仮面ライダーギーツエクストラ 追憶:知られざるゲーム   作:ロンギヌス

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第33話、更新完了。

今回からいよいよ、第3章「黎明編」が始まります。

TV本編ストーリーに到達するまで後少し。

皆様、ぜひお付き合い頂けると嬉しいです。

それではどうぞ。







あ、活動報告の第5回オリジナルライダー募集もまだ続いていますので、興味がある方はそちらもぜひ。











第3章(黎明編)
第33話:デザイアグランプリの裏側


某国、何処かの海岸。

 

雪の降る曇天下。

 

大きな波飛沫が上がる岩場に1人、その青年は佇んでいた。

 

ダウンジャケットを着込み、フードを頭に被り、しっかり防寒対策をしている彼は白い息を吐き出しながら、その右手に持っていたコインを指先で何度もコイントスをする。

 

コインに彫られたガイウス・ユリウス・カエサルの横顔が、きらりと輝く。

 

弾き上げたコインをキャッチした時。

 

何かに気付いた青年は、ニヤリと笑みを浮かべる。

 

そこに、1人の人物がやって来た。

 

白と黒を基調とした、いつものドレス風の衣装。

 

その上にファーの付いた白いコートを着込んだ黒髪の女性が、その両手に黄色い箱を持ちながら、青年の下に近付いて来る。

 

頭のフードを脱いだ青年に対し、女性は持っていた箱の蓋を開けながら、にこやかな笑顔で告げた。

 

「おめでとうございます! 厳正なる審査の結果、あなたは選ばれました! 今日からあなたは、仮面ライダーです!」

 

黒髪の女性―――ツムリから差し出された箱の中身を見て、その青年―――浮世英寿は更に笑みを深める。

 

その箱―――ミッションボックスに納められている、デザイアドライバーとIDコア。

 

それは、ゲームへの招待状。

 

なんという事はない。

 

ツムリにとっても、英寿にとっても、もはや何度目になるのかも分からないやり取り。

 

英寿はただ一言、いつも通りの返事を返すだけだった。

 

「あぁ……知ってるよ」

 

 

時は少し遡り、ツムリがドライバーとIDコアを、デザイアグランプリに選ばれたプレイヤー達に配布する前。

 

デザイア神殿では、慌ただしく動き回っている者達がいた。

 

「参加人数は33名。指定されたIDコアと共に、デザイアドライバーを人数分用意しろ」

 

「了解」

 

「プレイヤーが着用するユニフォーム、男性用、女性用、共に準備が完了しました」

 

「記憶抹消装置、異常ありません。いつでも使用可能です」

 

「警備隊! 有事に備え、万全の状態を整えておけ!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

それは、デザイアグランプリを進行するため、裏方で作業を行っている者達。

 

彼ら運営スタッフの尽力もあるからこそ、デザイアグランプリは滞りなく運営されているのである。

 

そして、その忙しく働いている運営スタッフの中には、若槻修平の姿もあった。

 

「また……ゲームが始まるのか……!」

 

警備隊の制服で身を包んだ修平は、警備隊の面々と共に動きながら、静かに思い起こす。

 

初めて、デザイアグランプリの詳細を知る事になった日の事を。

 

 

『仁美さん、ここは……?』

 

仁美に連れられ、デザイア神殿のサロンまで連れて来られた修平。

 

そこには仁美と修平以外にも、何人かの一般人が集まっていた。

 

集まっているのは、修平も含めて合計13人。

 

その者達も皆、自分達が一体何処に連れて来られたのかよく分かっておらず、困惑した様子でサロン内を見渡している。

 

落ち着いた様子でいるのは、修平の案内役を務めた仁美だけだった。

 

『ここはデザイア神殿のサロンです。少しの間、ここで待っていて下さい。もうじき、ゲームマスターが来られます』

 

『デザイア神殿? それにゲームマスターって一体……お、おい、仁美さん!?』

 

何も分からず困惑している修平を置いて、仁美は先にサロンを退室してしまう。

 

デザイア神殿?

 

ゲームマスター?

 

彼女は一体、ここで何の仕事をしているんだ?

 

あらゆる疑問で、修平は頭がいっぱいになっていた。

 

それから数分が経った後。

 

サロンの扉が開き、そこからツムリと、白いスーツに身を包んだ1人の男性が入って来た。

 

『皆さん、お待たせしました』

 

ツムリが修平達に挨拶をした後、それに続くように男性もにこやかに微笑みながら口を開いた。

 

『ようこそ、デザイア神殿のサロンへ。本日は、こんなにも人数が集まってくれた事、心より感謝している』

 

『えっと……あなたは?』

 

『私の名はギロリ。デザイアグランプリのゲームマスターだ』

 

『ゲーム、マスター……?』

 

それを聞いて、修平は仁美が先程告げていた“ゲームマスター”が、目の前に立っている白スーツの男性―――ギロリを指しているのだと理解した。

 

しかし、まだ肝心な事を聞けていない。

 

集められた人達を代表し、修平は思い切ってギロリ達に問いかけた。

 

『あの……デザイアグランプリって、何ですか?』

 

『ゲームに選ばれたプレイヤーが“仮面ライダー”に変身し、謎の怪物ジャマトと戦うリアリティライダーショーです』

 

『そして、ゲームに最後まで勝ち残り、この世界を救う事ができた1人のプレイヤーには、理想の世界を叶える権利が与えられる』

 

ツムリとギロリの説明を聞いて、修平達は目を見開く。

 

ギロリはにこやかな笑みを崩さず、話を続けた。

 

『今回、君達をこの場に集めた理由は他でもない。デザイアグランプリを滞りなく進行できるように。仮面ライダー達がジャマトと戦い続けられるように。我々運営は少しでも多くの人手を欲している……そこでだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『君達にはこれより、研修に参加して貰う』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それ以降、デザイアグランプリは何度も開催された。

 

その度に修平は、運営スタッフの一員として、様々な業務に携わってきた。

 

ゲーム脱落者の記憶抹消業務。

 

ゲーム退場者の痕跡隠滅業務。

 

デザイアドライバー及びIDコアの管理業務。

 

有事の際の警備業務、などなど。

 

そこには、修平の全く知らない世界が広がっていた。

 

これらの仕事の中で、修平が特に大変な思いをしたのが、有事の警備担当である。

 

『逃げるな、大人しくしろ!!』

 

『クソ!! 離せ、離せよ!! 俺はまだ死にたくねぇんだぁ!!!』

 

ゲームからの逃亡を図り、警備隊に取り押さえられるプレイヤー。

 

その時、プレイヤーが泣き叫びながら言い放った言葉は、その後も修平の心に深く突き刺さり、消える事なく残り続けた。

 

修平はこれまで、ジャマトに敗北して退場したプレイヤーを何度か見てきた。

 

何故、こんな簡単に人の命が失われるような事を続けているのか。

 

こんなゲームは馬鹿げている。

 

今すぐやめるべきだ。

 

修平はその思いを、運営の上層部に直接ぶつけようとした事があった。

 

そんな彼を必死に止めたのが、仁美だった。

 

『駄目です、修平さん……運営に歯向かう事だけは、絶対にやめて下さい……!』

 

『何でだよ仁美さん!? アンタはおかしいって思わないのか!?』

 

『お願いですから!! ここで運営に歯向かってしまったら、決して無事ではすみません!! そうなったら、あなたの目的はもう二度と達成できなくなってしまいます!! それでも良いんですか!?』

 

『……ッ!?』

 

修平自身、まだ納得できた訳ではない。

 

それでも彼には、運営スタッフとして働き続けなければならない理由があった。

 

それは、ある少女(・・・・)の行方を知るため。

 

運営スタッフの立場を利用し、デザイアグランプリに関わり続けていれば、いずれその手掛かりを見つけられるかもしれない。

 

しかし、ここで運営に歯向かってしまえば、一体何をされるか分からない。

 

目的を果たすチャンスが、永遠に失われる事になるかもしれない。

 

修平は渋々ながらも、仁美の説得に応じる他なかった。

 

これから先、どれだけ人が死ぬ事になろうとも。

 

それを目の当たりにして、どれだけ自分の心がすり減る事になろうとも。

 

目的を果たすには、己の職務を全うするしかない。

 

全ては、妹の笑顔を取り戻すため。

 

自分にそう言い聞かせる事で、修平は無理やりにでも、己の中の感情を押し殺すのだった。

 

 

「理想の世界を叶えるゲームか……」

 

そして現在。

 

デザイア神殿のロビーでは、これまで通り多くの人間がプレイヤーとして招待され、ツムリから説明を受けている。

 

一方、修平はと言うと、今は他の業務もなく時間が有り余っていたため、運営スタッフが使用しているトレーニングルームで自主的にトレーニングを行っていた。

 

サンドバッグを何度も殴りつけ、ダンベルを何度も持ち上げ、ひたすら鍛え続けて来た修平の肉体は、以前よりも筋肉が付き始めていた。

 

ダンベルを下ろした修平はスポーツドリンクを手に取り、水分と塩分を補給する。

 

そこに、1人の人物が声をかけてきた。

 

「今日も励んでるなぁ、修平」

 

「! 晴家先輩……」

 

声をかけて来たのは、黒髪に赤いメッシュが入った男性。

 

修平よりもずっと前から運営スタッフとして働いているその男性―――“晴家(はれるや)ウィン”は「よっ」と右手を上げ、軽い調子で挨拶を交わす。

 

「お疲れ様です」と修平が返すと、晴家は彼の隣に並び立ちながら話を続けた。

 

「今さっき、早速デザグラの1回戦が始まったらしい。有事に備え、いつでも出れるようにしとけってさ」

 

「了解……逃亡するプレイヤーが出て来るのって、大体いつも1回戦の時ですもんね」

 

「まぁな。2回戦まで勝ち上がれたプレイヤーは、その頃にはもうある程度、戦う覚悟が決まってっからな……けどたまに、厄介なプレイヤーが逃げ出しちまう事もある」

 

「厄介なプレイヤー?」

 

「前のデザグラで、3回戦で負けたにもかかわらず、ドライバーとIDコアを持ったまま逃げようとした奴がいてな。困った事にそいつ、本職が自衛官(・・・)だったもんだから、捕まえようとした警備隊の被害がエラい事になっちまったのさ。俺も散々な目に遭ったぜ」

 

「そんな事が……」

 

「まぁ結局、そいつはゲームマスターが対処に回ったおかげでどうにかなったんだがな。被害に遭った警備隊の中から、これ以上はやってられないって理由で、辞めちまった奴も多かったのさ」

 

「なるほど……あ、仁美さんが人員を集めてたのってそれが理由か」

 

ウィンの話を聞いて、修平は仁美が自身をスカウトした理由をようやく理解した。

 

警備隊の中で辞めてしまうスタッフが続出したものだから、少しでも多くの人員を集めたかったのだろう。

 

運営側の苦労がいくらか理解できたと同時に、修平は先程ウィンが告げた言葉を思い返した。

 

「戦う覚悟、か……」

 

「ん? どうした?」

 

「……以前、逃亡を図ったプレイヤーの事を思い出しましてね」

 

 

 

 

 

 

『クソ!! 離せ、離せよ!! 俺はまだ死にたくねぇんだぁ!!!』

 

 

 

 

 

 

修平の脳裏に響き渡る、逃亡しようとしたプレイヤーが叫んでいた言葉。

 

それが今でも鮮明に思い出せる修平は、複雑そうな表情で思い返す。

 

「まだ死にたくないって叫んでいたあの人の気持ち……俺、何となく分かるんです。俺もデザグラに関わる前に1回、ジャマトに襲われて死にましたから」

 

デザイアグランプリについて、まだ何も知らなかった頃。

 

突然始まった最終戦に巻き込まれ、修平はジャマトに襲われ殺害された。

 

デザ神が世界を作り替えた事で、一度死んだ修平は無事に復活できたものの。

 

その時の出来事は、彼の心に今でも残り続けている。

 

「けど、今度は俺がそのデザグラに関わって、死にたくないと思ってる人達に、戦いを強いる側に回ってる……なんというか、相当変な気分ですよ」

 

「……んな事、俺達が気にしたって仕方ねぇだろ」

 

修平の肩に腕を回しながら、ウィンが軽薄な態度で告げる。

 

「俺達はあくまで、ここで働かせて貰ってるだけのバイトみたいなもんだ。あんま深く考え過ぎてたら、身も心も保たねぇぞ?」

 

「でも……」

 

「お前だって、そんな酷い目に遭いながらもここにいるって事は、何か訳ありなんだろ? 俺もそうだし、他の連中だってそうだ。ここで働く以上、もう割り切るしかねぇんだよ」

 

「割り切るしかない、か……なら、晴家先輩は? 先輩はどうして運営スタッフに?」

 

「ん、俺か? いやぁ、聞いても大して面白くねぇぞ?」

 

ウィンはそう笑いながらも、着ている制服のポケットから、グシャグシャに丸められた1枚の祇を取り出す。

 

ウィンの手で広げられたそれは、とあるバンドのメンバー達が移っているポスターだった。

 

「昔、バンドやってたんだけどよ。全く売れなくて、借金抱える羽目になっちまって、結局は解散した。まぁ、世の中そう上手くはいかないって事だ」

 

「そうだったんですか……」

 

「んで、デザグラのスポンサーやってる俺の爺ちゃんから仕事を紹介されて、こうして運営スタッフになった訳。ほらな、つまんない話だろ?」

 

軽いノリでそう語るウィンだったが、修平は気付いていた。

 

自身の過去を語っている時。

 

ノリの軽そうな雰囲気の中から、何処か真剣なものを感じさせられる部分があった事に。

 

「……先輩は」

 

「ん?」

 

「晴家先輩は本当に、自分の理想を捨てたんですか?」

 

修平の問いかけに、ウィンの表情からは軽薄そうな笑みが消える。

 

代わりに浮かんだのは、憂いに満ちた表情だった。

 

「勝者がいる限り、敗者もいる。デザグラが行われる分だけ、多くの理想が踏み台にされる」

 

「晴家先輩……」

 

「修平、お前もよく覚えとけ。世の中には、どうしても叶わない理想だってあるんだよ」

 

そう告げた後、ウィンはくるりと背を向け、トレーニングルームから1人立ち去って行く。

 

修平はただ立ち尽くしたまま、その後ろ姿を見ている事しかできなかった。

 

 

とある山奥。

 

緑生い茂る森を越えた先に、1つの動物園跡地があった。

 

既に人も動物もおらず、静寂な時間が続いていたはずのその場所は……現在、戦場と化していた。

 

『デザイアグランプリ第1回戦、狩猟ゲーム! ジャマーエリア内に現れたアニマルジャマトを倒し、スコアをゲットして下さい! スコアの高い上位7名のみが、2回戦進出となります!』

 

「「「ジャ~ジャ~……!!」」」

 

「きゃあああああ!?」

 

「に、逃げろ、こっちだ!!」

 

ツムリのアナウンスが響き渡るエリア内で、虎や熊、狼など、動物の毛皮を身に纏ったジャマト―――“アニマルジャマト”が複数体、2人の男女を追いかけ回す。

 

追いかけられている男女は、どちらもデザイアグランプリに選ばれたプレイヤーであり、その身はユニフォームに包まれ、腰にはデザイアドライバーを装着している。

 

しかし、ゲームが始まるまでは、あくまで普通の一般人だった2人。

 

いきなりジャマーエリア内に放り込まれ、戦う覚悟もろくに定まっていない2人が、獰猛なアニマルジャマト達を相手に、まともに立ち向かえるはずもなかった。

 

「!? くそ、行き止まりか……ッ!!」

 

「ど、どうしよう……!?」

 

しかし、逃げ続けた先でとうとう行き止まりまで追い詰められてしまい、2人は逃げ道を失ってしまう。

 

そこに追いついて来たアニマルジャマト達が、両腕の鉤爪を振り上げて襲い掛かろうとする。

 

もう駄目だと思った2人が、両腕で頭を庇い目を閉じた……その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ARROW STRIKE≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドドォンッ!!

 

「「「ジャ~~~ッ!?」」」

 

「「……え?」」

 

2人に襲い掛かろうとしたアニマルジャマト達が、何処からか飛んで来た緑色の矢に貫かれ、その場で呆気なく爆散。

 

その断末魔と爆発音を聞いた2人が、恐る恐る顔を上げると……近くの大きな檻の上で、レイズアローを構えている戦士の姿があった。

 

ホッキョクグマを思わせる白い仮面の戦士―――“仮面ライダーシロー・アームドアロー”は檻から飛び降り、2人の前に立つ。

 

「君達、大丈夫か?」

 

「は、はい!」

 

「ありがとうございます……!」

 

「気にするな。職業柄、人命救助せずにはいられなくてね……っと」

 

「「「ジャ~…!!」」」

 

シロー達が話をしているところに、別のアニマルジャマト達が姿を現す。

 

男女2人が怯える中、シローはそんな2人を後ろに下げ、レイズアローを構え直した。

 

「無理しなくて良い、下がっていろ……はっ!!」

 

レイズアローのトリガーを引き、シローはアニマルジャマト達を1体ずつ、正確に撃ち抜いていく。

 

懐まで接近して来たアニマルジャマトに対しては、鉤爪をレイズアローで受け止めてから右足で蹴りつけ、怯んだ隙に至近距離で狙撃する。

 

その様子を、離れた場所で茶髪の青年が睨みつけるように見ていた。

 

「はっ……何が人命救助だ、善人ぶりやがって」

 

「「「ジャ~……ジャジャッ!!」」」

 

茶髪の青年―――吾妻道長が鼻で笑うと、彼の前にもアニマルジャマト達が現れ、道長に襲い掛かり始めた。

 

慌てず攻撃を回避した道長は、1体のアニマルジャマトを右足で蹴りつけ、他のアニマルジャマト達にぶつけて転倒させる。

 

アニマルジャマト達が起き上がろうとしている隙に、道長は懐から取り出したゾンビバックルを、自身のデザイアドライバーに装填。

 

左手で右腕を払い、親指と小指を立てた左手で自身の胸をなぞった後、開いた左手を掲げてみせた。

 

≪SET≫

 

「変身!」

 

≪GRAB!≫

 

≪CLASHOUT!≫

 

≪ZOMBIE≫

 

≪READY FIGHT≫

 

ゾンビバックルから噴出された毒液に、アニマルジャマト達が慌てて後退する。

 

毒液の中から生成された装甲を上半身に纏い、道長はバッファローのような紫色の戦士―――“仮面ライダーバッファ・ゾンビフォーム”への変身を完了。

 

左手のバーサークローをゆっくり下ろし、右手に出現したゾンビブレイカーを肩に置いたバッファは、既に及び腰になっているアニマルジャマト達を狩るべく歩き出す。

 

「どんなゲームだろうが関係ない……俺はギーツに勝つ……!!」

 

≪POISON CHARGE≫

 

バッファは右足でゾンビブレイカーのポンプを蹴りつけ、強引にスライドさせてポイズンチャージを発動。

 

ゾンビブレイカーの鎖鋸を高速回転させ、アニマルジャマト達を次々と斬り伏せていく。

 

≪TACTICAL BREAK≫

 

「うらぁっ!!!」

 

「「「ジャーーーッ!?」」」

 

頑丈な檻すらも纏めて両断する、ゾンビブレイカーの強力な斬撃。

 

斬り伏せられたアニマルジャマト達は一斉に爆散し、斜めに斬られた檻もその場で崩れ落ちていく。

 

 

「へぇ、これまた随分野性的だな」

 

動物園跡地、鳥籠エリア。

 

かつては様々な鳥が展示されていたこのエリアで、英寿は相変わらず自信に満ち溢れた笑顔を浮かべてみせていた。

 

アニマルジャマト達がジリジリと距離を詰めようとしているのに対し、英寿は右手でポンポンと宙に放っていた、短剣が象られた紫色の小型バックルをキャッチすると、それをデザイアドライバーに装填した。

 

≪SET≫

 

「変身」

 

≪ARMED DAGGER≫

 

いつものようにフィンガースナップを決めた英寿は、紫色の小型バックル―――“ダガーレイズバックル”に象られた短剣の柄部分を押し込むと、彼の上半身に紫色の簡素な装甲が纏われる。

 

“仮面ライダーギーツ・アームドダガー”に変身した彼は、右手に出現した紫色の短剣状の武器―――“レイズダガー”を順手で構え、アニマルジャマト達を正面から迎え撃つ。

 

≪READY FIGHT≫

 

「さぁ、存分に楽しもう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、ゲームは始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




仮面ライダーギーツ!

???「せっかく手に入れたバックルだ。捨てるにはもったいないと思ってさ」

???「あーし、結構やるっしょ?」

???「いつだって必ず、命を救える訳じゃない……」

道長「そんな弱いバックルで何ができる?」

英寿「どんなバックルも、使い方次第で変わるのさ……!」
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