仮面ライダーギーツエクストラ 追憶:知られざるゲーム   作:ロンギヌス

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一時期体調を崩していた事もあって更新がまた遅れてしまいましたが、ようやく第27話の更新です。

アンケートは「あり」の方が多かったため、オリジナルのレイズバックルも出していく方針で行こうと思います。
と言っても、精々小型バックルが1~2個くらい、大型バックルは1個のみですが。

活動報告のオリジナルライダー募集は今も継続中。
興味のある方はぜひ。













・主なプレイヤー

瑠璃川四葉/仮面ライダーラミア
今井透/仮面ライダートゲッチ
石村火炎/仮面ライダーリザ
猿山信吾/仮面ライダーヒヒ
朝霞夢乃/仮面ライダーツッキー
五十鈴大智/仮面ライダーナッジスパロウ
浮世英寿/仮面ライダーギーツ

参加人数:32名

現在生き残っている人数:6名












第27話:命懸けのかくれんぼ!

「はぁ……はぁ……ッ」

 

何処かの洋館。

 

大きく煌びやかなシャンデリア、豪華な椅子とテーブル、色鮮やかなステンドグラスなど、とてもゴージャスな造りの内装である。

 

そんな綺麗な洋館の中で……火炎はリザに変身した状態で、バスルームに身を潜めていた。

 

黒いシャワーカーテンを閉め切り、お湯が入っていないバスタブの中に身を隠すリザの耳に、何か大きな物体を引き摺るような音が聞こえて来た。

 

(ッ……来たか)

 

リザは即座に姿勢を低くし、バスタブの中に必死に身を隠す。

 

すると、バスルームのすぐ近くまで、1体のジャマトがやって来た。

 

「ヴォテツームキョガ……」

 

肩に緑色の蔓を絡ませ、ウツボカズラのような顔をしたそのジャマトは、その身に虎柄の毛皮らしき物を纏っており、額部分からは2本の角を生やしている。

 

その右手には、金色の棘が複数付いた大きな黒い金棒を引き摺っており、そのジャマトが移動するたびに床には金棒を引き摺った跡が付いていた。

 

リザが静かに息を呑む中、バスルームの中を覗き込んだそのジャマト―――“大鬼ジャマト”は、バスルームの中を一通り見渡した後、シャワーカーテンの先に隠れているリザに気付かないまま、バスルームを後にしていく。

 

金棒を引き摺る音が徐々に遠くなっていくのを聞いて安堵したか、リザはフゥと小さく息を吐いた。

 

(驚いた……強力な鬼ジャマトがいるとツムリから聞いてはいたが、まさかあれほどとは……)

 

大鬼ジャマトに気付かれないよう、リザがゆっくりとバスルームの外を覗けば、遠くの廊下で大鬼ジャマトが金棒を引き摺りながら、別の部屋へ移動している姿が見えていた。

 

その後ろ姿に、リザは仮面の下で冷や汗を流しつつ、同時に小さな笑みも浮かべてみせる。

 

「全く……生まれて初めてだよ。こんな命懸けのかくれんぼは」

 

何故、彼はこのような状況に陥っているのか?

 

それは、約1時間前の事……。

 

 

「それではこれより、デザイアグランプリ第3回戦を開始いたします!」

 

いつも通り、デザイア神殿に集められたプレイヤー達。

 

浮世英寿、瑠璃川四葉、五十鈴大智、石村火炎、杉村哲夫、そして朝霞夢乃の6人に対し、ツムリはいつもの笑顔でルール説明に入る。

 

「第3回戦は、かくれんぼゲーム!」

 

「「かくれんぼ?」」

 

哲夫と夢乃が首を傾げる。

 

随分子供っぽい遊びで勝負するものだと思う2人だったが、他の4人は油断せずにいた。

 

「デザグラの事だ。どうせまた厄介なゲームだろう」

 

「で、肝心のルールは?」

 

「これからプレイヤーの皆さんには、ジャマーエリア内でかくれんぼをして貰います。制限時間が経過するまで、鬼のジャマト達から隠れ続けて下さい」

 

「え? それだけで良いんですか?」

 

「はい。ただし、勝利するには条件が必要となります」

 

ツムリはそう言うと、何処からか取り出した複数のペンダントを、プレイヤー達に1つずつ配り始めた。

 

ペンダントには、金ピカに輝く1枚の小判が付いていた。

 

「これは?」

 

「小判です。鬼のジャマト達はこれを奪うためにプレイヤーを探します。プレイヤーを見つけた鬼は、この小判を奪い取るか、プレイヤーを見失うまで何処までも追跡します。そして、ゲーム終了時点で小判を鬼に奪われてしまったプレイヤーは脱落となります。ご注意下さい」

 

「なるほど……この小判は大事に持っていろ、という事か」

 

「なお、一度小判を鬼ジャマトに奪われてしまった場合でも、タイムアップまでに取り返す事ができれば、脱落は回避できます」

 

ツムリはそう告げた後、右手を大きく上げる。

 

すると周囲の背景が瞬時に変化し、プレイヤー達は違う場所へと転移した。

 

「え、何だここ……」

 

「洋館……?」

 

「ほぉ、今からここでかくれんぼをしろという事か」

 

プレイヤー達が今いる場所は、とある森の中に建てられた大きな洋館の前だった。

 

洋館を囲む高い堀の先には、ジャマーエリアである事を示す大きな赤い壁も見えている。

 

プレイヤー達が周囲を見渡す中、ツムリのアナウンスが響き渡る。

 

『制限時間は2時間。また、鬼ジャマトの中には強力な鬼ジャマトも存在しているため、くれぐれもご注意下さい』

 

「お、おいおい、強力な鬼ジャマトって何だよ……」

 

『それではかくれんぼゲーム、スタートです!』

 

「んで無視かよ!?」

 

哲夫の渾身の突っ込みも空しく、ツムリからゲーム開始の合図が告げられた。

 

それにより、英寿が取り出したスパイダーフォンの画面には、洋館の館内マップと、ゲームの制限時間である【120︰00】の数字が表示され、制限時間が1秒ずつカウントダウンを開始した。

 

「やれやれ、本当にいきなりだな……」

 

「と、とにかく、私達は鬼ジャマトに見つからないように隠れれば良いって事ですよね?」

 

「あぁ……ただ、隠れるなら急いで隠れた方が良さそうだ」

 

「「え?」」

 

英寿が指差す方角に、哲夫と夢乃が振り向いた時だった。

 

「「「「「ジャッジャッジャッ……!」」」」」

 

洋館の正面玄関が突然開き、そこから鬼の恰好をしたジャマト―――“小鬼ジャマト”の大群が次々と侵入して来た。

 

1本角を生やした小鬼ジャマト達は、どの個体も片手サイズの金棒を装備しており、かなり凶暴そうな雰囲気を醸し出している。

 

「うぉっ!? あ、あんなにたくさんいるのかよ!?」

 

「良いだろう……向かって来る敵は全て、捻じ伏せるのみだ」

 

≪SET≫

 

「変身……!」

 

≪NINJA≫

 

≪READY FIGHT≫

 

四葉はニンジャバックルを取り出し、ドライバーに装填。

 

ラミア・ニンジャフォームとなった彼女がニンジャデュアラーを構えた後、英寿達もそれに続くようにバックルをドライバーに装填する。

 

≪≪≪≪≪SET≫≫≫≫≫

 

「「「「「変身!」」」」」

 

≪ARMED CLAW≫

 

≪ARMED DRILL≫

 

≪ZOMBIE≫

 

≪MONSTER≫

 

≪MAGNUM≫

 

≪≪≪≪≪READY FIGHT≫≫≫≫≫

 

ブートン・アームドクロー。

 

リザ・アームドドリル。

 

ツッキー・ゾンビフォーム。

 

ナッジスパロウ・モンスターフォーム。

 

そしてギーツ・マグナムフォームが変身を完了させ、6人のプレイヤー達は一斉に小鬼ジャマト達と戦い始めた。

 

ギーツがマグナムシューター40Xで離れた位置から狙撃する中、他の5人は小鬼ジャマト達と真っ向から接近戦に持ち込み、1体ずつ着実に小鬼ジャマト達を薙ぎ倒していく。

 

≪DRILL STRIKE≫

 

≪CLAW STRIKE≫

 

「ぬぅん!!」

 

「おらぁっ!!」

 

リザがレイズドリルで1体の小鬼ジャマトを貫いた後、その近くでブートンがレイズクローから✕字の斬撃を飛ばし、小鬼ジャマト達を斬り裂く。

 

≪TACTICAL BREAK≫

 

≪MONSTER STRIKE≫

 

「フンッ!!」

 

「てりゃあっ!!」

 

それに続いて、ツッキーがゾンビブレイカーで小鬼ジャマト達を擦れ違い様に斬り裂き、怯んだ小鬼ジャマト達をナッジスパロウのモンスターグローブが纏めて殴り飛ばす。

 

≪MAGNUM TACTICAL BLAST≫

 

≪TACTICAL SLASH≫

 

「フッ……!!」

 

「ハァッ!!」

 

「「「「「ジャーーーーーッ!?」」」」」

 

そして、ギーツのマグナムシューター40X・ライフルモードから放たれた銃撃が小鬼ジャマト達を撃ち抜き、彼が撃ち漏らした小鬼ジャマトをラミアがニンジャデュアラーで瞬時に一閃。

 

ライダー達の猛攻に、小鬼ジャマト達は瞬く間に倒されてしまった。

 

「ふぅ、こんなものか」

 

「あ、あれ? なんか、意外と大した事ないような……」

 

「な、なんだ。強力な鬼ジャマトがいるなんて言うからつい身構えちまったけど、案外楽勝じゃねぇか……!」

 

呆気なく倒された小鬼ジャマト達を前に、今回が初参加組であるリザ、ツッキー、ブートンの3人は何処か拍子抜けと言った様子でそう呟く。

 

しかし、過去に複数回の参加経験があるギーツ、ラミア、ナッジスパロウの3人は、小鬼ジャマトを殲滅してもなお警戒を解かずにいた。

 

「……残念ながら、今回はこれまで以上にハードそうだぞ」

 

「「「え?」」」

 

ギーツがそう告げると共に、再び洋館の正面玄関が開かれる。

 

そして再び小鬼ジャマトの大群が現れ、敷地内に広がりギーツ達を取り囲もうとする。

 

「「「「「ジャッジャッジャッ……!」」」」」

 

「げっ、また来やがった!?」

 

「まぁ、そうだろうな。今回のゲームはスコア勝負じゃない。いくら鬼を倒したところで、また新しい鬼が投入されるだけだ」

 

「え、という事はこれ……」

 

「あぁ……このゲーム、ジャマトとは戦うだけ損しかない!」

 

ギーツとナッジスパロウの発言通り、小鬼ジャマト達は倒された後も、すぐに新しい個体がジャマーエリア内に投入される。

 

つまり小鬼ジャマトと戦えば戦うほど、プレイヤーは体力をどんどん消費し、やがて追い詰められてしまうのだ。

 

「早いところ、何処かに隠れた方が良さそうだ……!」

 

「くそ、かくれんぼってそういう事かよ!?」

 

「と、とにかく、急いで館の中へ入りましょう!」

 

いつまでも小鬼ジャマト達の相手はしていられないと、6人は開かれている洋館の正面玄関から、その館内へと逃げ込んで行く。

 

もちろん、それを黙って見逃してくれるはずもなく、小鬼ジャマト達は金棒を振り上げながら後を追いかけて来る。

 

細長い通路までやって来たラミアは、振り返ると同時にウォーターバックルを取り出し、ドライバーの左側に装填する。

 

「足止めが必要か……!」

 

≪SET≫

 

≪NINJA ARMED WATER≫

 

“ニンジャアームドウォーター”にチェンジしたラミアは、左手に装備されたレイズウォーターの銃口を床に向け、勢い良く放水する。

 

なお、水を確保できるような場所ではないため、放水の勢いがあるのは最初の一瞬だけだったのだが……。

 

「!? ジャッ……!?」

 

「ジャジャッ!?」

 

「「「ジャーッ!?」」」

 

床が水に濡れた事で、その上を走ろうとした小鬼ジャマト達が次々と足を滑らせ、床に転倒していく。

 

ラミアがウォーターバックルを使用したのも、全てはこの一時的な足止めが目的である。

 

「おぉ、すげぇ!」

 

「よし、今の内に隠れろ!」

 

小鬼ジャマト達が足を滑らせて転んでいる間に、6人はバラバラに分かれて館内を移動し、それぞれが自分の隠れ場所を確保。

 

ラミアが一時的な足止めを行ったおかげで、6人全員が館内で身を隠す事に成功したのだった。

 

 

「さて、隠れられたのは良いが……」

 

洋館、2階のとある寝室。

 

この部屋に逃げ込んだギーツは、部屋の窓のお洒落なカーテンに包まって身を潜める事で、小鬼ジャマトの捜索を上手くやり過ごしていた。

 

小鬼ジャマトが別の部屋へ捜索に向かったのを確認したギーツは、手元のスパイダーフォンに視線を落とす。

 

スパイダーフォンの画面には、とある文章が表示されていた。

 

【通達 プレイヤー達への救済措置として、今回のゲームは複数のシークレットミッションが設定されている。クリアすれば、戦いに有利なアイテムが手に入るだろう。それをゲームでどう活かすかは、君達プレイヤー次第だ】

 

「なるほど、隠れながらミッションを達成しろって事か……面白い」

 

首元にかけている小判のペンダントを見つめながら、ギーツは不敵に笑う。

 

シークレットミッションをクリアすれば、他にもバックルを手に入れられる絶好のチャンスだ。

 

しかし、下手に動けば鬼ジャマトに見つかってしまい、たちまち鬼ジャマト達に取り囲まれる事態に陥ってしまう事だろう。

 

そのため、シークレットミッションをクリアするかどうかは、プレイヤー達の意志に委ねられているのである。

 

「せっかくの機会だ。色々試してみるか」

 

ギーツの決断は早かった。

 

すぐに別の部屋へと移動した彼は、通路の曲がり角の先に1体の小鬼ジャマトがいるのを確認した後、小鬼ジャマトが違う方向を向いている隙に部屋の扉を開けて中へと入る。

 

それからすぐにクローゼットの中へと身を隠し、後から部屋に入って来た小鬼ジャマトが、クローゼットの前を通り過ぎるのを待ち続ける。

 

そして……。

 

ズドンッ!!

 

「ジャッ!?」

 

タイミングを見て飛び出したギーツが、振り向こうとした小鬼ジャマトの後頭部を素早く狙撃。

 

気付かれるより前に小鬼ジャマトを撃破した事で、早速スパイダーフォンから電子音が鳴り響く。

 

≪SECRET MISSION CLEAR≫

 

「お、早速か」

 

スパイダーフォンの画面には【居場所を知られる前に鬼ジャマトを1体撃破する】というシークレットミッションの内容が表示され、ギーツのすぐ足元にマゼンタ色のミッションボックスが出現。

 

早速アイテムを手に入れる事ができたギーツだったが、ミッションボックスを拾い上げたその直後、部屋の扉が勢い良く開かれ、他の小鬼ジャマト達が次々と乗り込んで来た。

 

「キョトヅ!!」

 

「テポスラグツポスラガ―ッ!!」

 

「おっとやべ」

 

小鬼ジャマトが振り下ろして来た金棒をスライディングで回避したギーツは、ミッションボックスを抱えたまま小鬼ジャマト達の間を上手く掻い潜り、部屋の外へ素早く脱出。

 

通路の角を曲がった彼を、小鬼ジャマト達が後ろから追いかけようとする。

 

しかし、小鬼ジャマト達が角を曲がったその先には、既にギーツの姿はなかった。

 

「コ、コテウ、ヴォテキョスト!?」

 

「ポビビルッ!!」

 

小鬼ジャマト達は消えたギーツを見つけ出すべく、何手かに分かれて捜索し始める。

 

なお、姿を消したギーツが何処に行ったのかと言うと……。

 

「―――よし、上手くいった」

 

彼は天井のパネルを開き、天井裏に隠れていた。

 

通路を曲がった後、すぐ天井裏へと逃げ込む事で難を逃れたのだ。

 

「マグナムだと銃声が響くなぁ」

 

マグナムシューター40Xを指先でクルクル回転させながら、ギーツが呟く。

 

普段のギーツならば、敵に見つかったところで何の問題もない。

 

しかし今回のような、必要以上の戦闘を極力避けたい状況下では、銃声で敵を引き寄せてしまうマグナムフォームはあまり適しているとは言えない。

 

そこで、ギーツはマグナムバックルの代わりに、今さっき手に入れたばかりのアイテムを使おうと、抱えていたミッションボックスの上蓋を開けて中身を確認する。

 

「お、ラッキー♪ レアアイテムだ」

 

中に入っていたのはブーストバックル。

 

強力なレアアイテムが手に入り、ギーツはご機嫌な様子でブーストバックルにキスするかのような動きをしてみせたのだった。

 

 

場所は変わり、洋館の1階、エントランスホール。

 

2体の小鬼ジャマトが周囲を見渡しながら移動している中、エントランスホールの隅に身を潜めている人物がいた。

 

(ニンジャバックル、手に入れて正解だったな……)

 

ラミアである。

 

通常のニンジャフォームの姿に戻った彼女は、その手に構えた布を用いて光学迷彩のように周囲の背景と同化し、小鬼ジャマト達の目を欺いていた。

 

これにより、小鬼ジャマト達はラミアの存在に気付かないまま、ただその近くを通り過ぎて行く。

 

敵から身を隠すのに、ニンジャフォームはまさに最適な姿だった。

 

(さて、シークレットミッションが複数設定されているとあったが……今はまだ良いか)

 

ラミアは布で自身の姿を隠したまま、開いたスパイダーフォンの画面に表示されている通達の内容を確認する。

 

しかし、既にこのかくれんぼゲームの攻略に最適なニンジャバックルを所持しているため、ラミアはシークレットミッションの遂行にはあまり積極的ではない。

 

そのため、彼女は敢えてその場から動かない事を選んだようだ。

 

(しかし、このままだとイマイチ役立たずだな……)

 

ラミアは右手に持ったウォーターバックルを見つめる。

 

現在、いくつものバックルを所持しているラミア。

 

その内ウォーターバックルは、水がない場所では攻撃力に乏しいため、イマイチ活用できていない。

 

あのバックル(・・・・・・)さえ手に入れば……いや」

 

ない物を強請っても仕方ない。

 

それ以上は考えるだけ無駄だと、ラミアが思考を切り替えようとした……その時。

 

 

 

 

パリィンッ!!

 

 

 

 

「―――ッ!?」

 

ラミアのすぐ近くで突如、何かが割れる音が大きく鳴り響いた。

 

彼女が視線を向けたその先には、この場にはないはずの1枚の白い皿がバラバラに割れた状態で落ちており、その音を聞きつけた小鬼ジャマト達が次々とエントランスホールに集まって来た。

 

(何故こんな所に皿が……!?)

 

その理由について考える余裕は、今のラミアにはない。

 

続々と集まって来た小鬼ジャマト達の内の1体が、部屋の隅で布に隠れているラミアの存在に気付き、金棒を振りかぶったからだ。

 

「レレスダトヅ!!」

 

「チッ……!?」

 

気付かれた以上は仕方ないと、布を放り捨てたラミアは小鬼ジャマト達の前に姿を晒し、ニンジャデュアラーを構えて小鬼ジャマト達と交戦。

 

金棒で殴りかかって来る小鬼ジャマトを斬り伏せていく彼女だったが、隙を突いた1体の小鬼ジャマトがラミアの背後から迫り、彼女が首にかけている小判のペンダントを奪い取るべく掴みかかって来た。

 

「テポスラグファテル!!」

 

「!? くっ、離せ……!!」

 

羽交い絞めにされたラミアは力ずくで振り払おうとするも、その間に他の小鬼ジャマト達が小判のペンダントを奪おうと迫り来る。

 

これには流石のラミアも焦りを見せつつあったが……。

 

≪ZOMBIE STRIKE≫

 

「「「「「ジャッ!?」」」」」

 

「……!?」

 

床から伸びた無数のゾンビの腕が、小鬼ジャマト達を掴んで拘束。

 

ラミアを羽交い絞めにしていた小鬼ジャマトも引き剥がされ、自由になったラミアは無数のゾンビの腕を見て驚いた。

 

「これは……」

 

「四葉さん!!」

 

その時、エントランスホールの階段の踊り場から、ツッキーが大きく跳躍。

 

ラミアの隣に着地した彼女は、ラミアの手を掴むとすぐにその場から駆け出した。

 

「朝霞夢乃!? 何故貴様が……!!」

 

「話は後です!! 今は早く、何処かに隠れましょう!!」

 

ツッキーに助けられた事に困惑するラミア。

 

しかし、今はツッキーの言う通りにするべきだと判断し、ラミアはツッキーと共に別のフロアを目指して走り抜ける。

 

「「「ジャーッ!!」」」

 

「うわ、前からも来た!?」

 

「どけ!!」

 

「「「ジャッ!?」」」

 

前方からも数体の小鬼ジャマトが迫って来たため、ラミアがすかさず煙玉を床に向かって叩きつけ、通路が白い煙幕に覆われていく。

 

小鬼ジャマト達が混乱する中、ラミアはツッキーを連れて小鬼ジャマト達の横を通過し、その場を切り抜ける事に成功した。

 

「うわぁ、便利ですねそのバックル……!」

 

「忍者だからな。これくらいは朝飯前だ―――」

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオオンッ!!!

 

 

 

 

 

 

「「―――ッ!?」」

 

その時だった。

 

ラミアとツッキーが走り抜けようとした廊下の壁が、轟音と共に大きく破壊されてしまった。

 

何事かと思い立ち止まった2人の前には、壁をぶち抜く勢いで吹き飛ばされて来たと思われるブートンが、満身創痍の状態で倒れていた。

 

「ぐっ……がはっ……!!」

 

「ッ!? 貴様は……」

 

「杉村さん!?」

 

「クソッ……な、何だよあのジャマト……強過ぎるだろ……ッ!!」

 

痛む胸部を押さえながら、ブートンは破壊された壁の穴を睨みつける。

 

土煙が舞う中、壁の穴の先から姿を現したのは、巨大な金棒を引き摺っている大鬼ジャマトだった。

 

大鬼ジャマトは首をゴキゴキ鳴らした後、近くに立っていたラミアとツッキーの方に振り向き、2人が首元に吊り下げている小判のペンダントに視線を向ける。

 

「テテツームモ、キョトビ……」

 

「「……ッ!!」」

 

大鬼ジャマトに狙われた事で、ラミアとツッキーは咄嗟に武器を構えようとする。

 

その直後、大鬼ジャマトが高く振り上げた巨大な金棒が、2人に向かって勢い良く叩き込まれた。

 

「デオズカカッ!!」

 

ドガァンッ!!

 

「きゃあ!?」

 

「ぐっ!?」

 

巨大な金棒の一撃は、2人が構えた武器でも防ぎ切れず、2人は廊下の壁を突き破って中庭まで大きく吹き飛ばされていく。

 

吹き飛んだ2人の下へ向かおうとした大鬼ジャマトだったが、土煙の中でキラリと光った物に気付き、そちらに視線を向ける。

 

そこには2つの(・・・)小判のペンダントが落ちており、その内の片方にはブートンが必死に右手を伸ばそうとしていた。

 

「くっ……お、俺の小判……ッ!!」

 

這いずりながらも右手を必死に伸ばし、自分が落とした小判のペンダントを何とか掴み取るブートン。

 

しかしそこに、大鬼ジャマトが金棒を引き摺りながら接近し……。

 

「ジャジャーッ!!!」

 

ボゴォッ!!

 

「がはぁ!?」

 

高く振り上げた金棒を、起き上がろうとしたブートンの背中に力強く叩きつける。

 

強烈な一撃を受けたブートンが再び床に倒れ込むも、大鬼ジャマトは容赦なく追撃を仕掛けた。

 

「デトポステウッ!!!」

 

ドゴシャアッ!!!

 

「……ッ!!!」

 

床が大きく陥没するほどの一撃を叩き込まれ、もはや悲鳴を上げる事すらできないブートン。

 

完全に力尽きたブートンが床に伏した後、ドライバーのIDコアが大きく罅割れ、ブートンの身体が赤いノイズと共に塵となって消滅していく。

 

≪MISSION FAILED≫

 

「……ファピ、スケケチャ」

 

ブートンが跡形もなく消え去った後、その場に遺されたクローバックルとシールドバックルには目も暮れず、床に落ちている2つの(・・・)小判のペンダントを拾い上げる大鬼ジャマト。

 

その後は再び金棒を引き摺りながら、ラミアとツッキーが吹き飛んだ中庭の方へと歩を進めていく。

 

「ルルラキョラ、スワスピジゼラガ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大鬼ジャマトの出現により、ゲームは大きく動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




仮面ライダーギーツ!

四葉「私には、どうしても会わなければならない男がいる」

大智「ライバルを助ける事で、自分が脱落する事になっても良いのかい!?」

夢乃「それでも……私のやる事は決まっていますから!!」

英寿「新しいバックルを手に入れたか……!」


 






※JYAMATO DATA※

・大鬼ジャマト

デザイアグランプリ第3回戦『かくれんぼゲーム』にて出現したジャマト。ベースは【ルークジャマト】。
小鬼ジャマト達のリーダー。2本の角を生やした鬼の姿をしており、巨大な金棒を武器にしている。
その剛腕から繰り出される一撃は、ライダーを容赦なく死へと追いやる。

※大鬼ジャマトの金棒は『超・電王&ディケイド』のシルバラが使用していた物を流用したイメージ。
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