が溜まっており、気を抜くとその場に倒れそうな状態だった。

 

その事に気付いていた冴は、溜め息をついてから紬に告げる。

 

「とりあえず、明日と明後日はトレーニングなし。最終戦までまた期間が開くでしょうし、しっかり休みを取りなさい。それと、学校での勉強もちゃんとやる事。まだ学生でしょう? デザグラにばかり集中して、授業についていけなくなるといけない」

 

「は、はいぃ……言う通りにしますぅ……」

 

「いやぁ、学生は大変だねぇ」

 

「全くだな」

 

紬の場合は学校の授業もあり、そちらにもちゃんと意識を向けなければならないためかなり大変である。

 

一方、勇海の場合は仕事には就いていないが、動画配信者としてかなりの広告収入を得ており、金銭面で特に不自由はない。

 

英寿に至っては、過去のデザイアグランプリで【俺が働かなくても暮らせる世界】という願いを叶えているため、この4人の中では彼が一番余裕があるのだ。

 

「とはいえ、休んだ方が良いのは確かだろうな。最終戦は、これまでのゲームとはレベルが違う」

 

「そ、そんなに大変なんですか……?」

 

「うん、ヤバいよ」

 

英寿の言葉に続くように、勇海が紬に告げる。

 

「紬ちゃんも、前回のデザグラに巻き込まれた時に見たでしょ? あのやたら大量にいたジャマトを」

 

「あぁ~……え、あれ全部相手取らなきゃいけないんですか……?」

 

紬の脳裏に思い浮かぶ、前回のデザイアグランプリに巻き込まれた時の記憶。

 

街中に大量発生したジャマトの大群を思い出した紬は、これから自分もそれほどの数のジャマトを相手取らなければならないのだと気付き、顔を青ざめさせた。

 

「更に言うと、最終戦ではラスボスも来るからね」

 

「ラスボス?」

 

「簡単に言うと、めっちゃくちゃ強いジャマト」

 

ラスボス。

 

デザイアグランプリの最終戦で必ず現れる、超強力な力を持つジャマト。

 

最終戦では大量のジャマトに加え、そのラスボスまで一緒になって襲って来るのだから、最終戦に挑むプレイヤーは毎回命懸けなのだ。

 

「とはいえ、ラスボスは無理に倒す必要はないよ。ラスボスは強過ぎて、倒せない場合がほとんどだからね」

 

「だからこそ、油断は禁物なの。たった1つの判断ミスが死を招く……それが最終戦よ」

 

「っ……」

 

たった1つの判断ミスが死を招く。

 

冴の言葉を聞いて、紬はゴクリと唾を飲み込んだ。

 

「それと、この最終戦は私達も本気で勝たせて貰うから、そのつもりでいなさい」

 

「デザ神になれるのは1人だけだ。ハーム、お前も理想の世界を叶えたいのなら、俺達を出し抜いてでも勝ちに行くつもりで行け」

 

「俺にも叶えたい理想があるからね。悪いけど、いつまでも紬ちゃんを助けながらの戦いはできない……まぁ、本当にヤバくなった時は可能な限り助けはするけど、基本的に自分の身は自分で守ってねって話」

 

この最終戦で全てが決まる。

 

故に、ここから先は本当に4人全員がライバル同士となる。

 

本気で勝ちに行かなければ、デザ神になれず、理想の世界は叶えられない。

 

「怖いなら棄権するという手もありだが、どうする?」

 

「いえ。どれだけ危険な戦いであっても……それでも私は、成し遂げなければならないんです……ここまで来たからには、私も最後まで全力で戦います! 私の理想を叶えるためにも……!」

 

最後まで戦い抜く決意を固め、一同にそう宣言する紬。

 

それを聞いて、英寿もニヤリと笑ってみせた。

 

「その意気だハーム……だが、残念だったな。デザ神になるのは俺だ」

 

「おっと、出たね。英寿君の圧倒的自信」

 

「その無駄に大きな自信、今度こそ私が崩してやる」

 

笑みを浮かべながら挑発的な台詞を言い放つ英寿に対し、勇海は慣れた様子で苦笑し、闘志を燃やした冴が強く睨みつける。

 

その中で、紬は拳を強く握り締めていた。

 

(皆、自分の叶えたい願いのために本気なんだ……それなら私も、全力で臨まなきゃ……!)

 

 

そんなやり取りがあった後。

 

冴から言われた通り、2日間しっかり休みを取った紬は、また普段通りの日常を過ごしていた。

 

学校がある日は、学校で授業を受け。

 

時間に余裕がある時は、冴の下でトレーニングを行い。

 

デザイアグランプリ最終戦が始まる時を、紬は待ち続けていた。

 

(皆は真剣に理想のために戦っているんだから、私がまた皆を困らせる訳にはいかない……)

 

「―――い」

 

(そのためにも、もっともっと強くならないと……)

 

「―――おい」

 

(そうじゃなきゃ、私は……!)

 

「ねぇ紬ってば!」

 

「おい、止まれっての!」

 

「ふぇっ!?」

 

突然、後ろから制服の首根っこを引っ張られた紬。

 

驚いた紬が慌てて振り向くと、そこにはさゆりと、ヘルメットを被った作業員の青年の姿があり、2人は怒った表情を浮かべていた。

 

「あぁもう、やっと気付いてくれたわ……」

 

「あ、え? ど、どうしたのさゆりちゃん?」

 

「どうしたのじゃねぇよ。そこは工事中だから入るなって、さっきから何度も言ってんだろ」

 

「へ?」

 

さゆりの代わりに作業員の青年が答え、それを聞いた紬はハッと気付いた。

 

この時、家に帰宅している真っ最中だった紬とさゆり。

 

2人が歩こうとしていた道の先では、ちょうど1件のビルが改装工事中であり、当然一般人は立ち入り禁止となっている。

 

しかし、考え事をしていた紬はそれに気付かず、そのまままっすぐビルに向かおうとしてしまい、それを見たさゆりと、たまたまそれを目撃した作業員の青年が慌てて止めに入ったのである。

 

「歩く時はちゃんと前見て歩け。何かあってからじゃ遅いだろうが」

 

「ご、ご、ご、ごめんなさい! 考え事をしてて、全く気付いてませんでした! 以後気を付けます!」

 

「本当にすいませんでした! うちのバカ親友が!」

 

作業員の青年から注意され、紬は大慌てでペコペコと頭を下げ、さゆりも彼女と一緒になって頭を下げる。

 

その後、二人の謝罪を受けて「次からは気を付けろよ」とだけ告げた作業員の青年は、ビルから離れて行く2人の後ろ姿を確認した後、ビルで作業中の同僚達と合流するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ道長、ちょうど良いところに」

 

「透か。どうした?」

 

「親方がお前の事探してたぞ。資材運ぶのにちょいと人手がいるんだと」

 

「わかった、すぐ行く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、あんたって奴は」

 

「うぅ……やらかしちゃった……ごめんね、さゆりちゃん」

 

工事中のビルから離れた後。

 

自身の不注意で危ない事をしそうになった紬は、自身と共に謝罪してくれたさゆりに罪悪感を抱いていた。

 

それに対し、さゆりはハァと溜め息をつく。

 

「ねぇ紬、本当に大丈夫なの? 最近ちょっと変じゃない?」

 

「そ、そう……?」

 

「どう考えたってそうでしょ。今日も授業中にボーッとしてて先生に注意されてたし。なんかいつもの紬じゃないみたい」

 

「うっ……」

 

さゆりの言っている事はその通りだった。

 

デザイアグランプリに関わるようになってからというもの、紬はデザイアグランプリに関する事ばかり考えるようになり、そのせいで普段の日常生活でも考え事をする事が多くなっていた。

 

そのせいで、授業中も授業を聞いてなくて教師に注意されたり、先程のようにうっかり立ち入り禁止の場所に入ってしまいそうになったり。

 

そうなる可能性を危惧していたからこそ、冴は予め紬に「勉強もちゃんとやるように」と伝えていたのだが、結局のところ、紬はあまりその言いつけを守る事はできていなかった。

 

「まさかとは思うけど、あんた、何か悩みでもあるんじゃないでしょうね?」

 

「い、いや、別にそういう訳じゃ……」

 

「嘘つかないで。ここ最近のあんた、明らかに様子がおかしいんだから」

 

流石に何かおかしいと思ったのか、さゆりは紬に詰め寄る。

 

しかし、デザイアグランプリに関する情報は明かせない以上、今の紬はさゆりに真実を伝える事はできず、何とか誤魔化すしかなかった。

 

「ほ、ほら、前に読書してて夜更かししちゃったって話したでしょ? その時に読んでいた本が凄く面白くて、ついつい読みふけっちゃう事が多くなって……」

 

「……まぁ、あんたが読書好きなのは知ってるけどさ。本当にそれだけ?」

 

「そ、それだけ! うん、それだけだから!」

 

必死に誤魔化す紬に対し、今もジーッと疑いの目を向け続けるさゆり。

 

しかし、これ以上問い詰めても無駄だと悟ったのか、さゆりは再び溜め息をついた。

 

「はぁ……わかった。とりあえずはそういう事にしといてあげる。けどね、もし体の具合が悪いとか、そういうのが少しでも感じられたらすぐに言いなさい。良い?」

 

「うん……ありがとう、さゆりちゃん」

 

「当然でしょう? 私はあんたの親友なんだから! 困った時はいつでも頼りなさい!」

 

ひとまず、この場は深入りしない事にしたさゆりに、紬は笑顔でお礼を言う。

 

さゆりの優しさに感謝の念を抱きつつ、その内心では密かに安堵の感情も抱いていた。

 

(良かった……なんとか乗り切れた……)

 

 

それからまた数日後。

 

「良いよ、その調子! 集中を切らさないようにね!」

 

「はい!」

 

デザイア神殿のトレーニングルームにて、この日も紬は冴の下で、トレーニングに励んでいる真っ最中だった。

 

穏やかな河原が再現された空間の中、紬はハーム・ビートフォームの姿に変身し、仮想ジャマト達を相手に奮闘している。

 

冴の呼びかけに返事を返しつつも、ハームは向かって来る仮想ジャマト達をビートアックスで蹴散らしていく。

 

「ジャーッ!」

 

「ほっ!」

 

≪REVOLVE ON≫

 

仮想ジャマトのパンチをバク転でかわしたハームは、その勢いを利用してボディを変化させ、ビートフォームの装甲を下半身に装備。

 

向かって来た仮想ジャマトを右足で蹴りつけ、大きく蹴り飛ばした後、バックルを操作して必殺技を発動する。

 

≪BEAT STRIKE≫

 

「とりゃあっ!!」

 

「「「ジャーッ!?」」」

 

ハームの右足が仮想ジャマトを蹴りつけた瞬間、右太腿の装甲に付いているスピーカーから音波状のエネルギーが放たれ、仮想ジャマトを大きく吹き飛ばす。

 

吹き飛んだ仮想ジャマトが他の仮想ジャマト達を巻き込んで爆散した後、仮想ジャマトが全滅した事を確認したハームはその場に倒れ、変身を解除した。

 

「ぜぇ、ぜぇ……つ、疲れたぁ……」

 

「お疲れ様。はい、これ飲みなさい」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

冴が差し出したスポーツドリンクを受け取り、ゴクゴクと喉に流し込む紬。

 

消費した水分と塩分が補給されていき、その心地良さに紬は思わず表情が緩んだ。

 

「驚いた。今の攻撃パターンにも対応できるようになったなんて。ちょっと難しめに設定したつもりだったんだけど」

 

「ふぅ……冴さんの教え方が上手いからですよ。おかげで頭にもすぐ入って来ましたし」

 

「そう? それなら良かった。でも、油断は禁物。特にあなたは戦闘経験が少ないんだから、もっと慎重に動きなさい」

 

「あはは、確かに……そこは気を付けます」

 

冴に指摘された紬は反省しつつも、その表情はどこか嬉しそうにしていた。

 

それに気付いた冴が紬に問いかける。

 

「どうしたの? そんなニヤニヤして」

 

「ふぇ? あぁ、えっと、何と言うか、その……こうして、冴さんに色々教えて貰っていると、なんだかお姉ちゃんがもう1人増えたかのような感じがして……」

 

「へぇ、お姉さんがいるんだ」

 

「はい。私のお姉ちゃんも、冴さんみたいに少し厳しいけど、凄く優しいお姉ちゃんでした……ただ」

 

「ただ?」

 

自身の姉について楽しそうに語っていた紬。

 

しかしその途中から、紬の表情が少しずつ暗くなっていく。

 

「……私がまだ中学生だった頃に、亡くなったんです。バスに乗っていた時に、トラックと追突事故が起きて……」

 

紬の脳裏に思い浮かぶ、事故が起きた当時の光景。

 

大好きな姉が、目の前で冷たくなっていく姿。

 

今もなお、紬はその時の光景が頭に強く残っていた。

 

「っ……ごめん、悪い事聞いちゃったね」

 

「いえ、大丈夫です。それに、いつまでも悲しんでばかりはいられませんから。お姉ちゃんの分まで、精一杯生きようって決めたんです。今を生きている人達の幸せを、ジャマトなんかに壊させる訳にはいかないって」

 

「そう……強いのね、紬ちゃんは」

 

「い、いえ、私なんて大した事ないですよ」

 

「そういうところ」

 

「え?」

 

紬の発言に、冴が待ったをかける。

 

「前から思ってたんだけど紬ちゃん、そうやって自分を卑下し過ぎ。もっと自分に自信を持ちなさい。あなたが少しずつ強くなっていってるのは確かなんだから」

 

「そ、そうですか……?」

 

「そう。少なくとも、私はそう思ってる」

 

紬の両肩に手を置きながら、冴は紬に優しく語りかける。

 

冴にそう褒められて嬉しく思ったのか、紬の表情にも笑顔が戻っていく。

 

「そっか……私、強くなってるんだ……!」

 

「ただし、さっきも言ったように油断はしない事。最終戦は本当に厳しい戦いよ。正直なところ、一歩間違えれば私でも死んでしまう可能性があるくらいだから」

 

「っ……冴さんでも、キツい戦いなんですね」

 

「そう。まぁもちろん、死ぬつもりは微塵もないけれど……あなたも、自分の身は大事にしなさい。もし本当に命が危なくなったら、その時は迷わず逃げる事。良いわね?」

 

「……わかりました」

 

紬が頷き、冴も満足げに微笑む。

 

それから2人は、トレーニングルームを後にするべく、その場から立ち上がる。

 

この時、紬の前を歩いていた冴は気付かなかった。

 

冴にも聞こえない小声で、紬が密かに呟きを残していた事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「違う……私はそんな、大事にされるような人間じゃない……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくの間、何事もないまま、平穏な日常は続いていた。

 

社会人は自分の職場で働き、学生は学校で授業を受け、主婦は買い物を楽しみ、老人はのんびりと散歩する。

 

いつも通りの朝を迎え、いつも通りの生活を過ごす。

 

しかし、そんな日常は……瞬く間に崩れ去った。

 

 

 

 

―――ブォンッ!!

 

 

 

 

突如、街の一部を覆うように出現した、ジャマーエリアの赤い壁。

 

その壁に阻まれた者達は、突然の赤い壁に動揺を隠せずにいた。

 

「痛って……何だ、この壁?」

 

「お、おい、この壁、全然通れねぇぞ」

 

「どうなってるの……!?」

 

ジャマーエリアの内側に閉じ込められた者達は、赤い壁をドンドン叩くが、赤い壁は当然ビクともしない。

 

何が起きているのか分からず困惑する面々だったが……その時、ジャマーエリアの外側にいた1人の男性が、青ざめた表情である方向を指差しながら叫んだ。

 

「お、おい、後ろ!!」

 

「え?」

 

慌てた様子で指差す男性に、ジャマーエリアの内側にいた人達は後ろに振り向いた。

 

その先には……。

 

「「「「「ジャ~ジャ~……!」」」」」

 

黒装束に身を包み、首元に髑髏の装飾を吊り下げたポーンジャマト―――“死神ジャマト”の大群だった。

 

死神ジャマト達はどの個体も大鎌を装備しており、その刃がギラリと怪しく光る。

 

「な、何だよコイツら!?」

 

「にげ、逃げろぉ!!」

 

「きゃあああああああっ!?」

 

ジャマーエリアに閉じ込められた者達に、死神ジャマト達が一斉に襲い掛かり始めた。

 

襲われた者達は必死に逃げ出すが、逃げ遅れた者には死神ジャマトが容赦なく大鎌を振り下ろす。

 

「キョルクエ、ファテル……!!」

 

「や、やめ……おごぁっ!?」

 

薙ぎ倒された男性の腹部に、大鎌の刃が深々と突き刺さる。

 

そのまま男性は倒れ込み、動かなくなってしまった。

 

他の者達も、死神ジャマトが振るう大鎌に背中を斬られたり、中には首を刎ね飛ばされる者までいた。

 

「逃げろ!! 逃げるんだお前ら!!」

 

「お願い逃げて、早く!!」

 

「やめてくれ!! 妻と娘を殺さないでくれぇ!!」

 

一方、ジャマーエリアの外側にいた者達は、死神ジャマトに襲われている人達に逃げるよう必死に叫んだり、身内が殺される様を見て悲痛な叫び声を上げたりしている。

 

しかし彼らでは、ジャマーエリアの中で繰り広げられる惨劇を、ただただ見ている事しかできなかった。

 

 

「これより、デザイアグランプリ最終戦『要塞ゲーム』を開始します」

 

そして、デザイア神殿のロビーでも。

 

招集を受けて集まって来たプレイヤー達に、ツムリがルールを説明する。

 

「私達の街にラスボスが迫って来ています。その影響からか、つい先程ジャマーエリアが出現しました。ジャマーエリア内に現れたジャマトを倒して、街の平和を守り抜いて下さい」

 

「始まったか……!」

 

「大変、急いで助けに行かなきゃ……!」

 

遂にやって来た最終戦。

 

空中に投影された街のマップには、ジャマーエリアが赤い色で表示されている。

 

「ゲーム終了時点で、スコアが一番高かったプレイヤーがデザ神となります。それでは皆さん、準備はよろしいですか?」

 

ツムリが聞くまでもない。

 

英寿も、冴も、勇海も、そして紬も、その手には既にデザイアドライバーを持っていた。

 

そして4人は同時に、ドライバーを腰に装着する。

 

≪≪≪≪DESIRE DRIVER≫≫≫≫

 

運命の最終戦が、幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




仮面ライダーギーツ!

勇海「数が多過ぎる……!!」

英寿「言っておくが、勇気と無謀は違うぞ」

紬「邪魔しないで!! 私の友達が……ッ!!」

ツムリ「ラスボスが出現しました!」

冴「危ない、紬ちゃんッ!!!」
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