仮面ライダーギーツエクストラ 追憶:知られざるゲーム   作:ロンギヌス

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お待たせしました、第23の更新です。

ガッチャード&ギーツの公開を楽しみにしつつ、チマチマと執筆活動を続けて行きます。

それから、活動報告にて第5回オリジナルライダー募集を開始しました。
興味が湧いた方はぜひ。






・主なプレイヤー

瑠璃川四葉/仮面ライダーラミア
今井透/仮面ライダートゲッチ
石村火炎/仮面ライダーリザ
猿山信吾/仮面ライダーヒヒ
朝霞夢乃/仮面ライダーツッキー
五十鈴大智/仮面ライダーナッジスパロウ
浮世英寿/仮面ライダーギーツ

参加人数:32名

現在生き残っている人数:8名







・現在のデュオ

1組目︰●ラミア&●ブートン
2組目︰○ツッキー&◯ナッジスパロウ
3組目︰●リザ&●ギーツ
4組目︰◯ヒヒ&◯クダール








第23話︰攻略法、見つけたり!

「そ、それ、本当なんですか!? 攻略法が分かったって……!」

 

「しっ、静かに。他のプレイヤー達に聞こえてしまう」

 

大智から告げられた言葉に驚愕する夢乃と、そんな彼女の口元を慌てて人差し指で閉じさせる大智。

 

大智は周囲で他のプレイヤーが盗み聞きしていないかを確認してから改めて小声で夢乃にたけ聞こえるように語り始める。

 

「これが成功すれば、僕達が一番最初にリードできる。でも、それをやるには夢乃さん、君の協力が必要だ」

 

「私の、ですか?」

 

「あぁ。むしろ、ここで僕達が協力し合わない限り、あのリバーシジャマト達は決して倒せないだろう」

 

そう言って、大智はスパイダーフォンを開きながら、自身が思いついたリバーシジャマトの攻略法を、夢乃にわかりやすく説明する。

 

その説明の内容を聞いて、夢乃は納得したように目を見開いた。

 

「そっか、それなら……!」

 

「さっきも言ったように、今はまだ推測の段階に過ぎない。相応の危険も伴うだろう」

 

「でも、やってみる価値はあると思います! 大智さんの考え、私もあり得そうだと思いましたから!」

 

「そうか……なら、ここは力を合わせて頑張ろう。少なくとも、このミッションが終わるまで僕達は味方同士だ。頼りにしてるよ」

 

「はい! よろしくお願いします!」

 

夢乃は大智と握手を交わし、大智もそれに笑みを浮かべて応じてみせる。

 

その時、ある事を伝え忘れていた大智が夢乃に告げた。

 

「あぁ、それと夢乃さん。今僕が話した事は、他のプレイヤー達には内緒にしておいて欲しい」

 

「え? どうしてですか……?」

 

攻略法が分かれば、他の皆もジャマトと戦えるのに、一体何故?

 

疑問を抱く夢乃に、大智はその理由も説明する。

 

「僕が今言った攻略法は、ハッキリ言うと非常に単純だ。他のプレイヤー達が気付くのも、恐らくそう時間はかからないだろう。だから最初の内に、僕達だけでスコアを稼いで、少しでも大きくリードしておきたい」

 

「な、なるほど……でも、皆に黙ってるのも何だか悪いような……」

 

根が真面目で純粋なのもあってか、夢乃は他のプレイヤー達に隠し事をするのはあまり積極的ではない。

 

その事は薄々察しているのか、大智は申し訳なさそうな表情で彼女に謝罪する。

 

「すまない。僕としても、皆に隠し事をするのは気が引けるところはあるよ。でも、相手は手強いプレイヤー達ばかりだ。油断すれば僕達が喰われる。こればっかりは、割り切るしかない」

 

「……分かりました。大智さんがそこまで言うのでしたら」

 

大智の謝罪を含めた説得を受け、夢乃はまだ納得はできていなかったものの、ひとまずは彼の提案を聞き入れる事にした。

 

申し訳なさそうに謝罪してまで、大智がそんな提案をしてきたのだから。

 

彼も決して本意ではないのだろうと。

 

大智の言葉を、夢乃は疑おうという気持ちにはなれなかったのである。

 

もっとも……。

 

(……まぁ、ここまで言っておけば大丈夫かな。あまり彼女に勝手な行動を取られても、僕が困るしね)

 

大智は内心、このような事を考えていたのだが。

 

もちろん夢乃は、そんな事など知る由なかった。

 

 

「―――それにしても奇遇だねぇ」

 

一方、サロンの方では。

 

カウンター席に座っていた英寿と四葉の下に、火炎が語りかけていた。

 

ドリルバックルを片手でポンポン宙に放りながら、気安く語りかけて来た火炎の態度に不快な感情を抱いたのか。

 

四葉は火炎に対しても、キッと強く睨みつけた。

 

「何の用だ、石村火炎」

 

「ほぉ、既に俺の名前を覚えてくれているのか。嬉しい限りだねぇ」

 

「話を逸らすな。何の用かと聞いているんだ」

 

「お堅いねぇ。楽しくお話するくらい構わないだろう? せっかく久々に(・・・)対面したのだから」

 

「何……?」

 

火炎の言葉に、四葉は眉を顰める。

 

自分とこの男が、いつ何処で出会ったというのか。

 

四葉が火炎に対し、訝しげな表情を隠そうともしないその一方。

 

英寿は何か心当たりがあるのか、座っている椅子をクルリと回転させ、火炎と正面から向き合う態勢を取った。

 

「いや、俺は覚えてるぞ。その爬虫類みたいな黄色いカラコン……以前、デザグラのゲームに巻き込まれてた奴だな」

 

「ふはは、思い出してくれるとは。これはありがたい話だ」

 

火炎は笑いながら、その脳裏に当時の記憶を呼び起こす。

 

 

それは、およそ1年前の出来事。

 

火炎はその日、何人かの知人達と共に、山奥までキャンプにやって来ていた。

 

火炎は普段、キャンプを行う際は1人で楽しむ事が多い。

 

しかし、「たまには複数人で一緒に楽しむのもありか」と思った彼は、同じキャンプ仲間である知人からの誘いを受け、仲間達と共にキャンプの時間を満喫していた。

 

川の流れる音を聞きながら、焚き火を囲み、仲間達と語り合い、笑い合う。

 

自然の中だからこそ堪能できる、楽しいひと時。

 

そんな楽しい時間は……何の前触れもなく、突如として崩れ去る。

 

『『『『『ジャーッ!!』』』』』

 

『うわっ、な、何だぁ!?』

 

『ば、化け物!?』

 

『うわあああああ!?』

 

『な、何だこいつらは……!!』

 

何処からか、キャンプ場に次々と現れた複数のポーンジャマト。

 

猪や熊などの動物の毛皮を身に纏い、斧や弓などを構えたポーンジャマト―――“山賊ジャマト”の集団は、その場にいた火炎達に襲い掛かり、一同は悲鳴を上げて逃げ惑う。

 

火炎もまた、山賊ジャマトの姿を見て驚愕しつつ、襲い来る山賊ジャマトから逃げ出そうとした、その時だった。

 

『はっ!!』

 

『ジャーッ!?』

 

『……!?』

 

火炎に襲い掛かろうとした山賊ジャマトが、勢い良く吹き飛んだ。

 

驚いた火炎が振り向いた先には、ブーストフォームの姿に変身したギーツが立っていた。

 

直前で割って入ったギーツが、山賊ジャマトを殴り飛ばしたのだ。

 

『大丈夫か?』

 

『お、お前さんは……!?』

 

『フンッ!!』

 

『『『ジャジャーッ!?』』』

 

その近くでは、ニンジャフォームの姿をしたラミアが、ニンジャデュアラーで複数の山賊ジャマトを一気に蹴散らしていた。

 

ラミアは火炎の方には目も暮れる事なく山賊ジャマト達の方へと駆け出し、ギーツもそちらに向かおうとする。

 

『逃げろ。あいつらは俺達が足止めする』

 

『ま、待ってくれ!! お前さん達は何者なんだ!? それに、あの奇妙な怪物達は……』

 

火炎が呼び止めようとするも、ギーツは足を止める事なく、ラミアと共に山賊ジャマト達を相手に戦い続ける。

 

その後も、火炎はその場に立ち尽くしたまま、一歩も動けずにいた。

 

目の前で繰り広げられているその光景に強い衝撃を受け、ただ見ている事しかできなかった。

 

『ッ……彼らは……あの怪物達は、一体……』

 

無意識の内に、火炎の表情には変化が生じ始める。

 

それは恐怖でも困惑でもない、強い好奇心と興奮が宿った物だった。

 

そんな彼の視線は、彼らを守るために戦っているギーツとラミアではなく。

 

2人と戦っている、山賊ジャマト達の方に向けられていた。

 

『く、ははは……面白い……面白いじゃないか……!!』

 

 

「―――あの時は、こうしてまたデザイアグランプリに関われるなんて、夢にも思わなかったよ」

 

かつての出来事を振り返りながら、興奮した様子で語る火炎。

 

その傍らでは、英寿がティーカップの紅茶を口にしながら、当時の出来事を思い出していた。

 

「まさか、こんな所でお前と再会するなんてな。その黄色いカラコン、分かりやすい特徴で今でも覚えてる」

 

「そう、爬虫類みたいでかっこいいだろう?」

 

火炎が自身の両目に付けている、黄色のカラーコンタクト。

 

それは爬虫類のように瞳孔が縦に伸びており、見た者に不気味だと思わせるには充分過ぎる物だった。

 

「爬虫類自体は別に嫌いじゃないが、俺にはよく分からない趣味だな」

 

「はっは、それは残念。俺の知り合いでも、これに共感してくれる人はなかなかいなくてねぇ」

 

「俺の感性が特殊過ぎるのだろうか」と告げ、高笑いする火炎。

 

そんな彼を、四葉は今も強く睨みつけながらコーヒーを口にしていたのだが、火炎は気付いていないのか、気付いた上で触れないでいるのか、そちらには特に反応する事はなかった。

 

「それで? わざわざこんな危険なゲームに参加してまで、お前はどんな理想を叶えたいんだ」

 

「おぉ、よくぞ聞いてくれた」

 

その質問を待っていたと言わんばかりに、火炎は英寿から投げかけられた問いかけに対し、怪しげな笑みを浮かべながら答えた。

 

 

 

 

 

 

ジャマトを支配できる力(・・・・・・・・・・・)さ」

 

 

 

 

 

 

「「……ッ!?」」

 

火炎が告げた答えに、英寿と四葉は同時に目を見開き、驚きを隠せなかった。

 

ジャマトの支配。

 

さんな言葉が出て来るなど、思ってもみなかったからだ。

 

「……ジャマトなんか支配してどうするんだ?」

 

「なに、単純な興味本位さ。俺は知りたいんだよ。ジャマトという存在の全てを」

 

かつて、自身が初めてジャマトの存在を知るきっかけとなった山賊ジャマト。

 

1回戦で戦った魔導師ジャマト。

 

そして、今現在戦っている真っ最中のリバーシジャマト。

 

それらの姿を思い浮かべながら、火炎は熱の入った口調で語り始めた。

 

「謎に満ちた存在、ジャマト……それは一体何処から発生したのか?」

 

「それは自然から発生した物なのか? それとも人工的に作り出された存在なのか?」

 

「それは動物なのか? それとも植物なのか?」

 

「どういった生態をしているのか? そもそもあれは生きているのか?」

 

「時折発している言語は何なのか? 人間とのコミュニケーションは果たして可能なのか?」

 

「何故人間を襲うのか? ジャマトに襲われて退場したプレイヤーは一体、何処へ消えたのか?」

 

「それらの謎を全て解き明かしたくて仕方がない……そう考えているのがこの俺なのさ」

 

英寿と四葉の前で、口角を吊り上げながら話す火炎。

 

その内容は、まるで科学者が興味を抱いた対象について語るかのようであり、黄色のカラーコンタクトを付けているのも相まって、その目には狂気じみた物が宿っているかのようだった。

 

そして、火炎の話。一部始終聞いていた英寿と四葉は、口が開いた状態のままポカーンとしていたが、両者共に数秒ほど経過してからハッと我に返り、紅茶を一口飲んだ英寿が改めて言葉を発した。

 

「……なるほど。お前が相当な物好きだという事はよく分かった」

 

「そうだろう? ジャマトとは一体どういう存在か……興味深いと思わないか? お前さん達も」

 

「どうでも良い」

 

同じく我に返った四葉は、カップのコーヒーを飲み干してから冷徹に言い捨てた。

 

「貴様が何に興味を示そうが貴様の勝手だが、私はこれっぽっちも興味が湧いて来ない。以上」

 

四葉はそう言ってカウンター席から立ち上がり、火炎から距離を取るためにその場を移動する。

 

その途中、離れた位置のソファに座ってギロリお手製パフェを食べている真っ最中だった杉村哲夫の首根っこを掴み、ズルズルと引っ張り始めた。

 

「杉村哲夫と言ったな? 来い。話がある」

 

「へっ、ちょ、何だいきなり!? 俺まだパフェ食べてる最中……」

 

「食べながらで良いから来い。今回のゲームに付いて作戦会議だ」

 

「ちょ、分かった、分かったから一旦離してくれって!? パフェが溢れちゃうだろ!?」

 

哲夫による抗議の声を無視し、四葉は哲夫を引き摺ってサロンから退室していく。

 

その様子を見届けていた火炎は、やれやれと言った様子で肩を竦めた。

 

「どうやら、彼女とは趣味が合わないらしい……お前さんはどうだい? 浮世英寿さんよ」

 

「ジャマトに付いて、興味が全くないと言えば嘘にはなる……だが悪いな。生憎、俺は俺の理想を叶えたいだけだ」

 

「残念。理解者に巡り会える日はまだまだ先のようだ」

 

そう言いつつも、特に残念そうな表情は見せない火炎。

 

そんな腹の底の見えない火炎に、英寿は無言で紅茶を飲みながら、その内心では密かに火炎に対する警戒を強めつつあった。

 

 

同時刻。

 

サロン内のとある通路の曲がり角にて、1組のデュオが話し合い……否、揉め事を起こしていた。

 

バキィッ!!

 

「あぐっ……!?」

 

クダールの変身者である山内清が、背中から壁に叩きつけられる。

 

清を殴った張本人、猿山信吾は拳をポキポキ鳴らしながら近付き、清の胸倉を掴んで無理やり立ち上がらせた。

 

「ほんっとに使えねぇよなぁ。碌に前に出る事もできねぇ腰抜け野郎が」

 

「うぅ……だ、だって、仕方ないじゃないか……俺、小学生の時から、喧嘩なんて一度もやった事ないし……ッ」

 

「喧嘩した事ねぇから何だぁ? 言い訳になるかよ、そんなもん!!」

 

「がはっ!?」

 

信吾の膝蹴りが清の腹部に炸裂し、苦しげに呻きながら再び床へと倒れ込む清。

 

信吾は苛立った様子で、自身の頭を乱暴に掻いた。

 

「くそ、テメェみてぇな腰抜け野郎なんかとデュオ組む羽目になっちまうとはな。どうせ組むなら、あのラミアとかいう女の方が良かったぜ。あの女、弱いバックルしか持ってねぇ癖にやたらつえーし……いや、待てよ」

 

その時、何かを閃いたのか。

 

先程まで苛立っていた信吾は、ニヤリと怪しげな笑みを浮かべ、床に倒れ伏している清の前でしゃがみ込んだ。

 

「おい腰抜け野郎。テメェが役に立つ方法を教えてやるよ」

 

「ッ……や、役に立つ方法……?」

 

「あぁそうだ。無理に前に出て戦う必要もねぇ。至って簡単なやり方だ」

 

信吾はその役に立つ方法(・・・・・・)の内容を、清にも分かるように説明する。

 

の内容を聞いた清は、困惑の表情を見せながら首を横に振った。

 

「だ、駄目だよ、そんなやり方……他の皆に迷惑が……ぐっ!?」

 

「黙れ。テメェに拒否権なんざねぇんだよ」

 

清の髪の毛を掴み、乱暴に持ち上げて清と顔の距離を近くさせる信吾。

 

清が髪の毛を引っ張られた痛みで表情を歪める中、彼の顔を覗き込みながら信吾が言い放つ。

 

「テメェは戦いじゃ何の役にも立たねぇカスだ。だが、カスならカスなりに、役に立つための方法ってのがあるよなぁ……?」

 

「う、うぅ……ッ」

 

「テメェは黙って、俺の言う通りにしてれば良いんだよ。それとも、まだ殴られ足りねぇってのか? あぁ?」

 

「ひぃっ……わ、分かった、分かったから……もう殴らないで……ッ」

 

「へっ、分かりゃ良いんだよ。分かりゃあ」

 

信吾に拳を近付けられ、怯えた清は両手で顔を守りながら了承する。

 

それを聞いて、信吾は笑いながら清の髪の毛を離した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、信吾も、清も気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蜘蛛の姿に変形した1機のスパイダーフォンが、天井から2人の様子を眺めていた事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから翌日。

 

再び、プレイヤー達はデザイアグランプリの招集を受けた。

 

『皆さん、再びリバーシジャマトが街に現れました!』

 

ツムリのアナウンスが告げられる中、四葉と哲夫、大智と夢乃の4人は、様々な遊具が並ぶ公園広場にてリバーシジャマト達を迎え撃とうとしていた。

 

≪≪SET≫≫

 

「「変身!」」

 

≪ARMED PROPELLER≫

 

≪ARMED SHIELD≫

 

≪≪READY FIGHT≫≫

 

四葉はラミア・アームドプロペラに、哲夫はブートン・アームドシールドに変身し、リバーシジャマト達と戦い始める。

 

そこから少し離れた場所でも、大智と夢乃がそれぞれバックルをドライバーに装填した。

 

≪≪SET≫≫

 

「変身!」

 

≪GYA!≫

 

≪MONSTER≫

 

「変身!」

 

≪GRAB!≫

 

≪CLASHOUT!≫

 

≪ZOMBIE≫

 

大智はナッジスパロウ・モンスターフォームに、夢乃はツッキー・ゾンビフォームに変身し、襲い掛かって来たリバーシジャマト達を迎撃する。

 

4人のプレイヤーが戦う中、リバーシジャマト達は次々と4人を取り囲み、軽やかな動きで翻弄し始める。

 

「くそ、ただでさえ倒す方法がわからねぇってのにこの数かよ……!!」

 

「「ジャジャジャーッ!!」」

 

「な、ぐあぁっ!?」

 

1体の黒リバーシジャマトを相手取っていたブートンは、左右から同時に襲って来た2体の白リバーシジャマトに槍で斬りつけられる。

 

強烈なダメージを受けたブートンが倒れ、そこに白リバーシジャマトが槍を振り下ろそうとしたその時。

 

寸前で割って入ったラミアがレイズプロペラで槍を受け止め、白リバーシジャマトの腹部を蹴りつけて後退させた。

 

「大丈夫か」

 

「あ、あぁ……悪い、油断してた」

 

「気を抜くな。キツいようなら、最初は守りに徹しろ……フッ!!」

 

「ジャーッ!?」

 

ラミアはブートンが落としたレイズシールドを拾って彼に渡し、レイズプロペラを回転させて黒リバーシジャマトを斬りつける。

 

斬られた黒リバーシジャマトが倒れて爆発するが、その後すぐに復活した黒リバーシジャマトが立ち上がり、何事もなかったかのようにラミアに襲い掛かって来た。

 

「チッ……やはり、普通に倒すだけでは駄目なのか……!!」

 

ラミアが舌打ちしながら、黒リバーシジャマトを相手取るその一方。

 

ナッジスパロウは黒リバーシジャマトの槍をモンスターグローブで叩き落とし、黒リバーシジャマトの首元を掴んでからツッキーに呼びかけた。

 

「夢乃さん、準備は良いかい?」

 

「はい!」

 

白リバーシジャマトの槍をゾンビブレイカーで受け流していたツッキーは、白リバーシジャマトを力強く蹴り倒した後、倒れている白リバーシジャマトをその場に放置し(・・・・・・・)、ナッジスパロウの方へと走り出す。

 

それを見たラミアは、ツッキーの取った行動に疑問を抱いた。

 

「何をする気だ……?」

 

ラミアの疑問は、すぐに晴れる事となる。

 

ツッキーが走って来るのを確認したナッジスパロウは、左手で黒リバーシジャマトの首を掴んだまま、右手でモンスターバックルを2回叩いて操作し、必殺技を発動する。

 

≪GYA!≫

 

≪MONSTER STRIKE≫

 

「フッ!!」

 

「ジャ、ジャ……ッ!?」

 

ナッジスパロウは黒リバーシジャマトの首を掴んだまま、ツッキーのいる方へと走り出す。

 

一方で、ツッキーもナッジスパロウのいる方へと走りながら、構えたゾンビブレイカーのポンプ部分をスライドさせた。

 

≪POISON CHARGE≫

 

「行くよ、夢乃さん!!」

 

「はい、行きます!!」

 

ゾンビブレイカーの鎖鋸が高速回転する中、ナッジスパロウは走りながらも左手で掴んでいた黒リバーシジャマトを正面に突き出し、右手で拳を強く握り締める。

 

そしてツッキーも、エネルギーの収束されたゾンビブレイカーを構えながら、ナッジスパロウが正面に突き出している黒リバーシジャマトに狙いを定めた。

 

そして……。

 

≪TACTICAL BREAK≫

 

「「ハァッ!!」」

 

「ジャッ……ジャーーーーーッ!!?」

 

ナッジスパロウが右手を振るい、掴んでいた黒リバーシジャマトを殴りつける。

 

それと同時に、ツッキーがゾンビブレイカーで擦れ違い様に黒リバーシジャマトの胴体を斬りつけた。

 

2人の必殺技を同時に喰らった黒リバーシジャマトは、ナッジスパロウが手を離すと共に地面に倒れると、一瞬だけ黒いタキシードが白く変化してから、その場で大爆発を引き起こす。

 

「! まさか……」

 

その光景を見て、ラミアは仮面の下で目を見開いた。

 

爆風が少しずつ収まっていった後……その場に、黒リバーシジャマトの姿はなかった。

 

つまり、黒リバーシジャマトは復活する事なく、ナッジスパロウとツッキーの2人によって完全に倒されたのだ。

 

「や、やったぁ!!」

 

「フッ……見つけたよ、リバーシジャマトの攻略法……!」

 

ツッキーが喜びながらジャンプし、ナッジスパロウも仮面の眉間部分を指で触れながら笑みを浮かべる。

 

すると2人の後方に、それぞれのデュオのスコアを表示したモニターが投影され、ツッキー・ナッジスパロウデュオのスコアには200ポイントが加算された。

 

「先制点は、僕達が頂いたよ」

 

「ど、どういう事だ……!? 今まで、1体も碌に倒せなかったのに……」

 

何故、ナッジスパロウとツッキーの2人はリバーシジャマトを復活させる事なく倒せたのか。

 

ブートンが困惑を隠せないでいる中、ツッキーは昨日の出来事を思い出していた。

 

「本当に上手く行った……これなら……!」

 

 

昨日、大智が夢乃に語った作戦内容。

 

それは至ってシンプルな内容だった。

 

『まず、リバーシジャマトは黒と白の2種類が存在している。なら、僕達のやる事は1つだ』

 

『やる事って……?』

 

『簡単だ。リバーシのルールに従えば良い』

 

大智はスパイダーフォンを開き、画面を夢乃に見せる。

 

画面に映されているのは、それぞれのデュオのスコア表。

 

この時点では、夢乃は大智が思いついた攻略法についてまだ気付いてはいなかった。

 

『スコア表……?』

 

『それぞれのデュオの、ライダーの顔が映っている背景を見て欲しい。色がそれぞれ違うだろう?』

 

『あっ……確かに……!』

 

大智に言われて、夢乃はハッと気付いた。

 

ラミア・ブートンデュオは黒。

 

ツッキー・ナッジスパロウデュオは白。

 

リザ・ギーツデュオは黒。

 

ヒヒ・クダールデュオは白。

 

4組存在するデュオはそれぞれ、ライダーの顔が映っている背景の色が違っていたのだ。

 

『もし、この背景の色が、僕達の色を表しているのだとしたら? 僕達が取るべき行動は1つだ』

 

『ッ……自分達のデュオとは、違う色のリバーシジャマトを倒す事……!』

 

『正解。2種類いるリバーシジャマトの内、白い方は僕達では倒せない。僕達が狙うべきは、黒い方の個体だ』

 

 

そして現在。

 

最初にスコアをゲットしたツッキー・ナッジスパロウデュオだが、もちろんここで終わりではない。

 

2人はすぐに他の黒リバーシジャマトに狙いを定め、ナッジスパロウは右手のモンスターグローブを、ツッキーは左手のバーサークローで2体目の黒リバーシジャマトを同時に攻撃する。

 

「ジャジャジャーッ!?」

 

「よし、2体目……!」

 

「この調子で、どんどん倒して行こう」

 

2体目の黒リバーシジャマトを倒した事で、ツッキー・ナッジスパロウデュオのスコアが400ポイントまで上がる。

 

調子付いて来た2人が黒リバーシジャマト達を倒していく中、その光景を見ていたラミアも、2人が黒リバーシジャマトを倒せた理由に薄々だが勘付き始めていた。

 

「なるほど、そういう事か……!」

 

同じデュオの味方同士で、違う色のリバーシジャマトを同時に攻撃すれば、リバーシジャマトを倒す事ができる。

 

ラミアはレイズプロペラを構え直し、白リバーシジャマトと戦っていたブートンに呼びかけた。

 

「おい、すぐに技を出せ!!」

 

「へっ!?」

 

ブートンが突然の命令に動揺する中、ラミアは駆け出しながらプロペラバックルを操作し、必殺技を発動する。

 

それを見たブートンも慌ててシールドバックルを操作し、レイズシールドにエネルギーを収束させていく。

 

≪PROPELLER STRIKE≫

 

≪SHIELD STRIKE≫

 

「はぁっ!!」

 

「お、おりゃあっ!!」

 

「ジャーッ!?」

 

ラミアが擦れ違い様に振るったレイズプロペラの斬撃と、ブートンが正面に突き出したレイズシールドの打撃が、同時に白リバーシジャマトのボディに炸裂する。

 

白リバーシジャマトが溜まらず大爆発を起こした中、立ち止まったラミアは回転させていたレイズプロペラを停止させた。

 

(よし、これで……)

 

自分の記憶が正しければ、自分達のデュオの背景は黒だった。

 

ならば、2人で同時に白リバーシジャマトを攻撃すれば、復活はしないはず。

 

ラミアはそう考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、ここで想定外の事態が発生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジャ~……」

 

「ッ!? 何……!?」

 

「あ、あれ!? なんでだ!?」

 

2人の同時攻撃により、跡形もなく消滅したと思われていた白リバーシジャマト。

 

それが何故か、燃え盛る炎の中からゆっくりと立ち上がり、何事もなかったかの様子で復活してしまったのだ。

 

「お、おいアンタ!! どういう事なんだよ!? 結局倒せてないじゃんか!!」

 

「馬鹿な、そんなはずは……」

 

ラミアは慌てて、スパイダーフォンの画面を確認する。

 

ラミア・ブートンデュオには、スコアが1ポイントも加算されていない。

 

それどころか、ラミアの背景は黒だったが、何故かブートンの方は背景が白に変わっていた。

 

これには、流石のラミアも困惑を隠せなかった。

 

(何がどうなっている……?)

 

「ジャジャーッ!!」

 

しかし、どれだけ混乱していようと、リバーシジャマト達は大人しく待っていてはくれない。

 

復活したばかりの白リバーシジャマトは、すぐさま槍を構え直し、一番近くにいたラミアに向かって襲い掛かるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




仮面ライダーギーツ!

四葉「スコアは意地でも手に入れてみせる……ッ!!」

英寿「リバーシなら、こういう事もできるよな?」

信吾「精々、俺の役に立って貰うとしようか」

大智「一体、何があったんだ?」

夢乃「そんな、どうして何処にもないの……!?」
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