仮面ライダーギーツエクストラ 追憶:知られざるゲーム   作:ロンギヌス

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どうも、ロンギヌスです。

ラスボスジャマトの戦闘シーンでだいぶ執筆に時間がかかりましたが、ようやく書き終わりましたので投下します。

今回で、ラスボスとの戦いは決着です。

それから、活動報告にて第3回オリジナルライダー募集を開催中。興味が湧いた方はぜひ活動報告まで。












・主なプレイヤー

小林紬/仮面ライダーハーム
我那覇冴/仮面ライダーロポ
宗像勇海/仮面ライダーオルカ
浅利切人/仮面ライダーターボン
雪ノ下幸/仮面ライダーホワイティー
榎本龍之介/仮面ライダーグリズ
浮世英寿/仮面ライダーギーツ

参加人数:30名

現在生き残っている人数:3名
























戦闘挿入歌:Trust・Last












第15話:城を攻め落とせ!

「はぁっ!!」

 

「えぇい、邪魔だよこの……!!」

 

ローズフォートレスジャマトが飛び去って行く一方。

 

ロポとオルカは茨の檻から助け出した人達を連れて、安全地帯まで誘導していた。

 

その後方からは死神ジャマト達が追いかけて来ており、2人が武器を構えて応戦するも、その数はなかなか減らずにいた。

 

「皆さん、向こうに逃げて下さい!! 向こうにはまだ怪物がいないはずなので!!」

 

「は、はい!!」

 

「ありがとうございます……!!」

 

茨の檻から解放された人達は、そのほとんどが既に意識を取り戻しており、ロポとオルカに礼を述べてから逃げ出して行く。

 

その中で唯一、さゆりだけは未だ目覚めておらず、同じく捕まっていた男性に抱えられていた。

 

「「「ジャジャーッ!!」」」

 

「ッ……しつこい!!」

 

≪POISON CHARGE≫

 

≪TACTICAL BREAK≫

 

「「「ジャーーーッ!?」」」

 

しつこく迫って来る死神ジャマト達に苛立ったロポは、ゾンビブレイカーのポンプ部分を左手でスライドさせ、鎖鋸を高速回転させて死神ジャマト達を一閃する。

 

それでも、死神ジャマト達はなかなか数を減らす様子はなく、取り囲まれたロポとオルカは背中合わせになる。

 

「はぁ……はぁ……前回以上にしんどいね、今回は」

 

「ッ……なんだ、随分弱気だな……そんなにしんどいなら、棄権でもするか?」

 

「はは、まさか……逆に燃えて来るってものさ……!」

 

軽口を叩き合いながら、己の武器を構え直すロポとオルカ。

 

しかし、口では余裕そうに振舞ってこそいるが、実際は両者共に疲労が溜まり始めており、かなりキツい状況に陥っていた。

 

(紬ちゃん……)

 

ロポは武器を構えつつ、先程ローズフォートレスジャマトが落ちて行ったであろう方向にチラッと視線を向ける。

 

紬ちゃんは無事だろうか。

 

いや、英寿が向かったのなら、きっと彼女も大丈夫だろう。

 

悔しいが、英寿は自身から見てもかなり強い。

 

あの男の実力ならば、紬ちゃんのフォローも問題なくこなせるに違いない。

 

英寿の強さを知っているからこそ、ロポは内心そう結論付けていた。

 

しかし……。

 

「ギャオオオオオオ……!!」

 

「「ッ!?」」

 

遠くの空から聞こえて来た咆哮。

 

ロポとオルカが振り向いた先には、落下地点から飛び上がったローズフォートレスジャマトが、高く吼えながら何処かへ飛び去って行く姿が見えていた。

 

「ラスボス……!?」

 

「やっぱり、まだ倒されていなかったか……!!」

 

飛び去って行くローズフォートレスジャマトに、つい意識が向いてしまったロポとオルカ。

 

そのためか。

 

2人はつい構えが緩んでしまい、その隙に1体の死神ジャマトがロポに襲い掛かった。

 

「ジャーッ!!」

 

「!? 冴さん!!」

 

「ッ……しま―――」

 

 

 

 

 

 

≪TACTICAL THUNDER≫

 

 

 

 

 

 

ピシャアアアアアンッ!!

 

「「「「「ジャジャジャーーーーーッ!!?」」」」」

 

「「ッ……!?」」

 

その時だった。

 

死神ジャマトがロポ目掛けて大鎌を振り下ろそうとした瞬間、真上から落ちて来た雷撃が、死神ジャマト達に一斉に直撃。

 

その場にいた死神ジャマト達が纏めて爆発した後、ロポとオルカのすぐ近くに、ビートブーストフォームの姿になったギーツが、キツネの姿をしたブーストライカーに乗った状態で駆け付けて来た。

 

「英寿君、良かった……!」

 

ギーツが戻って来た事に、ホッとした様子で駆け寄るオルカ。

 

しかし、そんなオルカに対し、ギーツは何も言わず無言のままだった。

 

そんなギーツの姿を見て、ロポはある違和感に気付く。

 

その視線は、ギーツのデザイアドライバーに装填されている、ビートバックルへと向けられていた。

 

「英寿、何でアンタがそのバックルを……? 紬ちゃんはどうしたの……?」

 

「……」

 

ハームが使っていたはずのビートバックル。

 

それを、何故ギーツが使っているのか。

 

それよりもハームは、紬は何故この場にいないのか。

 

ロポがギーツに問いかけるも、ギーツは無言のまま何も語ろうとしない。

 

その様子を見て、オルカもこの場にハームがいない事に気付いた。

 

「英寿君、紬ちゃんは何処に? 先に避難させたとか?」

 

「……」

 

「……英寿、君……?」

 

「なぁ、どうして何も言わないんだ……? あの娘は……紬ちゃんは何処にいるの……?」

 

何故かこの場にいないハーム。

 

視線を逸らしたまま何も語らないギーツ。

 

そんな彼がドライバーに装填しているビートバックル。

 

そして、先程何処かに飛び去って行ったローズフォートレスジャマト。

 

これらの要素から、ロポとオルカは頭の中で、一番恐れていた可能性が浮かび上がり始めていた。

 

「ちょっと、何か言いなさいよ……ねぇ英寿!! 紬ちゃんは!? 紬ちゃんはどうしたの!? ねぇ!! 答えて!! お願いだから!!」

 

「……ハームは」

 

そこで、ギーツはようやく口を開いた。

 

彼の口から告げられた言葉は……ロポとオルカの悪い予感を、的中させてしまう物だった。

 

「ハームは、この世界から退場した。ラスボスにやられてな」

 

残酷な現実を告げられ、言葉を失ったロポとオルカ。

 

オルカは信じられないと言った様子で後退りし、ロポはその場に膝を突いてしまう。

 

しかし、悲しみに暮れている余裕はない。

 

「「「「「ジャ、ジャ、ジャ……!」」」」」

 

「ッ……ロポ、オルカ、一旦引くぞ。態勢を立て直す」

 

再び、3人に向かって迫り来る死神ジャマト達。

 

ギーツは呆然としているロポとオルカの腕を掴み、デザイア神殿のサロンへと引き上げていく。

 

その道中、3人の間で会話はなかった。

 

ただ、その足取りは、最終戦に挑む前よりも、遥かに重かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある山の中。

 

森の奥深くに建てられた、大きな植物園。

 

その内部では、眼鏡をかけた老齢の男が、楽しそうに笑いながら作業をしていた。

 

一見すると、その姿はただの農家にしか見えない。

 

しかし……彼が栽培している物は、普通の野菜や果物などではない、とんでもない物だった。

 

「へっへっへっ……先に育った子達は、随分頑張っているようだなぁ。感心感心」

 

農家らしき男は、生い茂った木々に成っている物へと語りかける。

 

それは、殻の中で赤ん坊のように小さく蹲っている、ジャマトの幼体(・・・・・・・)だった。

 

奇妙な声で赤ん坊のように泣いているジャマトの幼体を、謎の男は愛おしそうに見つめる。

 

「おぉ~よちよち♡ 可愛い子ちゃんでちゅねぇ~♡」

 

ジャマトの幼体に語りかけながら、謎の男は木々の生い茂っている天井を見上げる。

 

その視線の先では、木々から無数に吊り下がっているジャマトの幼体達が、次々と赤ん坊のように泣き始めていた。

 

「さぁ、私の可愛い息子達♡ 早く大きくなって……思う存分暴れておいでぇ……!! へっへっへっへっへっ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

ジャマーエリアから撤退した英寿達は、デザイア神殿のサロンへと帰還していた。

 

しかし、サロン内の空気は重かった。

 

その場にいるプレイヤーは英寿、冴、勇海の3人のみ。

 

本来ならいるべきであるはずの人物が1人、この場にはいなかった。

 

「紬様の件……心から、お悔やみ申し上げます」

 

ツムリは悲しそうな表情でお辞儀をした後、3人を残してサロンから出て行く。

 

残った3人は、先程まで紬が寝ていた病室のベッドに視線を向ける。

 

「紬ちゃん……」

 

勇海が開いたスパイダーフォンに映る、紬の名前の欄に上書きされた【LOSE】という赤文字。

 

そのたった1つの単語が、紬がもうこの世にはいないという事実を、改めて3人に突きつけていた。

 

勇海はソファに座り込んだまま頭を抱え、冴はその場に立ち尽くしたまま無言で病室を見つめる事しかできない。

 

「ねぇ、2人共……俺達はあの娘に……一体、どうしてあげれば良かったのかな……?」

 

「どうにもならないだろうな」

 

勇海の発言に、カウンター席に座っていた英寿が口を開く。

 

「俺達があれだけ忠告したにもかかわらず、ハームは自分の意志で戦場に出向いた。こうなる事は、覚悟の上だったはずだ。俺達ではあの娘を救えなかった……ただ、それだけの話だ」

 

「……ッ」

 

英寿の言葉を黙って聞いていた冴は、やり場のない感情を胸に抱いたまま、サロンを退室していく。

 

彼女がサロンから出て行った後、英寿はカウンター席から立ち上がり、ソファに座っている勇海の隣まで移動した。

 

「それで、お前達はどうする? このままここで、ハームを失った悲しみに暮れるだけか?」

 

「ッ……それは……」

 

英寿の問いに、言葉を詰まらせる勇海。

 

そんな勇海に対し、英寿は更に言葉を続けていく。

 

「ハームが何故、自分の命を投げ捨ててでも戦い続けたのか……それがわからないほど、お前達も馬鹿ではないはずだ」

 

そう言い残してから、英寿もサロンを後にしていく。

 

一人サロンに残された勇海は、英寿から告げられた言葉を、頭の中で反芻していた。

 

「自分の命を投げ捨ててでも、戦い続けた理由……か」

 

 

デザイア神殿、トレーニングルーム。

 

夜の暗いビルの屋上にて、冴は一人、トレーニングに励んでいた。

 

数体の仮想ジャマト達が立ち塞がる中、彼女はユニフォームの上着を脱ぎ捨て、生身の状態で仮想ジャマト達を迎え撃っていた。

 

「はっ!!」

 

向かって来る仮想ジャマトの攻撃をかわし、拳や蹴りを叩き込んでいく冴。

 

デザイアグランプリの経験者である彼女からすれば、単なる練習用に設定された存在でしかない仮想ジャマトなど、蹴散らすのは容易だった。

 

「ふっ!!」

 

冴の振るった拳が、仮想ジャマトの顔面を殴りつける。

 

 

 

 

 

 

『私は小林紬って言います! あの時は、助けてくれてありがとうございました!』

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!!」

 

冴の高く上がった足が、仮想ジャマトの首元を蹴りつける。

 

 

 

 

 

 

『冴さん、お願いします! 私を鍛えて下さい!』

 

 

 

 

 

 

「……たぁっ!!」

 

殴りかかって来た仮想ジャマトの拳をかわした冴が、仮想ジャマトの足を蹴りつけて転倒させる。

 

 

 

 

 

 

『たくさん鍛えてくれたお礼です!!』

 

 

 

 

 

 

『やりましたね、冴さん!』

 

 

 

 

 

 

『冴さん!』

 

 

 

 

 

 

「ッ……でやあぁっ!!!」

 

冴の右足が、仮想ジャマトの腹部を蹴りつけ、力強く薙ぎ倒す。

 

蹴り倒した仮想ジャマトが最後の1体だったのか、冴の周囲には倒れた仮想ジャマト達が転がっており、冴は額から流れる汗を腕で拭いながら、その場に座り込んだ。

 

「はぁ……はぁ……」

 

冴の脳裏に浮かび上がる、紬と共に過ごして来た時間。

 

笑っている紬の顔。

 

冴にとっても、紬と一緒にトレーニングしている時間は、とても充実した時間だった。

 

しかし、そんな時間ももう終わり。

 

もう、紬の笑顔を見る事も、紬と話をする事も叶わない。

 

 

 

 

 

 

『誰も助けられない、何の役にも立てない私なんかに、生きてる価値なんてない!!!』

 

 

 

 

 

 

『誰も助けられないで、自分だけ生き残ってしまったのに!! どうやって自分を大事にしようって思えるんですか!!!』

 

 

 

 

 

 

紬が胸に抱えていた苦しみに、少しも気付いてあげられなかった。

 

退場していく紬を、傍で看取ってあげる事もできなかった。

 

「ッ……」

 

頬を流れ落ちていく、一筋の涙。

 

紬を救えなかった無力さと、紬の苦しみに気付いてあげられなかった後悔。

 

それらが今、冴の心に重くのしかかっていた。

 

「紬ちゃんの……馬鹿……ッ」

 

何故、一人でラスボスに挑むような無茶をしてしまったのか。

 

無茶をするのならせめて、もっと自分達を頼って欲しかった。

 

次第に涙を堪え切れなくなり、その場に小さく蹲る冴。

 

暗い夜のビルに、彼女のすすり泣く声だけが、静かに響き渡っていた。

 

 

それから、翌日。

 

「ギュオオオオオン……!!」

 

ジャマーエリア内に三度現れたローズフォートレスジャマト。

 

それと共に、街中に大量の死神ジャマトが出現し始めた。

 

『皆さん、再びラスボスが現れました! この第3ウェーブで、全ての運命が決まります!』

 

「……ハームも退場した今、残るプレイヤーは後3人」

 

ツムリのアナウンスが響き渡る中、ゲームマスターの恰好をしたギロリは、マスク越しにモニターを見据えていた。

 

最初は30人ものプレイヤーが参加していた、今回のデザイアグランプリ。

 

それが今では、たったの3人しか残っていなかった。

 

「この世界を救えるか、仮面ライダー達よ……!」

 

 

「―――さて」

 

コインを指先で弾き上げ、キャッチする英寿。

 

既にジャマーエリア内に転移していた彼は、前方から迫り来ている死神ジャマトの大群、そして遠くの空を飛んでいるローズフォートレスジャマトの姿を睨みつける。

 

 

 

 

 

 

『英寿さん……どうか……お願い、します……』

 

 

 

 

 

 

『私の、友達が……皆が、幸せに……生きられる……世界……を……っ』

 

 

 

 

 

 

「……目的を果たすついでだ。叶えてやらないとな。ハームの願いも」

 

「何を叶えるって?」

 

そんな時。

 

英寿の後ろから、いつもの黒いマスクを着けた勇海が歩いて来た。

 

「やっぱり、英寿君も後悔してたんじゃない? 紬ちゃんを助けられなかった事」

 

「……退場していくプレイヤーはこれまで何度も見てきた。もう今更、流れる涙もない」

 

「否定はしないんだね。良かった、君が情のある人間で」

 

勇海はうんうんと頷いてから、英寿の右隣に並び立つと、前方に見える死神ジャマトの大群を、鋭い目で睨みつける。

 

その目付きを見て、英寿は問いかけた。

 

「決まったのか? お前の答えは」

 

「まぁね……冷静になって考えてみたら、わざわざ深く悩む必要もなかったよ」

 

「……そうか」

 

ふと、英寿はまた別の気配を感じ、左方向に視線を向ける。

 

その先からは、普段通りのクールな顔つきをした冴が歩いて来ていた。

 

「なんだ、お前も来たのか。俺が心配してやる必要もなかったみたいだな」

 

「馬鹿にするな。アンタに心配されずとも、私のやる事は変わらない……私はただ、ひたすら戦い続けるだけ。私の理想の世界のために」

 

「……相変わらずストイックだな」

 

「うん、冴さんらしい」

 

英寿と、そして勇海も、既に気付いていた。

 

冴の目が、ほんの僅かにだが、赤く腫れている事に。

 

その理由を既に察していた2人は、敢えてそれ以上、野暮な事は言わなかった。

 

英寿の左隣に冴が並び立ち、3人は前方から迫り来る死神ジャマト達と改めて対峙する。

 

3人の手には、それぞれのレイズバックルが構えられていた。

 

「行くぞ」

 

3人は同時に構える。

 

己の理想を叶えるために。

 

そして、先に逝った彼女(・・)の願いも果たすために。

 

≪SET≫

 

≪SET FEVER≫

 

≪≪SET≫≫

 

ドライバーに装填されるバックル。

 

待機音が鳴り響く中で、3人はそれぞれのポーズを決め……3人同時に、バックルを操作した。

 

「「「変身!」」」

 

≪GRAB!≫

 

≪CRASHOUT!≫

 

≪ZOMBIE≫

 

装填されたゾンビバックルから溢れ出す、紫色の禍々しい毒液。

 

そこから形成されたゾンビフォームの装甲が、勇海が変身したオルカの上半身に装着される。

 

≪GOLDEN FEVER≫

 

≪JACKPOT HIT≫

 

≪GOLDEN FEVER≫

 

装填されたフィーバースロットバックルから溢れ出す、大量の光輝くコイン。

 

そこから形成されたブーストフォームの装甲が、冴が変身したロポの上半身に装着される。

 

≪DUAL ON≫

 

≪GET READY FOR≫

 

≪BOOST & MAGNUM≫

 

装填されたマグナムバックルとブーストバックルから放たれる、数発の銃弾と灼熱の炎。

 

そこから形成されたマグナムフォームの装甲と、ブーストフォームの装甲が、英寿が変身したギーツの上半身と下半身に装着される。

 

仮面ライダーオルカ・ゾンビフォーム。

 

仮面ライダーロポ・ブーストフォーム。

 

仮面ライダーギーツ・マグナムブーストフォーム。

 

3人の仮面ライダーが、今ここに参戦した。

 

「さぁ……」

 

≪READY≫

 

「ここからが、ハイライトだ……!」

 

≪FIGHT≫

 

「「「「「ジャジャーーーッ!!」」」」」

 

「「「……はぁっ!!」」」

 

大鎌を構え、一斉に襲い掛かって来る死神ジャマト達。

 

3人はそれを真正面から迎え撃つ。

 

ギーツがマグナムシューター40Xで死神ジャマトを狙撃し、ロポが加速するパンチで死神ジャマトを殴り倒し、オルカがゾンビブレイカーで死神ジャマトを片っ端から切り裂いていく。

 

≪BULLET CHARGE≫

 

「はぁっ!!」

 

「「「ジャーッ!?」」」

 

身体を後ろに逸らし、振るわれて来る大鎌を回避したギーツ。

 

そこから彼は周囲に弾丸を乱射し、死神ジャマトだけを的確に撃ち抜いてみせた。

 

「ふっ!!」

 

その近くでは、ブーストパンチャーで大鎌を受け止めたロポが、大鎌の柄を掴んで死神ジャマトを引っ張り寄せ、その顔面にパンチを叩き込む。

 

「ジャッ!!」

 

「ッ!?」

 

もちろん、死神ジャマト達もただやられてばかりではない。

 

1体の死神ジャマトが大鎌の柄をロポの腹部に叩きつけ、怯んだ彼女の身体を大鎌でビルの壁に押さえつける。

 

そこに別の死神ジャマトが接近し、ロポの頭部目掛けて大鎌を振り下ろそうとした……が。

 

≪REVOLVE ON≫

 

「「ジャッ!?」」

 

大鎌の刃物が当たる直前で、ドライバーを半回転させたロポはボディの上半身と下半身が入れ替わる。

 

その際、ロポの頭部が引っ込んだ事で、大鎌はビルの壁に突き刺さるだけで終わる。

 

「はぁっ!!」

 

「「ジャーッ!?」」

 

その直後、ブーストフォームの装甲を下半身に装備したロポは、逆立ちをしている状態から死神ジャマトの頭部に向かって蹴りを叩き込む。

 

両足を地面に着けてからも、ロポは加速するキックで連続蹴りを繰り出し、死神ジャマトを1体ずつ着実に薙ぎ倒していく。

 

このまま好きにはさせまいと、ロポの背後に回り込んだ1体の死神ジャマトが、彼女に不意打ちを仕掛けようとしたが……。

 

ズギャアッ!!

 

「ジャジャッ!?」

 

「ふんっ!!」

 

その真横から突き出されて来たゾンビブレイカーの刀身が、死神ジャマトの頭部を粉砕してしまった。

 

ゾンビブレイカーを突き出した張本人であるオルカは、その後も迫って来る死神ジャマト達の大鎌をかわしては、鎖鋸の回転するゾンビブレイカーで死神ジャマト達を斬りつけて行く。

 

その後、ゾンビブレイカーのポンプ部分に、左手の手の甲を押しつけて横にスライドさせた。

 

≪POISON CHARGE≫

 

「うらぁっ!!」

 

≪TACTICAL BREAK≫

 

「「「ジャジャーッ!?」」」

 

逆手に持ち替えたゾンビブレイカーで、オルカは下から上に振り上げるように地面を斬りつける。

 

すると、斬りつけられた地面の上を強力な斬撃が走り、斬撃が走る先に立っていた数体の死神ジャマト達を纏めて吹き飛ばしてみせた。

 

「ギャオオオオオッ!!」

 

「おっと……!」

 

その時、上空を飛んでいたローズフォートレスジャマトが数本の茨の鞭を伸ばし、地上にいる3人に向かって勢い良く振り下ろして来た。

 

直前で気付いた3人は素早く回避し、代わりに数体の死神ジャマトが茨の鞭で吹き飛ばされていく。

 

≪REVOLVE ON≫

 

「頼むぜ、コンちゃん」

 

≪BOOSTRIKER≫

 

茨の鞭を回避した後、立ち上がったギーツはマグナムバックルを取り外し、ボディを半回転させて上半身にブーストフォームの装甲を装備。

 

そのすぐ近くに駆けつけたキツネ型のブーストライカーが、周囲の死神ジャマト達を蹴散らした後、バイク形態へと変形する。

 

それに乗り込んだギーツは、アクセル全開で死神ジャマト達を撥ね飛ばしながら、ローズフォートレスジャマトに向かって行く。

 

「ギョアアアアアッ!!」

 

「ほっ!」

 

ギーツを乗せたブーストライカーは、乱射されて来る茨の棘を連続で回避しながら、続けて地面に突き刺さって来た茨の鞭の上を疾走し、減速する事なくローズフォートレスジャマトの本体まで近付いて行く。

 

「さて、まずは何処から崩していくのがベストか……?」

 

飛んで来る茨の棘を腕の装甲で弾き返しつつ、ギーツはブーストライカーで駆け抜ける。

 

その途中、ギーツはある事に気付いた。

 

(! あれは……)

 

並の攻撃では傷一つ付かない頑丈さを誇る、ローズフォートレスジャマトの鋼鉄のボディ。

 

その銀色のボディの一部に、罅割れたかのような大きな傷跡が残っていた。

 

その傷跡に、ギーツは心当たりがあった。

 

「あの時、ハームに付けられた傷か……!」

 

≪SET≫

 

≪MAGNUM≫

 

≪READY FIGHT≫

 

ハームに変身した紬が、退場する前にビートブーストフォームの必殺技で与えてみせた傷。

 

それを見た瞬間、ギーツの判断は早かった。

 

ブーストライカーから跳躍した彼は、すぐにマグナムフォームにチェンジし、マグナムシューター40Xにマグナムバックルを装填する。

 

(ハームの覚悟……無駄にはしない!!)

 

≪MAGNUM TACTICAL BLAST≫

 

「はぁっ!!」

 

「ギュアアアアッ!?」

 

マグナムシューター40X・ライフルモードから放たれた強力な一撃は、その傷跡に向かって一直線に飛来し直撃、ローズフォートレスジャマトの悲鳴が上がる。

 

しかし命中した一撃は、ボディの傷跡の罅を僅かに大きくさせた程度で、それ以上傷跡が大きくなる事はなかった。

 

「へぇ、流石に頑丈だなぁ……おっと!?」

 

別方向から伸びて来た茨の鞭が、ギーツの腕に巻き付いて勢い良く投げ飛ばす。

 

しかしギーツは慌てる事なく、空中で身を翻した彼は即座に体勢を立て直し、ローズフォートレスジャマトのボディの上に着地する。

 

「必死だな。そんなに傷口に触れて欲しくないのか?」

 

ギーツの問いかけに答えるかのように、次々と伸びて来た茨の鞭が一斉に襲い掛かろうとする。

 

それを見たギーツは咄嗟にマグナムシューター40Xを構え直す……が。

 

ズババババァンッ!!

 

「!」

 

何処からか回転しながら飛んで来たゾンビブレイカーが、ギーツに向かって伸びて来た茨の鞭を全て切断。

 

ゾンビブレイカーはそのままギーツの後方へと飛んで行き、その先に立っていたオルカの右手にキャッチされる。

 

「一人でラスボスに挑むのは無謀だってのにさぁ。君も紬ちゃんの事、とやかく言えないんじゃない?」

 

「……へぇ、驚いたな。いつ飛んで来たんだ?」

 

「君なら知ってるでしょう? 本当に便利だよ。ゾンビの力」

 

それは、ギーツがブーストライカーに乗って、ローズフォートレスジャマトの下まで向かい始めた数秒後の事。

 

オルカもまた、発動したゾンビストライクによって地面からゾンビの腕を生やし、それを縦に長く伸ばしてローズフォートレスジャマトの下まで一気に移動したのだ。

 

「はぁっ!!」

 

更に、ギーツとオルカに襲い掛かろうした茨の鞭を、下半身にブーストフォームを装備したロポが蹴りつける。

 

装甲のマフラーから噴射される灼熱の炎もあって、茨の鞭は次々と焼き尽くされていく。

 

「ロポ、お前も来れたとはな」

 

「勇海が生やしたゾンビの腕、利用させて貰った」

 

「俺もびっくりしたよ。下を覗き込んでみたら、冴さんが凄い勢いで駆け上がって来るんだもん」

 

そう、ロポはオルカが地面から生やしたゾンビの腕に乗せて貰った……のではなく、なんと縦に伸びたゾンビの腕を、自分の足だけで(・・・・・・・)強引に駆け上がって来たのだ。

 

普通ならば、いくらブーストフォームの機動力があっても、そのような事は決して容易ではない。

 

“霊長類最速”と称されるほどの俊足を誇る、ロポだからこそ為せる業と言えるだろう。

 

「ふっ、なるほどな。流石はアスリート様だ……っと!!」

 

ギーツがマグナムシューター40Xを振り上げ、伸びて来た茨の鞭を狙撃。

 

ロポとオルカも次々伸びて来る茨の鞭と応戦するが、攻撃が激しく、なかなかボディの傷跡まで近付けない。

 

「チッ……あそこの傷跡まで近付きたいのに……!!」

 

「いや、近付く必要はない」

 

≪SET≫

 

「! それは……」

 

ロポが舌打ちするその傍で、振るわれて来た茨の鞭を転がって回避したギーツ。

 

彼は空いているドライバーの左側にビートバックルを装填し、ビート、マグナムの順にバックルを操作した。

 

≪DUAL ON≫

 

≪BEAT MAGNUM≫

 

≪READY FIGHT≫

 

「こいつなら、距離なんて関係ない」

 

ギーツの下半身に装備される、ビートフォームの装甲。

 

“マグナムビートフォーム”となったギーツは、再度それぞれのバックルを操作する。

 

「俺の音楽(ビート)、聞かせてやるよ」

 

≪BEAT MAGNUM VICTORY≫

 

音声が鳴り響く中、ギーツはビートフォームの装甲を纏った両足を使い、その場でステップを踏み始めた。

 

ビートバックルから流れる軽快な音楽のリズムに合わせ、ギーツが華麗なステップを披露する……その一方で。

 

「ギュ、アァ、オオォ……ッ!?」

 

彼にステップを踏まれているローズフォートレスジャマトは、そのボディ全体にビートの力による特殊な音波が響き渡り、苦しそうに呻き声を上げ始める。

 

それを見て、効果覿面と判断したギーツは、ロポとオルカが茨の鞭による攻撃を防いでいる間、更に激しく華麗なステップを踏み、より強力な音波を広め続ける。

 

それと共に、ステップを踏んでいる彼の足元からは、カラフルな音符がどんどん溢れ出し、ギーツの周囲を浮遊していく。

 

「フィニッシュだ……はっ!!」

 

そして最後は、ギーツが力強く地面を踏みつけ、フィニッシュを決めた。

 

次の瞬間、ギーツの周囲を浮遊していた大量の音符が、ローズフォートレスジャマトの傷跡に一気に収束し……大爆発を引き起こした。

 

ドガガガガァーンッ!!!

 

「ギュオオオオオッ!!?」

 

「うぉっとと!?」

 

「くっ……!!」

 

傷跡を集中的に攻撃された事で、バランスを崩したローズフォートレスジャマトが地上へと落下していく。

 

ギーツ、ロポ、オルカの3人は地上の広い噴水広場に着地した後、彼らの後方に落下したローズフォートレスジャマトが、ズズゥンという轟音と共に地面に大きく減り込んだ。

 

≪GET READY FOR≫

 

≪BOOST & MAGNUM≫

 

「いよいよ、限界が近いみたいだな」

 

再びマグナムブーストフォームとなったギーツが振り返った先では、ローズフォートレスジャマトのボディ全体から火花が飛び散り、黒い煙が噴き出し始めている。

 

茨の鞭を伸ばして起き上がろうとしているようだが、既に限界が近いのか、上手く起き上がれずにいた。

 

そのボディの傷跡はかなり大きく広がっており、今にも崩壊する寸前の状態だった。

 

「アンタ達には悪いけど、こいつは私が貰うよ」

 

「いいや、俺にもやらせて貰うよ。俺も勝てるのなら勝ちたいところだし……それに」

 

≪REVOLVE ON≫

 

「……こいつをぶっ潰したいと思ってるのは、俺も同じだからさ……!!」

 

≪ZOMBIE STRIKE≫

 

ドライバーを半回転させ、ゾンビフォームの装甲を下半身に纏ったオルカ。

 

彼はすぐさまゾンビバックルを操作した後、右足を前に出した姿勢を取り、バーサークローに紫色の禍々しいエネルギーを収束させてから高く跳躍する。

 

「ジャーッ!?」

 

「なら早い者勝ちだ……最速で倒す!!」

 

≪GOLDEN FEVER VICTORY≫

 

それに続くように、ロポも向かって来た死神ジャマトを蹴り飛ばした後、ドライバーの左側に装填しているフィーバースロットバックルのレバーを操作。

 

その場でゆっくりとクラウチングスタートの体勢になった後、先程蹴り飛ばした死神ジャマトが爆発した音を合図に素早く駆け出し、近くの瓦礫を踏み台にして大きく跳躍する。

 

「面白い、打ち上げの時間だ……!」

 

≪BOOST TIME≫

 

そしてギーツもまた、マグナムバックルを操作した後、続けてブーストバックルのハンドルを2連続で回し、ブーストタイムを発動。

 

再びキツネの姿で駆け付けて来たブーストライカーと共に高く跳躍し、ブーストライカーの上に着地した彼は、再度ブーストバックルのハンドルを回した。

 

≪MAGNUM BOOST≫

 

≪GRAND VICTORY≫

 

「はっ!!」

 

ブーストライカーから飛び降りたギーツは飛び蹴りの体勢を取り、赤く燃えるブーストライカーと共に一気に急降下。

 

同じく飛び蹴りの姿勢を取ったロポとオルカも、ギーツに並ぶように一気に急降下していく。

 

「「「はあああああああああっ!!!」」」

 

ローズフォートレスジャマト目掛けて飛来する、3人のライダーキック。

 

それに対しローズフォートレスジャマトも、最後の悪足掻きとして茨の棘を連射するも、今更その程度の攻撃で3人は止まらない。

 

そして……。

 

ドガァァァァァァァァンッ!!!

 

「ギョアアアアアアアアアッ!!?」

 

3人のライダーキックは、ローズフォートレスジャマトのボディの傷跡に直撃。

 

それにより、遂に傷跡の部分から装甲が突き破られるも、3人の勢いは止まらず、ローズフォートレスジャマトの体内をどんどん破壊していく。

 

そして、遂に最後まで貫通してしまった3人は外へと飛び出し、地面に着地してみせた。

 

 

 

 

 

 

「この世に崩れない城なんてない」

 

 

 

 

 

 

ボディを完全に貫かれ、大きな風穴が開いたローズフォートレスジャマト。

 

その光景をバックに、ギーツは着地した際のポーズを保ったまま、静かに言い放った。

 

 

 

 

 

 

「その言葉……お前は信じるか?」

 

 

 

 

 

 

その言葉を最後に、大爆発を引き起こすローズフォートレスジャマト。

 

爆発による風で、ギーツのマフラーが華麗に靡く中。

 

最凶最悪なラスボスは、仮面ライダー達の活躍により、今度こそ完全に滅ぼされたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




仮面ライダーギーツ!

ツムリ「遂に、デザ神が決定しました!」

勇海「勝っても負けても、悔いの残る結果になっちゃったね……」

冴「私は諦めない……生きている限り、何度でも戦う」

英寿「いつか必ず、見つけ出してみせる……!」
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