仮面ライダーギーツエクストラ 追憶:知られざるゲーム   作:ロンギヌス

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25話、載せました。これが今年最後の更新になります。

活動報告にてオリジナルライダー募集もしておりますので、興味がある方はぜひ。

皆様、良いお年を!










・主なプレイヤー

瑠璃川四葉/仮面ライダーラミア
今井透/仮面ライダートゲッチ
石村火炎/仮面ライダーリザ
猿山信吾/仮面ライダーヒヒ
朝霞夢乃/仮面ライダーツッキー
五十鈴大智/仮面ライダーナッジスパロウ
浮世英寿/仮面ライダーギーツ

参加人数:32名

現在生き残っている人数:8名







・現在のデュオ

1組目︰○ラミア&○ブートン
2組目︰○ツッキー&◯ナッジスパロウ
3組目︰●リザ&●ギーツ
4組目︰◯ヒヒ&◯クダール

















・前回のあらすじ

Q.四葉さんの前で悪巧みをするとどうなりますか?

A.モンスターで殴られます。








第25話:ラミア無双!

「嘘でしょ……ッ」

 

「ははは、これは驚いた! まさか本当にやってのけるとは……!」

 

「笑い事ではないよ、全く……」

 

他のプレイヤー達のバックルを盗み、戦況を引っ掻き回そうとした猿山信吾ことヒヒ。

 

そのヒヒが、モンスターフォームに変身したラミアの必殺パンチにより、一撃で沈められ呆気なく気絶してしまった。

 

その光景を目の前で見ていた夢乃が唖然とし、リザが楽しそうに笑っている一方で、大智はまたしても頭を抱える事しかできなかった。

 

「……さて」

 

モンスターフォームに変身を解除したラミアはと言うと、気絶している信吾の懐を漁り、彼が隠し持っていたシールドバックル、ハンマーバックル、そしてゾンビバックルを回収。

 

そのついでに、信吾のドライバーに装填されていたチェーンアレイバックルも引き抜き、立ち上がったラミアはそれぞれのバックルを元の持ち主達に投げ渡した。

 

「受け取れ」

 

「ぬぉっと!? いや、だから急に投げるなっての……!」

 

「わっ、とと……あ、ゾンビにハンマー、戻って来た……!」

 

「……やれやれ」

 

哲夫の手にはシールドバックル、夢乃の手にはゾンビバックルとハンマーバックル、そして大智にはモンスターバックルが無事に返却される。

 

盗まれたバックルが戻って来た事を喜ぶ夢乃の横で、大智はキャッチしたモンスターバックルを見て溜め息をついた。

 

「……って、いやいやちょっと待てよアンタ!?」

 

と、ここでハッと気付いた哲夫が、ラミアに食ってかかった。

 

理由はただ1つ、スコアの件だった。

 

「アンタがアイツ殴ったせいで、俺達のスコア0ポイントになっちまったじゃねぇか!! どうすんだこれ、逆転できんのかよ!?」

 

「案ずるな。デュオを組んだ以上、貴様が脱落しないようにはしてやる」

 

ラミアはそう言うと、今度は近くに立っていたクダールの方に視線を向ける。

 

突然視線を向けられたクダールは思わずビクッと怯えたが、そんな彼にラミアは自身の右手をスッと差し出した。

 

「貴様が持っているバックルも寄越せ」

 

「えっ……」

 

「寄越した後は、そこの馬鹿を連れて後ろに下がっていろ。貴様にはライダーなど向いていない……苦手な事を、無理してやる必要はない」

 

「あっ……」

 

無理してやる必要はない。

 

苛烈な口調のラミアは、その台詞を告げる時だけ、雰囲気が少しだけ柔らかくなったようにクダールは感じ取った。

 

クダールは少し俯いた後、自身のドライバーに装填していたクローバックルを取り外し、それをラミアに手渡した。

 

「あの……本当に、ご迷惑をおかけしました」

 

「清さん……」

 

エントリーフォームに戻ったクダールは、ラミアだけでなく、夢乃や哲夫にも頭を下げてから改めて謝罪。

 

それから気絶している信吾の下まで駆け寄り、彼を背中におぶってその場から移動して行った。

 

彼らが後ろに下がっていくのを見届けたラミアは、入手したクローバックルを哲夫に投げ渡した。

 

「使え、杉村」

 

「うぉっとと……へっ、良いのか?」

 

「盾よりはマシだろう」

 

≪SET≫

 

哲夫がクローバックルを入手した一方で、ラミアは信吾のドライバーから回収したチェーンアレイバックルを、自身のドライバーに右側に装填。

 

続けて、ドライバーの左側にはプロペラバックルを装填し、バックルを左右同時に操作する。

 

≪ARMED CHAIN ARRAY≫

 

≪ARMED PROPELLER≫

 

≪READY FIGHT≫

 

上半身側にはアームドチェーンアレイの装甲が、下半身側にはアームドプロペラの装甲が纏われ、ラミアはアームドチェーンアレイプロペラの姿へとチェンジ。

 

右手にレイズチェーンアレイ、左手にレイズプロペラが出現した後、ラミアはレイズプロペラのローター部分を一旦地面に突き刺し、右手のレイズチェーンアレイを両手で構えてみせた。

 

「ここから挽回する。杉村、貴様はそこで構えて待機だ」

 

「ど、どうするんだよ?」

 

「まずは私が敵を1箇所に集める。見ていろ……フッ!!」

 

「「「「「ジャッ!?」」」」」

 

ラミアはレイズチェーンアレイを勢い良く振り回し、前方にいた5体の黒リバーシジャマトを鎖で巻き付けて捕縛。

 

自身の方へと引っ張り寄せると、即座にドライバーに装填しているバックルを2つ連続で操作した。

 

「杉村、構えろ!!」

 

≪CHAIN ARRAY PROPELLER VICTORY≫

 

「お、おう!!」

 

≪SET≫

 

≪ARMED CLAW≫

 

≪CLAW STRIKE≫

 

ラミアの指示を受け、哲夫はすぐにクローバックルをドライバーに装填してブートン・アームドクローに変身すると、再度クローバックルを操作して必殺技を発動。

 

両腕のレイズクローにエネルギーが収束していくのを見たラミアは、地面から引き抜いたレイズプロペラにもエネルギーを収束させ、ラミアとブートンが同時に駆け出した。

 

「ハァッ!!」

 

「どおりゃあっ!!」

 

「「「「「ジャーーーッ!?」」」」」

 

レイズチェーンアレイの鎖に縛られて動けない黒リバーシジャマト達に、レイズプロペラとレイズクローによる斬撃が挟み込むように炸裂。

 

黒リバーシジャマト達が爆散し、ラミア・ブートンデュオのスコアに1000ポイントが一気に加算された。

 

「おぉ、一気に取り返せた……!」

 

「言っただろう? 脱落しないようにはしてやると」

 

≪SECRET MISSION CLEAR≫

 

「「ん?」」

 

その時、2人の耳に聞こえて来た電子音。

 

ラミアがスパイダーフォンを開くと、画面には【スコアを一度に1000ポイント稼ぐ】と表示されており、ラミアの足元にマゼンタ色のミッションボックスが出現した。

 

「何だこれ?」

 

「ほぉ、追加アイテムか」

 

突然の追加アイテムに首を傾げるブートンを他所に、ラミアはミッションボックスの上蓋を横にスライドし、その中身を確認する。

 

そこに入っていたのはニンジャバックルで、ミッションボックスから取り出したそれを見て、ラミアは仮面の下でニヤリと口角を吊り上げた。

 

「ニンジャか……ついてるな」

 

ここから、彼女の快進撃が始まる。

 

 

「凄い、一気に1000ポイントも稼いだ……」

 

そんなラミア達の様子を、少し離れた場所から見ていた夢乃。

 

高得点を得た事で、ポイントを失うペナルティーをあっという間にチャラにさせ、更には追加アイテムまで入手したラミアの活躍ぶりには、夢乃は素直に感心していた。

 

「……って、感心してる場合じゃなかった! 私達も早くスコア稼がないと……大智さん!」

 

夢乃は慌てて首を横に振り、ラミアに取り返して貰ったゾンビバックルを構えながら大智に呼びかける。

 

自分が信吾を突き飛ばしたせいで、自分達のデュオは1回減点されてしまっている。

 

失ったポイント分は、一刻も早く取り戻さなければ。

 

そう考える夢乃だったが……やる気に満ちた彼女とは反対に、ナッジスパロウはかなり低いテンションだった。

 

「やってくれたね、彼女……」

 

「? どうしたんですか、大智さん」

 

「これを見てくれ」

 

≪zzz……≫

 

ナッジスパロウはラミアに返して貰ったばかりのモンスターバックルを夢乃に見せる。

 

モンスターバックルは瞼部分を閉じたままグーグーと寝息を立てており、それを見た夢乃は頭にクエスチョンマークを浮かべた。

 

「寝てます、けど……これが何か?」

 

「力を使い過ぎて休眠状態に入った。残念だが、このバックルはしばらく使えない」

 

「あぁ、なるほど……えっ!?」

 

ナッジスパロウの説明に、夢乃は納得した後、少し遅れて驚きの声を上げた。

 

モンスターバックルはかなり特殊なバックルである。

 

このバックルを使って変身するモンスターフォームは、1つ1つの攻撃がかなりの威力を誇る形態だが、一定時間使い続けるか力を使い過ぎると、モンスターバックルが一時的に休眠状態に入る。

 

一度そうなると、使い果たした力が回復するまで、しばらくモンスターバックルは使えなくなってしまうのだ。

 

「そ、そんな!? どうしてこんな時に……」

 

「彼女……ラミアが技を使ってヒヒを殴り飛ばしたからだ」

 

ラミアはヒヒを殴り飛ばす際、必殺技を発動していた。

 

本人は「手加減はしている」と告げていたが、この時に彼女が力を多めに使ったせいで、モンスターバックルは休眠状態になってしまったのである。

 

高い攻撃力を持つナッジスパロウを、一時的にパワーダウンさせるため。

 

ラミアがヒヒを殴り飛ばす際にモンスターバックルを使用したのは、その目的も兼ねていたのだ。

 

「警戒すべきは、浮世英寿だけではなかったか……ッ」

 

厄介な事をしてくれたものだと、ナッジスパロウはラミアの後ろ姿を睨みつける。

 

そんな彼の心情を知って知らずか、ラミアはドライバーに装填していたプロペラバックルを取り外した後、入手したニンジャバックルをドライバーの左側に装填。

 

チェーンアレイ、ニンジャの順にバックルを操作し、下半身側にニンジャフォームの装甲を装備した。

 

≪SET≫

 

≪DUAL ON≫

 

≪NINJA ARMED CHAIN ARRAY≫

 

≪READY FIGHT≫

 

「フンッ!!」

 

「「「ジャーッ!?」」」

 

“アームドチェーンアレイニンジャ”の姿に変化したラミアは、すぐさまレイズチェーンアレイを振り上げ、邪魔な白リバーシジャマトを吹っ飛ばしてから黒リバーシジャマトを優先して捕縛。

 

動けなくさせたところをブートンと連携して攻撃し、黒リバーシジャマトを倒してスコアを加算させていく。

 

「ジャーッ!!」

 

「チッ……夢乃さん! すまないが、少しハンマーを貸して欲しい!」

 

「わ、わかりました! これで良いですか?」

 

「あぁ、これで良い……!」

 

≪SET≫

 

≪ARMED HAMMER≫

 

≪READY FIGHT≫

 

モンスターバックルが使えない以上、ナッジスパロウは別のバックルで戦うしかない。

 

彼は夢乃から受け取ったハンマーバックルをドライバーに装填し、エントリーフォームからアームドハンマーの姿にチェンジする。

 

≪SET≫

 

「減点しちゃった分は取り返さなきゃ……変身!」

 

≪GRAB!≫

 

≪CLASHOUT!≫

 

≪ZOMBIE≫

 

≪READY FIGHT≫

 

夢乃もゾンビバックルをドライバーに装填し、ツッキー・ゾンビフォームの姿に変身。

 

ナッジスパロウと共に駆け出し、黒リバーシジャマト達に攻撃を仕掛けて行く。

 

ラミア・ブートンデュオ、ツッキー・ナッジスパロウデュオ、そしてリザ・ギーツデュオがそれぞれリバーシジャマト達と対峙する中。

 

ブートンと共にまた1体の黒リバーシジャマトを倒したラミアは、ここである事に気付いた。

 

「黒い方の個体は少なくなってきたな……」

 

2種類の色が存在するリバーシジャマト。

 

その内、黒い個体は白い個体に比べて、その数が段々少なくなってきていた。

 

それもそのはず。

 

一同はまだ知らない事だが、今回のリバーシゲーム、出現するリバーシジャマトの数は全部で56体しかいない。

 

これは実際のリバーシで使われる駒の数が64個であり、そこからプレイヤーの人数分である8個を引いた数字である事が由来となっている。

 

黒と白、それぞれ28体ずつしか存在しないため、白組であるラミア・ブートンデュオとツッキー・ナッジスパロウデュオで、それぞれスコアが分散してしまっているのだ。

 

よって、このままリバーシジャマトが全滅した場合、スコアで1位になれるのは、現時点で唯一の黒組であり、白リバーシジャマト撃破時のスコアを独り占めできるリザ・ギーツデュオとなるだろう。

 

(……気に入らんな)

 

ラミアが見据えている先で、リザと共にまた1体の白リバーシジャマトを撃破したギーツ。

 

彼の戦う姿を見て、彼女は右手で拳を強く握り締める。

 

ヒヒ・クダールデュオが戦線を離脱したため、少なくとも自分達のデュオが脱落する事はないだろう。

 

しかし、そんな事は関係ない。

 

このまま奴に、あの浮世英寿に勢い付かせる訳にはいかない。

 

そう考えたラミアは、ここから思わぬ行動を取り始める。

 

「おい、何ボーッとしてんだよアンタ!!」

 

「ご苦労だったな杉村。後は下がっていろ」

 

「はっ!? ちょ、いきなり何を言い出して……」

 

ラミアはブートンの言葉を無視し、彼の肩を掴んで後ろに下がらせてから、レイズチェーンアレイを投擲する。

 

その先にいた2体の黒リバーシジャマトを巻きつけ、そのまま自身の方へと引っ張り寄せた。

 

「さて、またお前達の力を借りようか」

 

「お、おい、何を……!?」

 

「「ッ……ラサリガラサ!!」」

 

立ち上がった黒リバーシジャマト達が、ラミアの左右に回り込み、2体同時に槍を振り下ろそうとする。

 

ブートンが困惑する中、ラミアは振り下ろされて来る槍に対し、敢えて防御姿勢を取らなかった。

 

そうなれば当然……。

 

ズバァッ!!

 

「ッ……ぐぅ……!!」

 

黒リバーシジャマト達の槍が、ラミアを斬りつける事になる。

 

左右から挟まれる形で攻撃されたラミアは、仮面の下で僅かに苦悶の表情を浮かべるも、すぐに黒リバーシジャマトが突き立てて来た槍を掴み、もう片方の黒リバーシジャマトごと強く蹴りつける。

 

蹴りつけられた黒リバーシジャマト達は、そのままツッキーとナッジスパロウが戦っている所まで吹っ飛ばされた。

 

「うわっと!?」

 

「!? 何のつもりだ……?」

 

「そいつらは貴様らにくれてやる。好きにしろ」

 

ラミアはそう言うと、黒リバーシジャマトの対処をツッキーとナッジスパロウに押しつけ、スパイダーフォンの画面を確認する。

 

黒リバーシジャマトに挟まれて攻撃されたため、スコア表に映っているラミアの背景の色は、白から再び黒へと変化していた。

 

「お、おいおい、何やってんだよアンタ!? これじゃまたジャマトを倒せなくなるじゃねぇか!!」

 

ラミアが黒になった以上、色が白のままであるブートンと連携したところで、リバーシジャマトを倒す事はできない。

 

一体何を考えているのかとブートンがラミアに掴みかかるが、ラミアはブートンの掴んできた手を払い除けると、自身のドライバーを半回転させた。

 

「問題ない。後は私1人だけでどうにかする」

 

≪REVOLVE ON≫

 

「へ? そりゃどういう……」

 

ブートンの疑問に答える間もなく、ラミアはその場でボディが半回転し、ニンジャフォームとアームドチェーンアレイの装甲が入れ替わる。

 

“ニンジャアームドチェーンアレイ”の姿になった彼女は、レイズチェーンアレイの代わりに装備したニンジャデュアラーを構えると、ドライバーに装填している2つのバックルを順番に操作した。

 

「違う色同士で挟んでも、リバーシジャマトは倒せない。そう言いたいんだろう?」

 

「あ、あぁそうだよ!! なのに何でこんな……」

 

「ならば、私がやる事は1つ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「同じ色が足りないなら、()の数を増やせば良い。簡単な話だろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪NINJA CHAIN ARRAY VICTORY≫

 

「フッ……!!」

 

電子音が鳴り響く中、ラミアは即座に駆け出し、ギーツとリザが戦っている方へ猛スピードで前進。

 

移動中、分身を次々と生成していく彼女は、ギーツとリザが倒そうとしていた白リバーシジャマト達を纏めて突き飛ばし、それにより2人の攻撃が空振りに終わってしまう。

 

「「「「「ジャジャーッ!?」」」」」

 

「ッ!?」

 

「何だ……!?」

 

驚いたギーツとリザが振り向いた先で、地面に転がった白リバーシジャマト達を一斉に取り囲むラミアの分身達。

 

分身達は同時にニンジャデュアラーの鍔部分を回転させ、エネルギーを収束させていく。

 

≪≪≪≪≪ROUND 1≫≫≫≫≫

 

≪≪≪≪≪TACTICAL SLASH≫≫≫≫≫

 

「「「「「はぁっ!!!」」」」」

 

「「「「「ジャーーーーーッ!!?」」」」」

 

ラミアの分身達が同時に振るったニンジャデュアラーが、白リバーシジャマト達に風の斬撃を浴びせていく。

 

そのオーバーキルとも言えるような攻撃に、白リバーシジャマト達はその場で爆発。

 

爆風が収まった後……白リバーシジャマト達の姿は、跡形もなく消滅していた。

 

「馬鹿な……たった1人で倒しただと……!?」

 

「何……!?」

 

「え、嘘!? 何で……!?」

 

「おいおい、どうなってんだ……!?」

 

リザやナッジスパロウ、ツッキーやブートン達は思わず自分の目を疑った。

 

違う色同士で攻撃しなければ倒せないはずのリバーシジャマトを、ラミアは1人で倒してしまったのだ。

 

何故そのような事ができたのか、理解が及ばず混乱する一同だったが……ギーツだけは、感心した様子で笑みを浮かべていた。

 

「なるほど、そういう事か」

 

「! 何か分かったのか……?」

 

「あぁ。ラミアは1人だけでリバーシジャマトを倒した訳じゃない。見ろ、ラミアがたくさんいる(・・・・・・)だろう?」

 

複数いるラミアの分身達を指差しながら、ギーツが一同に告げる。

 

その台詞を聞いて、ナッジスパロウはハッと気付いた。

 

「同じ色同士であれば、分身同士の攻撃でも倒せるのか……!?」

 

そう、これはリバーシゲーム。

 

同じ色の駒で、違う色の駒を挟んで裏返すのがリバーシのルール。

 

そこでラミアは考えたのだ。

 

ニンジャフォームの忍術で分身を生み出せば、黒と黒で挟んで攻撃できるのではないか……と。

 

「えぇ!? そ、それってありなんですか!?」

 

「倒せたんだからありって事だろ。にしても、よく思いついたな」

 

「ニンジャバックルがなければ、わざわざこんな事はしなかった。これ以上貴様に、勢い付かせる訳にはいかないからな」

 

分身達が消滅した後、ラミアはニンジャデュアラーをギーツに突きつけながら、冷たい声で言い放つ。

 

「悪いが……残りのスコアは、私が全部頂くぞ」

 

≪REVOLVE ON≫

 

ドライバーを半回転させ、アームドチェーンアレイニンジャの姿へと戻るラミア。

 

ニンジャデュアラーが消失し、再度レイズチェーンアレイを構えた彼女は、勢い良く振り回したレイズチェーンアレイの鉄球を白リバーシジャマト達目掛けて投擲した。

 

「はっ!!」

 

「「「ジャーーーッ!?」」」

 

鉄球が命中し、次々と薙ぎ倒されていく白リバーシジャマト達。

 

この内、鉄球を何とか回避できた数体が、慌てて何処かへ逃げ出そうとしたのだが……。

 

「逃がすか……フンッ!!」

 

「「ジャッ!?」」

 

白リバーシジャマト達の頭上から落ちようとしていた鉄球が、ラミアが鎖を右足で踏んづけた事により、落下速度が瞬間的に加速。

 

勢い良く落ちて来た鉄球が地面に叩きつけられ、その衝撃による爆発で白リバーシジャマト達の身体が浮き、そして地面に叩きつけられた。

 

≪REVOLVE ON≫

 

その後、またすぐにボディを半回転させたラミアは、再度ニンジャアームドチェーンアレイの姿に変化し、2つのバックルを操作。

 

瞬時に複数の分身が生成され、地面に倒れている白リバーシジャマト達を2人1組で攻撃し始めた。

 

≪NINJA CHAIN ARRAY VICTORY≫

 

「「「「「はぁっ!!!」」」」」

 

「「「「「ジャジャーーーーーッ!!?」」」」」

 

立ち上がろうとした白リバーシジャマト達がそれぞれ、ラミアの分身達にニンジャデュアラーで挟むように斬りつけられて爆散していく。

 

それと共に、ラミア・ブートンデュオのスコアもどんどん加算されていく。

 

「つ、強い……!!」

 

その光景に、ツッキーは圧倒されていた。

 

同じデュオの相方と組まず、単独でリバーシジャマトを倒していくその様は、まさに鬼神の如し。

 

たくさんいたはずの白リバーシジャマトが、気付けばあっという間に残り後僅かとなっていた。

 

「「「「「終わりだ……!!」」」」」

 

「「「テ、テラサキョバイ~!?」」」

 

残る白リバーシジャマトを一気に殲滅しようと、一斉にニンジャデュアラーを振るうラミアの分身達。

 

白リバーシジャマト達が慌てふためく中、飛来した斬撃が、白リバーシジャマト達を四方八方から切り刻もうとした……その時。

 

≪MAGNUM TACTICAL BLAST≫

 

≪DRILL STRIKE≫

 

「「はっ!!」」

 

「「「ジャジャジャーーーーーッ!!?」」」

 

「「「「「……!?」」」」」

 

ニンジャデュアラーの斬撃が当たるより前に、別方向から飛んで来たギーツの強力な銃撃と、突っ込んで来たリザのレイズドリルが白リバーシジャマト達を挟撃。

 

3体の白リバーシジャマトが爆発し、そのスコアがリザ・ギーツデュオの得点として加算された。

 

「貴様ら……」

 

「悪いな、先輩」

 

「俺達もスコアは欲しいんでね」

 

ギーツとリザがそう言うと、分身達が消えたラミアはフンと鼻息を鳴らし、ニンジャデュアラーを地面に突き刺す。

 

一方で、残っていた黒リバーシジャマト数体も、ツッキーとナッジスパロウが無事に撃破する事に成功。

 

ライダー達の活躍により、56体も存在していたリバーシジャマトは、1体残らず全滅したのだった。

 

 

「皆さん、お疲れ様でした! これで第2回戦リバーシゲーム、終了です!」

 

その後、造船所エリアにやって来たツムリの下へ集結したプレイヤー達。

 

四葉に負傷させられた信吾のみが不在の中、ツムリから2回戦終了の合図が告げられ、彼女の背後にモニターが投影される。

 

「ではこれより、皆さんのスコアを最下位から順に発表していきます」

 

「「……ッ」」

 

順位は果たしてどうなったのか。

 

夢乃や哲夫など、一部のプレイヤーがゴクリと息を呑む中、モニター画面に映ったランキングが、最下位から順に表示され始めた。

 

「まずは最下位から。ヒヒ・クダールデュオ、400ポイント」

 

「ッ……まぁ、そうなるよね」

 

最下位となったのは、ヒヒ・クダールデュオ。

 

この時点で、信吾と清の脱落は既に確定しており、清はそれが当然の事だと受け入れていた。

 

「次は3位。ツッキー・ナッジスパロウデュオ、2400ポイント」

 

「やった、勝ち抜けだ……!」

 

「まぁ、僕達の脱落はあり得ないと分かり切ってたけどね」

 

3位となったのは、ツッキー・ナッジスパロウデュオ。

 

無事に勝ち抜けが決まり安堵する夢乃に、大智は眼鏡の縁を上げながらそう告げた。

 

「続けて2位……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リザ・ギーツデュオ、3600ポイント」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「……ッ!!」」

 

2位となったのは、リザ・ギーツデュオ。

 

ここで自分達の名前が呼ばれた事で、火炎だけでなく、英寿も僅かにだが目を見開いた。

 

そして今、一同は理解した。

 

どのデュオが1位となったのかを。

 

「そして1位……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラミア・ブートンデュオ、4200ポイント!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当然の結果だ」

 

「俺、途中から何もしてないんだけど……」

 

1位となったのは、ラミア・ブートンデュオ。

 

2位のリザ・ギーツデュオと600ポイントもの差を付け、見事1位になった事で四葉は腕を組み、哲夫は自分が大して活躍していない事もあって複雑な心境にあった。

 

この結果に、大智は少なからず驚かされていた。

 

(まだ2回戦とはいえ、あの浮世英寿がスコアで追い抜かれるなんてね……)

 

大智は横目でチラッと英寿の様子を窺う。

 

その英寿はと言うと、またすぐにいつもの不敵な笑みを浮かべ、拍手しながら四葉を称賛した。

 

「流石だな。相変わらず、何処までも俺を追い詰めてくれる先輩だ」

 

「チッ……その余裕が果たしていつまで続くのか、見物だな」

 

一方、四葉は今も変わらず仏頂面であり、舌打ちしてから英寿の事を強く睨みつけている。

 

スコアで英寿を上回ったというのに、それでも喜びの感情を表に出さない四葉のストイックさに、プレイヤー達はほんの僅かにだが気圧されていた。

 

(あんなに睨まれても平然としているとは……やはり彼は面白いな)

 

もっとも、睨まれているはずの英寿は全く笑みが崩れる様子はなかったが。

 

更にその様子を見ていた大智も、英寿と四葉の深い因縁を前に、ますます強い興味を示していた。

 

「以上の結果、最下位のヒヒ・クダールデュオは脱落となります」

 

「……夢乃ちゃん、杉村さん」

 

ツムリから脱落を宣告された清は、夢乃と哲夫の方に振り向く。

 

脱落が決まったにもかかわらず、彼の表情は何処か清々しく、むしろこのゲームから解放される事を喜んでいるようでもあった。

 

「改めて、謝らせて欲しい。2人からバックルを盗んで迷惑かけちゃって、本当にごめんなさい」

 

「い、いえ、謝らないで下さい。清さんはただ、猿山さんから脅されただけなんですから。あなたに罪はありません。ですよね、杉村さん」

 

「えっ? お、おう……んまぁ、元々持ってたバックルはちゃんと戻って来たし、アンタのバックルも貰っちゃった訳だからな。俺もそれでチャラにしてやるよ」

 

「ッ……ありがとう……!」

 

清が信吾に脅されてやっただけなのを理解していた夢乃と哲夫は、清の行いを許す事にした。

 

2人に許された事で、清は思わず目に涙を浮かべ、感謝の言葉を口にする。

 

しかし、それに納得していない人物がいた。

 

 

 

 

 

 

「ふざけんじゃねぇぞ……!!」

 

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

一同が一斉に振り向く。

 

彼らの視線の先には、コンテナに寄り添いながらも何とか身体を支えている信吾の姿があった。

 

赤く腫れ上がった左頬の上に白いガーゼを貼られている彼は、それはもう凄まじい形相であり、今にも血管がはち切れるのではないかと思われるほどだった。

 

「何が脱落だよクソが、ふざけた事抜かしやがって……!! こんなゲームは無効だ、今すぐ最初からやり直させろ……!!」

 

「さ、猿山さん……ッ」

 

「貴様の脱落はもう決まったんだ。往生際が悪い男は嫌われるぞ」

 

「黙れクソアマァ!! そもそもテメェがあの時俺を殴ってなければ、俺はこんな事にはなっちゃいなかったんだ……むしろテメェの方こそ脱落するべきだろうが!!」

 

「四葉様は既に、スコア減点のペナルティーを受けていますが」

 

「んなもんがペナルティーになるか!! どいつもこいつも、俺の役に立たねぇカス共が……!!」

 

四葉やツムリが何を言おうと、信吾はまるで聞く耳を持たない。

 

自分が清を脅してバックルを盗ませた事を棚に上げ、信吾はその怒りの一番の原因である四葉に対し、その殺意を向けようとしていた。

 

「テメェさえいなければ良かったんだ……テメェさえいなければなぁ!!!」

 

「!? 四葉さん、危ない!!」

 

「ッ……!!」

 

懐から折り畳み式ナイフを取り出した信吾が、ナイフを構えたまま四葉に向かって走り出す。

 

それを見た夢乃が叫び、黙って話を聞いていた英寿も流石にこれはマズいと思ったのか、咄嗟に動いて信吾を止めようとする。

 

しかし、今にも刺されそうになっている肝心の四葉本人が、全く動じる様子を見せていなかった。

 

「死ねやクソアマァッ!!!」

 

もはや、四葉を殺す事しか頭にない信吾。

 

そんな彼が突き立てようとした凶刃が……四葉の身に届く事はなかった。

 

ドゴォッ!!

 

「ぐ、ほぁ……ッ!?」

 

突如、信吾に向かって横からタックルを仕掛けて来た1人の男。

 

そのタックルの一撃を受けた信吾が倒れると、そこへ更に複数の男達が集まり、一斉に信吾の身柄を取り押さえ始めた。

 

デザイアグランプリの警備隊が、信吾の凶行を阻止したのだ。

 

「ク、クソ、離せ!! 離しやがれ、この……げふっ!?」

 

「仮面ライダーヒヒ、猿山信吾。これ以上暴れるようなら、相応の処罰を下させて貰うぞ……運べ」

 

「「はっ!」」

 

藻掻いて抜け出そうとする信吾の顔面に、警備隊の隊長を務めている青年―――”真島(まじま)一樹(かずき)”の拳が炸裂する。

 

またしても顔面を殴られてしまった信吾が気絶した後、一樹の指示を受けた警備隊の隊員達が彼の身柄を運び、あっという間にフェードアウトしていく。

 

その一部始終を、夢乃達はポカンとした表情で見届けていた。

 

「い、今の人達は……?」

 

「デザグラの運営が保有する組織、警備隊の連中だ。万が一に備え、近くで待機して貰っていた」

 

信吾に刺されそうになったにもかかわらず、四葉が終始冷静だったのはそれが理由だった。

 

四葉はゲームが終了した後、意識の戻った信吾が暴れ出す可能性を考慮し、ツムリを介してゲームマスターに警備隊を呼んで貰うよう依頼していたのだ。

 

「これも全て計算済みか……浮世英寿と同様、君もなかなかに読めない人だね」

 

「……妖怪の中には、化け蛇というのもいるらしい。もっとも、狐に比べたらあまりメジャーではないようだが」

 

「まぁ要するにだ」と大智の方に振り返り、四葉は右手の人差し指を舌先でペロリと舐め上げ、何処か妖艶な雰囲気を醸し出しながら言い放った。

 

「人を化かすのは、狐の専売特許ではない……という事だ。今の間だけでも、覚えておくと良い」

 

 

その後、脱落が決まった信吾と清の2人は、デザイアグランプリに関する記憶を全て消去され、元の生活へと戻された。

 

勝ち抜けが決まったのはギーツ、ラミア、ナッジスパロウ、リザ、ツッキー、ブートンの6名。

 

次の第3回戦に向けて、彼らは一時、休息の時間へと突入するのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




仮面ライダーギーツ!

夢乃「彼にもう一度、前を向いて歩いて欲しいだけなの」

英寿「良い店だな。今日から常連になろうかな?」

四葉「あの男(・・・)にも貴様にも、もうこれ以上負けてなるものか……ッ!!」

修平「この娘について、何か知っている事はありませんか?」

オリジナルのレイズバックル……出すのはあり?

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