仮面ライダーギーツエクストラ 追憶:知られざるゲーム   作:ロンギヌス

36 / 36
どうも皆さん、ロンギヌスです。

気付いたら1年以上も更新が止まってしまってました。大変申し訳ありません。

今も忙しい日々は続いていますが、執筆はチマチマと続けております。どうか暖かい目で見守って頂けると幸いです。

それでは、超久々の最新話をどうぞ。



第34話︰猛獣狩り!

「皆さん、お疲れ様でした」

 

デザイア神殿のサロン。

 

ジャマーエリアに出没していたアニマルジャマト達が姿を消したため、デザイアグランプリ1回戦【狩猟ゲーム】の第1ウェーブが終了。

 

この時点で生き残っているプレイヤー達はサロンに集まり、ツムリはサロンで休んでいるプレイヤー達に労いの言葉をかけた。

 

「次にアニマルジャマトが現れるまで、しばらく時間が空く事になりそうです。その間、一時的に帰宅するも良し、サロンに留まるも良し、皆さんのご自由にお過ごし下さい。ただし、デザイアグランプリに関する情報は、外部には決して漏らさないように。違反者は即脱落となりますので、ご注意を」

 

そう言って、ツムリはサロンを退室していく。

 

生き残ったプレイヤーの内、何人かは同じようにサロンを退室し、何人かはサロンに留まり身体を休め始める。

 

英寿はと言うと、カウンター席でスパイダーフォンの画面に表示されているスコア表を眺めながら、ギロリに作って貰ったカレーの味をじっくり堪能していた。

 

「随分余裕そうだな、ギーツ」

 

「!」

 

そこに声をかけてきたのは、仮面ライダーバッファの変身者である道長。

 

英寿の隣の席に座り込んだ彼は、英寿を挑発するかのような物言いで語りかける。

 

「誰かと思えばバッファか。元気にしてたか?」

 

「ふん……それより、お前が今回手に入れたバックルは何だ」

 

「俺か? 俺は短剣だ」

 

英寿はポケットからダガーバックルを取り出し、道長に見せつける。

 

それを見た道長は勝ち誇ったかのように笑みを浮かべた。

 

「それだけか? なら、今回の勝負は貰ったな」

 

「気の早い奴だな。そういうお前は?」

 

「俺はコイツだ。今回もな」

 

道長は懐からゾンビバックルを取り出し、英寿に見せつける。

 

片や大型バックル、片や小型バックル。

 

どちらのバックルが強力なのかは目に見えていた。

 

「まだ1回戦だぞ。勝ったと思うには早過ぎるんじゃないか?」

 

「強がるなよ。そんな弱いバックルで何ができる?」

 

「やってみなきゃ分からないのがデザイアグランプリだ。お前こそ、強いバックルを手に入れたくらいで勝ち誇ってたら、いざって時に足を掬われるぞ」

 

「何だと……?」

 

道長の挑発にも乗らず、逆に挑発染みた物言いで返す英寿。

 

それを聞いて、勝ち誇っていた道長の表情から笑みが消え、苛立ったような表情で英寿を睨みつける。

 

「相変わらず口の達者な奴だ」

 

「口だけかどうか、試してやろうか?」

 

一触即発の空気になる2人。

 

しかし、2人がここで争う事はない。

 

「ゴホンッ」

 

会話の一部始終を聞いていたギロリが、2人の前でわざとらしく咳払いをしたからだ。

 

「それ以上の勝手は許さない」と言わんばかりの目をしたギロリに睨まれている以上、英寿も道長も、その場は大人しく引き下がる他なかった。

 

「……やめとこう。せっかくの美味い飯が冷める」

 

「そうやってチャンピオン気取りでいられるのも今の内だ。覚えてろギーツ。俺は必ず、お前に勝ってみせる」

 

そう言って、ゾンビバックルを懐に収めた道長は席から立ち上がり、サロンを退室していく。

 

その後ろ姿を見届けた英寿が「相変わらず血の気が多いなぁ」と思いながらも、食事を再開したその一方。

 

向かい合ったソファの方では、数人のプレイヤー達が休憩していた。

 

その内、茶髪の青年はテーブルの上に小型バックルを複数並べていっており、隣に座っている金髪の女性と、向かいのソファに座っている髭の男性の2人はそれを見て驚いていた。

 

「ヤバっ、めっちゃ集めてんじゃん!」

 

「こんなにたくさん、一体どこで?」

 

「他のプレイヤーが使っていた物なのかな、そこら中に落ちてたからね。せっかく手に入れたバックルだ。捨てるにはもったいないと思ってさ」

 

「いやいや、あの怪物だらけな状況でこんないっぱい集めたの凄くない? やるじゃんお兄さん! 名前何て言うの?」

 

「僕? 僕は神宮司蓮人。よろしくね」

 

「蓮人……じゃあレンレンだ! あーしは海山美月、よろしくレンレン!」

 

「レ、レンレン? ……まぁ良いか」

 

「俺は豪徳寺武。普段は消防士として活動している。よろしく」

 

「おぉ、消防士!? かっこいいじゃん、よろしくタケっち!」

 

「タ、タケっち……?」

 

金髪の女性―――“海山(うみやま)美月(みづき)”からそれぞれ独特なニックネームで呼ばれた茶髪の青年―――“神宮司(じんぐうじ)蓮人(れんと)”と、髭の男性―――“豪徳寺(ごうとくじ)(たけし)”の2人は困惑しつつも、両者共に「まぁ良いか」と思い、ニックネームについては敢えて追及はしなかった。

 

「それにしても、君達もなかなかやるもんだね。初めて参加したプレイヤーは大抵、ジャマトに襲われたら逃げ惑うばかりなのに」

 

「ふふん、あーしも結構やるっしょ? こんな良いもん手に入れちゃったからねぇ~」

 

「まぁ僕も見ての通り、たくさんバックルを拾えたので」

 

「なるほど。俺は今のところ、コイツだけだからなぁ」

 

武の言葉に、美月は懐から取り出したマグナムバックルを見せながら誇らしげに笑い、蓮人はテーブルに並べた複数の小型バックルを指し示す。

 

それに対し武が所持しているのは、一番最初のバックル配布で入手したアローバックルのみだった。

 

「でもさ、それだけで他のプレイヤーを助けて回ってたタケっちもカッコ良いじゃん。やっぱ普段から人助けしまくってる人は違うね!」

 

「いやいや、その言い方だと普段から火事が起きまくってる事になるぞ。それに……消防士だからって、そんなカッコ良いもんでもないぞ」

 

「え、何で? 人助けしてるんだし立派な仕事じゃない?」

 

「だが、いつだって必ず、命を救える訳じゃない……俺が助けるより前に、目の前で命を落とした人……命が助かっても、心身共に消えない傷を抱え続ける羽目になった人……色んな人がいたよ」

 

武の脳裏に浮かぶ、過去に体験した出来事。

 

ボロボロに傷付いた状態で、今にも死にそうになっている少女達。

 

火事から助かった後も、一生消えない傷を抱え続ける事になった少年。

 

それらを思い出して苦い表情を浮かべる武に、美月と蓮人はどう声をかけたら良いか分からず、ただ黙り込んでしまう。

 

特に蓮人は、美月以上に暗い表情を浮かべていた。

 

「……と、すまない。少し余計な事まで話し過ぎたな」

 

「あ、いえ。お気になさらず」

 

「えーっと……じ、じゃあとりあえず、話題変えよっか! レンレンとタケっちはさ、何か趣味とかある? あーしはさ―――」

 

武がバツが悪そうに謝った後、少しでも場の空気を和ませるため、美月が別の話題に切り替える。

 

そんな3人の会話を、離れた位置でこっそり聞いている人物がいた。

 

(なるほど……参加者にも色々いるんだな)

 

それは栗山理祈だった。

 

フリーライターとして活動していた彼もまた、ツムリからデザイアドライバーとIDコアを受け取り、デザイアグランプリにエントリーしていたのである。

 

彼が参加を決意した理由はただ1つ。

 

「待ってろ……必ず、俺が見つけ出してやるからな」

 

行方不明となっている、ある少女(・・・・)を見つけ出す事。

 

そのためなら、ジャマトのような怪物相手に怯える暇はない。

 

理祈は強い決意と共に、自身が一番最初に手に入れたバックルであるシールドバックルを、右手で強く握り締める。

 

そんな中、廊下に続く出入口の物陰では……。

 

「ふふっ……また、()に会えた……!」

 

1人の女性プレイヤーが怪しげに微笑みながら、ある人物の姿を愛おしそうに見据えていた。

 

 

それから数日後。

 

『再びアニマルジャマトが現れました! 中には強力なアニマルジャマトも紛れており、そのジャマトを倒せば高いスコアを獲得できます! それではプレイヤーの皆さん、ご武運を!』

 

「「「「「ジャ~ッ……!!」」」」」

 

ツムリのアナウンスと共に、再びジャマーエリア内の荒廃した動物園まで移動したプレイヤー達。

 

一同の前には、様々な種類の動物の姿をしたアニマルジャマト達が出現し、プレイヤー達を威嚇していた。

 

「へぇ、猛獣がいっぱいだな」

 

「リタイアするなら今がチャンスだぞ、ギーツ」

 

「どうかな? 俺を舐めて貰っちゃ困るぞ?」

 

「チッ……口の減らない奴だ」

 

≪≪SET≫≫

 

挑発にも乗らず余裕そうな態度の英寿に、それが気に入らず舌打ちする道長。

 

2人はそれぞれダガーバックルとゾンビバックルを取り出し、デザイアドライバーに装填する。

 

「「変身!」」

 

≪ARMED DAGGER≫

 

≪ZOMBIE≫

 

≪≪READY FIGHT≫≫

 

英寿はギーツ・アームドダガーに、道長はバッファ・ゾンビフォームに変身し、アニマルジャマト達に向かって突撃していく。

 

そこから少し離れた場所では、同じく駆けつけた武、蓮人、美月の3人も変身しようとしていた。

 

「2人共、危ないと思ったら無理せず下がるんだぞ……変身!」

 

≪SET≫

 

≪ARMED ARROW≫

 

≪READY FIGHT≫

 

武はアローバックルをドライバーに装填し、シロー・アームドアローに変身。

 

手元に出現したレイズアローを構え、アニマルジャマト達を離れた場所から狙撃していく。

 

「いえ、僕達も戦います……!」

 

「そうそう、あーしを舐めて貰っちゃ困るし!」

 

≪≪SET≫≫

 

蓮人はクローバックルを、美月はマグナムバックルをそれぞれドライバーに装填。

 

左手を顔の前に持って行った蓮人が左腕を高く上げた後、左手を前に突き出して拳を握り締めたポーズを決めるその横で。

 

美月は自身の胸元をなぞるように右から左へ左手をスライドさせ、手首を翻して左手の手のひらを見せつけるポーズを決める。

 

「「変身!」」

 

≪ARMED CLLAW≫

 

≪MAGNUM≫

 

電子音と共に、蓮人は灰色に黒い斑模様が付いたハイエナのような戦士―――“仮面ライダーイエナ・アームドクロー”に変身し、その両手にはレイズクローを装備。

 

その横で、美月は黄土色のヤモリを模した戦士―――“仮面ライダーゲッコー・マグナムフォーム”に変身し、その右手にはマグナムシューター40Xが装備される。

 

「ほんじゃ、あーしマジでやってやるし!」

 

「うん、僕が援護するから」

 

ゲッコーはマグナムシューター40Xを両手で構え、離れた場所からアニマルジャマト達を狙撃。

 

銃撃で怯んだアニマルジャマトは、素早く接近して来たイエナにレイズクローですれ違い様に切り裂かれ、爆散していく。

 

 

「さて、俺も動かなきゃな……!」

 

「ジャッ!?」

 

場所は変わり、園内の鳥類エリア。

 

巨大なバードケージの中で、理祈は襲いかかって来た鳥のアニマルジャマトの攻撃をかわして逆に殴り倒した後、シールドバックルを構えて変身体勢に入っていた。

 

≪SET≫

 

「変身!」

 

≪ARMED SHIELD≫

 

≪READY FIGHT≫

 

シュートボクシングのような構えを取り、右手のジャブから左手のフックを繰り出すポーズを決めた理祈は素早くバックルを操作し、茶色のリスを模した戦士―――“仮面ライダースクアス・アームドシールド”の姿へと変身。

 

右手に出現したレイズシールドでアニマルジャマトの攻撃を防いだ後、右足でアニマルジャマトの足を蹴りつけて体勢を崩し、アニマルジャマトの顔面をレイズシールドで殴りつける。

 

「ジャッ!!」

 

「なっ、飛ぶ事もできるのか……くっ!?」

 

しかし、アニマルジャマト達もやられてばかりではない。

 

飛行能力を持つ鳥のアニマルジャマトが飛翔し、自在に飛び回りながらスクアスを攻撃し始める。

 

負けじと反撃を仕掛けるスクアスだが、彼が攻撃を当てる前にアニマルジャマトが空中に飛び上がってしまうため、思うように反撃できない。

 

「クソ、どうすれば……!?」

 

スクアスが逆転する方法を必死に考えて居た……その時。

 

ボォウッ!!

 

「ジャジャーッ!?」

 

「……!?」

 

スクアスに襲いかかろうとした鳥のアニマルジャマトが、別方向から噴射されて来た炎に焼かれ、地面に落下してのたうち回り始めた。

 

驚いたスクアスが振り向いた先に立っていたのは、白い頭部に赤い鶏冠が特徴的な鶏のような戦士。

 

その胸部は赤い装甲を纏い、両手には火炎放射器のような武器が構えられていた。

 

「邪魔よ、おじさん」

 

「お、お前は……ッ」

 

「ジャッ……ジャーーーッ!?」

 

「アハハハハ! 最高、よく燃えるわ……!」

 

女性の声を発した鶏のような戦士―――“仮面ライダーチキ・アームドファイヤー”は両手で構えた火炎放射器型の武器―――“レイズファイヤー”から灼熱の炎を噴射し、他のアニマルジャマト達も同じように燃やし始める。

 

炎が燃え移ったアニマルジャマト達が苦しむ中、それを見て楽しそうに笑ったチキは銃火器を象った赤い小型バックル―――“ファイヤーレイズバックル”を操作し、必殺技を発動する。

 

≪FIRE STRIKE≫

 

「燃え尽きちゃえ……ハァッ!!」

 

「「「「「ジャーーーッ!!?」」」」」

 

レイズファイヤーを構え直したチキは、レイズファイヤーの銃口から巨大な火球を発射し、それがアニマルジャマト達に命中。

 

大爆発を起こした後、レイズファイヤー本体に表示されている緑色のゲージが減っていき、やがて黒一色になった。

 

「あら、燃料切れ? つまんないの」

 

チキはつまらなそうにレイズファイヤーを放り捨てた後、スクアスには目も暮れる事なくその場を後にしていく。

 

その様子を見ていたスクアスは、去り行くチキの背中を見て戦慄していた。

 

アニマルジャマト達を楽しそうに燃やすチキの残虐性を、彼は一目で見抜いたのである。

 

「あの女、かなりヤバそうだな……」

 

 

その後もアニマルジャマトの群れとの戦いが続くライダー達。

 

そんな中、一部のライダー達にピンチが訪れた。

 

「うわぁ!?」

 

「レンレン!?」

 

「おい、大丈夫か!?」

 

アニマルジャマト達を狙撃していたゲッコーのすぐ傍に、大きく吹き飛ばされたイエナが地面を転がる。

 

何事かと振り向いたゲッコーとシローが駆け寄ると、イエナは痛む胸部を手で押さえながら、ある方向を見据えた。

 

「気を付けて下さい……あのジャマト、かなり強いです……!!」

 

「グルルルルル……!!」

 

イエナが見据えた先にいたのは、ライオンの鬣と毛皮を纏ったアニマルジャマト。

 

“獅子アニマルジャマト”は両手の鋭い爪を研ぎながら、イエナ達を見て低い唸り声を上げていた。

 

「何あれ、ライオン!?」

 

「百獣の王が相手か……気を付けろ!!」

 

「グルルル……ジャーッ!!」

 

「早い……ぐっ!?」

 

「きゃあっ!?」

 

獅子アニマルジャマトは素早く駆け出し、攻撃しようとしたシローとゲッコーを爪で斬りつけていく。

 

シローはレイズアローのおかげで辛うじて軽傷で済んだが、ゲッコーは防御が間に合わずまともに攻撃を受けてしまい、その場に転倒してしまう。

 

そこにギーツとバッファも駆けつける。

 

「ツムリの説明にあった強力なジャマトってのはアイツか」

 

「ちょうど良い、アイツを倒せば一気に大量のスコアをゲットできる……!!」

 

ギーツよりも先に動いたバッファはゾンビブレイカーを構え、獅子アニマルジャマトに向かって攻撃を仕掛ける。

 

しかし、バッファの接近に気付いた獅子アニマルジャマトは即座に跳躍し、バッファの背後に回り込む。

 

「ジャーッ!!」

 

「何……ぐっ!?」

 

獅子アニマルジャマトに背中を斬りつけられ、バッファはダメージを受けながらもすぐに振り返ってゾンビブレイカーを振るう。

 

それすらも回避した獅子アニマルジャマトはバッファを蹴りつけ、倒れたバッファに爪を突き立てようとする……が。

 

「はっ!!」

 

「ジャッ!?」

 

その獅子アニマルジャマトを、横から力強く蹴りつけたギーツ。

 

獅子アニマルジャマトが地面を転がる中、レイズダガーを逆手持ちで構えたギーツは素早く駆け出す。

 

「俺が相手してやるよ」

 

「グルルルル……ジャジャーッ!!」

 

怒り狂った獅子アニマルジャマトが跳びかかり、ギーツ目掛けて爪を振り下ろす。

 

ギーツは慌てる事なく直前で急ブレーキをかけると、振り下ろされて来た爪をスレスレで回避し、レイズダガーで獅子アニマルジャマトの顔面を斬りつける。

 

それも大してダメージは入っていないのか、獅子アニマルジャマトの猛攻は続き、ギーツはそれをレイズダガーで的確に捌いていく。

 

「何のつもりだギーツ、そんなバックルで勝てると思ってるのか!?」

 

「まぁ見てろ……ほっ!!」

 

長い爪を武器とする獅子アニマルジャマトに対し、ただでさえ攻撃力が低い上にリーチも短いレイズダガーで戦うなど、本来なら自殺行為も良いところである。

 

そんな武器で何故果敢に挑みに行けるのか理解できないバッファに対し、ギーツは今なお余裕そうな態度を崩さず、獅子アニマルジャマトの突き立てて来た爪をかわして回し蹴りを放つ。

 

蹴られた獅子アニマルジャマトは地面に倒れ込むも、前転してすぐに体勢を立て直し、ギーツが振るって来たレイズダガーを宙に高く弾き上げる。

 

「あ、武器が……!?」

 

「ちょ、ヤバいじゃんあの人!?」

 

武器を失い丸腰になったギーツを見て、これから起こるであろう最悪の事態が思い浮かんで彼を心配するイエナとゲッコー。

 

しかし、それでもギーツは決して慌てなかった。

 

≪DAGGER STRIKE≫

 

ドライバーに装填されているダガーバックルを操作し、必殺技を発動するギーツ。

 

彼は獅子アニマルジャマトが振るって来る爪を連続でかわした後、その場で後ろ回し蹴りを繰り出し……ちょうどそのタイミングで落ちて来たレイズダガーの柄を、勢い良く蹴りつけて押し込んだ。

 

「はぁっ!!!」

 

ズドォンッ!!

 

「ジャ……ァ……ッ!?」

 

獅子アニマルジャマトの胸部に、深々と突き刺さるレイズダガー。

 

レイズダガーの柄を掴んだギーツが力強く引き抜き、緑色の血飛沫が舞う中。

 

獅子アニマルジャマトはその場に大の字で倒れ込み、大爆発を引き起こす。

 

その光景に、バッファは驚きを隠せなかった。

 

「なっ……倒しただと……!?」

 

「言ったろ? やってみなきゃ分からないって。どんなバックルも、使い方次第で変わるのさ……!」

 

「くっ……!!」

 

≪SECRET MISSION CLEAR≫

 

「ん?」

 

ギーツの言葉にバッファが悔しげに地面を叩いたその時、聞こえて来たアナウンス。

 

【ライオンのアニマルジャマトを倒す】というシークレットミッションがクリアされた事で、白いミッションボックスがギーツの足元に現れ、それを拾い上げたギーツはその蓋を開いて中に入っていたレイズバックルを確認する。

 

「へぇ、コイツが来たか」

 

≪REVOLVE ON≫

 

≪SET≫

 

≪SHAAAAAA!≫

 

空になったミッションボックスを捨てた後、自身のデザイアドライバーを回転させたギーツ。

 

彼はすぐさま、取り出したばかりのレイズバックルを右側に装填した。

 

≪DUAL ON≫

 

≪SHARK & DAGGER≫

 

≪READY FIGHT≫

 

「ここからが、ハイライトだ……!」

 

「ジャジャッ!?」

 

新たに入手したレイズバックル―――シャークバックルを装填した事で、“シャークアームドダガー”に変身したギーツは、手元に出現したシャークワイルダーで虎のアニマルジャマトを薙ぎ払い、跳びかかって来た熊のアニマルジャマトを地面に叩き伏せる。

 

更には、左手のリールから射出したワイヤーで猪のアニマルジャマトを捕縛し、それを力ずくで引き寄せてからシャークワイルダーで一突きにして吹き飛ばした後、シャークワイルダーに付いているリールを回転させる。

 

≪SPLASH≫

 

≪TACTICAL FANG≫

 

「はっ!!」

 

「「「ジャーッ!?」」」

 

穂先に水流が纏われたシャークワイルダーを、ギーツがアニマルジャマト達に向けて勢い良く投擲。

 

刺し貫かれたアニマルジャマト達が次々と爆散する中、着地したギーツは再びドライバーを回転させる。

 

≪REVOLVE ON≫

 

上下の装甲が入れ替わり、“アームドダガーシャーク”の姿になったギーツは、ドライバーに装填されているバックルをそれぞれ操作し、再度必殺技を発動。

 

その場で回し蹴りを繰り出して発生させた水流を、順手に持ったレイズダガーの刃先に纏わせる。

 

≪DAGGER SHARK VICTORY≫

 

「はぁっ!!!」

 

「「「「「ジャジャジャーーーッ!!?」」」」」

 

「「うわぁ!?」」

 

振るわれたレイズダガーから放たれる水の斬撃。

 

それは攻撃の軌道上に立っていたアニマルジャマト達を残らず両断し、アニマルジャマト達を爆散させていく。

 

爆風に驚いたイエナとゲッコーが尻餅をつく中、アニマルジャマト達を一掃したギーツはレイズダガーを左手に持ち替え、右手の指先で狐の頭を作りながら言い放った。

 

「楽しんでくれたか? 俺のサプライズムーブを」

 

『ミッション、コンプリートです!』

 

その後、エリア内に鳴り響くツムリのアナウンス。

 

アニマルジャマトが全滅した事により、第1回戦は終了となり、次の第2回戦に進出するプレイヤーが決定したのだった。

 

 

「皆さん、お疲れ様でした」

 

デザイア神殿にて、ツムリの元に集まったプレイヤー達。

 

最初は33人もいたはずが、気付けばたったの7人にまで、その人数が減ってしまっていた。

 

「今ここに集まっている皆さんは、2回戦進出となります」

 

「ふぅ、何とか生き残れた」

 

「あぁ~マジ疲れたしぃ~……」

 

「2人共、本当にご苦労さん」

 

蓮人は安堵した様子で一息つき、美月は疲れ切った様子でその場に座り込む。

 

武が2人に労いの言葉をかけるその一方、相変わらず笑みを浮かべている英寿に対しては、道長が横目で鋭く睨みつけていた。

 

「再びジャマトが現れ次第、デザイアグランプリを再開します。それでは皆さん、それまでごきげんよう♪」

 

そう告げて立ち去って行くツムリ。

 

すると、理祈の隣に立っていた長い黒髪の女性が移動し、英寿のすぐ隣にまで近付いて来た。

 

「ヤッホー、久しぶりね英寿」

 

「お前も参加していたとはな。チキ」

 

「へぇ、私を覚えてくれてたんだ。嬉しい」

 

英寿にチキと呼ばれた黒髪の女性―――“花宮(はなみや)祭里(さいり)”は、にこやかな笑顔を浮かべながら英寿の右腕に両手を回し、強く抱き着いた。

 

それを見た道長は目を見開き、英寿に問いかける。

 

「ギーツ、誰だその女は?」

 

「コイツはチキ。俺やお前のように、過去のデザグラで最終戦まで残った事がある奴だ」

 

「その通り。私は花宮祭里……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いずれ、英寿のお嫁さんになる女よ。よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

祭里の発言に、思わず目が点となる道長。

 

近くで話を聞いていた蓮人と美月、武すらも同じような反応を示す中、英寿は「やれやれ」と言った様子で視線を逸らし、一部始終を離れた場所で見ていた理祈は乾いた笑みを浮かべた。

 

「何だ……俺は今、何を見せられてるんだ……?」

 

理祈の疑問に答えられる者は、この場に誰もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




仮面ライダーギーツ!

修平「毎回キッツい仕事だな……ッ!」

ウィン「それでも俺達はやるしかねぇのさ」

祭里「今度こそ、英寿は私の物になるの……♪」

英寿「俺は俺のために戦うだけさ」

???「計画は順調だ……!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。