仮面ライダーギーツエクストラ 追憶:知られざるゲーム   作:ロンギヌス

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お待たせしました、第13話の更新です。

ギーツ本編、終わっちゃいましたね……この1年間、ずっと楽しませて頂きました。

1年間、本当にありがとうギーツ……そして、来週からよろしく、ガッチャード!

まぁそういう訳で、こっちの更新も頑張っていきます。
それではどうぞ。










・主なプレイヤー

小林紬/仮面ライダーハーム
我那覇冴/仮面ライダーロポ
宗像勇海/仮面ライダーオルカ
浅利切人/仮面ライダーターボン
雪ノ下幸/仮面ライダーホワイティー
榎本龍之介/仮面ライダーグリズ
浮世英寿/仮面ライダーギーツ

参加人数:30名

現在生き残っている人数:4名



第13話︰ラスボス襲来!

「うわあああああ!?」

 

「た、助けてくれえええええ!?」

 

「やめろ、来るな、来るなあああああ!?」

 

「「「「「ジャッジャッジャッジャッジャッ……!」」」」」

 

街の中心部に出現したジャマーエリア。

 

そのジャマーエリアに閉じ込められた一般人に、容赦なく襲い掛かる死神ジャマト達。

 

一般人が逃げ惑う中、そこにデザイアドライバーを装着した英寿達が駆け付けた。

 

「何あれ、死神……?」

 

「また物騒な恰好してるね」

 

「とにかく、早く皆を助けないと……!」

 

「行くぞ」

 

≪≪SET≫≫

 

≪≪SET FEVER≫≫

 

「「「「変身!」」」」

 

≪BOOST≫

 

≪BEAT≫

 

≪≪READY FIGHT≫≫

 

英寿はブーストバックルを、紬はビートバックルを、冴と勇海はフィーバースロットバックルをドライバーに装填。

 

4人同時に変身を遂げ、英寿はギーツ・ブーストフォームに、ハームはビートフォームに変身する。

 

≪MAGNUM≫

 

≪HIT MAGNUM≫

 

「あれ、またマグナム? まいっか」

 

フィーバースロットバックルを使用した2人の内、勇海は【MAGNUM】の絵柄を引き当て、オルカの上半身にマグナムフォームの装甲が装着される。

 

彼がマグナムシューター40Xを構える中、冴が変身したロポはと言うと……。

 

「チッ……ハズレか」

 

ロポが引き当てたのは【???】の絵柄。

 

しかし、オルカが第3回戦でブーストフォームを引き当てた時と違い、ロポの上半身に装備されたのはアームドハンマーの装甲であり、ロポはハズレを引いたと判断し小さく舌打ちする。

 

同じ【???】の絵柄でも、ブーストフォームではなく小型バックルの装備が出て来る事があり、かなりランダム性が強いのだ。

 

「「「「「ジャーッ!!」」」」」

 

「来たぞ!」

 

集団で向かって来る死神ジャマト達を、ギーツ達は正面から迎撃する。

 

ギーツは腕の装甲に付いたマフラーから炎を噴射し、加速するパンチで死神ジャマトを殴り倒す。

 

ハームはビートアックスを振るい、死神ジャマトが振るって来た大鎌を弾き返してから的確に反撃していく。

 

その近くでは、ロポがレイズハンマーを振るって死神ジャマトと戦っていたのだが……。

 

「ジャーッ!!」

 

「ッ……あぁもう、やりにくい!!」

 

「ジャッ!?」

 

死神ジャマトがリーチの長い大鎌を振るって来るのに対し、ロポが装備しているレイズハンマーは小さいため、リーチがかなり短い。

 

このままでは戦いにくいと判断したロポは、レイズハンマーを死神ジャマトの顔面目掛けて投げつけた後、一度フィーバースロットバックルをドライバーから取り外す。

 

「もう一度!!」

 

≪SET FEVER≫

 

再度フィーバースロットバックルを装填し、レバーを倒すロポ。

 

リールが再度回転し、次に出た絵柄は……。

 

≪NINJA≫

 

≪HIT NINJA≫

 

「よし、当たり……!!」

 

アームドハンマーの装甲が消え、代わりに装着されたのはニンジャフォーム。

 

ブーストフォームほどではないが、それなりに高い機動力を持つニンジャフォームを引き当てられたロポは、手元に出現したニンジャデュアラーを構えて死神ジャマト達に突撃していく。

 

「「「ジャジャーッ!!」」」

 

「ふっ!!」

 

≪ROUND 1≫

 

死神ジャマト達が振るって来る大鎌を、ロポはスライディングで華麗に回避。

 

スライディングしながらもニンジャデュアラーの鍔を回転させ、スライディングが終わると同時に振り向いてニンジャデュアラーを振るった。

 

≪TACTICAL SLASH≫

 

「はぁっ!!」

 

「「「ジャーッ!?」」」

 

死神ジャマト達が爆発するその一方で、オルカはハンドガンモード状態のマグナムシューター40Xで死神ジャマト達を片っ端から狙撃。

 

振り下ろされて来る大鎌をマグナムシューター40Xで受け止め、大鎌の柄を掴んでから至近距離射撃を仕掛ける。

 

「よっと」

 

「ジャジャーッ!?」

 

死神ジャマトが吹き飛ぶ中、オルカは奪い取った大鎌を振り回し、他の死神ジャマト達を攻撃する。

 

大鎌の一撃を受けた死神ジャマト達が倒れている隙に、大鎌を放り捨てたオルカはドライバーを半回転させると、ドライバーの空いた右側にゾンビバックルを装填した。

 

≪REVOLVE ON≫

 

≪SET≫

 

≪ZOMBIE≫

 

「ほっ!」

 

「ジャーッ!?」

 

その場から高く跳躍したオルカはボディが半回転した後、上半身にゾンビフォーム、下半身にマグナムフォームの装甲を纏った“ゾンビマグナムフォーム”へと変化。

 

跳躍したオルカは前方向に回転し、着地すると同時にゾンビブレイカーで死神ジャマトを斬りつける。

 

すぐに立ち上がった彼はゾンビブレイカーで死神ジャマト達を斬り伏せつつ、左足のアーマードガンを展開。

 

オルカが左足で回し蹴りを放つと共に、左足のアーマードガンから乱射された弾丸が死神ジャマト達を撃ち抜いていく。

 

「よっ」

 

「ジャジャジャジャジャジャジャジャ!!?」

 

更に1体の死神ジャマトを左足で押さえつけ、その状態で左足のアーマードガンを連射。

 

超至近距離で弾丸を喰らった死神ジャマトがぐったりとする中、別方向から他の死神ジャマト達が向かって来ている事に気付いたオルカは、ゾンビブレイカーのポンプ部分を左足の装甲に引っかけ、器用にスライドさせた。

 

「相変わらず、数が多過ぎる……ほんと嫌になるね!!」

 

≪POISON CHARGE≫

 

≪TACTICAL BREAK≫

 

「はぁっ!!」

 

「「「ジャーーーーーッ!?」」」

 

オルカがゾンビブレイカーを振るい、強力な斬撃。

 

それが死神ジャマト達に向かって飛来し、次々と両断していく。

 

 

≪TACTICAL THUNDER≫

 

「やぁ!!」

 

「「「ジャーッ!?」」」

 

一方、ギーツとハームの2人は、交差点付近で暴れていた死神ジャマト達を相手に奮闘していた。

 

ハームがビートアックスを掻き鳴らして雷撃を落とし、ギーツが両腕の装甲【ブーストパンチャー】による強烈なパンチを放ち、死神ジャマト達を蹴散らしていく。

 

その場にいた死神ジャマト達が一通り駆逐された後、ハームは先程まで死神ジャマト達に襲われていた一般人達を避難させていく。

 

「皆さん、今の内に逃げて下さい!」

 

「た、助かった!」

 

「ありがとうございます……!」

 

助けられた一般人達が礼を述べてから逃げていく中、ハームは周囲を見渡す。

 

周囲の建物はあちこちから火や煙が出ており、地面には破壊された建物の瓦礫や、死神ジャマト達に殺害された一般人の死体などが転がっていた。

 

その光景を見て、ハームは仮面の下で歯を食いしばる。

 

「酷い……こんなの、あまりに酷過ぎる……!!」

 

何故、ジャマトはこんなにも人間を襲うのか。

 

死体となって転がっている人達は、何故殺されなければならなかったのか。

 

ジャマトに対する怒りで、ハームは拳を強く握り締める。

 

「落ち着けハーム。冷静さを失ったら、誰も助けられない」

 

「っ……それは、わかってます……だけど……!!」

 

「体力はできる限り温存しておけ。こんなのはまだまだ序の口でしかない。ラスボスが現れてからがもっと大変だ」

 

「ラスボス……っ」

 

ラスボス、それはデザイアグランプリへの参加経験が豊富なギーツですら「大変」だと述べるほどの強敵。

 

そんな強敵まで現れたら、今以上に街への被害が大きくなる事は容易に想像できた。

 

「言っておくが、勇気と無謀は違うぞ。間違っても、君一人でラスボスに挑もうなんて思わない事だ」

 

「それは……うん?」

 

ハームが焦燥感に駆られていたその時だった。

 

突然、周囲にスパイダーフォンの着信音が鳴り響き始めた。

 

「ハーム、君のじゃないか?」

 

「あれ、本当だ……誰からだろう」

 

鳴っているのは、ハームが所持しているスパイダーフォン。

 

首を傾げたハームは、スパイダーフォンを開いて電話に応じた。

 

「えっと……もしもし?」

 

『あ、紬!? 良かった、無事だったのね!!』

 

「あれ、さゆりちゃん? どうしたのいきなり?」

 

電話の相手はさゆりだった。

 

今の時間帯なら、既に学校の授業は終わっていてさゆりは帰宅しているはず。

 

そのさゆりが今、何やら落ち着きのない様子で、ハームに電話越しに呼びかけてきたのだ。

 

『ねぇ紬、あんた今何処にいるの!?』

 

「え、えっと、今は筑波交差点辺りにいるけど……」

 

『っ……嘘でしょ……筑波交差点って割とすぐ近くじゃない……良い紬、あんた今すぐどっかに隠れなさい!!』

 

「ど、どういう事さゆりちゃん!? いきなり何を……」

 

『良いから!! 今そこら中に変な怪物が現れてヤバい事に……きゃあ!?』

 

「!? さ、さゆりちゃん? もしもし、さゆりちゃん!?」

 

ハームが何度も呼びかけるが、電話はブツッと切れた後、ツー、ツーという音が虚しく響いた。

 

「今のは友達からか?」

 

「は、はい……今すぐ何処かに隠れなさいって……」

 

そこまで言いかけたところで、ハームは気付いた。

 

そして彼女の脳内では、彼女が一番恐れている最悪の光景が、徐々に浮かび上がり始めていた。

 

「ま、まさか……!?」

 

電話が切れる前にさゆりが告げた“変な怪物”というワード。

 

ハームは確信した。

 

大事な友達が今、ジャマトに襲われている……と。

 

「っ……さゆりちゃん!!」

 

「待て、ハーム!」

 

焦ったハームが即座に駆け出そうとするが、ギーツが彼女の手を掴んで制止する。

 

「事情は何となく察した。乗って行け、その方が早い」

 

≪BOOSTRIKER≫

 

ギーツが指を鳴らしたその時。

 

電子音と共に、ギーツのすぐ隣に1体の赤いマシンが着地した。

 

キツネのような姿をしたその4足歩行型の赤いマシン―――“ブーストライカー”は高い鳴き声を上げ、ハームの隣に立つと「自分に乗れ」とでも言っているかのような仕草をしてみせた。

 

「頼むぜ、コンちゃん」

 

「っ……ありがとうございます、英寿さん! お願い、キツネちゃん!」

 

ハームはすぐにブーストライカーの背中に乗り込み、ブーストライカーは再び鳴き声を上げてから一気に駆け出す。

 

それを見たギーツもまた、ドライバーを半回転させる。

 

≪REVOLVE ON≫

 

「どれ、手伝ってやろうか……ふっ!」

 

ブーストフォームの装甲を下半身に装備したギーツはすぐさま駆け出し、ハームを乗せて先に向かって行ったブーストライカーの後を追いかけ始める。

 

ロポほどのスピードではないが、それでも充分な走力はあり、ギーツはあっという間にその場から姿を消した。

 

 

「はぁ……はぁ……あぁもう、本当に何なのよアイツら……っ」

 

一方、筑波交差点からそれほど遠くない位置にある、とある路地裏。

 

そこにはさゆりが身を潜めており、路地裏からこっそり顔を出して周囲を見渡していた。

 

路地裏の外では、今も数体の死神ジャマトが徘徊しており、さゆりは迂闊に外に出られない状況にあった。

 

「清水さん、大丈夫?」

 

「う、うん、何とか……!」

 

さゆりのすぐ後ろには、彼女と共に死神ジャマト達から逃げ続けていたクラスメイトの少女―――“清水(しみず)(かおる)”が、息も絶え絶えな様子で壁にもたれかかっていた。

 

「何なの、あの怪物達は……どうして私達がこんな目に……!」

 

「……っ」

 

クラスメイトの涙声を聞いたさゆりは、何も言えなかった。

 

学校帰り、突如現れた死神ジャマト達によって襲われそうになったさゆりは、同じく襲われかけていた薫を連れて逃げ出し、何とか死神ジャマト達を振り切って隠れる事ができていた。

 

しかし、今はまだ何とか見つかっていないだけで、いつ死神ジャマト達に発見されるかわからない。

 

死神ジャマト達に見つからないよう、こっそり逃げ出す事も考えた2人だったが、街の周囲は現在ジャマーエリアの赤い壁で囲まれているため、街の外に逃げ出す事ができない。

 

当然、ジャマーエリアの事など露も知らない2人は、もう何が何だかわからず心身共に疲弊してしまっていた。

 

(紬……あんたは無事よね……?)

 

さゆりは外の様子を窺いつつ、今この場にいない親友の身を案ずる。

 

先程、スマホで紬と電話をしたさゆりだったが、電話中に死神ジャマトの襲撃を受けてしまい、落としたスマホは死神ジャマトに踏み付けられ破損してしまった。

 

一緒にいる薫はスマホを所持していないため、このままでは警察に助けを求める事もできない。

 

いや、そもそも警察が駆け付けたところで、警察があの怪物相手に立ち向かえるのだろうか。

 

警察ですら、あの怪物達の前では返り討ちにされるだけではないのか。

 

そんな不安ばかりが募りに募っていく。

 

そのせいで、さゆりはすぐに気付けなかった。

 

怪物の魔の手が、すぐ目の前まで迫って来ていた事に。

 

「ジャジャ~……!!」

 

「「ひっ!?」」

 

1体の死神ジャマトが路地裏を覗き込み、隠れていた2人を発見してしまった。

 

居場所がバレた事で、さゆりはすぐに立ち上がって薫の手を掴む。

 

「やっば……逃げるよ!!」

 

「う、うん!!」

 

さゆりと薫はすぐさま駆け出し、その後を死神ジャマト達が追いかける。

 

狭い路地を何とか走って逃げる2人だったが……。

 

「!? 嘘……!?」

 

「ちょっと冗談でしょ……っ!!」

 

2人が逃げた先は袋小路だった。

 

他に逃げ道はなく、2人の後ろから死神ジャマト達が追い付いて来た。

 

「「「ジャ~……!!」」」

 

「ひぃ!? い、嫌、来ないで……っ!!」

 

「っ……このぉ!!」

 

薫が壁の隅まで後退る中、さゆりは近くに落ちていた鉄パイプを手に取り、死神ジャマト達を相手に果敢に立ち向かう。

 

死神ジャマト達を近付けまいと、乱暴に鉄パイプを振り回すさゆりだったが……。

 

「ジャッ!!」

 

スパァンッ!!

 

「あっ……!?」

 

死神ジャマトが振り下ろした大鎌で、鉄パイプがあっさりと切り裂かれてしまった。

 

鉄パイプを破壊され、呆然となるさゆりだったが、そんな隙を逃すはずもなく死神ジャマトが再び大鎌を振り下ろす。

 

「ジャ~ッ!!」

 

「く……うぁっ!?」

 

さゆりが咄嗟に横に避けた直後、死神ジャマトがすぐさま大鎌を横に振るい、大鎌の柄部分がさゆりの腹部に炸裂。

 

そのまま壁に叩きつけられたさゆりは地面に倒れ、意識を失ってしまった。

 

「さゆりさん!?」

 

薫が駆け寄るも、意識を失ったさゆりは目覚めない。

 

そこに死神ジャマト達が迫り来る。

 

「「「ジャ~……」」」

 

「ひっ……や、やめて、お願い……来ないで……!!」

 

薫が必死に懇願するも、死神ジャマト達は大鎌を構えたまま、今にも振り下ろそうとしている。

 

もう駄目だと思った薫が、ギュッと目を瞑った……その時。

 

 

 

 

 

 

「やめろおおおおおっ!!!」

 

 

 

 

 

 

≪BEAT STRIKE≫

 

「「「ジャジャーーーッ!!?」」」

 

「……え?」

 

凄まじい轟音と共に、2人に襲い掛かろうとした死神ジャマト達が一斉に吹き飛んだ。

 

薫が恐る恐る両目を開けると、彼女が視線を向けたその先には、ビートアックスを構えたハームが立っていた。

 

その横にはブーストライカーも並び立っており、死神ジャマト達を威嚇している。

 

「私の友達に……手を出すなぁ!!!」

 

ハームは怒りのままにビートアックスを振るい、死神ジャマト達と応戦する。

 

死神ジャマト達も負けじと大鎌を構えて迎え撃つが、勢いに乗っていたハームの攻撃は止まらない。

 

「ふっ!!」

 

「ジャーッ!?」

 

そこへ更に追いついて来たギーツも現れ、ブーストフォームの装甲を下半身に装備した状態で連続蹴りを放ち、向かって来る死神ジャマト達を蹴散らしていく。

 

倒れた1体の死神ジャマトを右足で踏んづけたギーツは、その状態のまま右足の装甲のマフラーから炎を噴射し、地面を滑らせるように死神ジャマトを蹴り飛ばして他の死神ジャマト達を薙ぎ倒した。

 

「ハーム、急いで彼女達を!!」

 

「っ……はい!!」

 

ギーツが死神ジャマト達を相手取っている間に、ハームは急いで薫とさゆりの下まで駆け寄る。

 

ハームは意識を失っているさゆりの脈を計り、彼女が死んでいない事を確認し安堵した。

 

「良かった……さゆりちゃん……!」

 

「えっ……その声、紬さん……?」

 

「へ? あっ……!?」

 

ハームの声を聞いた薫が、ハームの正体が紬である事に気付いてしまった。

 

ヤバいと思ったハームはすぐさま、自身の口元に人差し指を当てた。

 

「シーッ……私の事は、さゆりちゃんには内緒にしてて……!」

 

「え? いや、でも……」

 

「良・い・か・ら! お願い……!」

 

「わ、わかった……」

 

色々と疑問が尽きない薫だったが、ハームからそう頼まれてしまっては、これ以上は何も言えなかった。

 

その後、ハームは未だ意識を失っているさゆりをお姫様抱っこの要領で抱きかかえ、薫を連れて安全な場所まで連れて行こうとする。

 

しかしハーム達が路地の外へ出ると、そこには複数の死神ジャマト達が立ち塞がっていた。

 

「「「「「ジャ~!!」」」」」

 

「くっ……!!」

 

さゆりを抱きかかえたままでは、死神ジャマト達と戦えない。

 

窮地に陥ったと思われたハーム達だったが……。

 

≪TACTICAL SLASH≫

 

≪TACTICAL BREAK≫

 

「「「「「ジャジャーーーーーッ!!?」」」」」

 

横方向から飛んで来た2つの強力な斬撃が、死神ジャマト達を纏めて爆散させていく。

 

ハームが振り向いた先には、それぞれの武器を構えているロポとオルカの姿があった。

 

「冴さん、勇海さん!」

 

「全く、あなたって娘は。1人で突っ込むなんて無茶をして……」

 

「ちょくちょく突っ込んでる君が言えた事じゃないと思うよ、それ」

 

オルカの発言に、ロポが「うるさい」と軽めに彼の頭を小突く。

 

その一方、ハーム達の後ろから、死神ジャマト達を蹴散らして来たばかりのギーツも追いついて来た。

 

「ハーム、友達の様子は?」

 

「は、はい、大丈夫です。まだ意識は戻ってないみたいですけど……」

 

「あの……あなた達は、一体……?」

 

仮面ライダーが4人も集まり、何が何だかわからない様子でいる薫。

 

彼らが何者なのか問いかけようとする彼女だったが、そこにオルカがハームと同じようにシーッと人差し指を立てた。

 

「ごめんね。事情があって、俺達の事はあまり話せないんだ」

 

「は、はぁ……」

 

「この先にはあの怪物達はいないから、その娘も連れて急いで避難して。そこまでは俺達も送ってあげるから」

 

一般人であるさゆりと薫を、この場に放置する訳にはいかない。

 

オルカもハームと共に、さゆりと薫を安全な場所まで送り届ける事を申し出た……が、そんな時だった。

 

「ん?」

 

再び鳴り響く、スパイダーフォンの着信音。

 

何事かと思ったギーツ達が、取り出したスパイダーフォンを開いた途端、画面にツムリの素顔が映り込んだ。

 

『皆さん、緊急事態です! ジャマーエリアに、ラスボスが出現しました!』

 

「「「「ッ!?」」」」

 

ツムリの口から告げられた、ラスボスの出現。

 

その言葉を聞いたギーツ達が、仮面の下で表情を険しくさせる。

 

(ラスボス……とうとう……!!)

 

デザイアグランプリの最終戦に必ず現れるという、ラスボスジャマト。

 

一体どんな姿なのか。

 

どれだけ強力な力を持っているのか。

 

ハームがゴクリと唾を飲んだその直後。

 

突然、彼女達の周囲を大きな影が覆い、強風が吹き荒れ始めた。

 

「うわ、急に真っ暗に……え?」

 

何故、周囲が真っ暗になったのか。

 

その理由を探ろうとしたハームが、空を見上げた途端……彼女は言葉を失った。

 

 

 

 

 

 

「ギュオオオオオオオオン……!!」

 

 

 

 

 

 

UFOのような形状をしたボディ。

 

その中央部に咲いている巨大な赤い薔薇。

 

その周囲を覆っている複数の茨。

 

街の上空に現れたその存在―――“ローズフォートレスジャマト”は、圧倒的な巨体を有していた。

 

「な、何あれ……!?」

 

「気を付けて、紬ちゃん。あれが……このゲームのラスボスだよ」

 

オルカの発言に、ハームは驚愕した。

 

どんな強敵が来るのか、様々な予想はしていた。

 

しかし、ラスボスが巨大な姿をしている事までは予想していなかった。

 

「嘘……あんなの、大き過ぎる……ッ!!」

 

あんな巨大な怪物と、一体どうやって戦えば良いのか。

 

想像を遥かに上回る相手に、ハームは早くも戦意喪失してしまいそうになったが、すぐに首を横に振って弱気な思考を振り払った。

 

(ううん、怖じ気付いたら駄目だ……!! ここで戦わなきゃ、さゆりちゃん達を守れない……!!)

 

自分が弱気でいたら、守るべき人達が守れない。

 

勇気を振り絞り、巨大なラスボス相手に挑もうとするハームだったが……敵の力は、あまりに強大だった。

 

「ギャオオオオオオオッ!!」

 

「っ……来るぞ!!」

 

ローズフォートレスジャマトが高く吠えた後、そのボディの周囲を覆っていた茨が一斉に動き出し、街全体に向けて攻撃を開始。

 

ギーツが叫び、他の3人も回避に動いたその直後。

 

彼らの周囲に次々と茨が突き刺さり、茨の刺さった場所が次々と爆発を引き起こした。

 

「きゃあああああっ!?」

 

「くっ!?」

 

「危な……っ!?」

 

何とか攻撃を回避した4人だったが、問題はその後だった。

 

地面に突き刺さった茨が引き抜かれたかと思えば、それが突然さゆりと薫のいる方へと伸び、さゆりの胴体に巻き付いたのだ。

 

「え、何……きゃあ!?」

 

「!? さゆりちゃん!!」

 

薫が驚く中、茨は巻き付けたさゆりをそのまま上へと引っ張り上げ、自身の本体へと連れ去って行ってしまう。

 

それも、さゆりだけではない。

 

街のあちこちから、茨に巻き付かれた一般人が、次々とローズフォートレスジャマトの本体へと連れ去られて行ってしまっていた。

 

「さゆりちゃんッ!!!」

 

「待ちなさい紬ちゃん!! 今下手に突っ込んだらあなたまで危ない!!」

 

「離して、邪魔しないで!! 私の友達が……さゆりちゃんが……ッ!!」

 

すぐに助けに向かおうとするハームを、下手に突っ込むのは危険だと判断したロポが引き止める。

 

友達が目の前で連れ去られた事で、焦りのあまり敬語すら忘れたハームは無理やりロポを引き剥がそうとするが、そこにローズフォートレスジャマトが攻撃を仕掛けようとしている事にオルカが気付いた。

 

「ッ!? また来るよ!!」

 

「ギュアアアアアアアッ!!!」

 

ドガガガガガガァンッ!!!

 

「な……うあぁ!?」

 

「きゃあ!?」

 

「くっ!?」

 

「ッ……!!」

 

ローズフォートレスジャマトが振るった茨から、無数の棘が弾丸のように乱射され、地面に降り注いでいく。

 

直前で動いたギーツとオルカは何とか回避できたが、ハームとロポは爆発の中に巻き込まれてしまった。

 

「しまった……冴さん、紬ちゃん!!」

 

オルカが叫ぶ中、爆炎が少しずつ晴れていく。

 

まともに爆発に巻き込まれた以上、ハームとロポは悲惨な死を遂げた……かのように思われたが。

 

≪DUAL ON≫

 

≪BEAT ARMED SHIELD≫

 

「ッ……はぁ……はぁ……!!」

 

爆炎が晴れた先に立っていたのは、ビートアームドシールドの姿には変化したハームだった。

 

ハームが咄嗟にレイズシールドで防御した事により、ハームの後ろに倒れていたロポはほとんど無傷で済んでいた。

 

しかし代わりに、ハームは少なくないダメージを受けたため、その場に膝を突いてしまう。

 

「っ……ぐ、うぅ……!!」

 

「!? あなた、私を庇って……!?」

 

「へ、平気です……この程度の痛み、なんて事ない……ッ……!!」

 

「ま、待ちなさい!! 助けてくれたのは感謝するけど、そんな状態で向かうのは無茶よ!! 一度引いて、態勢を立て直すしかない!!」

 

「一度、引いて…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『たす、けて……つむ、ぎ……ッ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――いや、だ」

 

「!?」

 

「行かなきゃ……さゆりちゃんを、助けなきゃ……ッ!!」

 

ロポが引き留めようとしても、ハームは全く止まろうとしない。

 

フラフラになりながらも、ローズフォートレスジャマトが飛んで行く方角へと進もうとする。

 

それを見たオルカも慌ててハームを呼び止める。

 

「ちょ、紬ちゃん!? いくら何でも、そんな傷じゃ無茶だって!!」

 

「それでも、行かなきゃ……ッ!!」

 

上空を飛んでいるローズフォートレスジャマトを睨みつけながら、ハームは3人に言い放つ。

 

「私が、やらなくちゃいけないんです……ッ……そのために、私は仮面ライダーになったんだから……今助けられなかったら、何の意味もない……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰も助けられない、何の役にも立てない私なんかに、生きてる価値なんてない!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「―――ッ!?」」」

 

ハームが大声で叫んだ言葉。

 

それを聞いた3人は、思わず返す言葉を失ってしまう。

 

「紬ちゃん……君は一体……」

 

「「「「「ジャ~……ジャ~……!」」」」」

 

しかしそこに、再び死神ジャマトの大群が出現。

 

大鎌を装備した死神ジャマト達は、再び4人に襲い掛かって来た。

 

「ひっ!?」

 

「チッ、こんな時に……!!」

 

≪REVOLVE ON≫

 

オルカはドライバーを半回転させ、ゾンビマグナムフォームから“マグナムゾンビフォーム”に変化。

 

怯える薫を守るように、マグナムシューター40Xを構えたオルカが死神ジャマト達を狙い撃つ一方、ハームは痛む身体を無理やり引き摺るように歩き続ける。

 

「待ってて、さゆりちゃん……私が、助けに行くから……ッ」

 

「紬ちゃん、危ないッ!!!」

 

ロポが叫ぶ中、ローズフォートレスジャマトがハーム目掛けて複数の茨を振り下ろそうとする。

 

それを見たギーツは即座に駆け出し、ハームの隣に並び立つ。

 

「ハーム、これ借りるぞ!!」

 

「あっ……!?」

 

≪SET≫

 

≪DUAL ON≫

 

≪BOOST ARMED SHIELD≫

 

ハームのドライバーからシールドバックルを抜き取ったギーツは、それを自身のドライバーの左側に装填。

 

ギーツの下半身にアームドシールドの装甲が装備され、“ブーストアームドシールド”へと形態変化を遂げた彼の手元には、ブーストフォームの機能により巨大な大盾へと変化したレイズシールドが装備される。

 

「皆、伏せろ!!」

 

「ギュアアアアアッ!!!」

 

ギーツが巨大なレイズシールドを構えると同時に、ローズフォートレスジャマトが振り下ろした複数の茨。

 

それらがレイズシールドと衝突し、それと共に周囲が爆炎に包まれるのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




仮面ライダーギーツ!

英寿「何故あんな真似をしたんだ?」

冴「あなた、もっと自分の命を大事にしようって思わないの!?」

紬「あの人(・・・)はずっと、私に助けを求めてたからッ!!!」

勇海「俺達はあの娘の事を、何も理解してなんかいなかったんだなって……」













※JYAMATO DATA※

・ローズフォートレスジャマト

デザイアグランプリ最終戦『要塞ゲーム』に出現したラスボスジャマト。
モチーフはUFOと薔薇。
赤い薔薇が咲いた巨大なUFOのような姿をしており、ボディ全体に茨の蔓を巻きつけている。
伸ばした茨を鞭のように振るったり、茨から無数の棘を連射したりなどして敵を攻撃する。
ラスボスに恥じないパワーを持ち、並のライダーでは太刀打ちできない。
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